「キーブレード」という『鍵』が物語の要となっているKHシリーズでは、キーブレードの力でしか封印や解放することができない、様々な特殊な鍵穴が登場する。
その世界の中心に存在し、世界の中枢への入り口となる場合が多い。
- 各作品の中では単純に「鍵穴」と呼ばれている鍵穴が多いため、それらのここでの名前は便宜上のものとする。
世界の心の鍵穴(KHI)
それぞれのワールドの「世界の心を守る扉」についている鍵穴。
この鍵穴は普段見えない状態になっており、キーブレードをかざすことで出現する。
また、研究者だった頃のゼアノートや幼い頃のリクのように、キーブレード使い(継承の儀式を受けた者?)は鍵穴が出現する前から目視できるようである。
- ゼアノートに関してはハートレスによって扉が発見(出現)された時点で鍵穴が姿を現していた可能性がある。
ハートレスも鍵穴を発見することができ、さらにそこから侵入して世界の心に辿り着く事が可能である。もし、世界の心を奪い取られてしまえば、その世界は闇に飲まれることになってしまう。
- 鍵穴から侵入するというのは、KHIのレオンの発言から。しかし鍵穴から直接侵入するのではなく、扉を開いて進入するものと思われる。現在、そのシーンが映像化されたことはないため、具体的な描写が欲しいものである。
- ハートレスのせいで世界をへだてる壁が崩れたと言及されている場面が複数あることから考えても、やはり扉を開いているのだろう。
アナザーレポートでは、ハートレスに扉を見つけられてしまうと扉は簡単に開かれると記述されている。
元々世界の心を守るための最終防衛ラインは鍵穴ではなく「扉」であり、錠前としての役割を果たしていないため全く意味がないのだが、それはこれまで世界の心が奪われるような事がなかったためである。(KHアナザーレポートp.28参照)
BbSやDRの時代を見ればわかるが、マレフィセントが行動を起こすまでヴィランメンバーは自分の住む世界で悪事を働くことしかしておらず、元々ヴィランという組織すらできていなかったのである。
- というより、そもそも彼らは他の世界の存在を知らなかったのである(マレフィセントもマスター・ゼアノートと出会うまでは外の世界についての知識は全くなかった)。元々キーブレード使い以外に世界を行き来できる者はほとんどおらず、彼らの間で「外の世界のことを教えてはいけない」という秩序が守られていたのだろう。
ハートレスも昔はピュアブラッドしかおらず数も非常に少なかったが、ゼアノートが精神を支配し自我を放棄させる実験でエンブレムを製造し続けた結果、ハートレスが爆発的に増加する状況に陥り、世界の心が奪われかねない危険な状態になってしまったのである。
また、メモリアルアルティマニアでは世界の心の鍵穴は闇の世界にも通じていると書かれている。
- KH0.2では、心を奪われ闇に堕ちた世界は闇の世界に取り込まれることが判明しているが、その事を指しているのだろうか。或いは、鍵穴の先は闇の世界であり、そこに世界の心があるとでもいうのだろうか。
鍵穴と扉の関係については、KHIIアルティマニアとメモリアルアルティマニアでは鍵穴は普段は閉じている(姿が見えない状態)となっていて、鍵穴が開く(姿を現わした状態)のは扉が開いた状態とされており、鍵穴と扉が区別されていないと思われる。また、KHIの開始時点で各世界の扉が開き壁が崩れた状態だった為グミシップで各世界を訪れることができたとなっている。
- KHI本編の描写ではデスティニーアイランド以外の世界で鍵穴を閉じる際に扉は確認できないし、3Dではイェン・シッドがKHIでは壁が砕けた世界を行き来していたと語っている。
