システム/【ステータス】

Last-modified: 2023-09-03 (日) 14:47:45

ソラを始めとするパーティーキャラクターたち、更には各種ザコやボスと言った敵キャラクターたち全てに設定されている数値。基本的に高くなればなるほど強くなる。
KHシリーズに限らずゲーム、特にRPGにおける基本であり、ステータスの概念が存在しないRPGというのはほとんど存在しないと言っていいだろう。


KHシリーズではダメージ計算の基本的な部分はシリーズを通して共通になっていることが多いため、登場するステータスも大体の作品で共通になっている。
もちろん例外もあり、作品特有のステータスが登場することも決して少なくない。


主要なステータス

2作品以上に登場しているステータスをまとめて解説する。

レベル

キャラクターの強さの段階を示す数値であり、経験値(EXP)を一定値貯めるごとにレベルアップする。
KHシリーズにおいてはレベルの数値そのものがダメージ計算に用いられることはないが、レベルが上がることによって後述の各パラメータが成長したりアビリティを習得したりして、結果的にキャラクターが強くなるというものになっている。
作品によっては敵にも設定されている。基本的にプレイヤー側が直接参照することは出来ないが、KHII、3D、KHIIIに関しては各ワールドのレベル(「バトルレベル」という)を直接確認できるようになっている。

DaysやRe:codedではシステム上、単に経験値を溜めるだけでは上がらず、経験値が溜まった時に入手できるパネルチップをスロットにセットすることでレベルアップする。また、1つのパネル・チップで2以上のレベルアップを実現する手段も用意されている。

作品によって上がり易さにはかなり差があり、上記のように特殊なシステムを持つDaysやRe:codedはかなり上げにくい……と言うかスロット数の関係上、レベルを上げるのに制限がかかる。KHIも特に序盤の敵の経験値がかなり渋い。一方、3Dはシリーズでも群を抜いて上がりやすい。
codedのみほかの作品とは異なりレベルアップキャップが存在し、VPを消費してデータ・ソラのバージョンを上げなければ最大レベルになることができない。


ほとんどのRPGに存在する要素であるが、RPGにおいて必須の要素かというとそんなこともない。
同じスクエニのRPGでもサガシリーズの大半の作品にはレベルという概念が存在せず、FFシリーズでもFF2や10など一部の作品にはレベルの概念がない作品が存在している。
 
また、レベルが高ければ強い、裏返せば低いほど弱いというわかりやすいステータスであるため、古くからRPG界隈ではこのレベルをどれだけ上げずにプレイするかという「低レベル攻略」のやり込みプレイが盛んである。
FFシリーズはその最たるものであり、そもそも「低レベル攻略」という概念の元祖はFF5と言われている*1
そしてKHシリーズでもKHIIFMでの「EXPゼロ」の登場以降盛んに低レベル攻略が行われるようになり、その極限としてレベル1攻略が上級プレイヤーの大きな目標として多くの作品にて提示されるようになっている。

最大HP

敵の攻撃で受けるダメージをどれだけ耐えられるか、というのを示すパラメータである。
操作キャラのHPがゼロになるとゲームオーバーで、他の仲間のHPがゼロになった場合は気絶して一定時間行動できなくなってしまう。
非常に重要なパラメータだが、後述の防御力が低い場合は敵の被ダメージが大きすぎて、多少最大HPが高くても大差なくなってしまうことも。
KHI、COM(選択制)、Days、Re:coded、χでは普通にレベルアップで成長するが、KHII、BbS、3D、KHIIIでは基本的にボス撃破などのボーナス取得によって成長するようになっている。そのため最大HPを上げて対抗するという手段が取りづらい(特にKHII、KHIIIでは一切不可能)。
BbS、3Dではアビリティ「HPアップ」でブーストできる。
 
敵のHPはライブラで視認することができる。


KHでは多くの作品でキャラクターのアイコンの左側から時計回りに円形のHPゲージが伸びていき、アイコン下部を超えると真っ直ぐ伸びていくという独特かつ直感的に現在量がわかりやすいインターフェースになっている。

