メイプル世界観2

Last-modified: 2021-09-19 (日) 23:26:21

※このページは執筆途中です。更新までしばらくお待ちください。(最終更新日2016/10/10)

概要

メイプル世界観を執筆してからはや4年が経った。その間に新しくわかったことや物語が進行したため再びこの記事を追加説明していく形で執筆することにした。バックグラウンドに興味がある人は是非見てもらいたい。また、ここに書かれていない情報を持っている人、間違いの指摘など是非下のコメントフォームに書き込んでほしい。

次元の図書館-Dimension library-

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プロローグ

殆どの人は知らない事実であるが、誰かがわざわざペンで書かなくてもメイプルワールドの物語は勝手にまとまり本に収められるという。
ここは次元の図書館――
記録された物語は図書館の力によって直接体験することが可能である。
ここ最近、暗黒の魔法使いに関する重要な記録が収められたという。

第一章「白い魔法使い」

かつて、天才と呼ばれる一人の魔法使いがいた。
まだ若いにも関わらず魔法の才能が秀でていて、誰も彼の師匠にはなれなかったという。
苦労の末上りつめた階段の先に誰も居ないことがわかると彼はひどく悲しんだ。

 

"もっと知りたい"

 

"もっと高い場所に辿り着きたい"

 

この世に知られた魔法は彼の野望に比べると、小さすぎた。
十数年の間、彼は杖一本に身を預け、至る所をあるき回った。狂ったような勢いで本を書き、人を助け、たくさんの物語を残していったという。
白い魔法使い
純白の髪をもつ彼のことをいつしか人はそう呼ぶようになった。

 

そんなある日、彼は不意に何か悟ったように言った。

究極の光は究極の闇の中でのみ見つけることができる

その言葉だけを残して、白い魔法使いは忽然と姿を消してしまったという。
時は経ち彼の存在は少しずつ忘れられていった・・・

 

とある傭兵はこの話を聞き興味が沸いた。
そこで白い魔法使いが最後に目撃されたというエリン森に向かった。
妖精の女王エピネアは同族を虐げ宝を奪う人間をひどく嫌っていた。しかし彼女と親しくした唯一の人間がいた。
それが白い魔法使いであった。
彼女は彼のことを誰よりも熱い情熱をもった理想主義者であると語った。
そして現在彼がどこにいるかを知っているようであった。
傭兵はいくつかのエピネアの頼みを聞き届け信用を得たあと白い魔法使いの居場所を教えてもらった。
彼はこの世の中で最も暗い場所の一つである平穏の森にいるという。
平穏の森は昼がほとんど訪れない夜の森であり、どこよりも純粋に光だけに集中できる場所でもあるという。
エピネアの「光の研究が終わる日、ここによって大きな意志を成し遂げるという約束を必ず守ってほしい。いつまでも私は待っている。」という光の魔法使いへのメッセージを受け取ると傭兵は現地へ向かった。

 

平穏の森はあまりにも広大で彼らは道を見失ってしまった。傭兵はひょんなことから行動を共にすることとなったアリンという子供と一緒だった。しかし、行く道を探すため彼が少し目を離している間にアリンが最近各地を騒がせているオーメンという闇のモンスターに襲われてしまった。アリンの銃声に気づいた傭兵が彼女のもとへ向かうも、モンスターたちは寸前のところまで差し迫っていた。すると突然周囲が光に包まれた。光はオーメンたちを一瞬にして消し去ると森の中から白い魔法使いが姿を現した。平穏の森では人が侵入することはまずないため様子を見に来ていたようだ。彼は傭兵たちを光の研究所であるオーロラ大神殿に導いてくれた。
オーロラ大神殿に滞在中に傭兵は白い魔法使いの光の研究の目的や彼の思想について知ることができた。
白い魔法使いは神の都市を作り上げようとしていた。
それは地平線の向こうに存在する無限の知識を得て完全な存在となった彼が収める独裁主義的とも捉えられる完璧な世界のことであった。
彼の理想はあまりにも大きすぎた。一つの存在が得て良い力をはるかに超えてしまっていた。

 

オーロラで過ごして1ヶ月が過ぎた。
白い魔法使いの研究には拍車がかかり彼の研究室には主席研究員であるマルス以外は立ち入れなくなった。
マルスは頑固なオヤジだった。掟を遵守する彼はオーロラに部外者である傭兵とアリンが立ち入ったことにまだ納得が言っていないようであった。そのため彼の態度は必要以上に厳しく両親をオーメンに殺されてしまったアリンに対してもストレートな言い方をしてしまったという。オーメンなどオーロラ機関の研究に比べれば大したことではないと。
アリンはここ最近オーメンの発生量が増えたと言っていた。
傭兵は心配になって彼女の部屋に行ってみるとそこにアリンはおらず手紙が置いてあった。
彼女にとってオーメンは両親のかたきであり、オーロラ機関がたとえどんなに偉大な研究をしていたとしても大事なことである。だから一人でもオーメンの調査をはじめる。
手紙にはそう書いてあった。
きえたアリンを探すために傭兵は急いで平穏の森に入った。案の定オーメンに囲まれて倒れているアリンを発見した傭兵はすぐに周囲のモンスターを駆逐したあとアリンを神殿まで運んだ。
彼女は高熱をだして寝込んでいた。そんな彼女の寝顔を見つめながら傭兵はポツポツとこれまで起きたことの整理をはじめた。

 

オーメン・・・・アリン・・・一ヶ月という時間・・・

 

彼の頭の中で突然あることが一つにつながった。

 

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オーメンは白い魔法使いの過ぎた研究が作り出した影であった。傭兵は急いでマルスの元へ向かった。
しかしマルスは知っていた。光が強くなれば闇も濃くなってしまう。今の混濁とした世界を良い世界を作るための犠牲でありしかたないというのが白い魔法使いの考えであったようだ。
そしてここ一ヶ月で研究に拍車がかかったことでオーメンの量が増えてしまったのだという。
傭兵は無理矢理にでも白い魔法使いの研究室に入ろうとした。彼らが言い合いを続けている最中部屋の中から突然闇のオーラをまとわせた白い魔法使いの声がした。
彼の声は変わり果てていた。彼は禁忌を犯し、研究を成功させ、同時に失敗したという。
究極の光などなかった。彼の手が届かなかったのではなく最初から存在していなかった。それは光がある限り同時に闇が存在してしまうためである。
しかし究極の闇ならば存在する闇からは光は生まれない
これが彼の出した結論であった。
オーロラの当初の目的から外れてしまった彼を止めるために研究員たちは総勢で彼の部屋に侵入した。
しかし時すでに遅し。白い魔法使いはもう人間ではなくなっていた。彼は闇の力を発揮させ、辺りは漆黒の闇に包まれた。

 

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雨の音がした。
傭兵が目を覚ますとあたりには何もなかった。
神殿内には負傷した研究員たちが横たわっていた。
マルスは彼の間違いを知りながらも彼が見せてくれる未来に希望を抱き止めようとしなかったのだという。
研究員のビオワン妻ケイトとそのお腹にいる子供を残し息を引き取っていった。
傭兵は最後の力を振り絞り周囲にいるオーメンたちを倒していった。
森を進んでいくと光の塊が出現した。それは白い魔法使いの痕跡であった。
光の結晶は今すぐにでも消えそうなほどに僅かに点滅していた。彼は自分に残った最後の光の心でさえも切り離したかったのであろう。
それはまるで純粋だった白い魔法使いの最後の姿であるかのように・・・・・

第二章

第三章

エピローグ

海底の塔-The Seed-

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第一項「ザ・シードとは」

約500年前――。
生命の超越者であるアリーシャは暗黒の魔法使いが世界を滅ぼしても生命が生きていけるよう、世界との隔離空間を作り、そこに生命を保存しようとした。その隔離空間が海底の塔ザ・シードである。そしてその存在が暗黒の魔法使いに知られると破壊されてしまう恐れがあったため彼女は世界の果ての海底深くに塔を創ったという。
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後に、暗黒の魔法使いが英雄たちによって封印されるとその存在意義を失ったシードは数百年間の間放置されることとなった。その結果塔内部に生息していた古代のモンスターたちは独自の進化を遂げ、凶暴化してしまった。
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特に塔の護衛として配置していた強力なモンスターは塔の管理をしていたアリーシャの思念体では到底手に負えないほど強力になってしまったという。
そこでアリーシャの思念体は冒険者たちに塔の暴走を止めてもらうため招集した。

第二項「塔のシステム」

ザ・シードには知性をもった生命体を感知するとロビーへ追い出す結界がある。それはアリーシャがかつて設置したものである。ただし管理人のみに知らされるパスワードによって解除が可能である。しかし500年たった現在、アリーシャは自身が設定したパスワードを忘れてしまったという。
そこで彼女はヘイジストーンと呼ばれる結界の探知を一定時間回避することができるアイテムを作成した。
また塔内部にてアリーシャのサポートが受けられるよう通信機器であるソウルコネクターも作成したという。
冒険者たちは難解で困難なトラップを潜り最上階に潜む塔最強のモンスターであるドロシーを目指す!

