80スレ/まどほむ演劇~触れそうで触れられない編~

Last-modified: 2014-06-11 (水) 23:37:50
534 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/11/25(月) 21:47:50.43 ID:PMxbA22B0
まどほむ書きました タイトルに演劇って入ってますけどそれっぽい描写はないです
奥手な2人を閉じ込めていちゃいちゃさせようとしたら予想外の長さになりましたが
まどほむしていただけたら幸いです

http://ux.getuploader.com/homumado/download/394/%E3%81%BE%E3%81%A9%E3%81%BB%E3%82%80%E6%BC%94%E5%8A%87%EF%BD%9E%E8%A7%A6%E3%82%8C%E3%81%9D%E3%81%86
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http://hello.2ch.net/test/read.cgi/anichara2/1385164632/534

txtファイルはこちら

ネタ元
【まどか☆マギカ】ほむら×まどかスレ79【ほむまどほむ】
724 :名無しさん@お腹いっぱい。:2013/11/21(木) 20:41:20.73 ID:fyGc5PQ90
ほむらちゃんってピアノ弾けたのね
ttp://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4677994.jpg

  80_534.jpg

↑
このシーンまで行けなかった…続き書きたいです
基本まどっち視点です 長いので演劇部部室のとこまで飛ばしたほうがいいかも…
拙文の上に長文ですがまどほむしていただければ幸いです



文化祭前の慌しい準備期間、その初日の月曜日の放課後に
早乙女先生に呼ばれた私達はとんでもないことを聞かされた

先日演劇部が遠征先の宿泊施設で集団食中毒に巻き込まれてしまったというのだ
本来なら今日帰ってくる予定だった演劇部は現地の病院で療養するらしい
同じクラスの子も所属しているし心配だ

が、なんとこの学校の文化祭の演劇は保護者や来校者にも評判がよく
教頭先生の友人のやまぶき高校の校長先生と美術科の先生も来る予定で
学校としてはなんとか演劇を公演したいとのこと
そうして急遽、演劇の監督者代理に私達の担任の早乙女先生が任命された
先生が指定した題材は「ロミオとジュリエット」
公演まで時間がないため大幅に簡略化され、先生流の大胆なアレンジが加えられた
そして、今から練習できる子を中心に構成し、体調が回復した演劇部員を順次参加させ演技指導を依頼するプランが採択された

先生はさっそく手当たり次第に声を掛けたが、ほとんどの生徒は持ち場を離れられないか
そもそも文化祭に対してやる気がない、人前に出るなんてもってのほかの2択
協力を申し出てくれた子も端役や裏方の条件付き 肝心のロミオとジュリエットが見つからない

そんな時に声を掛けられたのが私とほむらちゃんだった
私は内心嬉しかった 先生は私達をそういう目で見ていなくても
ほむらちゃんとロミオとジュリエットだなんて…
しかも、ロミオ役の子とジュリエット役の子は期間中練習に専念できるよう取り計らってくれるらしい
ほむらちゃんと2人の時間が増える 私の胸の鼓動は演技に対する緊張を超えて高まっていた

しかしほむらちゃんはその誘いを丁重に断った
自分は感情の起伏が少なく演劇の経験もない そして鹿目さんに迷惑を掛けたくないと
私は「迷惑じゃない、嬉しいよ」と口走ってしまった それがまずかった

早乙女先生は目を輝かせながら私とほむらちゃんに互いの手を握らせ主役を了承させたのだ
やれ一緒に青春の汗をかきましょうだのきっと良い思い出になるわだの
もうこうなってしまったらどうにも止まらない

ほむらちゃんは呆気にとられながらも、どこか上の空だった
やっぱり嬉しくないのかな やりたくないのかな

もしかしたら他の子とやりたいのかな 

マミさんなんてすごく綺麗でスタイルもいいし
きっと演技のときも輝いてるよね 気遣いだって出来るし雰囲気作りも上手そう
2人で抱き合うシーンやキスするシーンがあれば、2人とも演技を忘れて真剣になりそうでこわいな…
劇が終わる頃には本当に・・・って何考えてるんだろ…

それとも杏子ちゃんかな わたしみたいにおどおどしてなくて、いつも不敵な笑顔でサバサバしてる 
ほむらちゃんもきっと杏子ちゃんのほうがやりやすいよね お互い遠慮せずに意見が言える関係性っていいなぁ 
杏子ちゃん女の子からの人気も高いし、私も見てみたいな
?でも待って…ほむらちゃんと杏子ちゃんならどちらがロミオをやるの?