  • 仲間キャラの場合は、KHIでは操作キャラと同じ形状(サイズは縮小されている)であったが、KHII・KHIIIではアイコンの周囲にある円形のゲージの内、左半分側がHP(右半分側はMP)を示す仕様になった。よって、戦闘ボーナスで最大量が増えても視覚的には変わらなくなった。

KHのステータス表示といえばコレ、という印象のひとも多いだろう。ハードの制約もあったのだろうが、COM、Days、Re:codedで実装されなかったのがちょっと残念である。
Re:COMでは概ねCOMのインターフェースに準じているがこのHP表示に寄せた物になっており、位置関係が180度回転したような表示となっている。


FFでは基本的に「ヒットポイント」の略称。KHはFFの借用が多いため、恐らく同じだと思われる。
もともとは古典的なTRPGで、敵の攻撃の「ヒット」を「何回耐えることができる」というステータスであったのが起源。
「瀕死(HP1)なのに何故普通に動き回れるのか?」というしごくもっともな疑問を抱かれることもあるだろうが、そもそもHPが低い状態というのは必ずしも「大怪我を負って瀕死である」とは限らず、「次に攻撃を受けたら致命傷(戦闘不能)は避けられないだろう」という状態なのである。
そのため、HP"0"まではギリギリセーフだったり、HP以外にさらに重要なパラメータがあったり(サガシリーズなど)する作品も存在する。
現代では、単に「HP」でほとんどのゲーマーに通じる時代となっているが、ゲームによっては「ヘルス・ポイント」とか「ハート・ポイント」の略称とされているものもある。

  • ちなみにKHのカードゲームにおけるHPは「ハートポイント」の略。
    Daysでもハートポイントというステータスが存在するが、同作におけるショップ用の通貨、つまりお金みたいなものである。

最大MP

MPを消費して魔法を使う作品に登場するパラメータ。
KHIではこの数値が魔法や召喚、一部アビリティ技の威力にも影響しており、実質魔法力の役割を兼ねていた。
またDaysはパネルシステムによって魔法を任意の数装備できるため、最大MPもそれに応じた増減をする仕様になっている。
魔法などの使用にMPを用いないデッキコマンドシステムを採用した作品では登場していない。


FF的には「マジック・ポイント」(FF12など例外あり)、DQ的には「マジック・パワー」。いずれにせよ略して「MP」だが、KHでは前者。
多くのRPGでは宿に泊まったりエーテルのような専用の回復アイテムを使用しなければ回復できず、アイテムの入手性もHP回復アイテムより悪い。そのため基本的にHPより回復が難しいというのがお約束となっている。
だがKHでは、アイテム使用以外にMP回復手段が存在するようになっている。KHIでは敵を攻撃することで自然と回復していくし、KHIIではMPチャージの採用により一旦使い切れば時間経過のみで回復する。つまり「HPよりMPのほうが回復しやすい」という逆転現象が起きている。アクションRPGというゲームジャンルの違いによる面白い違いである。


シリーズ初代であるKHIではなんと魔法の効果量に直接関わっている。
RPGにある程度慣れている人からすると、まさかこのステータスで魔法効果量が補正されるとは思わなかった人も多いのではないだろうか?
後述されている魔法力のパラメータが登場した作品以降では、一般的なRPG同様、純粋に魔法の行使リソースになる、許容量のパラメータとなった。

攻撃力

物理攻撃で与えるダメージを決定する数値。高ければ高いほど与えるダメージが高くなる。
KHシリーズではほとんどの作品において「攻撃力(魔法力)-防御力」という計算式が用いられているため、特に敵の防御力を上回れるか、そうでないかの差は非常に大きい。
特に理由がなければ、1でも高い攻撃力を確保して攻略するのが基本となる。
作品によってはパワーアップで直接上昇させることができる。

防御力

受けるダメージを決定する数値。高ければ高いほど受けるダメージが低くなる。
攻撃力の項に示した式の裏返しとして、こちらも防御力をできるだけ高くすることによって被ダメージが激減していく。
ただそれを見越してか敵の攻撃力は全体的に高めに設定されている傾向が強く、少なくとも適正レベルで敵の攻撃力を上回る防御力を得るのは難しい。
また防具・アクセサリーという概念がない作品ではレベルアップ以外に直接防御力を上昇させる手段がないため、敵の攻撃をより多く耐えるには素直にレベルを上げるか、HPを上昇させるアビリティに頼る必要がある。
作品によってはガードアップで直接上昇させることができる。

