デュアルクラス
二つのクラスの特性を併せ持つキャラクターを作成する方法の一つ。平たく言えば転職。
IWDEEシリーズでは種族人間?のみが行える。ただしパラディンなど一部クラスはデュアル不可。デュアルができるのはマルチクラス可能な組み合わせに限られる。
一つのクラスからキャラクターを始め、しかるのちにキャラクターシート画面のデュアルクラスボタンから別クラスを選択することでデュアルクラスすることが可能。
デュアルクラス自体はほぼいつでも行えるが、キャラクターの能力値がデュアルしたいクラスの要求値に満たない場合は候補として選べない。
そしてデュアルクラス後はデュアル前のクラスはそれ以上成長しない。デュアル後に得た経験値は全てデュアル後のクラスに配当される。
また、デュアル後しばらくはデュアル前のクラス特性は封印される。封印が解除されるのはデュアル後のクラスのレベルがデュアル前のクラスのレベルを上回ったとき。
例:ファイターで始め、レベルが2になったあとにデュアルクラスボタンからメイジを選択する。(このときINTが不十分だったりするとメイジを選べない)
このときメイジのレベルが3になるまでファイターの特性は封印される。
一度メイジのレベルが3になればファイター2/メイジxとなり、以降はメイジのレベルのみが上昇していく。(つまりファイターとしてはこれ以上成長しない)
デュアルクラスの条件
- 最低でもレベル2以上でなければならない
- 現在のクラスの主要能力が15ポイント以上でなければならない
- 変更したいクラスの主要能力が17ポイント以上でなければならない
- アライメント制限をクリアしていなければならない。(例:ローフルニュートラルのファイターはドルイドにデュアルできない。なぜならドルイドはトゥルーニュートラルでなければならないから。)
各クラスの主要能力値
ファイター | シーフ | クレリック | メイジ | ドルイド | レンジャー | シャドウダンサー |
---|---|---|---|---|---|---|
STR | DEX | WIS | INT | WIS, CHA | STR, DEX, WIS | STR, DEX, CHA |
デュアルクラスの長所と短所
シングルクラスと比較するとどうしても成長が遅くなる。
また、デュアル前のクラスの特性が復活するためにはデュアル後のクラスを相応に鍛えなければならないため、しばらくはパーティのお荷物と化すことも少なくない。
能力値もあらかじめデュアル化を念頭において配分しないと後の祭りとなることもある。計画性が大事。
しかし組み合わせ次第では頑強なメイジ、異常な近接攻撃力を誇るシーフなども作成できる。
シングルで物足りなくなったらいろいろ試してみるのも面白いだろう。
マルチクラス?との違い
デュアルクラスは一度に一クラスのみを成長させるのに対し、マルチクラスは複数のクラスを同時に強化する。
デュアルクラスはデュアル後のクラスこそメインと考え、欲しい特性をもつクラスをデュアル前とすることで役に立つ。
このためデュアル前のクラスに晩成型のクラスをあてるのはあまり意味が無いが、マルチの場合持ち前のクラスの一つに晩成型をあてても(育て上げるつもりなら)十分意味を成す。
ただしマルチクラスは持ち前のクラス全てに対しキャラが得た経験値を分配するためデュアルと比べても成長が遅くなる。
メインとなるクラスにない早熟のクラスの低レベル特性のみが欲しいのならデュアル、複数のクラスの特性がほぼ全て欲しいのならマルチに分がある。
またマルチとは違い、各クラスのキットを導入できる点がデュアルの大きな利点の一つである。
デュアルクラスの実践
大抵の場合、ファイター(or シーフ)から他クラスへとデュアルすることになるだろう。
呪文詠唱クラス(メイジ、クレリック、ドルイド)は低レベルのままではあまり活躍できないため、デュアル元になることはほとんど無い。
ファイターの高攻撃力と高HP、あるいはシーフの特殊能力を取得してから、呪文詠唱クラスへとデュアルするパターンが多い。
シーフはデュアル元にしてもデュアル先にしても優秀なクラス。
ただシーフは24レベル以降、全ての武具と道具を扱えるという胡散臭い性能の高レベル技能を取得できるため、デュアル先にすることが多いかもしれない。
ウォーリアー系(ファイター、レンジャー)は7と13レベルでそれぞれ攻撃回数が1/2回ずつ上昇するので、そこを目安にデュアルするとうまく行く場合が多い。
また経験値の上限を考慮すると、デュアルは基本的にSoA以降に行うものと思った方がいいかもしれない。