そんな時、明るい声が私達を振り向かせた

「あれ、ほむらにまどか 先生と何してるの?」
「さやかちゃん、演劇部のことは聞いた?」
「あ~人づてに聞いたわ 災難だったね…なんでも今空いてる子で演劇やるんだって?」
「うん、早乙女先生が監督なんだよ ロミオとジュリエットをアレンジして公演するんだって」
「へぇ~ そういえば先生昔ジュリエットやったことあるんだよね で、配役どうすんの?主役は?
 あ、まさかほむらがロミオでまどかがジュリエットとか!」
「・・・」
「あ、あれ?もしかして当たり?」
「今の所は鹿目さんと暁美さんにやってもらおうと思っています
 そうだ 美樹さんも主役オーディションに参加してみない?いい線いくわよ~」
「へ? あー、いや私は結構ですよ 男装の麗人ってガラでもないしヒロインとか超似合わないし」
「そんなことないよ わたしさやかちゃんの男装もドレス姿も見てみたいな」
「まどかー、あんたはほんとにいい子だね~」わしわし
「さやかちゃんってば あ、そうだ杏子ちゃんやマミさんは?」
「んー?杏子はマミさんのクラスの喫茶『お菓子の家』の飾りつけ手伝ってるよ
 マミさんったら余程嬉しいのかすごい頑張っちゃってさー
 杏子も上級生の子たちに気に入られてるみたい」
「さやかちゃんってば色んな所お手伝いして回ってるから
 杏子ちゃん寂しそうだったよ 後で見に行ってあげてね」
「あいつが?可愛いとこあるじゃん よーしわかった後で見に行ってやるか」
「美樹さんちょっといいかしら」
「? 別にいいけど」
「相談があるの」


「私が!?ほむらあんた何言ってんの!?」
「あなたが適任よ、美樹さやかさん」
「いやそこフルネームで呼ばなくていいし」
「さ…さやかちゃんが、適任だと、思うわ」
「無理しなくていいから・・・ていうかほむら、あんたやりたくないの?」
「あなたのほうが向いてるって言いたいだけよ」
「どっちに?」
「ロミオよ まどかはジュリエット、これは確定事項」
「まあ、あたしはジュリエットって柄じゃないわな…」
「あなたのショートヘアの清潔感と、あなた自身が持つ快活さと繊細さが求められているのよ 
 私みたいに髪が長くて、暗くて鈍感で内向的な人間には到底無理ね
 それに・・・あなたのほうが、まどかと気心が知れていると思うし」
「ほむらちゃん…」
「あんたねぇ・・・自分を過小評価する癖、やめたほうがいいよ
 良いとこいっぱいあるんだから、出してけ出してけ 良い機会だよ
 ね、まどか?」
「あの…」
「どうしたの?まどか?」
「さやかちゃんがロミオで、ほむらちゃんがジュリエットやればいいんじゃないかな?
 2人ともすごく綺麗だしきっと絵になるよ」


「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
(あ、あれ?)
「・・・・・・・・」
「・・・・・・・・」
(なんか変な空気になっちゃった どうしよう…)
「ほむら、こっち向きなよ」
「・・・」
「恥ずかしがらないの、先が思いやられるよ」
「そう、ね…」
(本当に変な雰囲気になっちゃった どうしよう…)
「…美樹さん、やっぱり私には無理みたい まどかに演じさせてあげて」
「えっ、ほむらちゃん…」
「ちがっ、そういうことじゃなくて…私は…」

「・・・あー、ごめんね2人とも やっぱり他にも手伝いたい所あるし
 男装した上にドレスのほむらと一緒にやったら比べられちゃうじゃん、困るわ~
 楽しそうだけど遠慮させてもらうよ それにさ、あたし、自分が芸術的なことやるより
 他の人がやるのを見守るほうが好きなんだよね 性に合ってるっていうかさ その姿が好きなんだわ」
(さやかちゃん・・・)
「…ごめんなさい やっぱり私がやらせてもらうわ 最善を尽くすつもりよ」
「あーいいって 気にしないでよ その意気その意気 杏子やマミさんにも話しておくから
 まどかもほむらも頑張ってね それじゃ、あたしちょっと手伝ってくるから」
「うん、わたし頑張るよ」
「ありがとう、美樹さん」

「あ、そうだほむら」ぎゅっ
(さやかちゃん!?)
「美樹さん…っ、どうしたの…」
「あんたこれはチャンスだよ こうやって2人で抱き合ってその、まぁなんだ…
 キスとかこうチュってチュって \\(*´3`*)//」
「美樹さんやめて!あっ、嫌とかではないのだけど、ふざけないで…っ、近いわ!」
(ああっ…さやかちゃん女の子どうしにしても近いよ…さやかちゃんの口が
 ほむらちゃんの耳にキスしそうだよ…)