魔法力

魔法など、物理攻撃以外の手段で与えるダメージを決定する数値。
大体攻撃力の項と同じだが、ケアル系の魔法の回復量にも直結するため、防御面でも重要視すべきパラメータでもある。
魔法の威力が最大MPに依存するKHIでは登場していなかったため、KHIIが初登場となる。
作品によってはマジックアップで直接上昇させることができる。

作品によっては敵にも設定されている。敵に魔法力が設定されていない作品では、敵の魔法(に見える攻撃)も攻撃力に依存して威力が決定している。

属性耐性

各属性に対応する攻撃のダメージを軽減するパラメータ。作品によって正式な呼称が異なり、「ダメージ変動率」「魔法耐性」などの呼び方がある。
対応する攻撃しか軽減できないが、重ねて装備することで効果が上昇する。特化すれば同じ装備数では防御力より高い効果が期待できるが、半端な装備数では思ったよりダメージが減らないことも多い。
KHI、KHII、Days、KHIIIでは装備によって、BbS、3Dでは○○○ガード、Re:codedではレジスト○○○のアビリティによって上昇する。COMでは一部のエネミーカードの追加効果として属性耐性が変動する。
BbSではレベルアップ以外では属性耐性を上げる以外にダメージを減らす手段がないので割と重要。


攻撃の分類はゲーム内で確認できる場合もあるが、アルティマニアでしか確認できないことが多い。
KHシリーズでは伝統的に「物理」「ファイア」「ブリザド」「サンダー」「ダーク」「無」の6属性となっているが、分類方法は作品によって若干異なる。

  • KHIとKHIIは攻撃の分類が「属性」ではなく「タイプ」として扱われ、無属性は「タイプなし」として扱われる。
  • KHIは「物理」が無く、その代わりに「武器攻撃」「割合攻撃」「ストップ」「気絶攻撃」というタイプがある。
  • COMとDaysは「ファイア」「ブリザド」「サンダー」がそれぞれ「炎」「氷」「雷」に置き換えられ、「ダーク」が無い。
  • 上記に加え、DaysはXIII機関のそれぞれと同様の13属性になっており、それぞれに固有の状態異常が設定されている。詳細はDaysの項にて。
  • Re:codedと3Dは無属性が「属性なし」として扱われる。
  • Re:codedでは「エアロ」が、3Dでは「ウォータ」と「ホーリー」が、KHIIIでは「ウォータ」「エアロ」「連射」が加わる。

KHでは「無属性」が「属性が無い」というわけではなく独自の属性として設定されているのが独特で、専用の耐性も設定されている。
基本となる物理属性には基本的に変動率が設定されていないが、KHI、COMに限り変動率が設定されており、極稀ながら耐性・弱点持ちの敵もいる。
基本的にプレイヤー側が耐性を付けられるのはファイア・ブリザド・サンダー・ダークの4属性(3Dではウォータ・ホーリーを加えた6属性、KHIIIではウォータ・エアロを加えた6属性)で、物理・無属性に対しては耐性を持つことは出来ない(リボンは例外)。


RPGではおなじみの要素だが、強力な属性攻撃は耐性で対応できるので実際は怖くないが、多少弱い無属性攻撃は軽減手段がないので怖い、という逆転現象が頻発しがちなので、意外とバランス調整が難しい要素でもある。
KHでは属性耐性での軽減率が全体的に抑えめで、また防御力による直接の軽減が重要なバランスになっているため、この辺のバランスは割と取れている方である。
またこちらの攻撃としても最終的には一切軽減されない無属性が一番強い、なんてRPGも多いが、KHでは前述通り「無属性」として独自の属性耐性が設定されているためそのようなことも起こらない作品が多い。