- しかし、ソラ達はハートレスに鍵穴を発見されていないワールドに離着陸している(ドナルドたちが出立したディズニーキャッスルもハートレスが現れることはないだろう)。壁が砕ける原因はハートレスであることが作中で言及されているので、これは矛盾しているのではないだろうか。
- ディズニーキャッスルはともかく、他のワールドはハートレスに鍵穴が発見されていないとは限らない。鍵穴は発見されたが、まだ心が奪われていない状態とも考えられる。
- しかし、ソラ達はハートレスに鍵穴を発見されていないワールドに離着陸している(ドナルドたちが出立したディズニーキャッスルもハートレスが現れることはないだろう)。壁が砕ける原因はハートレスであることが作中で言及されているので、これは矛盾しているのではないだろうか。
- 普段は鍵穴が閉じているとあるが、であればハートレスはどうやって鍵穴を開いたというのだろうか。鍵を開く力があるのなら、ソラが鍵穴を封じることの意味がなくなってしまうのではないだろうか。
- 通常状態の鍵がかかっている状態と、キーブレードによる封印は異なる、ということになるのではないだろうか。
- 後述の眠りの鍵穴は、3Dで鍵穴を開くことについて「扉を開く」と表現されており、世界の心の扉も同様に、世界の心の鍵穴の開放を指して「扉が開く」という表現になっている可能性はある。
その一方でアナザーレポートのディレクターへのインタビューでは、扉の鍵穴は普段姿が見えておらず、キーブレードをかざすと姿を見せるが鍵はかかっていないこと、ハートレスにその扉が発見されてしまうと扉は簡単に開かれてしまうことや、扉を開くことで壁が崩れることが明言されている。このことから、扉と鍵穴が区別されている(扉の開閉と鍵の開閉は別)ことがわかる。また、これはアンセムレポートの記述と一致している。
- この場合、鍵穴が見つかる前のワールドに訪れられた理由は、アナザーレポートに記されているようにグミシップが元々世界を覆う壁から作られているからだと思われる。
もしくは、KHIではナビグミによる「道」を通っているため、KHIIのゲートと同じように壁を通過していると思われる。これなら上記の矛盾も解決する。
KHIではハートレスによって既に世界の心がいくつか奪われている状態から物語が始まる。
鍵穴を塞ぐことで、世界の扉の中にハートレスを入らせなくさせるため、キーブレードの勇者と定められたソラは鍵穴を閉じて回った。
- 鍵穴を封印する際の本編中の表現は、最初に鍵穴が光り、その後キーブレードをかざして鍵をかけるという流れ。鍵穴が「早く閉じてくれ」とサインを送っているのだろう。
- ちなみにワンダーランドの鍵穴が光った時、キーブレードをかざしていないのにドナルドには何故か見えていたようだ。
- キーブレードに反応して自動的に鍵穴が現れたか、光だけがドナルドに見えたのかは謎。
ちなみに本編中に描写はないものの、同じキーブレード使いなら鍵穴の封印を解くことが可能と考えられる。
- デスティニーアイランド:秘密の場所の謎の扉
- KHI冒頭の時点でデスティニーアイランドの扉が出てくるが、幼い頃のリクはこれを開けず、島が嵐に見舞われた時に開いてしまったようである。
- KHIIアルティマニアの野村氏のインタビューで、「リクがデスティニーアイランドの扉を開いたときに闇を呼んでしまったのはなぜのなのか(「光の勇者」と呼ばれるキーブレードの勇者としての力がなぜ闇に繋がったのか)」という質問に対し、リクが扉を開いたことに対する否定はされていない。
- KHI冒頭の時点でデスティニーアイランドの扉が出てくるが、幼い頃のリクはこれを開けず、島が嵐に見舞われた時に開いてしまったようである。
- トラヴァースタウン:2番街の噴水
- ワンダーランド:不思議な部屋のドアノブの口の中
- オリンポスコロシアム:ロビーの台座の下