「まどかのこと、よろしくね」
「!」
「まどかは大切な友達だし、今じゃあんたもその一員だと思ってる
 けどさ、まどかもあんたもお互い相手を傷つけたくないとか、関係が壊れるのが怖いとか
 相手を想うからこそ踏み込めなかったり頑固なとこがある」
「わたしはっ…」
「もうね、そういうので誰かが傷つくのは見たくないんだ
 そんなのはね、あたしと、昔の戦ってきたあんただけで充分なの」
「・・・」
「良い機会だよ 変わろう?」
「・・・」
「まどかを想う、自分の本当の気持ちに向き合える?」

「向き合うわ」

「それが聞きたかったんだ まどかのこと、大切にしてあげてね
 泣かせたら許さないから」

「さやかちゃん、あの…」
「ぷはーっ!いや~まどかに抱きつくのもいいけどほむらもいいもんですな~
 やっぱりかぐわしい女子はくぅ~、たまらん!
 まどか、淋しかったらさやかちゃんに抱きつきにきてもいいのだよ?
 ほむらも困ったらいつでも呼んで さやかちゃんがババーっと解決しちゃいますからね!」


「・・・・・・・」
「行っちゃったね… ほむらちゃん…あの…何を話してたの…」
「・・・///」
「その、内緒にしたいこと?」

「まどかのこと、任されてしまったわ」

「へ?えっ、えーと… さやかちゃんってば///」
「まどか」
「は、はい!」
「私のジュリエットになってくれる?」
「それって…///」
「一緒にロミオとジュリエット、やりましょう」
「あ…うん、頑張ろうね!ほむらちゃん 先生の所に行こう!」
(そっか、そうだよね…)


「鹿目さん暁美さんごめんなさい!こっちも色々と忙しくて!
 見てあげたいのはやまやまなんだけど…
 とりあえず台本を渡すから2人で練習していてちょうだい
 声かけた子も4日前から居残り練習、3日前にはフルタイムで練習に参加できるようにします
 舞台の照明の設置は最低2日前に行う予定よ
 衣装に関しては演劇部が去年新調したものがあったからとりあえず着て見せて
 寸法が合わなければ直しておくわ」
「「は、はい…」」
「ふぅ… ごめんね駄目な先生で これでも色々やることがあるのよ・・・」
「そんなことないです 早乙女先生はいつも優しくて真剣で、親身になって接してくれます」
「私もそう思います くれぐれも無理はしないでください」
「ふふっ、ありがとうね 可愛いロミオさんにジュリエットさん 楽しみにしてるわ
 付き合わせてごめんなさいね でも、きっと良い思い出になるわよ」


 演劇部部室

「ほむらちゃん見て!演劇部ってすごいね~」
「本当だわ…ハロウィンの仮装まであるのね …きぐるみに魔女に、…メイドまで」
「えっと…あった!これだよ」
「すごい…本格的ね 気後れしそうだわ」
「あはは…まあでも着てみようよ」

「あっ・・・」
「・・・」
(どうしよう…ほむらちゃんと2人っきりで着替えなきゃいけないんだ
 体育のときは他の子もいるからまだ平気だけど、恥ずかしいよ…
 私の体見られたくないし でも、ほむらちゃんの肌は見れ、っ…//////)

「まどか、その、提案があるの…」
「な、なに?ほむらちゃん…」

「着替え、お互い見ましょう」
「! ほ、ほむらちゃん…」

「ごめんなさい もちろん恥ずかしいのはわかっている
 けど、服の寸法の確認もあるし、本番では舞台袖で2人で着替えるのよ
 私もあなたも変わる必要があるわ」
「それって…」

「私達が演じるのは恋人よ 見つめあうのも恥じらっている今のままでは
 2人で大勢の観客の前で演技なんてできっこないわ」
「こ、恋人だって、恥じらったり、するよ!」
「ロミオとジュリエットは愛し合い結ばれることを願う仲なのよ
 それがどういうことかわかる?」
「わからないよ…」

シュル
「愛の言葉を交わし、唇を重ね、心と体を通じてより繋がったということよ」

ほむらちゃんの白い肌が露わになった 
わたしは両手で目を覆ったけど
隙間から見えるそのしなやかな肢体に見入っていた

「まどか…私を見て」 

触れたかった いつも一緒にいるほむらちゃん
その素肌が露わになっている もしこの場で邪魔するものがあるとすれば、わたしの理性だけだ
その理性さえ、目の前の光景に比べればちっぽけなものに見える
触れたい ほむらちゃんに触れたい 私のことも、抱きしめて欲しい