最大AP

KHI、KHII、coded、KHIIIに登場するパラメータ。「アビリティポイント」の略。
KHでは多くのアビリティが登場するが、アビリティにはそれぞれAPが設定されており、そのAPの合計値が最大APより少なくなるように装備しなければならない。
地味にKHI、KHIIではアビリティを装備するごとにAPが「減る」「増える」が逆になっているが、基本は同じである。
APアップで直接上昇させることができる。
アビリティのシステムが根本的に異なる他の作品では登場していない。


COM、χ、Uχにも「AP」のパラメータが存在するが、それぞれ上記のものとは全くの別物である。
詳細は各作品の項を参照。

各作品におけるステータス解説

各作品固有のパラメーターや、ダメージ計算などの特筆すべき事項を解説。

KH

レベル、最大HP、最大MP、最大AP、攻撃力、防御力。
ステータス画面に表示されないが属性耐性も存在している。
上述の通り魔法ダメージは最大MPに依存している。


ダメージ計算式は「(攻撃力+技ごとの補正値)-防御力」。ただし計算後の値が9以上になると計算結果よりも実際のダメージが大きくなる補正がかかる。属性耐性はこの補正後の数値に更に掛かるため、耐性があっても防御力が低いアクセサリーは思ったほどのダメージ軽減を得られない場合がある。
シリーズ内でも防御力による影響は大きいほうで、防御力を1上げただけでも実ダメージは3とか減ることも少なくない。プラウドモードなら言わずもがな。
KHII同様最大・最小ダメージ補正も存在しているが、KHIIと比べるとその影響は小さめになっている。ちゃんと攻撃力を確保しないとボス戦が長引いてひどい目に遭うことになる。
なお、HD版以降のEXPゼロによる補正はこれらのダメージ計算とは別に掛かっている。


攻撃のタイプはプレイヤー側が使えるのが「武器攻撃」「ファイア」「ブリザド」「サンダー」「割合攻撃」「ストップ」「気絶攻撃」「タイプなし」の8種、敵が使ってくるのが「ファイア」「ブリザド」「サンダー」「ダーク」「タイプなし」の5種となっている。
他作品とは異なり「割合攻撃」「ストップ」「気絶攻撃」はステータス異常や特殊効果ではなく「タイプ」扱い。このうち「気絶攻撃」の変動率は与ダメージにのみ影響し、気絶自体が有効かどうかは敵によって個々に決まっている、というややこしい仕様。
また、敵の攻撃は特定のタイプに依らないものはどんな攻撃でもすべて「タイプなし」に属する。

  • 後述のCOMに先行して1体だけ武器攻撃弱点のボスがいる。
    ボスの設計を考えると納得の行く設定ではあるが。

オリジナル版とFM版で大きくゲームバランスが変わっており、オリジナル版では敵のHPが高い代わりに防御力が低く、FM版ではHPこそ大きく下がったが防御力が大幅に上昇した。
特にホロウバスティオン以降は適正レベルでは与ダメ半減では済まないほどに防御力が跳ね上がっているため、実際に戦ってみるとFM版の方が敵が硬く感じる場面が多い。物理攻撃ではかなり厳しくなったが、一方で装備品で威力を上げやすい魔法が活躍しやすくなっている。

  • ちなみに、カイリ救出前に関してはオリジナル版から更にHPが上がっているものもちらほら。
    主にラージボディなどの中型ハートレスが該当し、かなりの強敵になっている。
    カイリ救出後に関しては、バトルシップアークベヒーモスを除いたすべてのザコ敵のHPが300(ゲージ1本分)以下になるように修正されている(オリジナル版ではちらほら2本目に突入している敵が居た)。

COM

レベル、最大HP、最大CP(ソラ編)、最大DP・AP(リク編)。
システムがシステムだけに他作品とは全く異なるステータスとなっている。
APはKH、KHIIなどの「アビリティポイント」とは別物で、「アタックポイント」の略称であり「攻撃力」を意味する。