- ディープジャングル:こころの洞窟の青い蝶が集まる幹
- アグラバー:魔法の洞窟のランプの間の奥の壁
- アトランティカ:アリエルの隠れ家のトライデントマークのくぼみ
- ハロウィンタウン:ブギーの屋敷跡
- ネバーランド:11:45の時計台
- 100エーカーの森:古びた本の鍵穴
- ホロウバスティオン:城の地下最深部
- アンセムレポート4で、ハートレスが「扉」を探り当てており、ハートレスが本能的に発見したこと、そこに大きな鍵穴がついていたこと、そして中に膨大なエネルギーがあったと書かれていることから、世界の心を守る扉であることがわかる。
闇へと通じる鍵穴(KHI)
セブンプリンセスの心を集めて呼び出される鍵穴。
アンセムはこの鍵穴を完成させ、全ての世界を溢れ出した闇で包むと共に、開かれた入り口から「闇の扉」のもとに行き、キングダムハーツを手に入れようとしていた。
- かなり特殊な条件でしか出現させられないことから、特別な鍵穴であることが窺える。
忘却の城13階の鍵穴(COM)
COMで登場した忘却の城の13階出口ホールにあった鍵穴。
ホールと最終バトルの場所(マールーシャ曰く「一切の心が消えた無の世界」)を出入りする扉の鍵穴と思われるが、そもそもあの場所がどのような場所なのかは不明。
ゲートの「鍵穴」(KHII)
世界がソラたちのために用意したゲートを開くための鍵穴。
各ワールドにある特定のアイテムに秘められた鍵穴を解放すると、新しい世界への道が現れる。
- 鍵穴を出現させるためにキーブレードを掲げると地面に王冠マークが浮かび、その後景色が切り替わって異空間のようになる。そして、アイテムから光が放たれ、宙に鍵穴が出現する。
- 特定のアイテムが目の前になくても、時が来れば自動的にキーブレードが反応するようになっている(ビーストキャッスルではキーブレードが勝手に出現したことでソラが鍵穴を解放できるタイミングであることを悟っている)。
- トワイライトタウン:サイファーのトロフィーのクリスタルボール
- ホロウバスティオン:再建委員会の会員証、シーソルトアイス
- ザ・ランド・オブ・ドラゴン:皇帝から下賜された剣
- ビーストキャッスル:魔法のバラ
- オリンポスコロシアム:オリンポス・ストーン
- ディズニーキャッスル:光の礎
- ポートロイヤル:ジャック・スパロウのコンパス
- アグラバー:魔法の洞窟の宝石
- ハロウィンタウン:サンタクロースの服
- プライド・ランド:対象無し(空に現れたムファサの幻影から鍵穴が出現している)
- アトランティカ:水泡
旅立ちの地の鍵穴(BbS)
旅立ちの地の玉座の裏に隠されていた鍵穴。歴代のキーブレードマスターによって施された仕掛けを発動するために存在する。
この仕掛けは、旅立ちの地を守護するキーブレードマスターに不測の事態が起きた場合に、闇の勢力などに悪用されないよう封印を施すためのもの。施された封印はそれをかけた本人にしか解くことができず、それ以外の人間が封印された地を訪れても全てを忘却の彼方に失うとされている。
この鍵穴を開け閉めできるのは作中ではマスターキーパーのみ。
- これについては、単に当時の守護者がマスター・エラクゥスだったからなのか、マスターキーパー自体が特別なキーブレードなのかは不明。
- 歴代キーブレードマスターに代々受け継がれるキーブレードの存在が明らかにされたため、恐らくマスターキーパーが特別なのだろう。
元々闇の勢力に悪用されるのを防ぐための封印だが、COMではXIII機関に思いっきり悪用されている。流石に忘却の城の仕様そのものを悪用される想定は立てていなかったようだ。
- 旅立ちの地に残っている機密情報+αは守られていたので、封印の目的としては果たしている……か?