「ほむらちゃん…わたし…」
切ない むずむずして 溢れそうで 苦しくて
ほむらちゃんを滅茶苦茶にしたい 
ほむらちゃんに滅茶苦茶にしてほしい
いけない気持ちに満たされて、心も体も火照っていた


「まどか…」
下着姿で頬を染めたほむらちゃんが声を上げた 
彼女をこのままにはしておけない
次は私の番だ 制服に手をかける しかし、脱げない
怖い 今まで育んだ友情が壊れるのが 彼女に嫌われるのが

「・・・」
ほむらちゃんは腕でブラを覆い目を背けている 彼女も恥ずかしいのだ
私はそれがたまらなく愛おしかった 恥や恐怖は途端に下らないことに思えた
しかし、頭では分かっていても・・・怖くて手が動かない
ほむらちゃんは今にも泣き出しそうなほど顔を赤らめ、恥ずかしさに耐えている
私は・・・

「ほむらちゃん、お願いがあるの ・・・私、怖くて脱げないよ
 ほむらちゃん…脱がして」

言ってしまった 私、ほむらちゃんになんてことを…

ほむらちゃんは少し動揺したけど、意を決してこちらに近づいてくる 
怖い 怖くて仕方ない 逃げたい 見られたくない 
ずっとお友達でいたい 大切な、大切な人だから 
ほむらちゃんの手が私の制服に触れた

ボタンがひとつひとつ外されていく 優しくて慎重な手つきで、私を気づかってくれている
私は作業しているほむらちゃんのことを凝視していた 
さらさらの髪、吸い込まれそうな瞳、細い首と肩 ブラにつつまれた乳房と、露わになったどこまでも白い肌

彼女のか細い両手が私に触れているというだけで、声を上げそうになる 
ふと目が合った 息が詰まる 時が止まったみたいだった
 
「まどか 手を上げて」
ついに、制服が脱がされてしまった 私は恥ずかしさで胸が一杯になっていた
ほむらちゃんの手がスカートを脱がせようとする 私は反射で抵抗しようとしたけど
ほむらちゃんのもう片方の手が私の腰を押さえていた 

ついに、私は下着姿になった

「ほむら、ちゃん・・・」
もう泣きそうだった 目の前に好きな人がいて、裸同然の姿を見られているのだ

「綺麗よ、まどか」

私は近くにあったジュリエットの服を掴むと即座にそれを身に着けた
そして安心感から腰の力を失い、地に脚をつけたまま顔を覆った
やっと恥じらいから解放された…もうそれだけで安堵した
ほむらちゃんは落ち着いてロミオの服に着替えた 
ウエストや肩の大きさに余裕はあるものの、長さはぴったりだった

「まどか どうかしら」

「うん、似合うよ…素敵だね」

「あなたも素敵よ」

ほむらちゃんは私に手を差し出した 私はその手を掴み立ち上がると
ほむらちゃんに触れているという感触と、フラッシュバックするほむらちゃんの姿に顔から火が出そうで
ほむらちゃんを直視できず、ついほむらちゃんの手を振り払い顔を覆ってしまった

「ごめっ ほむらちゃん…ごめんね」
「・・・」
「恥ずかしいの…ほむらちゃんは大切な人だから、だから恥ずかしいの!」
「まどか…」

「怖いよほむらちゃん… 私の裸見られて、ほむらちゃんに嫌いになって欲しくないから!
 私だってほむらちゃんのこと、前と同じように見れなくなるかもしれないから!」

 感情が口から流れ出して止まらなくなっていた

「まどか、ごめんなさい けどね、美樹さんが言ってくれたの
 私達には互いを傷つけたり、関係が壊れるのを恐れて踏み込めない部分があるって

 まどか、私達が出会ってからもうどれくらい時間が流れた?
 その間に距離はどれくらい縮まったのかしら 
 まどか、あなたにとって私はどういう存在なの?」

「ほむらちゃんは・・・大切な人だよ 家に帰ってからもね、ほむらちゃんのこと、考えたりするよ…」
「大切な・・・友達?」
「うん…」
「美樹さんや巴さんや佐倉さんも一緒?」
「さやかちゃんも、マミさんも、杏子ちゃんも、みんな大切な友達だよ
 ほむらちゃんだって…」
「私もまどかを大切な人だと思っている もちろん美樹さんたちだってそう
 でも、あなたとはもっと特別な関係になりたい」

