神姫のメンテナンス方法

発売から何年も経った神姫。
そのメンテナンス方法を、歴戦の紳士たちから学ぼう。

関節系統

関節は特に取り返しがつかないことが多いので、事前に手順や道具を確認して慌てないようにしよう。
まずはガンプラで練習してみるのがおすすめ。
パーツに負担がかからないように少しずつ少しずつ様子を見ながら調整しよう。

関節が固すぎる（硬化してる）

• シリコンスプレーをすこしシューってする
  間違えてもKure5ｰ56みたいなスプレーをしないこと、プラスチックはあれで溶けたり割れたりする。神姫に使われるABSは薬品に弱いのでダメージがひどい。無香性ならプラへのダメージが低いとはいえ、やはりシリコンスプレーが一番楽
• 他にもシリコングリスなどもよく使用される

関節が緩すぎる（保持力が弱い）

• 木工用ボンドを薄く塗る
  薄く塗っても厚ぼったいうえに、動かし過ぎるとはがれてくる
• 瞬間接着剤を薄く塗る
  早いけど塗りすぎると接着してしまう上、そうでなくても白化するので乾かし方などは注意。しかも白化した際に一番楽に透明になるアルコールはABSの天敵である
• 木工用水性ニスを塗る
  スポイトを使うと一番手軽、乳白色で仕上がりが透明になる奴がお勧め。その代わり上二つに比べると硬化までやや時間がかかる

硬質パーツ系統

素体

神姫の素体はヘッドパーツは軟質のPVC、ボディは硬質のABSと金属部品のハトメとネジで構成されている。(3rd素体のみおっぱいパーツが軟質樹脂に塗装。)
ヘッドパーツの掃除は軟質パーツの項目を参照して欲しい。
ボディの掃除はアルコールの含まれていないウェットティッシュや水道水で濡らしたウエスで掃除しよう。
素体に使用されているABS樹脂は薬品耐性が低いためアルコールや溶剤を使用すると割れるので注意。みかんの皮や洗剤などに含まれるリモネンにも当然弱いので掃除する際は気をつけること。

武装

武装は硬質のABSと軟質のPVC、そして接続部や装飾に金属パーツという構成で作られている。
掃除する際にABSとPVCは対処方法が違うので分けて掃除するのが無難。
硬質パーツの掃除はノンアルコールウェットティッシュや濡らしたウエスで掃除しよう。
軟質パーツは該当項目を参照。

軟質パーツ系統

手が広がりすぎた（おててひぎぃ）

大きいものを持たせ過ぎだ!莫迦!
熱々のお湯につけて少しずつ戻す
エアパスタなのにお湯を沸かす事があるがこれの為である最近は電気ケトルでやっておりお湯を沸かしてパスタを妄想する楽しみが無い

ベタベタ

軟質部品のPVCは”可塑剤”という素材に柔軟性を与えるための添加物が含有されている。そして武装神姫のPVC部品は可塑剤がふんだんに含まれている為に徐々に外に漏れ出して来る。その漏れ出してきた可塑剤がベタベタの原因だ。
中性洗剤で洗い流そう。
神姫の素体はABSなので中性洗剤で洗う必要は無し。間違ってもPVC部品と一緒に中性洗剤の溶液の中にぶちこまないように。関節やネジに不具合が起きたり素体がカビ臭くなる可能性がある。