ブラックヘヴン-Black Heaven-

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プロローグ

ブラックウィングが動き出した――
シグナス騎士団の情報員である「10匹のブギ」がブラックウィングの調査中に捕らわれた。ブラックウィングに立ち向かう同盟であるメイプル連合は彼女の救出とともにブラックウィングが極秘に行っている計画について調べるためににシグナス弓兵三兄妹ととある隊員を送り込むのであった・・・

第一章「ブラックウィングの策略」

シグナスの宰相であるナインハートはブラックウィングの動きを常に監視してきた。しかしそれに気づいたブラックヘヴンの科学者であるゲリーメルはとある新聞記事にクロスワードパズルにもじったアナグラムを仕込んだ。
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BLACK HEAVEN IS READY

 

ブラックヘヴンとは一体何か、それを知るためにシグナスはレジスタンスが保護しているゲリーメルに裏切られ、体と心に傷を負い寝込んでしまった元8軍団長の一人でありブラックウィングの創設者であるオルカの脳内の記憶を覗くことで情報を探ることにした。

 

彼女の記憶の中で心がぴょんぴょん^~した結果判明した事実は

オルカとスウは元々闇の精霊でありその肉体を白の魔法使い闇に関する研究を手伝うという条件で形成した。
人間の肉体を手に入れたスウは次第に性格が残酷になりほかの人間をおもちゃのように扱うようになった。そして先代女王であるアリアに手をかけたことにより5英雄の一人ファントムに殺されてしまう。
オルカやスウはウィングマスターという浮力を操る力を持っている。またそれがブラックウィングの由来でもある。
ゲリーメルはメイプルワールドを破滅させることのできる飛行艇である「ブラックヘヴン」の計画を進めていた。
 

ブラックヘヴンの計画を知った彼らはその野望を打ち砕くべくファントムが提供する飛行艇クリスタルガーデンにのりこむ

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第二章「ブラックヘヴンの全貌」

戦いが始まった。
クリスタルガーデンに乗り込んだメイプル連合の仲間に紛れてブラックウィングの変化師バロック人形使いフランシス暗黒の魔女エレオノールに潜入されてしまった。内部からの攻撃と外部からのロボットによる侵略、そしてイベフによる飛行艇ブラックヘヴンの攻撃はクリスタルパレスに大きなダメージを与えた。圧倒的兵力のまえにシグナス騎士団、レジスタンス率いるメイプル連合は屈することもなく戦い続けた。メイプル連合の敗北はメイプルワールドの破滅へと繋がる。負けられない戦いがそこにはあった。こうして激闘の末、ブラックヘヴンの破壊敵勢力の撤退を成し遂げたメイプル連合は勝利を確信していた。

 
 

しかし、戦いは始まってすらいなかった

 
 
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イベフが操るブラックヘヴンは小さな戦闘艇1機に過ぎなかった。本物のブラックヘヴンはクリスタルガーデンの何百倍もの大きさの超大型戦艦であった。戦闘で疲れきった仲間は希望を失い、レジスタンス団長であるジグムントとナインハートは意味のない言い争いを始める。勝算は失われた。為すすべもなく彼らは敗北を待つしかなかった。
そんなさなか物陰に隠れ、戦闘から退いていた人形使いフランシスがオルカを開放するべくブラックヘヴンの設計図を交換条件に交渉を持ちかけてくる。
仲間たちに一筋の希望が芽生えた

第三章「レッド・アラート」

ブラックヘヴンには二つの弱点があった。

 
ひとつは巨大故にセキュリティーが完璧ではないこと。
ふたつめは動力が1点に集中しているということ。
 

この二点から、どのような巨人でもアリに体内に侵入され心臓を噛みちぎられれば倒れるしかないという戦略のもと彼らはブラックヘヴンへの侵入を試みる。
一方ブラックウィングもそれを待ってはくれない。すぐさま空襲が始まり時間との勝負が始まるのであった。

 

チェキ、ヘンリテ、ベルと隊員は飛行艇によりブラックヘヴンに向かう。順調に敵飛行艇の攻撃をかわしブラックヘヴンに近づいていった。
しかし情報がゲリーメルに筒抜けになっていた。
光線シールドにより3人はブラックヘヴンを目前に身動きがとれなくなり砲撃の的となってしまった。
連絡が途絶え、あとからジグムントが現地に向かうも彼らは爆発の中に姿を消していった・・・

 

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状況は最悪となった。3人の仲間を失ったジグムントはゲリーメルに情報が筒抜けになっていたのはフランシスが逃げ出してゲリーメルに報告したためだと断定し、空襲のさなか逃げ遅れたフランシスを助けた隊員に裁判をかける。
罪は問われなかったものの自身の失敗の責任を取るため隊員は戦線を離脱する。クリスタルガーデンから地上にむけて見送りのシグナス兵とともに護送船に乗った隊員は、護送の最中にシグナス兵に自分がフランシスであると打ち明けられる。見送りのシグナス兵はフランシスの人形であった。
彼はブラックウィングの隊員ではあるが団長であるオルカに絶対の信頼を寄せておりそのオルカを裏切ったゲリーメルにメイプル連合の情報を通達するようなことはしていないと話す。
またフランシスは助けてもらったお礼にブラックヘヴンに関する重要な情報を隊員に託す。

 

ブラックヘヴンの動力はスウであった。

 

ブラックヘヴンはスウのウィングマスターの力によって浮遊し、それを動力としていた。そしてレジスタンスの3人が身動きを封じられた光線シールドはスウ自身の結界であった。
情報は最初から漏洩しておらず、結界は常に張られていたのだ。
ブラックヘヴンは拡張されたスウの肉体と等しく、正面からの侵入は絶対に不可能であることがわかった。
しかし、ブラックヘヴンには一つだけ侵入方法があった。
ブラックヘヴンは兵力を内部で生み出しているわけではなく外部から召喚しなければならなかった。
そのためエーデルシュタインのはずれの機械の墓という場所から極秘にロボットを制作しブラックヘヴンに送り込んでいた。

 

隊員は機械の墓へ向かった。

第四章「希望の光」

隊員は機械の墓でシグナス弓兵三兄妹と再び出会った。
シグナスの「私はあなたを信じています。私と戦ってください。この戦いに勝利するま時まで!」という伝言とともに再び4人はブラックウィングの潜入を試みる。

 

機械の墓はエーデルシュタインの外れにある鉄や機械のごみ捨て場にも関わらず厳重な警備のもと監視されていた。
警備ロボットが多すぎたため追い詰められた4人は感情をもったロボットに助けられる。
警備ロボットが捜索していたのはこの感情をもったロボット達だった。

 

 "そう!きみはフニャフニャしてそうだから「フニャニャ」!!"

 

彼らは分解され、再構築された後ブラックヘヴンに転送される予定であった。しかしそのとき「恐怖」や「愛情」、「悲しみ」といった感情が芽生え命令に逆らい脱走したという。
助けられなかった仲間をこれ以上増やさないためにも彼らはブラックヘヴン侵入に力を貸してくれた。
ブラックヘヴンに転送される際、ロボットたちはコンピューターチップを判別される。そのチップを偽造することができればブラックヘヴン内部に侵入することができるという。
こうしてフニャニャチップを搭載したヘルメットを偽装し、ブラックヘヴン内部へ単独侵入することになった。

 

名前に似つかわずフニャニャはゴリゴリとブラックヘヴンの兵力を削っていった。そしてブラックヘヴンの甲板の敵勢力を一掃し、外部に結界を生成する装置を破壊していった。彼を阻止しようとブラックウィングの幹部たちも抵抗を続けたが彼の勢いの前では大した障害にはならなかった。

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こうしてブラックヘヴンの結界の一角に穴を開けた彼は、元々チェキやヘンリテ、ベルたちとともにブラックヘヴンに到達した際に発泡する予定であった「連合特製信号弾」を大空に向けて勢いよく放った。
時間が経ちすぎていた。連合軍がそれに気づき間に合うかどうかは賭けであった。
信号弾を放つということは自分がそこにいるということを敵に暴露するのと同義であった。
だが彼の心には迷いなどなかった。そこにはメイプルワールドの希望シグナスや仲間の信頼、そういったものがすべて詰まっていた。

 
 

希望の光は届いた

 
 
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撤退を余儀なくされていたメイプル連合は再び立ち上がる
しかし当然フニャニャの信号弾の光を見たブラックウィングも彼を倒そうとやってくる。
甲板の淵まで追い詰められた彼のまえに現れたのは・・・

 

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 "決定的な瞬間、華麗に登場!"

 

彼らは飛行士アーヴィンによって助けられていた(誰だよとか言わない
死んでしまったと思っていたレジスタンスの3人も戻り、連合軍は一斉に活気づいた。

 

ブラックヘヴンへの侵入に成功した彼らは動力であるスウのもとへ向かう!