「教えてほむらちゃん ほむらちゃんの望んでいること
 私にできることなら叶えてあげたい だって、私ほむらちゃんのこと…」

「私の望みは」
 
「あなたに愛されて、あなたの特別な人になることよ 
 …笑っちゃうわよね、自分勝手で
 …ずっと、私だけがあなたを想っていればいいと思っていた  けど、本当は違った
 あなたを見るたび胸が締めつけられそうで、一緒にいると暖かくて…
 あなたに少しでも望まれたいと思う自分がいた」
「ほむらちゃん…」


「誰にでも優しいあなたが大好きで、元気な美樹さんと仲良くしている姿を見るのが嬉しくて
 家に帰れば一人になる、誰よりも繊細なマミを、あなたと一緒に笑顔にできるのが嬉しくて
 一匹狼だった佐倉さんがあなたと話しているのを見て、すごく安堵した
 あなたが周りの人を幸せにしていることが誰よりも嬉しく思えた

 そんなあなたのそばにいる自分が誇らしかった」

「そんな、こと…」

「けど、その一方であなたを求めている私がいた あなたに話しかけられると嬉しいのに
 このままの関係性がずっと続いていくことを考えると、嬉しいのに寂しかった
 ずっと、みんなで一緒にいたかったのに 
 あなたを独り占めにしたい、悪い私がいた
 一人になるたびに、あなたのことばかり考えている私がいた 
 やましいことも、考えた…
 そのことで自己嫌悪したし、自分があなたに相応しくない人間だと思った」

「ほむらちゃん、私だって同じだよ…私だってほむらちゃんのこと…」

「優しく接してくれた、美樹さんや巴さんを好きになりそうな自分が怖かった」

「!」

「彼女たちなら同じ孤独を埋めてくれると感じてしまった 好きになりそうだと思った
 彼女達と愛し合うことで満たされて、まどかとずっと友達でいたいと思った
 まどかのことを傷つけたくなかった まどかに嫌われたら、私、きっと生きていけないから…

 それでも、彼女たちといても 彼女達の暖かさに触れても 
 心の中に浮かぶのは まどか、あなただった

 私は、まどかが…まどかが大好きなのに…いつからか まどかが、怖かった・・・」

「大好きだから、まどかのことが怖くて仕方なかった・・・」


「ほむらちゃん どうして、どうして言ってくれなかったの… 
 あんなに近くにいたのに
 私だって、私だってほむらちゃんのことが大好きなのに!」


「ごめんね…ごめんねまどか 本当に大好きな人には嫌われたくないんだね
 だからみんな、ひとつになれないんだね」

ほむらちゃんは息を殺して泣いていた 大粒の涙をながして とめどなく泣いていた
普段からは想像もつかない姿で、誰よりも頼りない私の前で、わたしを守ってくれたひとが泣いていた

どうして気付けなかったのだろう 
どうして言ってくれなかったのだろう
どうしてもっと私から変われなかったのだろう
 

私だってほむらちゃんが大好きなのに


ああ、そうだ 私もこわかったんだ 同じだったんだね、ほむらちゃん

2人で登下校しているときも手を繋げなかった
体育で準備運動するときも最低限の触れ合いしかしなかった
他愛のない会話をして、お互いが会話できているという事実に幸せを感じ満足していた


わたしたちは友達だよって


けど、本当は違ったんだ
もっと、相手と繋がりたかったんだ
そのための手段を、本音をぶつけ合うことや触れ合うことを恐れてたんだね


ごめんねほむらちゃん 私もあなたともっと繋がりたい あなたに触れて欲しい
だいすきな、大切なひとに


「まどか・・・」
私はほむらちゃんを抱きしめていた
頬と頬が触れ合う距離 普通だったら恥ずかしくてたまらないけど
今はほむらちゃんを感じられることが嬉しい
「まどか…駄目よ、涙が」
私はほむらちゃんの涙を拭ってあげた
「ほむらちゃんの涙、あったかいね」
「まどか…」

「ごめんねほむらちゃん…気づいてあげられなくて
 私もだいすきだよ ほむらちゃんともっとずっと仲良くなりたい
 ほむらちゃんを愛したい 私のこと、もっとほむらちゃんに愛して欲しい」

「だいすきよ…まどか」

ほむらちゃんはキスしようとして、ふと手で唇を押さえた
私もキスしたかったけど、止まらなくなりそうだったので我慢した
そこで自然とお互い見つめあい、両手の指先を絡ませていた
互いの肩に首をうずめ、頬を合わせた
「ほむらちゃん もう大丈夫?」
「ええ、大丈夫よ ごめんね、まどか」
「ううん、こっちもごめんね 先生に見せに行こう」

 続く