海田市語

Last-modified: 2017-09-11 (月) 17:52:52

和暐語概説

海田市で話される言葉は和語と言う。白波國、白河郡、和暐國、群馬國、宮川國でそれぞれ方言が存在するが、共通語で文書や教育が行われる。

音韻の特色

促音・長音・撥音が日本語よりも短めに発音される。また、撥音、促音が語頭に立つ語彙が見られる。(例)ンメル(見える)、ンモエル(燃える)、ッショ(塩)、ッケル(消える)

語中のガ行音は[ɡ]ではなく[ŋ]と発音される。

イ段音、ウ段音に於ては母音の無声化と脱落が見られる。キ、ク、シ、ス、チ、ツ、ビ、ブなどが語末に来ると母音が脱落して[k]、[s]、[t]、[b]と閉音節の形になる。

また、あらたまった場では用いられないが、「ゆすり音調」といわれる、文節末や文末で揺れるようなイントネーションが見られる。

アクセント

国内の主流アクセントでは、二拍名詞のうち、第1類(顔、風など)と第4類(糸、稲など)は平板型に発音される。また、第2類(音、紙など)、第3類(池、足など)、第5類(雨、春など)は二拍目の母音が広母音(a、e、o)なのか狭母音(i、u)なのかによって変化が起きる。第2、3、5類のうち、二拍目の母音が広母音のもの(音、池、雨など)は尾高型であり、二拍目が高く、後に続く助詞が低く発音される。二拍目の母音が狭母音のもの(紙、足、春など)は頭高型であり、一拍目が高く二拍目は低くなる。

また、動詞と形容詞の言い切りの形では、全ての語が、二拍語は頭高型、三拍以上の語は中高型で、後ろから二拍目にアクセント核がある。

文法・語彙

過去形にサ行イ音便がみられることがある。(例)オイタ(落とした)、サイタ(刺した)

推量表現にはオキロウ(起きるだろう)、ネロウ(寝るだろう)のような日本語の命令形に似た形を用いる。

日本語の準体助動詞「の」には ガ が対応する。(例)ドウシタガ(どうしたの)

接続助詞の「から」「ので」には ヨリ が対応する。

断定辞は、山間部の和暐國では ジャ、その他の和暐國では ヤ、その他では ダ が使われる。

尊敬表現は、全國でオラレル、シトラレル、オラレタ、シトラレタを使うが、特に和暐國で多用される。白波國ではシャル、サッシャルがあり(例:行かっしゃる)、群馬國ではサル、ヤッサル、ヤルなどの助動詞も用いられる(例:行きやる)。白川府ではテヤ(例:書いてや)がある。

主な和語

あいさつことば
おひんなりおはよう
おばんかこんばんは
おすんまりおやすみ
いかさいせ
よういらしてくだはれた
おいでなはすんけ
いってらっしゃい
いらしてくだはれ
おいだすばせ
ようおいで
いらっしゃい
まいどさん(客を送り出す時)
せっかくな
おゆるしう
さようなら
きのどくなありがとう
めっそうなどういたしまして

~追加予定~

日和辞典

あいだ(間)あわい
(→少しの間)たんときのま
[相手を罵る言葉]へねくらい
くそくらえ
あいにくえんば
あいまい(曖昧)ほんまち
あかるい(明るい)あかる
(→明るい性格)かっか
あかんぼう(赤坊)ねねま
あきる(飽)あぐむ
(→飽きる性格)あきばさま
(→飽きる程~)よっぱら
あきれる(呆)おほざめる
あぐらあひぐち
あけがた(明方)しけしけ
あがる(上)ませる
あさ(朝)あさおり
あざける(嘲)せせったぐ
あさめし(朝飯)あさえがる
あさやけ(朝焼)あさびがり
あし(足)すね
(→足の裏)すねのひら
(→足の甲)くわがら
(→足のすね)えだわす
(→土踏まず)あくとうら
(→足の脹ら脛)つとわら
あしくび(足首)まねき
あじさいてんまる
あせる(焦)あせぐる
あそこ(彼処)あこ
あたえる(与)いくす
(→謙譲語)おます
あたたかい(暖)あったかない
(→温かい)あたたかい
(→あたたかいさま)ことこと
あたたまる(温・暖)ぬくとまる
あたためる(温・暖)ぬくとめる
あだな(渾名)あざな
あたま(頭)ずき
あたらしい(新)さら
あたり(辺)まり
(→この辺)ここらまり
(→どの辺)どこねえ
あたりまえ(当前)あたり
(→当り前の事)はちはんぞ
あちらあっちゃ
(→あちら側)あっちゃうら
あつい(暑)ぬくとい
(→熱い)あつい
あつまる(集)まくれる
[人が集まる場所]ばんば
あつめる(集)まくらる
あてにする(当)あしめる
あてにならない(当)うらへら
あてずっぽうあてがい
あと(後)あとする
あとつぎ(跡継)あんか
あなどる(侮)あなずる
あに(兄)あんさ
あね(姉)あねま
あぶら(油)あるば
あべこべおっとるかい
あほう(阿呆)だら
あま(海女)もぐり
あまえる(甘)おかばえる
あまぐ(雨具)みのかさ
(→藺草や藁で作ったもの)ござぶし
(→田植え用)よこござ
あまったるい(甘)あまったるこい
あやすだま(か)す
あゆ(鮎)あいのよ
あらい(荒)あらっけない
あらい(粗)ざらっぽい
あらそう(争)がそろう
あられ(霰)あらめ
あられもち(霰餅)かきやま
あわてもの(慌者)きょと
あわてる(慌)けとつく
慌てさせるけとわかす
あんか(行火)*1ばんこ
(→をやぐらに入れたもの)あげこたつ*2
あんしょう(暗礁)かくれいわ
あんしん(安心)あっかる
あんなんな
あんまする(按摩)ひねる