第五章「ゲリーメルの野望」

人形使いフランシスはとうとうオルカの居場所を突き止めた。
彼女はレジスタンス本部地下に幽閉されていたが監視員の目を潜りオルカ救出に成功した。
オルカはフニャニャに記憶を覗かれた影響で過去の記憶が蘇りスウがなぜ残酷な性格になってしまったのかをおもいだした。
ゲリーメルに裏切られたオルカは命懸けでスウを救出することを決意した。

 

一方連合軍は先遣隊を内部に派遣し、活路を開くとフニャニャとともにアーヴィン、ナインハートが潜入を試みる。内部はその大きさゆえに複雑に入り組んでおりフランシスから得た設計図を元にナインハートがレーダーを開発した。彼らはそれを元に数万とある出入り口をかいくぐり最短のルートで動力であるスウの元に向かう。
その光景に対して余裕のゲリーメルは黒き天国の準備は出来ていると呟いた。

 

内部を移動している最中、アーヴィンが昔話を始めた。
彼は50年前エーデルシュタインの最高の実力をもった空軍士官であった。またマティーニとゲリーメルとは戦友でありマティーニはカリスマ的海軍士官であった。そしてゲリーメルは将来が期待される天才科学者であった。

 

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彼らは協力して外部勢力からの国を守る手段を確立していった。しかし次第にそれは生物兵器など倫理観を失うものとなっていった。生体実験や生物実験を始めようとしたゲリーメルとそれに賛同するマティーニにアーヴィンだけは反対していた。ゲリーメルは良心よりも科学者としての好奇心を優先してしまったのだ。

 

順調に中心部へ向かう一行はスウを救出するために同じく内部に侵入したオルカとフランシスに遭遇する。彼らは敵対関係にあったもののゲリーメルという同じ敵を抱えていたためなんとかオルカの説得を試みた。そのさなか突如ゲリーメルが映像通信でスウを召喚する。久々の再会を果たしたオルカの声に全く耳を貸さないスウはまるで機械のようにゲリーメルの命令に従い双子のオルカに対して攻撃を行った。
その衝撃で足場から落下したフニャニャは目を覚ますとオルカと二人きりの状態であった。(ウラヤマC

 

オルカは記憶を覗かれたことに酷く怒っていたが、ゲリーメルの野望を打ち砕くために二人で協力しなければ進めないトラップ助け合いながら進んでいった。最初は渋々協力していたオルカであったが徐々に心を許していく変化が見られた。時折みせる彼女の切な気な表情は乱暴な言葉遣いとは裏腹に双子のスウを思うとても純粋で優しい感情の表れであった。フニャニャも徐々に彼女の心の壁の奥に潜む感情に気付き始めていた。
彼らは最後のトラップにたどり着いた。しかし最後にオルカはフニャニャを裏切った。彼女は一人でトラップを潜り抜けると「わたしはスウを助けたい。だけどスウをバケモノ扱いする連合軍は信用できない。」という言葉を残しトラップの外で合流したフランシスと共に去っていった。言葉の裏に罪悪感を残しつつも・・・

 

フニャニャの背後からは大量のロボット兵が迫っていた。袋小路となった彼は延々と沸き続けるロボット兵に何度も捕まりそうになりながらもその場をしのいでいった。しかしそれも長くは持たずとうとう体力の限界を迎えてしまった。
大量のロボットたちに押さえ込まれ視界は徐々に暗くなっていった。朦朧とする意識の中で彼は心の中で仲間を呼び続けた。ここで終わりたくない。まだ戦いたい。みんなを救いたい
そんな最中突然彼の体が軽くなった。視界が広がりトラップが解除されていたのだ。
彼の前にはスウの攻撃によって分断された仲間たちがいた。
数万とある部屋の中で正確に彼の位置を特定するのは不可能に近い。
彼らによるとフニャニャのところに向かう最中にであったフランシスとオルカがフニャニャの位置を教えてくれたそうだ。(あのツンデレ野郎!!大好きだ!!
こうして再び合流を果たせた二人は急いでゲリーメルの元へ向かう!

 

彼らは中心部に向かう最中大量の爆弾が格納されているのを発見した。それはメイプルワールドを破壊し尽くすのが容易いほどの量であった。ゲリーメルの余裕の要因の一つであろう。
さらに奥へ進むと毒ガスに包まれた提督マティーニを発見した。顔色は酷く瀕死であった彼は死に際にゲリーメルを止めるべきだったと後悔していた。人間の命が有限であることに疑問を感じた彼はゲリーメルの人類が永遠の道を進むことができるという甘い言葉に唆されてしまったのだ。
マティーニが息を引き取った部屋にはゲリーメルが研究していた資料が大量に保管されていた。その文書からわかったことがある。

 
ブラックウィングは封印石MapleStory 2016-10-11 15-44-49-548.pngを探すことにかなりの力を入れていた。
封印石には次のような特徴がある。
①宝石の形をしている。
②超越者の力を超える不思議な力が封印されている。
③使用するには様々な条件が必要だが、決定的に多くの人々の切実な願いが集まらなければならない。
④因果律の法則に反する力を発揮すると消滅する。
まとめると、封印石は、多くの人々の願いを叶える不思議な石である。逆に言えば個人的な願いや希望では発動することができない。
よって封印石が一つでもこの世に存在している限り、暗黒の魔法使いbandicam 2016-10-11 15-45-20-225.pngは完全に自分の力を取り戻すことはできない。
科学の力では発動させることができなかった。
この封印石を作ったのはかつてのオニックスドラゴンの使い手である英雄フリードbandicam 2016-10-11 15-45-36-015.pngである。
ブラックウィングはエレヴの現女王シグナスが所持する最後の封印石を除き全ての封印石を回収することに成功した。
ゲリーメルは暗黒の魔法使いが与えたどの肉体よりも美しく強いとされるスウの肉体をつかって実験を始めようとしていた。
オルカにはスウを蘇らせるという偽りの目的を告げ、彼女の力を使って秘密裏にブラックヘヴン計画を進めた。
そして他の軍団長たちには、暗黒の魔法使いの魂を吹き込む器として使う、と欺いた。
どちらもスウの肉体を他人に渡さないための嘘である。
ブラックヘヴンを作るにあたって、ルー鉱山から資源を集めた。bandicam 2016-10-11 15-46-36-355.png
冷却材が足りないため、リエナ海峡で収集する必要があった。そのために提督マティーニ人類の永遠の道の話を唆した。bandicam 2016-10-11 15-46-42-189.png
こうしてゲリーメルの命令だけを聞くように人体兵器としてスウは復活した。bandicam 2016-10-11 15-46-50-152.png
しかし、ウィングマスターの力はオルカとスウの二人で分け合っている。ブラックヘヴンの動力として使うには不完全であった。そのためにオルカのウィングマスターの力を奪うようスウに命令を下した。bandicam 2016-10-11 15-46-55-616.png
人体兵器として白紙状態のスウにひたすら戦闘のためのデータを記録する。エボルビングシステムを利用し、自ら進化するよう学習能力を設計した。bandicam 2016-10-11 15-47-11-081.png
ゲリーメルはスウだけでなく科学爆弾レチオクシンによってメイプルワールド全域にわたって人類を感情のない生物兵器に作り変えようと計画した。bandicam 2016-10-11 15-47-55-650.png
レチオクシンは空気に露出されると、空気中のエーテルと結合し、人体の気管支に浸透しやすい状態になる。その後血液をわたり脳に運ばれ自己制御能力を失いスウのコントロールにより集団知性を発動する。
スウは上位個体として最終信号を洗脳された人々に送ることが出来る。これはスウの肉体だからこそ可能なことである。
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各地で起こる異常現象の謎が解き放たれた瞬間であった。
彼らはゲリーメルの恐ろしい野望に沈黙した。
そして彼の部屋の世界地図には科学爆弾レチオクシンの爆撃予定地が生々しく描かれていた。

 

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最初の爆撃地はエーデルシュタイン。彼らはそれを皆に伝えるため二手に分かれた作戦をジグムントとナインハートが、スウをフニャニャとヘレナが止めることになった。一刻の猶予もない状態の彼らは急いでスウの元へ向かう!!

第六章「軍団長スウ」

ゲリーメルは確かに倫理観を失っていた。しかし彼が望んだのは人類の進化であった。これまでに人類はその犠牲に見合った進化を遂げるために実験し学びそして考察し新しいものを作ってきた。彼も自分なりに理想を追求したのであろう。彼がここまで暴走する前に止めることのできる人が一人でもいれば、未来は変わっていたのかもしれない・・・
そんな思いを抱えつつも二人ははとうとうブラックヘヴンの中央コア直前までやってきた。
しかしその光景を監視していたゲリーメルは入口付近でヘレナに攻撃を仕掛ける。フニャニャの手は届かずヘレナはブラックヘヴンの底へと落下してしまった。
しかしもう引き返すことはできない。ここまでこれたのは仲間がいたからだ。フニャニャは仲間の思いを背負い、一人でスウに立ち向かうことを決意した。

 

人体兵器となったスウは全くの無表情であった。フニャニャはひたすら繰り出される攻撃をかわしながらも確実にスウの体力を減らしていった。広域光線攻撃、エネルギー球、落下する巨大な鉄くず、球体乱射。様々な攻撃をなんとか潜りぬけ、とうとうフニャニャはスウに致命打を与えることに成功した。
科学をどんなに駆使しても人間の脳には理解が及ばない部分が多くある。
スウは一命をとりとめ記憶が一時的に戻った
しかしゲリーメルもそう甘くはない。彼はスウの脳に記憶をリセットする機能を付け加えていた。
そして記憶が再び消えるまで何度も何度もスウに電気を送った。
スウの中では自身の自我とゲリーメルによる脳のリセットが戦いを始めていた
そしてそこにオルカはやってきた。

 
 

"これ以上近づくと、排除する。"

 
 

彼の言葉に耳も貸さず、オルカは彼に近寄っていった。

 

そして彼女はスウをそっと抱きしめ、彼の命がもう長くはないことを知りながらも無理矢理に元気な声で話しかけた。

 
 

"久しぶりだね、スウ。"

 
 

彼はスウに戻った。

 
 
&flash(http://www.youtube.com/v/v2p1iu5RPpU,640x360,bgcolor=#000000);
 
 

"失敗作は廃棄処分せねばな!"