データの「鍵穴」(coded)
データの世界に存在する、データの中枢に繋がる鍵穴。見た目は鍵穴の形をした宙に浮かぶ光の線であるため、「鍵穴の枠」とも呼ばれる。
この鍵穴から入れる中枢(鍵穴の世界)に敵が侵入し、中枢のデータを傷つけるとワールドがバグに侵され、鍵穴の中も世界の仕組みが歪められ、異常な空間になってしまう。
鍵穴の奥に潜むバグの原因を倒し、鍵穴を封印すればデータは元に戻る。
ワールドだけでなく、バグに侵されたデータ・リクにも出現した。
- デスティニーアイランド:秘密の場所
- トラヴァースタウン:なぞのかけらの完成形
- ワンダーランド:ハートの女王の城の鳥カゴ
- オリンポスコロシアム:闘技場の入り口
- アグラバー:魔法の洞窟のランプの間(3ヶ所の候補からランダム)
- ホロウバスティオン:礼拝堂
- 変異データ中枢:ホロウバスティオン大広間の闇へと通じる鍵穴
なお、ジミニーメモの追加データ内に侵入する際にも同様の鍵穴を開放している。
眠りの鍵穴(3D)
眠りに閉ざされた世界に存在する鍵穴。見た目はゲートの鍵穴と似ているが、解放するとガラス面などが砕けたようなエフェクトが広がる演出が起こるのが特徴。鍵穴自体も周囲を菱形の輪とラインで取り囲み、その内側に青や黄、オレンジの模様が描かれた六角形がさらに鍵穴を取り囲む、まるで万華鏡のような華やかな見た目になる。
- 代わりにゲートの鍵穴の時の王冠マークや景色の変化などのような、鍵穴周り以外の演出が無くなっている。
これを解放するとその世界が眠りから覚め、元の世界に戻る。また、世界が闇に飲まれる=眠りに落ちる瞬間にも現れ眠りに閉ざされた世界への入り口となる。
この鍵穴はワールドだけでなく、心が眠ってしまった者の中にも出現する。
この鍵穴を7つ解放することによって、眠りし心を目覚めさせる力を手に入れることが出来る。その為、鍵穴を7つ解放することが、ソラとリクのマスター承認試験になった。
目覚めの力を手に入れた後は、いつでも現実世界から眠りに閉ざされた世界や心が眠ってしまった者の中に侵入することが可能となる。
- ちなみに、この鍵穴を開く行為については作中でイェン・シッドにより扉を開くと表現されている。また、ディレクターの野村哲也へのインタビューでも眠りの世界の扉を開く力を得たと表現されている。
目覚めの力を使用した際にも眠りの鍵穴が出現する。
χブレードの鍵穴(KHIII)
マスター・ゼアノートが完成させたχブレードが作り出す鍵穴。
鍵穴は金色の輪郭で、中は暗闇だが奥には光が見える。
バトル中に頻繁に姿を消し、この鍵穴から現れて攻撃してくる。
ゼアノート自身の「見つめる目」のキーブレードを使っている間はこの鍵穴は出てこないため、χブレード特有の能力と考えられる。
また、BbSではχブレードが崩壊する際に白い光とともに白い鍵穴のエフェクトを放出しながら崩壊していったので、やはりχブレードの特性なのだろう。
- 色の違いは、正式な方法で作られたKHIIIと、正式な方法に準じて作られたBbSの差だろうか?
KHIIIRMでは、レプリカ・ゼアノートが金色の鍵穴のエフェクトを伴いながら再出現する。
光の守護者達を上空に吹き上げて戦いが始まるが、空には至るところにこの鍵穴のエフェクトが現れては消えている。
- 経緯は不明だがこのレプリカ・ゼアノートはスカラ・アド・カエルムのキングダムハーツの活性化とほぼ同時に出現している。
χブレードとキングダムハーツが対の存在であることを考えると、マスター・ゼアノートのχブレードの鍵穴と同じようなものかもしれない。エフェクトも鍵穴の内部が多少異なるだけでほとんど同じである。
レプリカ・ゼアノートとの戦いの中、守護者達は鍵穴の中へ吹き飛ばされて散り散りになってしまい、さらにレプリカ・ゼアノート全員がキーブレードを掲げると周囲に漂っていた鍵穴が一つに結合し、巨大な鍵穴が作り出される。
王様がキーブレードで巨大な鍵穴に光を放ち、ソラが鍵穴の中へ入るとそこには宇宙のような空間が広がっており、宇宙に輝く星々のように無数の鍵穴があった。
この星のような鍵穴のどこかに散り散りになった守護者達がおり、ソラが鍵穴から鍵穴へ光を繋いでいくことによって守護者達に光を届けることができた。
さらに、その後戦うことになるアーマー・ゼアノートも同じような鍵穴をバトル中に無数に出現させ、それぞれの鍵穴から隕石のようなものを降らせてくる。
これらの鍵穴や鍵穴の中の宇宙のような空間については作中やアルティマニアでも全く説明や解説がされておらず、謎が多い。