KHI、BbSで登場したおとぎ話。
カイリがレイディアントガーデンに住んでいた頃、カイリのおばあちゃんがカイリによく聞かせていた。
- カイリはこの話がお気に入りでよくおばあちゃんに聞かせてほしいとねだっていた様子。
カイリの心を匿っていたソラはこの記憶をホロウバスティオンの書庫で幻視し、これをもとにソラがキングダムハーツの光を信じたことで闇の探求者アンセムを倒すきっかけとなった。
恐らく、キーブレード戦争以前の世界と、戦争が起こった後の世界の行方を示している実話だと思われる。
- しかしディレクター曰く、「全くの真実ではなく、その通りに起きたわけではない」とのこと。
あくまでおとぎ話であるため実際に起きた出来事と表現が異なる部分があるのだろう。
χおよびUχはこのおとぎ話の世界観がベースになっており、ストーリーの最初でも語られている。
また同じ時代を舞台としたχBCも同様である。
以下はKHIアルティマニア冒頭に掲載されている文章からの引用。
昔、世界はひとつにつながっていて、あたたかな光が満ちていた。
人々はみな光を愛し、やがて、それを欲して争うようになった。すると、人々の心に闇が生まれた。
闇は、多くの心と光をのみこんでたちまちのうちに広がっていき、世界は闇のなかに消えてしまった。
しかし、子どもたちの心のなかには、小さな光のかけらが残っていた。
その小さな光のかけらを集めて、子どもたちは世界を作り直した。
だが、そうしてできたいまの世界は、もはやひとつではなく、いくつにも小さくわかれていた。
本当の光はまだ、闇の奥で眠ったままだったから。
もしも、闇の奥に眠る光を信じていれば───
闇の奥につづく扉が開き、そこに眠る光が目覚めたなら、世界はふたたびひとつにもどれるかもしれない。
光を信じる心こそが、闇を照らす光になる。
以下はカイリのおばあちゃんがカイリに聞かせていた話そのものをアルティマニアαから引用。こちらの方がさらに口語的。
昔々、世界中の人は、あたたかい光に照らされて、平和に暮らしていた。
みんな光が大好きだったんだよ。
ところが、みんなが光をほしがって、やがて争いが始まった。
すると、みんなの心に闇が生まれたんだ。
闇はどんどん広がって、たくさんの心と光を飲み込んだのさ。
世界は闇に覆われて──消えてしまったんだ。
けれど、小さな光のかけらが残っていたのさ。
子供たちの、心の中にね。
子供たちは、光のかけらの力で、消えてしまった世界を作り直したんだ。
それが私たちの世界なんだよ。
でも、本当の光は、まだ闇の奥で眠っていてね。
だから世界は、ひとつにつながることができずに、いくつもの小さな世界に別れてしまった。
だけど、いつの日かきっと、闇の奥につづく扉が開いて、光が帰ってくるはずさ。
いいかい、もし闇に飲みこまれても、闇の奥には、かならず光があって、おまえを助けてくれるんだ。
だから闇に負けてはいけないよ。
闇の奥の光を信じていれば、おまえの心が、闇を照らす光になって、みんなを幸せにしてあげられるんだよ。
わかったね、カイリ。
内容的にはみんな(キーブレード使い達)が光(LUX)を求めたことやそれが引き金となって起こったχの大戦により世界が消滅したこと、そして子供たち(ダンデライオン)が光(LUX)によって世界を再生したこと、しかし再生した今の世界はバラバラであることを指しているように見える。
ただ、このおとぎ話ではχブレードや7つの光、13の闇については触れられていない。
- 話が伝わっていくうちに細部が削ぎ落されていく、もしくは伝言ゲームの如く内容が歪んでいくというのはよくある話なので、このおとぎ話の内容がざっくりしているのもそのように最初の話とは少しずつ変容していった結果なのだろう。小さい子どもにそんな話を語って聞かせてもわからないだろうから敢えて省いた可能性もある。
- とはいえ、χやUχでは実際にχブレードは登場せず、言及すらない。また7つの光と13の闇とまではいかないものの、カイリのおばあちゃんの話の終盤では、カイリがセブンプリンセスになることを示唆しているような描写がある。