 
 

ゲリーメルはスウの脳内に停止装置を設置していた。

 
 
&flash(http://www.youtube.com/v/D8KOD6fEI40,640x360,bgcolor=#000000);
 
 

フニャニャは最後の敵ゲリーメルを追う!

最終章「黒き天国の終焉」

ゲリーメルの居る最上階、コントロールルームについたフニャニャはゲリーメルによりレチオクシンを吸わされてしまう。
その場に動けなくなってしまった彼を横にゲリーメルはエーデルシュタインの爆撃を開始した。
空を覆う大量の科学爆弾は太陽の光を遮り町を黒く染め上げた。

 

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それはまさに黒き天国だった。

 

だが今までの時間を何もせずに過ごしていたナインハートとジグムントではない。爆弾が地上にぶつかる前に爆発させる計画を立てていた彼らは飛行艇をつかい懸命に爆弾を爆発させようとした。
数が多すぎた。

 
&flash(http://www.youtube.com/v/fkpazA94CXA,640x360,bgcolor=#000000);
 

スウから受け取ったふたり分のウィングマスターの力によってオルカはエーデルシュタインを救った。
想定外の自体にゲリーメルは慌てていた。そんなゲリーメルにフニャニャは最後の力を振り絞り反撃を試みる。しかし反撃するには体が弱りすぎていた。彼はゲリーメルによって再び倒されてしまう。さらに唯一の解毒剤の入ったビンを目の前で割られてしまった。2分後にジェネロイドたちに爆発する命令を下したゲリーメルは一人脱出を図る。
彼が脱出用ポッドに乗り込んだ時、突然フニャニャのまえからジェネロイドたちがきえた。
ジェネロイドたちはゲリーメルのことを「お父さん」と呼び脱出用ポッドの表面にしがみついたのだ。
皮肉にも自分の作ったロボットにより脱出を邪魔されてしまったゲリーメルを前にフニャニャが再び立ち上がる。
もう少しでジェネロイドたちが爆発するというところで彼は強制脱出レバーを引いた。

 

ゲリーメルは自分の作ったジェネロイドとともに大空に散っていった。

 

動力を失ったブラックヘヴンは徐々に壊れていった。
しかしフニャニャに脱出する力はもう残っていなかった。
そこに後からゲリーメルを倒そうとオルカが駆けつけた。ゲリーメルがすでにいないことに気づいた彼女は復讐を果たせなかった文句を散々吐いたあと反応のない彼を見捨てて逃げようとするも、自己犠牲を惜しまず戦った、自分の記憶を覗いた、なんだかんだでスウを救ってくれた彼を見捨てられず黙って担ぐと脱出を始めた。
彼女はウィングマスターの力を使い切っていた。今まで浮力の力に頼っていた彼女にとってフニャニャはとても重い荷物であった。崩壊が激しくゆく先々で躓くもオルカはフニャニャを見捨てず少しづつ進んでいった。
なんとか甲板の外まで脱出できたオルカはそこで待っていたヘレナにフニャニャを預けると一人炎の中へと消えていった・・・

 
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フニャニャは毒ガスを吸いすぎてしまった。解毒する方法は無かった。
誰よりも戦い誰よりも勇敢であった。もう動かない彼の前に皆泣いた。

 

"いえ、大丈夫です。"

 

シグナスは優しい笑みを浮かべそう呟いた。
彼女は光り輝く宝石を取り出すとフニャニャの前にかざした。
それは最後の封印石であった。

 

因果律に反する力を使った場合、封印石は消滅する。

 

それはつまり暗黒の魔法使いの完全なる復活を意味する。
しかし彼女は言った。かつて龍の魔法使いが封印石を作った時、彼は大事なものを守るために人々の願いを込めた、と。

 

彼女が守るのは封印石ではなく目の前に死にかけている仲間だと。

 

誰もが賛成だった。
封印石は皆の願いを吸収すると眩く光だした。
光に包まれフニャニャは再び立ち上がった。

 
最後の鎖が弾けた

エピローグ

とうとう暗黒の魔法使いが動き出した。

 
 
 
 
 
 
 
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to be continued....

ヒーローズオブメイプル-Heroes of Maple-

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プロローグ

数百年前・・・混沌の時代。
メイプルワールドは暗黒の魔法使いとの戦いにより、闇の中に沈んでいた。
しかし、希望は存在した。
暗黒の魔法使いに立ち向かった6人の英雄たちがいた。
フリードの作戦により英雄たちは暗黒の魔法使いを封印することができたが、その代償はあまりにも大きかった。
厳寒の呪いによって英雄たちは氷に閉じ込められ、そのまま長い眠りについてしまった。
フリードを守るために代わりに呪いを受けたオニックスドラゴンの王フリエンも同じく眠りに落ち、別れの瞬間、彼らは一つの約束を交わしたと伝えられている。

 

"我々は永遠の友情を誓い合った。我らの約束は守られるだろう。"

 

そして数百年後、物語は彼らの末裔たちによって再び始まる。
オニックスドラゴンの王が眠っている、この雪帰島にて――

第一章「約束の絆」

エヴァンミル異変を感じていた。
ドラゴンマスターとオニックスドラゴンの王の末裔である彼らはフリエンに不吉な予兆を感じ、吹雪が絶えない極寒の島である雪帰島に来ていた。
予想は的中し、本来であればリエンの領地であるはずの雪帰島に大量の魔族達が潜んでいた。
彼らがフリエンのいる氷壁の頂上にある洞窟に向かう途中、魔族の捕虜となっていたリエンのペンギンから状況を知ることができた。

 

フリエンは暗黒の魔法使いの呪いにより眠りにつき傷を負ったまま島と一体になり、わずかな生命力で生き延びていた。

 

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しかしある日突然南の大陸に位置するマステリアにいるはずの魔族たちが軍団長デミアンの命令でリエン島めがけて奇襲をかけてきた。
魔族たちはあっという間にリエン島全域を占領すると島の住民たちを捕虜として捕らえた後、フリエンの眠る居場所を特定し、弱った彼のところへ攻め込み魔族の力によって意識の侵食を図ろうとしていた。

 

話を聞いたエヴァンとミルは先を急いだ。洞窟内にたどり着いた彼らは既に魔族が侵入した形跡があることに気づく。
洞窟内は暗く、足場も不安定であったが彼らは着々と進んでいった。
特に目立ったトラップや監視兵もいなかったが、二人は雪蜘蛛の巣に足を踏み入れてしまった。
雪蜘蛛は子供たちを守るために二人を威嚇し、エヴァンはその衝撃で足を滑らせてしまった。(さすがアホの子
エヴァンとミルは分断されてしまった。
エヴァンはとりあえず一人で先を進むことにしが、目の前にそびえる巨大な氷壁にエヴァンは立ち止まってしまう。そんなエヴァンの背後から声をかけてきたのは・・・

 

暗黒の魔法使いを封印した英雄の一人であるアランユエであった。
彼らは共に修行を積んでいたが、最後のリエン族の一人であるリリンがほかの住民たちと共に魔族に捕らわれたという情報を聞きつけ雪帰島にやってきたのだった。
彼らは軽々と氷壁を砕くとエヴァンと共に先に進んだ。
リリンは連合軍と繋がりがあったため魔族兵士によって隔離されようとしていた。アランは素早く魔族兵士たちを制圧するとリリンを人質にしていた魔族兵士の背後に回り込んだ。リリンを無事助けることに成功した二人はエヴァンのフリエンの救済に協力してくれることになった。
彼らはミルの帰省本能を利用し、フリエンの元へ向かう!
そんな光景をみていたリリンはそっとつぶやく

 

"予言によると、暗黒の魔法使いを封印し英雄たちが再び集まる日、世界の危機をもう一度阻止すると言われている。"

 

3人の英雄たちはフリエンの元にたどり着いた。
侵食は酷く進行していた。
フリエンの額の紋章はオニックスドラゴンのものから魔族のものへと変化していた。

 