PVC（やわらかいやつ）パーツ

大切にしまわれたうちの子や中古で迎えた子が箱から取り出したらベタベタしていたという経験、ありますよね？
実はPVCパーツは密閉空間に置いておくとどんどん可塑剤というベタベタした液体を出しちゃうんです。
HENTAIなら必ずぶち当たるこの問題、どうすればいいのか？
あっだめ！ティッシュなんかで拭いちゃ！あーあ繊維が貼り付いちゃった！
あっあっダメだよアルコールやベンジンで拭いちゃ！あーあABSパーツが割れちゃった！
神姫のメンテナンスには酸性やアルカリ性の洗剤は御法度！中性洗剤で優しくベタベタを取ってあげましょう。
でも中性洗剤も成分にご注意を、リモネンという柑橘由来の成分が入っているとこれもプラスチックを劣化させて割れの原因になってしまいます。
そこで今回ご紹介するのはこちらのダヴ。長年フィギュア洗浄で使われてきた安心安定のブランドです。
可塑剤の染み出したPVCパーツや可塑剤のついてしまったABSパーツを、ダヴを水に溶かして泡立てた洗面器に入れて指で優しく洗います。
おっとこの時お湯を使ってはダメですよ？温度が高いと可塑剤がより染み出してしまいますからね。
！注意！
神姫の素体はモナカ構造で内部に空洞がありなおかつハトメやネジという金属パーツが使われているためそのまま水に浸けて洗うのはご法度！
何故なら空洞に水分が入り込めばカビや臭いの原因になり金属パーツの錆の原因になるからだ。
素体はノンアルコールのウェットティッシュや濡らしたウエス等で掃除しよう。
どうしても臭いや汚れが気になるという場合は背中のネジを外し完全に分解しハトメのあるパーツ以外を洗おう。
（※ここで驚くぐらいベタベタが取れるわ！みたいな男女の小芝居）
放置していた年数によっては指で擦るだけでは十分に取れないこともありますので、そんなときは濃いめの溶液に一晩漬け置きましょう。
洗剤の成分と可塑剤が反応して白い物体が貼り付くことがありますが綿棒などで優しく擦れば除去できるでしょう。

黄ばみ

原因

黄ばむ原因は大きく二つ。樹脂に添加されている難燃化剤の臭素が紫外線（主に日光）に晒されることで劣化し、臭素原子が酸素と結合することで黄ばむ場合と単純に樹脂が劣化しているかだ。前者の場合なら酸素を水素と結合させて表面から取り除けばいい。後者の場合は残念だがパーツをばらし塗装して誤魔化すしかない

対処法

用意するのはラップと神姫を入れる用のタッパ、日光（波長が200nm~300nmのブラックライトでもいい。ただし皮膚に当たると危険なため扱うときには十二分に気を付けてほしい）、そして要のワイドハイターEXパワー！（これ以外での漂白剤は試してないのでおすすめはしない）
方法としてはまずタッパに黄ばんだ神姫（自分は分解しないで入れたけど気になる人はばらしてね）を入れてワイドハイターを希釈せず原液のまんま神姫が全部つかるまで注ぐ。次にラップをタッパに被せて後は日光に当てて大体一日ほど放置する（出来ればちょくちょく様子を見てほしい）
こうすることにより紫外線によって酸化防止剤を還元し、水素源として過酸化水素水を用いることで酸化防止剤と難燃剤両方の黄ばみに対応することが出来る。つまり黄ばみを無くすことが出来る（黄ばみが残っている場合はしばらく漬け続けるかハイターを入れ替えて日光に当てよう）
取り出した後は冷水で洗うように！（お湯で洗うと塗装が落ちてしまうらしい）後洗った後はしっかりふき取らないと金属パーツが錆びるので注意

破損

原因

経年劣化やゴリラパワーなど様々。

対処法

頑張って直したいところだが素材的に難しいため基本は諦めるか誤魔化すかニコイチ修理である。気分はポストアポカリプス。

ネジ穴が潰れた

原因

誤った姿勢で無理に開けようとする、規格違いのドライバーを使う、ゴリラパワーなど。

対処法

輪ゴムを噛ませる、ネジ滑り止め液をホームセンターなどで買ってきて使うなどの方法で摩擦力を高め、強く押し付けて外す。
ゴリラパワー一歩手前の力で食いつかせなければならないので慎重の中でも強い力で押さえつけよう。
それでだめならホームセンターでネジバズーカなどの専門工具を頼ろう。
どんな方法でも開かないなら……最終手段としてハンドドリルを使用してネジ穴をブッ壊すしかない。ネジと同じ幅のドリルを使用するが相当のスキルを要求するので正直オススメはしない。
そこまで来てしまったら無視するかニコイチ修理も視野に入れよう。