カードバトルシステムを取り入れているだけあり、他作品とは全く異なるダメージ計算となっている。特徴的なのは防御力の概念がないこと。
基本は「AP×各種補正×属性耐性」で、「各種補正」とは通常攻撃の場合はアタックカードごとの、魔法やストック技の場合は技ごとの補正を指す。
ソラのAPは基本的に10で、アタックカードの種類と出す技によって補正が掛かる(たたく、突く、フィニッシュのそれぞれに補正が掛かっている)。ストック技はアタックカードの性能に依存せずに技ごとに補正が決定する。

  • 通信対戦時は開始前にソラのAPを1~11の範囲で変えられる。

リクの場合はアタックカードが1種類しかないため、通常攻撃であっても出す技ごとに補正値が設定されている。またソラと異なりレベルアップでAPを上昇させることができる。


登場する属性自体は他作品と概ね同じだが、「物理」「炎」「氷」「雷」「無」の5種類に分類され物理属性周りにちょっと癖のある仕様がある。
炎・氷・雷属性以外のストック技は例外なく無属性扱いとなっている。他作品で物理扱いである技もほぼ全てが該当する。そのため無属性耐性持ちの敵(主にボス)には軽減されてしまう。物理属性であるアタックカードによる通常攻撃との差別化のためであろう(ただしアタックカードの攻撃もカードの種類によっては属性を持つ)。
また攻撃をガードする敵(ラージボディなど)のガード判定も物理属性で行っており、無属性の各種ストック技などはガードを無視して攻撃を通すことができる。
そしてなんと物理弱点物理耐性の敵も登場している。無効はともかく、物理に対して弱点や耐性を持つのは非常に珍しい。

  • Re:COMではリフレクトレイドの属性が物理になり、物理属性を持つ唯一のストック技となった。また、テラーバインドコンフュマグネスパイラルリーサルフレームは一切属性を持たず、あらゆる敵に威力を軽減されない。
    • 威力ではなく特殊効果がメインの技であるテラーやバインド、コンフュはともかく、マグネスパイラルとリーサルフレームに関しては威力補正が高いにも拘わらず半減も無効化もされない為、本作を攻略するにあたり非常に有用な技となる(ただしエネミーカードの効果で強化する方法もない)。

防具および防御力の概念がないが、エネミーカードの効果で属性耐性を得ることができる。一時的な耐性であるため、最低でも半減であり、ものによっては無効化と強力な効果であることも多い。ただ、逆に弱点属性も発生してしまい、弱点を突かれると被ダメージが増えたり気絶したりしてしまう。

KHII

レベル、最大HP、最大MP、最大AP、攻撃力、魔法力、防御力、DRIVEゲージ、属性耐性、ボーナスレベル。各フォームや召喚にもレベルが設定されている。
「DRIVEゲージ」とはフォームチェンジ召喚魔法の際に用いるゲージ。詳細は各記事を参照。


ダメージ計算は「(攻撃力or魔法力-防御力)×技の補正×属性耐性」。小数点以下は演算するたびに切り上げられる。
本作では最大・最小ダメージ補正が「(攻撃力or魔法力-防御力)」の直後に入る。しかも本作の最小ダメージは結構高めになっている。
FM版のLV1プレイでもある程度のダメージが入るのはこのダメージ計算の仕様があってのものである。
逆に今作の敵ステータスは防御力がかなり高めの調整となっており、多少レベル上げを抑えて進んだだけでも最小ダメージ補正のお世話になっていることも少なくない。
また、この計算式の良い所として、「ヒット数は少ないが単発威力は高い」というタイプの技がちゃんと設定通りの高威力を発揮できるというものがある。
技ごとの威力倍率が上限補正よりあとに計算されるため、倍率の高い攻撃でもダメージが頭打ちせずにしっかり大ダメージとして通るからである。


KHIでは加算式だった威力補正の演算が本作では乗算式となり、これが以降の作品でもスタンダードになる。
乗算式の演算はダメージやステータスの値にインフレを起こしやすいという特徴があるが、KHではダメージ計算の根幹はあくまで「攻撃力-防御力」であるため、現時点では顕著なステータスインフレは発生していない。