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彼は自身がどのような状況にあるか分かっていた。そしてもう元に戻せないほどに侵食が進んでいることも分かっていた。
言われるがままに行動する魔獣と化すくらいならばその前に自らの命を経ったほうがよかろう。彼はこの屈辱的状況から一刻もはやく脱却したかったが、それを先延ばしにしていた。それは彼がフリードと最後にかわした約束があったからだった。
フリエンが力を込めるとエヴァンの右手の紋章が光りだした。エヴァンの脳裏にはフリードの声が響いていた。フリードはドラゴンマスターの後継者のために重要なメッセージをフリエンに託していたのだった。
彼が残したメッセージから得た情報は

 
間もなく暗黒の魔法使いの軍団長によって、世界樹が飲み込まれる。それを阻止するためにはフリードが残したあるモノが必要となる。
そのあるモノは、封印石とは比べ物にならないほど大切で、危険なモノである。それを扱うことが出来るのはドラゴンマスターの後継者だけである。
約束の絆から送られるメッセージはエヴァンだけに伝えらえれほかの誰にも伝わらない記憶の転移である。
 

というものであった。

 

"フリード、君との約束は果たした。これで私は・・・永劫の時間の中へ消えてゆくだろう・・・"

 

長い時間を越えて、伝言を末裔に伝えるという最後の約束を果たした彼はデミアンの意志の侵食を逃れるために3人の英雄たちを入口までテレポートさせ、光の中へと消えていくのであった。

 

"ミル、立派に育ってくれてありがとう。"

 

"行くがよい。そして忘れるな。オニックスの誇りを―"

 

フリエンは最後まで誇りを失わなかった。生きていく姿そのもので光となる存在がある。数百年前、フリードとフリエンが初めて契約を結んだ日のように暗き時代を照らしてくれる希望の証だったのだ。彼はその姿のまま最後を迎えたかったのであろう・・・・。

 

3人は奮い立った。
この困難に立ち向かうために。
暗黒の魔法使いとその軍団長たちの黒き野望に打ち勝つために!
エヴァンはエルフの王メルセデス、光の魔法使い、怪盗ファントムのこった3人の英雄を再び集結させることを決意した!
物語が動き出した。

第二章「英雄招集」

エヴァンとミルは残った3人の英雄を招集するためにそれぞれの居場所に向かう。
最初に向かったのはエルフの王メルセデスがいるエウレル
エウレルでは街全体がメルセデスと一緒に暗黒の魔法使いの厳寒な呪いによって凍らされていた。
大人たち、そしてメルセデスはある程度の抵抗力を持っていたため数百年たった現在開放されていたが、抵抗力のない子供達は眠らされたままであった。
そんな子供たちを助けるためにメルセデスは冬花の葉目覚めのオルゴールなど様々な手を尽くしたが子供たちが目覚めることはなかった。
そこにやってきたエヴァンはメルセデスに今までの経緯と力を借りたい事と暗黒の魔法使いを倒すことが子供たちを救う近道になるということを伝え、集合場所を伝えた。

 

つぎに二人は怪盗ファントムのもとへ向かった。欲しいものはなんでも手に入れる伝説の怪盗は数百年が経った今、人々の前に再び現れ珍しい宝石をさがして世界中を旅していると言われている。そんな彼は今、マガティアに宝石を盗む予告状を送っていたらしく、二人は数少ない手がかりとなるマガティアに向かった。
マガティアに着くとさっそくファントムを見つけることができた。彼はエヴァンとミルを見るなりその場から消えてしまった。彼にとってマガティアの宝石を盗むという計画を邪魔する厄介事はなるべく避けたかったようだ。しかしなんとかファントムを捕らえるとエヴァンは今までの経緯と、暗黒の魔法使いを倒す英雄の中にファントムが居なかったらメンツが立たないことと、これから向かう古代遺跡に存在するかもしれない宝の魅力を唆すと集合場所を伝えた。

 

最後に二人は光の魔法使いルミナスの元へ向かった。
彼は内面の平常心を保つため、森の中に隠居していた。彼はフリードの作戦が抽象的な予言だけで未来の災いを予見したこと、仲間たちが集まれば何とかなると漠然と思い込んでいたこと、そして決定的に重要なこの案件をエヴァンとミルというまだ未熟な後継者に託したことを指摘し、自らの作戦で暗黒の魔法使いを倒そうと考えていた。
しかし、二人はかつての英雄であったフリードを除く5人が数百年の時を経て復活し完全に力を取り戻していないことを指摘し、その未熟さを協力することで補おうという言葉を残し集合場所を伝えた。
彼は最後まで英雄の再召集に反対していたが、その一番の理由がラニアを一人にしてしまうことだというラブコメ的展開を見せつけてきやがった・・・・脳が・・・・震 エ ルッ松岡6.jpg

 

3人の英雄たちに集合場所を伝えたエヴァンとミルは先に集合場所へと向かう。
彼らが向かった先は・・・・フリードが何かを残したと言われるニハル砂漠、アブラクサスの遺跡!

第三章「注視する神」

現地に到着した彼らはほかの英雄たちを待ったが集合時間になっても一人も来なかった。
しぶしぶ二人はフリードの試練と捉え先に進むことにした。
古代遺跡があるとされる場所には遺跡らしきものは見受けられなかった。あたりを捜索していると突然エヴァンが地面へと姿を消した。砂丘は二枚床のようになっていたのだ。ミルはエヴァンの後を追って地面へと潜った。
アブラクサスの古代遺跡は地面の中に隠れていた。
アブラクサスについてエヴァンが語り始めた。そこからわかったことがある。

 
太古には全てのものが生きて動いていた。石、木、風、太陽、月、川、海など365個の被造物には365体の神が宿っていて365の法則によってそれぞれ存在していた。
365個という膨大な法則は秩序を失い世界は混沌の中で光、生命、時間という3つの法則に収まった。その際に365体の神は消滅もしくは萎縮した。その神々を祀った墓を治める者がアブラクサスである。
 

二人は遺跡の入口までやってきた。入口は魔法で固く閉ざされ、ミルの攻撃でもびくともしないほど強力であった。
すると突然入り口付近に散らばった岩が合わさり巨大なゴーレムが二人に襲いかかってきた。
彼らの攻撃は入口の強力な魔法同様にゴーレムには通じなかった。
ゴーレムは消えた王、アスワンの命令で入口を守る不滅の存在として作られたようだ。
そんな為すすべがなくなった二人の前に背後から強力な攻撃が繰り出された。
メルセデスである。
彼女は強力な魔法結界に対しエルフ独自のさらに強力な力を込めた矢によってゴーレムを倒した。
彼らは先へ進んだ

 

メルセデスはフリードと仲が良かったため彼の後継者であるエヴァンに厳しい目線を向けていた。フリードと比較すると明らかに未熟さが目立つ二人を彼女はリーダーとして認めることができなかった。
そんなメルセデスの厳しい意見をエヴァンは素直に受け入れた。予想外の反応にメルセデスは彼に対する気持ちが自分の八つ当たりに過ぎないことを自覚した。ドラゴンマスターの人を惹きつける力も彼は継承しているようだ。
トラップの多い遺跡内部は周囲に細心の注意を払わなければならなかった。
天然でアホなエヴァンは当然のことながらトラップに引っかかってしまう(ノルマ達成!
そんな彼らの前に今度はファントム、ルミナスが華麗に登場!
彼らはものすごい勢いでモンスターを駆逐するとエヴァンとメルセデスを救出した。
力強い仲間が二人増えてメルセデスも安心・・・・のはずであったがルミナスとファントムは戦いが終わるやいなや喧嘩を始めてしまった。犬猿の仲のようだ・・

 

彼らが歩みを進めていくと巨大な石版数百年前におきた歴史がそのまま刻まれていた。
メルセデスによるとこの世の中には重要な歴史を自動的に記録する空間があるそうだ。
そしてそういった空間は自らの意識を持っていて権能によって動いているそうだ。
それはすなわち365個の神のうち消滅せずに萎縮したものによる事象だと考えられる。
石版は全部で4つ存在した。
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光、生命、時間の超越者による世界の均衡
 

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光の超越者の暴走
 

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暗黒の魔法使いの封印
 

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世界樹の侵食
 

最後の石版は未来予想であった。フリードの記憶移動によってエヴァンはフリードが予見していた未来を知っていた。フリードは暗黒の魔法使い封印後アスワンで生活し、そこで巫女たちとともに未来のビジョンをみていた。彼がみた未来はあいかわらず暗いものであった。その中でもはっきりと見えた一説が「終末の戦いが近づくとき、足かせから放たれた狼が世界樹を飲み込む」というものだった。

 