いいかげん(好加減)(無責任)ただくさい
いう(言)(卑語)あごたたく
いえ(家)うちかた
いきぐるしい(息苦)てけない
いきどおる(憤)じらまく
いきなり(行成)しとこに
いく(行)くる
いけ(池)どぼす
(→庭池)ほるばた
いけないいかん
いざこざいどくど
いじ(意地)ざま
いしがき(石垣)(いし)はどり
いしけり(石蹴)けんけん
いじる(弄)いろう
いそがしい(忙)あせない
いそぐ(急)へだく
(→急がせる)せたげる
(→急いでする)やかやか*3
いたずら(悪戯)きかじ
(→子供の悪戯)われこと
いただき(頂)てんこ
いたましい(痛)いとしい
いちにち(一日)ひして
(→一日中)いちにちがいた
いちにんまえ(一人前)いっちょまえ
(→一人前でない者)はんぱもん
いちめん(一面)いちめんかい
いっこくもの(一刻者)かたいちがい
いっしゅうき(一周忌)もかわり
いっしょ(一緒)いっそく
いっしょうけんめい(一生懸命)ていっぱい
いっしょくたにする(一緒)つくねる
いっそう(一層)なおかいで
いつでも(何時)いつもかも
いつも(何時)じょうに
いてん(移転)ずる
いどむ(挑)はちかかる
いなご(稲子)こうろん
いのる(祈)きばる
いばる(威張)けんたいぶる
いぼ(疣)でぼ
いましがた(今方)いまがたし
いもうと(妹)あば
いもり(井守)あかべら
いやだ(嫌)ことむない
いやらしい(嫌)うざくらしい
いりぐち(入口)ではい
(→家の入口)とぐち
いる(居)おる
いれる(入)(懐に入れる)ふどくる
(→横槍を入れる)こさいれる
いろり(囲炉裏)ひたきば
いわし(鰯)さしあみ
いんけい(陰茎)だんべ
いんげんまめ(隠元豆)さいとう

うえ(上)たか
うえる(飢)かつれる
うごかす(動)よっこ
(→落ち着きなく体を動かす)しゃしゃつく
うし(牛)うしば
うす(臼)どろうす*4
(てこを応用して杵の柄の一端を
足で踏み、中の穀物などをつく臼)
ふんがち
うず(渦)まいまいこ
うすい(薄)めかめか
(→毛が薄い)とすんけ
(→塩気が薄い)っしょない
(→布が薄い)めらめら
うずくまる(蹲)えんつくばい
うずらまめ(鶉豆)ほっかいどまめ
うそ(嘘)つくら
(→嘘をつく)つくらぬく
うそつき(嘘吐)ひゃくいち
うたたね(転寝)かたがる
うちべんけい(内弁慶)うちひろがりのそとすぼまり
うちょうてん(有頂天)てんこぽんこ
うつ(打つ)くらつける
(→棒で殴る)こくすえる
うっかりするそらく
うつくしい(美)さごい
うっとうしい(鬱陶)やかましい
うで(腕)でぶし
うね(畝)はか
(→半端な短い畝)しこ
うばう(奪)かっぱる
うぶぎ(産着)ことし
うらがえし(裏返)かいさま
うらやましい(羨)けなるい
うるさい(煩)せわしない
うるち(粳)ただごめ
うろこ(鱗)いらら
うろたえる(狼狽)どまつく
うわぎ(上着)どでら
うんがわるい(運)ごう
うんにまかせる(運)いったかみたか
うんめい(運命)ぶんのくそ

~追加予定~


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*1 炭火等を入れて手足を暖める道具
*2 掘りこたつに対して言う
*3 打ち消しを伴う
*4 狭義には土製のもみすり臼