攻撃の分類は「物理」「ファイア」「ブリザド」「サンダー」「ダーク」「タイプなし」の6種類。
プレイヤー側は魔法や連携技、一部の仲間キャラクターが使うアビリティ技等で様々なタイプを扱えるが、ダークタイプの攻撃はソラがアンチフォームに変身した場合にしか使えない(リクのダークオーラダークシールドダークカノンのタイプは物理)。

Days

レベル、最大HP、アビリティ数、リンク数、攻撃力、魔法力、防御力、クリティカル率、クリティカル補正、スロット数、ミッションレコード、階級ゲームモード。属性耐性もアビリティ一覧の方に表示される。
「スロット数」とはパネルシステムのスロットの数。「リンク数」とはリンクしているパネルの数。両者とも該当記事を参照。
「ミッションレコード」とは所持しているトライアルシンボルやミッションクラウンの数を表示している。トライアルミッションミッションモードの記事を参照。
クリティカルヒットは他作品にも登場するが、大抵の場合武器や技そのものに設定されたステータスであり、プレイヤーが干渉可能なステータスとして扱われているのはDaysのみである。
ゲームモードは他作品ではコンフィグに表記されていることが多いが、今作ではステータス画面に表示されている。


ダメージ計算は「(攻撃力×技の補正-防御力)+クリティカル補正」「魔法力×技の補正×属性耐性」。KHIIと似ているが技の補正を掛ける順番が異なっている。
こちらもかなり独特の仕様が多い。魔法とクリティカル補正は防御力無視であることやダメージ最大補正が存在しないことが特徴的。
本作の敵の防御力は「通常攻撃だけで攻める分にはやや高い」「フィニッシュ技やリミットブレイクで攻める分には低い」といった調整になっている。
通常攻撃はダメージ補正が低いだけでなく、通常攻撃で怯む敵が少なかったりクリティカルが出なかったりと、コンボが長いことに対するメリットはほとんどない。補正が高かったりクリティカルが出たりするフィニッシュ技が短いコンボで出せる武器が強いというのはこういう事情がある。

  • レクセウスがめちゃくちゃ強いと言われるのも、単に攻撃力やクリティカル補正のステータスが高いと言うだけではなく、レクセウスの武器にはコンボの途中でもクリティカルヒットする可能性があったり敵をひるませやすかったりする攻撃を持つものが多く、さらに多くのキャラのフィニッシュ技が補正×1.5前後なのに対しレクセウスは×2.0とか×2.5みたいな補正の技を平気で持っていることによる。
  • なお、そのダメージ計算の都合上、補正が高い技を使えばLV1でも敵の防御力は容易に貫通して高いダメージを与えられる。これもシリーズでは非常に珍しい調整と言える。

もちろん防御力無視の魔法は非常に強力。上記の通り計算値の上限が存在しないため、魔法力特化で弱点属性の魔法をぶち込むと数ゲージは軽く持っていく。それを見越してかボス敵の魔法耐性は高い傾向にあるが、それでも大体殴るより魔法のほうが強い。
本作以降本格的に導入された状態異常も大いに役立つ。


属性に関してはXIII機関のそれぞれと同様の13属性になっており、それぞれに固有の状態異常が設定されている。意外にもダーク属性はリストラされていたりする。

  • 「無」「空間」「風」「氷」「土」「幻」「月」「炎」「水」「時」「花」「雷」「光」
    • 敵が使う技の中には属性を持たないものもある。

ただしプレイヤーが使えるのはファイア系、ブリザド系、サンダー系、エアロ系の魔法に対応した「炎」「氷」「雷」「風」のみで、それ以外の属性はたとえ自分の司る属性であっても使用できない。一見炎や水で攻撃しているリミットブレイクも攻撃属性は設定されていない。
「物理」「魔法」の攻撃区分も存在するが属性とは別扱いで、攻撃力・魔法力のどちらに依存するかを決定する「物理タイプ」「魔法タイプ」という分類。
プレイヤー側は「たたかう」はもちろん、非接触攻撃を含むリミットブレイクも全て属性なしの物理攻撃扱いである。「魔法」は文字通り上述した4属性魔法が該当する。
敵側にも同様に物理・魔法の攻撃区分が存在する。敵の魔法攻撃は一応防御力での軽減が機能するようだが、そのほどんどが無属性=防御力無効化のステータス異常効果(発生率100%)のため、実質的に防御力が無意味。
属性耐性を上げると対応する属性の状態異常発生率も下げることができる。というより物理攻撃には属性耐性が影響せず魔法攻撃を使う敵が多くはないこともあって、属性耐性を上げる目的としてはこっちがメインになる。