彼らは先に進んだ。
遺跡の最深部に到達するとそこには影によって解かれるトラップ人間が侵入すると砂が降ってくるトラップなど難関なトラップに直面した。なとかそれを切り抜けると一行は外に出ることができた。
そこにはアブラクサスの像となにかの古代装置が隠されていた。
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しかしやはり情報は漏洩していた。
大量の魔族兵士たちがデミアンの指示によって迫ってきていた。あらかじめニハル砂漠の各地に魔族兵士を忍ばせ、古代遺跡の在り処を突き止めたのだ。デミアンは実は雪帰島でわざとエヴァンたちを逃がし、フリードの遺産の在り処を突き止めるためにエヴァンを泳がせていたのだった。
しかし簡単にやられる英雄たちではない。4人の力は魔族兵士たちを遥かにしのいでいた。
絶え間なく続く持久戦にトラップを今までこなしてきたエヴァンは特に疲労していた。
そんな彼らの正面の魔族兵士が突然吹き飛んだ。
アランとユエである。
彼らはアランの相棒マッハの調子が悪く、再生するため後から合流する予定だった。
元々後衛担当だったアランは背後に迫る魔族兵士をすべて倒しながら進んでいたため合流に遅れてしまったようだ。
波乱の集結を迎えた6英雄たちはアブラクサスの装置の元へ向かった。

 

エヴァンは疑問を抱いていた。
農家の生まれの平凡な自分がなぜこんなに偉大なる英雄たちの中に混ざっているのだろうか・・・
彼には自信がなかった。目まぐるしい日常の中で彼の心は錯乱していた。
そんなエヴァンの気持ちを察したルミナスは彼に最後のトラップを任せた。
それは英雄たる資格のあるものたちが持つ信念に反応して解除されるトラップであった。
エヴァンは心を静めた。

 

"フリード・・あなたが僕に残したかったものは何だったのか・・・"

 

"今、ここでその答えを見つけ出したいです!"

 

彼が手をかざすと遺跡のトラップが反応し装置が動き出した。
物凄い衝撃と土埃を巻き上げながらアブラクサスの遺跡は空中に舞い上がった。
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飛行遺跡アブラクサスの上で彼らは無事を祝っていた。すると彼らの背後から声がした。
フリードの思念がアブラクサスの遺跡に残されていたのだ。
フリードと残された英雄たちは今までの苦労話、これからの話、様々な話をかわした。
フリエンの話を聞いたフリードはその誰よりも悲しそうな表情をうかげたが、誰よりも先にミルを慰めた。
そして世界が分かれる前から存在していた、唯一無二の古代の物質に関する話を伝えてくれた。
この世には世界の始まりから存在していた根源的力をもった物質が存在している。
その物質の一つに超越石というものがある。
その正体は未だわからない。しかし、注視する神、アブラクサスの目によってその存在は観測することができた。
フリードはその物質が存在する場所に行きたかったが、当時の技術では存在している他次元に触れる方法がなかった。そこで彼はこの飛行遺跡アブラクサスとともに自分の思念体を封印しドラゴンマスターの末裔者に託すことを計画したのだ。
彼らに伝える使命を終えた思念体フリードは別れの時間を告げた。
彼らは切なげな気持ちを抱えながらもこれから迫る試練を胸にフリードを笑顔で見送った。
そして全てをエヴァン、そして残された英雄たちに託しフリードは静かに去っていった・・。

 

第四章「インフィニタシウム」

エヴァンとミルは英雄たちとともに超越石を探すために旅立った。
メイプルワールドとは全く違う見知らぬ世界へと・・・・。

 

飛行物体アブラクサスは次元を超え石のある場所へと英雄たちを導いていった。
たどり着いた場所はコスミックミュージアムという別次元の都市であった。
彼らはこういったことには十八番のファントムに超越石の入手を頼み、騒ぎを最小限に抑えて、超越石の位置を特定、可能であれば盗むという作戦を練った。
アブラクサスの能力は位置を大まかにしか特定できないためそこから先は手作業となった。まずはミュージアム館内をさがすことにした一行はまずファントムを現地に送り込んだ。
そこでは世界中からかき集めた珍しいものを展示するミュージアムのオープンパティーが開かれていた。彼はそこに参加している人々に話を聞いて回った。そこから得られた情報は以下

 
最近発生したシンクホール事件によれば、この世界ではないほかの世界が存在することが極めて確定的な事実と判明している。そのほかの世界では理論上でしか言及されていない反粒子によって生み出された世界の可能性がある。本来であればこの世界とその反粒子の世界は衝突する瞬間、相互消滅してしまうとされている。
この博物館ではまだ解明されていない未知の科学に関する全ての物質を集めるというDr.林の野心的計画によって実現された。
 

ファントムはこのDr.林という人物に注目した。彼は世界的科学者でありシンクホール事件の解明者の一人であった。
先に館内に侵入していたメルセデスと合流したファントムはDr.林の演説を彼女とともに聞いた。
そこからわかったことは以下

 
Dr.林の仮説だが遥か遠い太古の時代世界は一つであった可能性がある。そしてその一つの世界を巨大な力をもった何者が二つに分けた。その二つの世界が最近になって再び元の姿に合体しようとしている可能性がある。
Dr.林は仮説の裏付けを探すために世界各地のありとあらゆる不思議なモノを研究した。その中で決定的な物質を見つけた。それが超越石であった。201609010355067a4_0.png
超越石はほかの物質が近づくと、全ての電波と地場が歪曲され、質量も毎回記録するたびに変わる。つまり、この世界での物理法則はこの物質の近くでは全く適応されない
Dr.林は超越石にインフィニタシウムという名前をつけた
 

ファントムとメルセデスはエヴァンから超越石の保管されている場所に二つのキーが必要であることを聞くと、メルセデスが気を引いている間に二つのキーを得意の変装とスリによって入手し超越石の元へ向かった。
この演説を聴いている最中、ルミナスは電源供給装置へと向かっていた。電源を経てば一時的に館内の全セキュリティーを無効化することができるのでその間に超越石を盗み、脱出する計画であった。
ルミナスが電源を落とした瞬間にファントムトメルセデスは会場から脱出しルミナスと合流すると急いで超越石の元へ向かった。
しかしファントムの連絡先を追ってしつこく付いてきた声の大きい女と突然消えたファントムとメルセデスに不信感を抱いたDr林によって警報が鳴らされてしまった。
結局強行突破するしかなくなった彼らは警備ロボットを素早く倒し先へ進んだ。

 

超越石が保管されているセキュリティエリアにたどり着くとルミナスが突然嗚咽を上げた。彼は超越者ではないが暗黒の魔法使い、すなわち光の超越者の力が混ざっている。そのためあらゆる力を歪曲させてしまう超越石は彼の力の均衡すらも歪ませてしまったのだ。ルミナスによると超越石を利用することで超越者の力を操るだけでなく奪うことすら可能になるようだ。彼らはこのあまりにも危険で不透明な物質メイプルワールドに持ち帰るか持ち帰らないか言い争いを始めた。
次第に言い争いはエスカレートしていきルミナスとファントムは戦い始めてしまった。その頃、デミアンと彼が率いる大量の魔族兵士軍団はアブラクサスの後を追って遺跡内に残っていたエヴァンとアランに迫っていた。そしてデミアンは彼らの注意が超越石から離れている隙を突いて超越石を奪った。彼が今まで正確に英雄たちの位置を特定し、攻め込むことができたのはアランの武器マッハと剣を交えた際に感染能力によって位置を常に把握できるようにしていたからのようだ。つまり情報が漏洩していたわけではなかったのだ。
デミアンは超越石とともにその場を去っていった。あとを追いかけようとするも彼らにはもうそれだけの体力が残されていなかった。そして遺跡に残されたエヴァンとアランが心配になった彼らは急いで館内を出た。
空にはフリードが遺した最後の遺産が煙を上げながら落下していく姿があった・・・

 

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第五章「魔族の過去」

※この章は独立したストーリーとなります。

第一部「マステリアの破滅」

かつて全ての魔族メイプルワールドの南方に位置するマステリアで生活していた。マステリアはその全域が特殊な結界で覆われており、外界から接触は困難な状態であった。そのためかつてはメイプルワールドの住民とマステリアの魔族たちが交じり合うことは決してなかった。
魔族たちは忘れてはならない誇り自分たちを節制するバランスの象徴として祭壇を大切に祀っていた。祭壇の巨大な像には5つの伝説の武器が奉納されその強大なる力を中心として魔族たちは平和を保っていた。5つの伝説の武器は剣、杖、鉤爪、弓、銃でメイプルワールドの基本5職の武器と一致している。

 

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しかし平和であったマステリアでは数百年前、正体不明の「マスター」と呼ばれる存在により突然の終焉を迎える。 マスターはマステリアのバランスであり、誇りであるマステリア祭壇の武器の魂を吸収した。これにより中心を失った魔族たちの間で絶え間ない大戦争と混乱が発生した。 強大なる中心たる力が失われたこと、混乱に乗じて嘘の情報が拡散されてしまったこと、様々な原因が大戦争の引き金となった。これによりほとんどの魔族たちが戦争の真の原因を知らないまま戦うこととなった。
マステリアは継続しつづける戦争により国家としての機能である秩序や規律を失い、かつては士気の高い優秀な兵士だった魔族たちは堕落してしまった。
こうしてマステリアは崩壊寸前となり現在ではいくつかの小さな町が各地に残っているだけの状態となってしまった。
そんな中、魔族たちは、祭壇の伝説の武器にかわる強大な力を手に入れるため超越者の力を望んだ。彼らは何百年もの間実験を繰り広げ、とうとう同族である魔族を捕らえ実験に使用したり儀式の供物として利用し、多大な犠牲を生んでしまった。そしてその超越者の力をそそのかしたのが暗黒の魔法使い率いる軍団長の一人、ヒルラであった。

