主人公と契約精霊

Last-modified: 2025-07-04 (金) 08:54:04

主人公

  • セシル・グロー・アルファスタ
    主人公であり語り手。アルファスタ国の王太子。
    金髪碧眼で美形の理想的な王子様な外見。セシルの髪の「金色」は「ミルクティー色」と表現されることがあるがミルクティー色と金髪って大分違うとかは言ってはいけない
    幼少時から文武共にチート級に優秀で有能。10歳にしてハルム学院で学ぶレベルのことは既に修めて物足りなく思っていたり、武術師範を打ち負かすほどの剣技を身につけている。一方で合理的すぎる思考で人間性が薄く、感情に乏しい上に他者への共感にも欠ける。
    10歳の時に婚約したバーティアが「自分は悪役令嬢である」と主張したことに興味を持ち、バーティアの観察を始める。
    バーティアの言う「乙女ゲー」の攻略対象の一人。プレイヤー達からは優秀さと人間性の薄さからか「アンドロイド王子」と呼ばれていた。
     
    「アンドロイド王子」の真実

    アルファスタ王家には時折極めて優れた者が生まれるが、それらは皆心に弊害を抱えている。
    その優れた能力と引き換えのように人としての感情が著しく欠如し、単純な「好き」「嫌い」という感情さえろくにない。そのため興味を持てること、楽しいと思えることがないまま生きることになる。
    それは同時に「興味を持てること」「楽しいと思えること」への渇望となり、それが彼らが最初に持つ、場合によっては死ぬまでそれしか持てないたった一つの人間らしい感情となる。

     

    彼らは興味を持てるもの=自分の感情を引き出してくれるものを追い求め続け、それを見つけると固執する。興味を持てるものをなかなか得られない(何かに関心を持ちにくい)分、一度見つけたものへののめり込みは激しい。
    「戦争」に興味を持てば戦闘狂に。「研究」に興味を持てば引きこもりに。
    そして「人」に興味を持てば溺愛する。
    興味を持てるものを得られなかった場合は人形のように終生を過ごす者、退屈に耐えきれずに自死する者といずれも破滅も同然の終わりを迎える。

     

    セシルもまた、そういったアルファスタ王家の「人としての感情が著しく欠如した、極めて優れた能力を持った者」の一人なのである。

     
  • バーティア・イビル・ノーチェス
    ノーチェス侯爵家の長女でセシルの婚約者。
    深紅の髪と琥珀色の目。髪はいつも元気に縦ロール。セシルの2歳下。
    転生者(5歳で前世の記憶が目覚める)で「乙女ゲーの悪役令嬢」と自称し、ヒロインとセシルが結ばれて自分はギャフン(断罪)されることを目的としている。
    基本的に善良で優しく、努力家だがアホの子で暴走型。色々と鈍感。父親のノーチェス侯爵には(娘を溺愛しているにもかかわらず)「(馬鹿という)不治の病にかかっている」と言われたことがある。
    前世で一人っ子だったこともあって「きょうだい」に憧れがあり、「乙女ゲー」では義兄だった(「観察記録。」本編では義兄ではない)クールガンをクー兄様と慕ったり、年の離れた実弟のアネスを溺愛している。また年下に懐かれると弱い。
    アホの子であるが学業や淑女としての所作振る舞い、王太子妃としての実務は問題なくできるレベル。ただアホの子なのとセシルがチート級に優秀なためバーティア本人がちゃんとできる子なのは周囲から忘れられがち(セシルはバーティアの能力をちゃんと把握している)。
     
    前世のバーティア

    「転生者」であるが転生した経緯は全く不明。転生もの定番のトラック他の事故にあったとか、病弱であったとかの情報はない。
    普通にオタクでゲームやアニメ、小説など一通りたしなんでいた模様。
    おそらく同人誌を作成した経験があり、絵が巧く、情報をまとめるのも巧く本(冊子)を作るのも好き。その能力を生かして「悪役指南書」や「王都観光案内」「結婚情報誌」などを作成している。
    「乙女ゲー」ではセシルが最推し。
    前世では自分の殻に閉じこもりがちで、「乙女ゲー」のセシルが癒やしで支えであったという。
    「自分の殻に閉じこもりがち」ではあったが、人間関係は悪くなかったらしい。母親に怒られそうになっては家を飛び出し、稲荷神社の神主である老夫婦にお世話になったりお手伝いをしている。成長してからは想いを寄せてくる男友達がいたり、その男友達との仲を取り持とうとダブルデートに誘ってくれる友人がいたりしている(ただ前世のバーティア鈍感だったらしく、男友達の想いには全く気づいていなかった模様)。
    前世で神社のおばあちゃんに習った「いなり寿司」を作れる程度に料理ができる。転生後もいなり寿司を作っており、クロの好物になっている。

     

契約精霊

  • ゼノ
    セシルに仕える侍従であり、契約を結んだ精霊。落ち着いたモスグリーンの髪と、セシルよりやや明るい青い目。派手ではないが深い森をイメージさせる、それなりに整った容姿の穏やかな好青年……に見えるのだが、(セシルや姉達のせいで)気弱でいつもビクビクとしている。
    精霊王の甥の高位精霊で水と風をメインに、中位精霊に扱える程度なら全ての属性の魔法をまんべんなく使える。
    苦労性で若干不憫(主にセシルの無茶ぶりのせい)。セシルを「魔王」と呼ぶ筆頭。セシルの本性を恐れている割に余計なことを言ってセシルに地味な報復をされている(食事を味付けのない野菜のみにするなど)。
    四人の姉たちのせいで一時期やさぐれており、その際に精霊界から人間界に来ていたときにセシル(当時二歳)に見つかり騙されて人間をからかってやろうと賭けをし、負けてセシルと契約することになった。
     
  • クロ
    バーティアと契約した闇の高位精霊。結界など防御系の魔法が得意。
    バーティアの作るいなり寿司が好物。
    黒狐の姿と人の姿の両方をとれる。普段は黒髪黒目のメイドの少女(見た目は十歳ぐらい)の姿でバーティアのそばにいる。人間の姿でも耳や尻尾の出し入れは自由。
    人間の姿は擬態なので大人の姿にもなれるが昼間は光の力が強いため省エネモードで少女の姿でいる。なお狐の姿も擬態であり、精霊の本性がどういった姿なのかはゼノを含めて不明。
    無口で言葉をしゃべらない(しゃべれないのかどうかは不明)。怒ったり感情が高ぶると「シャアアァッ!」という威嚇音を上げる。
    後にゼノと恋仲になるが、昼間はもっぱら少女の姿なのでゼノにロリコン疑惑がかかることとなった。