今作は他作品と比べて敵味方共にステータスの数値が高めの設定になっている。特に敵のHPのバカ高さは他の追随を許さない。
それに対するこちらのステータスの上げ方は、アイテム、ステータス、魔法、アビリティ、装備を限られたスロットでやりくりをしなくてはならないというパネルシステムの性質上、レベルアップに制限がかかりやすい。

  • ついでに、ゲームクリアには支障はないが、全スロットを解放するには難易度の高いトライアルミッションや、マルチプレイ前提のミッションモードをクリアしなくてはならないので、レベルカンストは困難。

その代わりか、装備のステータス上昇量が他作品よりも圧倒的に高いという設定になっている。

BbS

レベル、最大HP、攻撃力、魔法力、防御力、属性耐性。
ステータス画面には表示されないが、シュートロック用のFOCUSゲージやディメンションリンク用のLINKゲージも登場している。


ダメージ計算は「(攻撃力or魔法力-防御力)×技の補正×属性耐性」。KHIIとほぼ同じだが、最大・最小ダメージの補正が一番最後に掛かるようになっている。しかも端数はKHIIと異なり切り捨て。
その上ほとんどの場合最小ダメージが1であるため、低レベル攻略ではどの攻撃もほぼ一律で1ダメージしか入らなくなってしまう。
Days同様状態異常が本格的にシステム化されて導入されたが、本作ではそれを駆使しないと低レベルでの攻略は非常に困難。スナイプバーニングにお世話になったプレイヤーは多いだろう。
一応通常攻略範疇では敵の防御力を下回ることはほぼないため、そこまで問題ではないのだが。ただ、本作はステータスブースト手段が非常に乏しいため、攻略を楽にするためには素直にレベル上げに頼らざるを得ない場面が多い。
 
また、ボスに与える最大ダメージも相当低い設定になっている(雑魚敵は問題ない)。ボス相手にメガフレアをぶちかましてそのダメージの低さに唖然としたプレイヤーは多いだろう。
この仕様のせいで専用技が強力な単発技ばかりのテラが凄まじく割を食っている。
逆に低ダメージ+超多段ヒットというシステムであるシュートロックコマンドが恐ろしく強い。ただ終盤のボスは対策を持っていることも多い。


属性は「物理」「ファイア」「ブリザド」「サンダー」「ダーク」「無」の6種類に分類される。

coded

レベル、最大HP、攻撃力、防御力、最大AP。


本作ではDアビリティ「エネミーアップ」かアイテム「ディープダーク(+)」によって一時的に敵のレベルを上げることができ、逆にDアビリティ「エネミーダウン」かアイテム「ペイルダーク(+)」によって一時的に敵のレベルを下げることができる。

Re:coded

レベル、攻撃力、魔法力、防御力、ラック。Days同様属性耐性はアビリティ画面に表示される。
ステータスマトリックスで設定できる各種チートもステータスに表示される。
ラックはKHでは珍しいステータスだが、クリティカルヒットの発生率や敵へステータス異常を与える確率、敵からのアイテムドロップの確率に影響する。

  • すれちがいが発生した時に上がるアバターのハッピー度が80だと、ラックが2倍になる。

本作の詳細なダメージ計算式は不明だが、防御力が上がるほどダメージ軽減量の増加が鈍くなるので、他作品のように単純に「攻撃力-防御力」という式で計算されるわけではない模様。
そのため、攻撃力が防御力を下回っていてもそこそこダメージが通る。今作は低レベル攻略をかなり意識した調整となっているためその一環と思われる。
なお、Days同様与ダメに上限はない模様。十分鍛えた状態なら高威力技でボスすら瞬殺可能である。