 

マステリアの女神は、「メイプルワールドが秩序と規律の世界であれば、マステリアは混沌と不安定の世界となる。」と物語った。 数百年前のメイプルワールドが混乱しマステリアが平和であったことを考えると、マステリアとメイプルワールドの間には裏表の関係があるのではないかと推測される。

第二部「混血魔族の誕生」

一方、このようなマステリアの状況に際して、一部の魔族たちは結界を抜けてメープルワールドに移った。デーモンやデミアンの父親もその一人であった。そしてその居住地域が、 リプレ南部地域だったのだ。
彼らはその地にを作り生活をはじめた。当然リプレにはメイプルワールドの先住民も住んでいたため魔族たちは彼らと交流を深めるようになった。次第に魔族と人間は交わるようになり混血魔族(半魔族)とよばれる存在が生まれるようになった。デーモンやデミアンもその一人である。しかし人間にも魔族にも属さない混血魔族は異端として魔族たちから虐げらた。
身体、瞬発力、戦闘センス、全てがが天性の戦士タイプであり後に魔族最強の兵士となるデーモンは小さい頃から強かったため彼に逆らう魔族はいなかった。だが体が弱かったデミアンは、他の魔族たちから露骨に苦しめられてしまっていたため、デーモンは常に気をもんで弟を守らなければならなかった。
そんな幼少期を過ごしたデーモンは後に暗黒の魔法使いの元で絶対的な支配者となり家族が軽蔑されずに住む世界を作ろうとした。

 

純血魔族は生まれつき翼を持っており出し入れすることができる。普段はしまっており、戦闘時に空を翔るために取り出す。混血魔族は殆どの場合生まれつき羽を持たない。しかし希に魔族の血を多く引く子供が生まれるとその子供は出し入れすることのできない羽を生まれつき持っていることがある。デミアンやデーモンもそのひとりである。

第三部「デーモンの末路」

デーモンの鬼才ともいえる力は暗黒の魔法使いにとって必要なものであった。デーモンはその力によって時間の超越者ルインヌの封印に貢献した。また暗黒の魔法使いの命令によりリプレに生息していたドラゴンを一掃した。その際にオニックスドラゴンもフリエンをのこして絶滅した。
その頃アカイラムは自分よりも力をもつデーモンに脅威を感じるようになった。またデーモンが暗黒の魔法使いの右腕であり軍団長の誰よりも信頼されていた事から、アカイラムは彼を力ではなく策略で追い出そうとしたのだ。
アカイラムはデーモンの弱みである家族がリプレに住んでいる事を知っていた。
そこで彼は暗黒の魔法使いの命令という建前「すべての戦争を終結させるために当時の抵抗軍への見せしめとしてリプレ全域の破壊を実行しろ」デーモンを除く軍団長に命じたのだ。当然アカイラムはデーモンにこの作戦が知られるわけにはいかなかった。しかしデーモンだけが参加しないことにほかの軍団長が疑問に思うため、アカイラムは「デーモンはルインヌの封印に参加したことで力を消耗している。そのため暗黒の魔法使い様がこの作戦から除外なさった。」という理由で彼らを納得させた。こうしてデーモンにこの作戦が伝えられるのは作戦完了後となった。

 

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彼が急いで家族の元へ向かうとそこには既に無残に焼き払われた家の残骸と彼が大切に保管していたロケットが地面に転がっていた・・・。

 

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デーモンの家族はアカイラムの卑劣な策略によって殺されてしまった。
家族を失い、今まで家族のために犯してきた罪の全てが無駄となってしまったデーモンは我を失い怒り狂った。
その矛先は当然アカイラムではなくその作戦を命令した暗黒の魔法使いに向いた。
暗黒の魔法使いが居る時間の神殿、暗黒の魔法使いの部屋の前までやってきたデーモンをアカイラムは待ち受けていた。デーモンの殺気立つ瞳、そして乱雑な口調にアカイラムは心底笑っていた。

 

"はぁぁ~これは確実に・・・は・ん・ぎゃ・く!"

 

"まだ人間の心を捨てられていないか?これしきのことでここまで壊れるとは、情けない!"

 

だが、暗黒の魔法使いはそれを見抜けないほど無能ではなかった。
彼はアカイラムが独断で作戦を実行し、デーモンがその作戦に陥れられた事も全て把握していた。その上でアカイラムの行動を黙認していたのだ。
暗黒の魔法使いは冷静であった。
彼は時間の超越者ルインヌを封印するという彼にしかできない最大の任務をすでに終えていること。デーモンの目的の根源たる家族がすでに失われたこと。そしてアカイラムが彼の弟であるデミアンを実は殺しておらず次の作戦である生命の超越者アリーシャの力の奪取に向かおうとしていること。これらを総合的に考えデーモンを切り捨てたのだった。

 
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こうして彼は暗黒の魔法使い、そして仲間であった軍団長に裏切られたのだ。
何もかも全てを失ったデーモンは暗黒の魔法使いの厳寒の呪いにより英雄たちとともに数百年の眠りについた。

 

暗黒の魔法使いが英雄たちの手によって封印されると、リプレの戦線から逃れ、残った数少ない魔族たちは暗黒の魔法使いに加担したとしてリプレの人間たちによって虐げられた。デーモンが暗黒の魔法使いの軍団長であったことを人々も知っていたのだ。次第に魔族たちは「生き残るのは強い者のみ。弱さは罪である。」という人間たちの言葉とともにマステリアに追いやられていった。
しかし、かつてマステリアに残り苦しい生活を強いられ続けてきた魔族たちは結界を抜けてメイプルワールドへ逃げた魔族たちを快く受け入れることはなかった。特に混血魔族たちは純血魔族たちによって奴隷のように扱われ悲惨な日々を送った。
混血魔族はとうとう人間からも魔族からも虐げられる居場所のない存在となってしまったのだ。

第四部「デミアンの野望」

そして数百年後・・・現在。
新軍団長に新しく任命されたデミアン迫害を受けた混血魔族を糾合して動き始めた。彼は兄であるデーモンが果たせなかった夢・・・絶対的な支配者となり家族が軽蔑されずに住む世界の創造を果たそうとしていた。しかしその背後にはやはりアカイラムがいた。生まれつき体が弱く、フォースを持たないデミアンはとても操りやすい駒だったのだ。
アカイラムはデミアンの記憶の一部を操作し、彼の母親はデミアンの突然の力の覚醒と暴走により死んだという事実を追加した。これによりデミアンの罪悪感を生み出し、デーモンとの接触を阻止し真実を隠蔽することができた。
そしてデミアンを引き取る際に彼の体にルインヌの時間凍結の紋章を刻み万が一に備え、さらに彼らの母親の肉体の虚像を作り出し、ルインヌの力を利用し凍結、封印していることにした。これによりデミアンの弱みを握り脅しの道具として使った。

 

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どれもデミアンを円滑に駒として利用するためのアカイラムの冷酷で狡猾な策略であった。
デミアンがこの真実を知るのは彼が世界樹を手に入れた後であった。
暗黒の魔法使いの手下となることで力を手に入れたデミアンはその代償として数百年間の間アカイラムの元で混血魔族の軍団とともに任務を遂行した。

 

"何事にも代償が必要である。暗黒の魔法使いの力を手に入れる為にヒルラは国を売り、ヴァンレオンは魂を売った。"

 

デミアンはより強いものを侵食することで力が増していく能力であった。そのためオニックスドラゴンの王であるフリエンなど強大な力を侵食していった。
アカイラムはその力に目をつけていた。彼はデミアンに生命の超越者アリーシャの力の侵食を命じると、密かにアリーシャの力を暗黒の魔法使いに引き渡すことで自分が報酬を得ようとしていた。

 

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一方デミアンは強大なる超越者の力を侵食し続けたことで体に多大なる負担がかかっていた。彼は力の代償として自らの命を削っていた。アカイラムもかつて時間の超越者であるルインヌの力を欲していた。しかし彼は自分の器には大きすぎるその力を冷静に見定め諦めたという。
しかし彼にもアカイラムとは別の目論見があった。
彼は超越石によってアリーシャの生命の超越者としての力を奪い自分自身が超越者になろうとしていたのだ。
その頃、雪帰島を拠点にしていた混血魔族兵士たちの軍団は連合軍と降着状態となっていた。
すでにデミアンの計画は自分ひとりのものではなくなっていた。
彼は残された魔族兵士たちに待機命令を下すと、英雄たちが乗り込んだ古代遺跡アブラクサスを追って魔族兵士を引き連れて別次元へと消えていった。
こうしてデミアンは別次元で英雄たちから超越石を奪うと、密かにアリーシャの力を奪い取り吸収したのであった。
そのころ、アカイラムはデミアンが超越石を別次元から持ち帰ったことを内偵者から知り、彼の元へ急いだ。

