艦これ 二次創作小説「十六夜の空」第三話

Last-modified: 2015-01-24 (土) 15:18:52

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艦これ 二次創作小説「十六夜の空」第三話

20XX年某月15日沖ノ島海域AM8:56

ゴマ粒のような点々が大きくなりそれがはっきりと敵機だと確認できるようになった頃

24機の零戦52型は速度を上げ獰猛な猛禽類のような敵機の群れに果敢に突入していく

性能こそ僅かに勝ってる物の多勢に無勢の状況で1機また1機と火を噴きながら海面に落下していく

時折花火のような爆炎が上空に上がり敵編隊が一塊となって落ちていく様子も見えた

利根から発射した三式弾の効果と思われるが敵もそれを察知したのか密集陣形から編隊の間隔を広げた事により効果が薄れていく

「ぬう・・・・敵の数が多すぎるのじゃ!!」

「長10cm連装砲ちゃんしっかり」

やはり練度不足か少なからず命中弾で敵機を撃墜しているものの劣勢は覆しがたく前へ後ろに虚しく弾が逸れていく

横をチラリと見ると右へ左へ舵を切りながら必死に高角砲を撃ち上げ回避を繰り返す翔鶴と瑞鶴が見えた

「おぬし等の相手はこっちじゃえええい無視するな!!」

利根のボヤキにも意に介さないのか護衛艦を無視して執拗に敵機は2隻の空母を狙い続けていた

そうこうしているうちに敵機は回避の癖を見抜き始めたのか2隻の空母の周りに水柱が上がるのが増えてくる

「むうう・・・・こっちに集中してくれないとやりずらいのお」

その時秋雲が空を見上げ叫んだ

「敵機直上!!」

太陽を背に急降下を開始した敵艦爆に発見が遅れ気付いた時には翔鶴に狙いをつけ降下を開始していた

僅かに残った零戦隊は敵制空機と艦攻にはばまれほぼ艦隊上空はがら空きで遮る物も無く易々進入できたようだ

その動きを止めようと秋雲や利根が打ち上げる対空火器が火を噴くがすでに投弾体勢に入った爆撃機の降下速度に翻弄され全て後ろに逸れてしまっている

「翔鶴姉!!」

(ど・・・どうしよう・・・・私が失敗したら・・・・)

「新型!なにぼさっとしてるの!!翔鶴姉にもしもの事があったら一生恨んでやるんだからね」

「は・・・ハイ!」

(私が・・・や・・・やるしかないよね・・・・大丈夫!きっと大丈夫!!)

「長10cm連装砲ちゃんいい?行くよ!!」

素早く連装砲に指示を出すと敵機の未来位置に照準を定めた

「さぁ、始めましょう。撃ち方、始め!」

鼻面に猛烈な弾幕を受けすでに投弾体勢に入っていた敵機は回避行動もままならず全て無様に落ちていったかに見えた

しかし爆煙が晴れると火を噴きながらもヨロヨロと敵機が1機降下をしているが投弾機が故障してるのかそのまま翔鶴に突っ込んでいった

回避を試みた翔鶴は回避しきれず敵機は船舷に直撃、スポンソン部分と甲板の一部を破損した

これにより発着艦には支障は出ないが中破に近い小破を受けてしまった

爆弾や魚雷を使い果たしたのか残存していた敵の第一次攻撃隊は去っていった

「やるわね新型・・・いいえ、秋月」

「ありがとうおかげで助かったわ」

「あ・・・あの・・・ありがとうございます」

翔鶴と瑞鶴にお礼を言われシドロモドロになる

「そうじゃ、秋月おぬしがおらなかったら今頃どうなっていたか」

「すごい弾幕でしたよね、後でデータ取らせてね」

他のメンバーも駆け寄り口々にお礼を述べた

敵の攻撃は辛くも撃退したとは言え戦闘中、翔鶴の次なる指示が飛ぶ

「さーて今度は此方から反撃するわよ。瑞鶴いい?」

「おっけーいつでも。翔鶴姉に痛い目あわせた分までお返ししてやるんだから!」

味方の航空隊の発艦を見守る中で利根が傍に立つ

「おぬしは良くやったぞ、これは誇っていい。だが、まだまだ詰めが甘い。帰ったら特訓じゃ!」

「ハイ」

20XX年某月15日沖ノ島海域

先手を打たれながらも瑞鶴と翔鶴より発艦した第一次攻撃隊86機が敵艦隊を捕捉

全体の3割近くの未帰還機を出すものの2波に渡る攻撃で復讐に燃える翔鶴瑞鶴隊の攻撃がすさまじく空母2重巡1を撃沈、駆逐1大破、重巡1中破でこれを撃退した

「勝ったね、翔鶴姉」

「ええ勝ったわね」

あちこち機銃や対空砲で穴だらけになりながらもヨロヨロと着艦を始める攻撃隊を向い入れながら鎮守府への帰途につく

「ねえねえ秋月」

不意に瑞鶴が秋月に声をかける

「貴方、私の妹にならない?いいえ決めた!!妹にする!」

「ふぇ?」

唐突な宣言に目を丸くしながら答える

「いいわね、手のかからない妹が増えたみたいで」

「ひどーい翔鶴姉!それって私がお転婆ってことなの?」

「さーてどうかしらね・・・フフフ」

「あ・・・あの・・・」

「おやおや三人とも仲が良いのう、うらやましいのじゃ。わしも帰ったら筑摩に甘えるとするかのお」

「いいですね是非三人の様子をスケッチさせてくださいよ」

帰途につく途中ふと空を見上げる

「わあ、月が綺麗」

「そうね、もし秋月さんがあそこで踏ん張ってくれなかったらこんな綺麗なお月様見れなかったかもね」

「いえ・・・私はそんな・・・自分の事で一杯一杯で・・・・」

「こら秋月!謙遜は美徳じゃが過度な謙遜は失礼じゃぞ」

「そうだよ秋月!貴方がいたから翔鶴姉も皆も無事だったんだから」

「そうですね・・・次も秋月、艦隊をお守りします!!」

満天の星空の元、秋の夜空に大きな十六夜の月が輝き英雄の凱旋を祝福しているかのようであった

続く?(未定)

(あとがき)

3話構成のやや長編を書かせていただきました。

秋月をメインに何かを書きたいと思っていたことから始まり勢いで書き上げた物でまだまだ未熟な書き物ですが最後まで御拝読ありがとうございました

もしかしたら本作品の続きを書くかもしれません(予定は未定)その時はどうかよろしくお願いいたします。

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