799 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2013/12/08(日) 03:59:44.05 ID:ZDvdO94u0
超短いSS書いてみた
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自分が願ったのはただ一人の少女の平凡な人生。
家族に守られ、友人と楽しく過ごすまどかを見守っていられるだけで幸福だと思っていた。
その日までは。
まどかがラブレターをもらった。
席に着きぼんやりと窓の外を見ながら、聞こえてくるまどかと美樹さやか、佐倉杏子、志筑仁美らの話題がそれだった。
明確にその単語が聞こえたわけではない。
クラスメートに周知するには恥ずかしい話題だから言葉は選んでいたようだが、類推されるのはそれしかなかった。
気が付いたのはまどかの鞄に手をかけようとした時だった。
世界の時間は止まっている。
自分は何をしようとしたのか。
呼吸が荒い。
心臓が早鐘を打っている。
自分は今頭に血が上っている。
なぜ?
深呼吸をして頭を冷やしつつ、自問自答する。
まどかに手を出そうとした男を許せなかったからだ。
だからその名前を知ろうとした。
際どい所で踏みとどまれた。
もし、その名前を知ってしまったら、自分が何をしてしまうのか。
それにしても。
自分が願ったのはまどかの平凡な人生。
平凡な人生とは、家族、友人と過ごす日々。
さらにその先には良き伴侶と出会い、子を為し、いずれは死を迎える、というものだ。
解っていたつもりだったが、現実にまどかに好意を持つ相手が現れその未来がわずかでも具体性を帯びた時、自分の心はかき乱された。
あの愛らしいまどかの純白の肢体を男に穢されるなど。
それならいっそ―――
時間が動き出した。
ごめんなさい、まどか。
あなたに平凡な人生を贈るつもりだった。
本当よ。
でも、私はもっともっと奥底の本当の願いに気付いてしまった。
まどか、あなたを私のものにするわ。
誰にも渡さない。
私の愛はあなたのためだけのものだもの。
なら、あなたの愛も私のためだけに。