デュアルは入念な育成計画が必要なので、BG1,2ともにやり慣れた人向けのシステムと言えるだろう。
デュアルクラスの紹介
- 剣聖/メイジ
BGでは最も有名なデュアルだったかもしれない。剣聖の最強の物理攻撃力にメイジ魔法?の高威力が組み合わさるのでその強さは半端ない。一人旅でも敵の群を薙ぎ倒すほどの強さを発揮する。
鎧やブレーサーを着用できない剣聖は基本ACが悪いのが弱点であるが、メイジの防御呪文を詠唱すればカバーできる。(デュアル後はローブも着れる)
メイジの呪文は戦闘以外にも役立つため、剣聖/メイジただ1人でほとんど何でもできる点も素晴らしい。
また何より、メイジの近接戦闘用呪文*1の効果を存分に発揮できる点がこのデュアル最大の強さ、面白さであるかもしれない。
効果的な魔法の選択と状況に応じた戦術が求められるので十分な強さを引き出す為にはプレイヤーの知識と熟練が求められる。
剣聖が9、12、13レベルのときにデュアルするのが一般的で、剣聖の強さを十分に引き出したいなら13レベルがオススメ。
しかし剣聖13レベル(経験値1,250,000)に加えてメイジ14(経験値1,500,000)を稼ぐとなると本編どころかHoWまで余裕でクリアできてしまう。
パーティーメンバーと一時的に別れて人数を減らし、休息失敗で出てくる敵を倒し続けるなど、半端ではない経験値稼ぎが必要になる。
手軽に楽しむならHoWで新規に作った剣聖ソロでHoW序盤の戦闘不要のメインクエストを進めて経験値を稼ぎ、エクスポートして同じことを繰り返すという方法もある。 - ウィザードスレイヤー/シーフ
BG2はシーフの高レベル技能のユーズ・エニィ・アイテムと組み合わせてウィザードスレイヤーの装備制限をすり抜けることができる組み合わせだったが、高レベル技能のない本作では特にメリットはない。 - 剣聖/シーフ
ウィザードスレイヤー/シーフ同様、BG2ではユーズ・エニィ・アイテムで剣聖の装備制限をすり抜けることができたが本作では不可能。 - レンジャー/クレリック
レンジャー/クレリックのデュアルは旧版では全ドルイド呪文と全クレリック呪文を取得できたが、IWDEEでは不可能になった。一般のデュアル同様、デュアル前に取得した呪文と、デュアル後に取得した呪文のみが使用できる。
旧版の設定に戻したいときは、"Baldur.ini"ファイルの『'Game Options', 'Cleric Ranger Spells', '1',』の1を0に変更のこと。 - ファイター/クレリック
クレリックは防具に関してはファイター同様で申し分ないが、武器戦闘の能力はどうしてもファイターに劣ってしまう。
デュアル元をファイターにすることで、Str18/XXのボーナスや武器熟練度、ファイターの攻撃回数ボーナスで武器戦闘能力を補うことができる。
攻撃回数ボーナスのある7、13レベルでデュアルすれば申し分ないが、クレリックが唯一の回復役となるような編成ではそのレベルまでクレリックなしになってしまう。
ファイターで武器熟練度を入手できるレベル3で、クレリックで使う予定の武器の熟練度を3スロットまで上げてデュアルするのでも十分実用的。これならばクレリックなしでもなんとか到達できるレベル。
クレリック8レベルの武器熟練度入手で熟練度4スロット、12レベルの武器熟練度入手で熟練度5スロットにでき、攻撃回数+3/2回になる。
これはファイター以外のウォリアー系が熟練度2スロットの攻撃回数強化とウォリアー系7レベル、13レベルの攻撃回数ボーナスを得たときの攻撃回数に等しいため、クレリックとして考えれば十分な攻撃回数。
ウォリアー系に比べて劣るTHAC0はドロー・アポン・ホーリー・マイト(2レベル呪文)やホーリー・パワー(4レベル呪文)などでカバーでき、武器戦闘でもパラディン並に戦うことができる。 - スワッシュ・バックラー/ファイター
スワッシュ・バックラーのAC、命中、ダメージへのボーナスは非常に強力だが、シーフのTHAC0では武器戦闘要員としては物足りない。
シーフ技能はある程度のレベルになれば十分なので、シーフ技能を十分に身につけたらファイターにデュアルしてボーナスを最大限に活用する。
スワッシュ・バックラーのボーナスが伸びるレベル10でデュアルしても良いが、どうせならトラップが強化されるレベル11でデュアルしたい。
AC-3、命中とダメージに+2のボーナスとなる。状態異常への耐性や一時的HPはないが、バーサーカーのエンレイジ並のボーナスが常時あると考えればその強さを想像できるだろう。