超越石は超越者の力必滅者の領域に引き下げる石である。

アカイラムは暗黒の魔法使いに対する反逆と判断し、かつて彼を引き取る際に刻んだルインヌの時間凍結の紋章を発動させた。
そして彼に冥土の土産としてすべての真実を打ち明けると用済みとなったデミアンを殺そうとした。
しかし既に時は遅かった。デミアンはアリーシャから奪い取った超越者としての力を行使することでアカイラムを返り討ちにしたのだった。
彼にはもう怖いものなど何もなかった。

 

今まで背負ってきた理不尽な所業、母の突然の死、同族からの迫害、彼の胸には怒り、悲しみ、そして苦痛が満ち溢れていた。そしてそのすべての負の感情から開放されるべく彼の復讐が幕を開けた。

第六章「魔族の怨念」

デミアンは到底一つの存在が扱えない巨大な力を蓄えすぎた。
英雄たちは手に負えない力を吸収したデミアンは極度に不安定な状態になっていると考え、その隙に超越石を取り戻す計画を練った。
また、ルミナスが危惧していた超越石の危険性についても、超越石が諸刃の剣であり、石が持っている力があれば暗黒の魔法使いを相手にする際必ず役に立つことは確かである。と考え、超越石を使わないのではなく、使い方を考える方針で決定した。

 

一方メイプルワールドでは引き続き魔族と連合軍が小康状態にあった。人々は嵐の前の静けさを感じていた。
ナインハートとジグムントは住民の被害を最小限に抑えることを第一として防衛線を張っていた。
デミアンがアリーシャの力を奪取してから、早くもメイプルワールドに変化が現れていた。
各地では急速に木々が枯れ、メイプルワールド全体の生命力がデミアン一点に流れていった。世界樹は邪悪なオーラを吹き出し、メイプルワールドは恐怖に怯えた。

 

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そしてとうとうデミアンの指示によって別次元にいっていた魔族たちと待機していた魔族たちが合わさり総攻撃が始まった。
戦況は予想以上に悪かった。兵力は足りず、なんとか住民の命を守るのが精一杯であった。しかしこの戦いはデミアンという総頭がいなくなるまでの戦いとなる。すべての魔族を倒す必要は無かった。彼らはエヴァン率いる英雄たちがデミアンを阻止するのを待ち続けた。

 

英雄たちはメイプルワールドに戻ってくると次元を跨ぐと人々の記憶から消しさられるという呪いのためメイプルワールドに残ったユエと合流した。彼らは世界樹の頂上で待ち構えるデミアンのもとへ急いだ。
世界樹の中は侵食が進んでいた。幹の色は紫色に変色し邪悪なオーラを漂わせ、魔族兵士が大量に潜んでいた。
彼らが進む途中、一行はデーモンとすれ違った。彼は魔族の問題は魔族が責任を持って解決しなければならないとし、今は戦うつもりはないと言った。共に対する敵は一緒であったため、エヴァンは彼をともに戦う協力者として誘ったが、デーモンは断った。それはデミアンが彼の弟であったためである。
飛行能力によって先に頂上にたどりついたデーモンは彼を止めるべくデミアンと再び再会した。魔族の掟である他人の戦いには関与しないことというものを破っても弟であるデミアンにデーモンは伝えなければならないことがあった。
それは彼らの父親の話である。
純血魔族だった父は数百年前から行われていた超越者の力を手に入れようと行っていた実験に参加していた。無理な実験をいくつも行った結果、マステリアは徐々に荒れ果てていった。彼らの父は実験ががもたらす災いに気付き、途中から反対したが結局孤立し、そして死んでしまった。
魔族たちが経験したすべての悲劇は、過度な力を求めようとしたためだった。マステリアが現在のように荒地となってしまったのも、故郷を失いメイプルワールドに移住してきた魔族によって生み出された混血魔族たちが虐げられてきたのも全てそのせいであった。
デーモンは同じ過ちを繰り返そうとしているデミアンにそれを伝えた。魔族の悲劇は先代で終わらせるべきだと。

 

しかし、数百年もの間ただ一つの目標のために苦痛を強いられてきたデミアンにとってその忠告はあまりにも残酷であった。しかしそれを承知でデーモンは訴え続けた。君のことを憎んでいない。今まで一度だったそう思ったことはない・・・そんな必死に訴え続ける兄にデミアンは笑みを浮かべた。

 

"なんと涙ぐましい兄弟愛だ。"

 

デミアンはデーモンを一撃で吹き飛ばすと、先代の過ちを否定した。過度な力を求めようとしたことが問題ではなく自分の壁を飛び越えることに失敗したためだと。
彼は膨大なるメイプルワールドの全エネルギーを吸収し、不可能など感じていなかった。圧倒的力、圧倒的開放感、彼にはもう理性などというものは存在していなかった。

 

英雄たちが頂上に駆けつけるとそこには力に溺れ堕落したデミアンによって致命傷を負わされたデーモンが横たわっていた。肉親であるデーモンすら裏切るほどに彼は理性を失っていた。
しかし彼らはかつてあの暗黒の魔法使いを封印したほどの英雄たちである。
降り注ぐ魔剣行動を封じる球体地面からの爆風デミアンの突進、彼から繰り出される様々な攻撃をかわしつつ彼らはデミアンの体力を確実に減らしていった。
全エネルギーを吸収したデミアンでさえもその力を完全には扱えることはできなかった。
彼は英雄たちによって倒された。
しかし彼の剣からは不気味な黒い影が立ち上がっていた。
それは彼の理性を失わせていた根源である魔族の怨念であった。
エヴァンが様子を見るために剣に近づくと怨念はエヴァンを新しい宿主として自らの中に取り込もうとした。
エヴァンの意識の中では葛藤が始まっていた。幻影のミルによって果てしない恨みや憎しみによって生み出された強大な力を手に入れようとそそのかされた。
この力さえ手に入れれば、フリードに立ち並ぶ大魔法使いになれる。など幻影のミルはひたすら彼に力を手にするよう唆し続けた。
彼の心は徐々に力を手にする方向へ傾いていった。
しかしそんな彼の意識に本物のミルは必死に呼び続けた。

 

"さっさと起きないとパクっと食べちゃうよ・・!!!?"

 

彼はその声に救われた。
いくら強大な力を手に入れても自分を見失ってしまっては意味がない。たとえ弱くても善良な意志を持って取り組むことに意味があるのだと。
怨念の甘い誘いを振り払うとエヴァンは光とともに意識を取り戻した。
数千年間、無限の力を渇求し続けた結果破滅した、そしてその代償によって苦しみながら死んでいった数多くの魔族たちの怨念の集結体があの剣に宿っていたのだった。

 

致命傷をおったデーモンは起き上がると、同族としてそして兄として魔族の怨念と弟であるデミアンに向かって渾身の一撃を食らわせた
デミアンがもう助からないことはわかっていた。だがデミアンが意識を保った彼の弟であるうちに彼の手で終わらせたかったのだ・・・。

 

"帰ろう。デミアン。私たちの家に・・・。"

 

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英雄たちの活躍により、デミアンの野望は水泡に帰した。
デミアンの死によって魔族軍はバラバラとなった。
しかし、悪に染まった世界樹が大地に遺した傷はあまりにも大きかった。
一度破壊された大地は生命力を取り戻すことができず、生命の超越者であるアリーシャはメイプルワールドのために決断をくださなければならなかった。

 

破壊された世界樹が復元されるまでにかかる時間は千年以上と言われている。
千年間この状態が続けばこの地で生き残れる生命体はいなくなるだろう。
しかしそれをどうにか解決する方法をアリーシャは知っていた。
アリーシャの生命の力は不思議な石に帰属されている。それはつまり彼女の力を複数に分けて世の中に撒き散らすことができるということである。その代償として彼女のアリーシャとしての自我は一時的に消滅してしまうが、彼女にとってそれは超越者としての使命であった。
デミアンは自分の不幸を最も悲惨な形で世界に残してしまった。彼女は二度とそのような不幸が訪れないようにこの世界をしっかりと守ってほしいと英雄たちに告げると眩い生命の光とともに散っていった。

 

アリーシャの力は世界のエネルギーを復元するために、世界中にばら撒かれることとなった。
そして、乾いた大地に新しい目が顔をだし、日差しと川は再び本来の姿を取り戻した。

 

こうして英雄たちの旅はついに終を迎えたのだった。

 

今まで英雄を過去の遺産程度に考えていたナインハートはそっと呟いた。

 

"世界は英雄たちを必要としている。月日が流れ、時代が変わってもそれだけは変わらないだろう――。"

 

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エピローグ

連合軍は時間の超越者ルインヌオニックスドラゴンの王フリエンについで生命の超越者アリーシャという大きな力を失ってしまった。

 
 
 

彼らにもう時間は残されていない。

 
 
 

暗黒の魔法使いを倒さなければすべては終わらない。

 
 
 

未来はこれからの戦いにかかっていた。

 
 
 
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