属性は「ファイア」「ブリザド」「サンダー」「エアロ」「属性なし」。
Daysと同じく攻撃力・魔法力のどちらに依存するかを決定する「物理タイプ」「魔法タイプ」という分類もある。
その後の作品では攻撃の分類に「タイプ」という呼称を使うことがなくなった。


敵味方共にステータスの数値の設定が高めなのもDaysと同じ。しかし、敵のHPは他作品より少し多め程度だったりむしろ少なかったりとそれほど差はない(防御力は他作品より高めになっているが)ため、鍛えれば敵をサクサク倒せるようになっている。
ステータスマトリックスはDaysのパネルスロットとは違ってセットするチップはステータスのみなので、最初はセットできる数に制限があるのは同じだが、セットするチップに悩むことは少ない。また、レベルを上げずとも直接ステータスを上げるチップも存在する。
全パネルの開放も難易度はそれほど高くはないので、ステータスカンスト(HP400・攻魔防200・ラック28)もそれほど難しいものではない。

  • ただし、今作は装備品自体のステータス補正は無い(アビリティによる補正は存在する)。

3D

レベル、最大HP、攻撃力、魔法力、防御力、属性耐性(今作は「魔法耐性」表記)。
概ねBbSと同じである。ソラとリク、操作している側のステータスを参照できる(デッキコマンドは両方のキャラを編集できる)。
今作では敵にも魔法力が設定されている。


ダメージ計算は「(攻撃力or魔法力-防御力)×技の補正×属性耐性」。こちらもやはりBbSと同じで、端数切り捨てや最大・最小ダメージの補正の順序の関係で低レベルではダメージが通りにくいところまで一緒。
ただ、「設定値を超えた分のダメージが半分になる」という仕様になったため、ダメージが伸びにくくなるものの一応計算上ダメージの上限はなくなっている。相変わらず強力な単発技には厳しい仕様だが、BbSよりはだいぶマシになった。


属性はいつもの「物理」「ファイア」「ブリザド」「サンダー」「ダーク」「属性なし」の他に、「ウォータ」「ホーリー」が新規に追加。ホーリー系の攻撃は過去作にも多数登場しているが、属性として設定されるのは本作が初となる。
ウォータはいわゆる水属性だが、プレイヤーのウォータ属性攻撃が一部のリンク攻撃のみと非常に希少。基本的にドリームイーターたちが使う属性となる。
また、本作の「属性なし」は珍しく耐性が設定されておらず、他のゲームによくあるような純粋な無属性ポジションとなっている。


今作ではステータスをブーストする手段が多く、イベントフォーキャストドロップボーナスなども駆使すれば、Lv1でも最終盤のボスの防御力を上回ることすら不可能ではない。
スピリットたちも強力で、ステータス強化にも欠かせない存在なので積極的に活用していきたいところ。
ただしステータスが全体的に高くなった分、各コマンドの威力倍率はBbSの頃と比べるとかなり落ちている。

  • 全く無調整の高レベルより、ちゃんとシステムを駆使してブーストした低レベルの方が強いこともザラ。
    もちろんレベル上げ自体は有効だが、どうせ上げるならスピリットの育成も並行して行いたいところ。

 
また、他作品と比較しても異様にレベルが上がりやすい。
本編攻略のみであればそこまで感じないのだが、スピリット育成やバトルポータル攻略などで寄り道をしているとみるみるうちにレベルが上がっていく。
実際に経験値テーブルを見てみると、レベルアップに必要な経験値がかなり増えにくく設定されていることがわかる。Lv99でも累計78万と非常に少ない。
本作の攻略難易度は他作品と比べてもかなり高いが、それに対する救済措置の1つといわれている。


画面に表示されるステータスではないが、「リアリティ耐久値」と「リアクション値」という値が存在する。
「リアリティ耐久値」はリアリティシフトの発生に関わる値。リアリティシフトの記事を参照。
「リアクション値」は敵の「ひるみ」に関わる値。敵にはそれぞれ「リアクション耐久値」という値が設定されており、攻撃によってその値がゼロになるとひるみが発生する。一定時間攻撃を当てないでいるとリアクション耐久値は回復する(ほとんどの敵は10秒)。
リアクション値は技によって固有の数値が設定されている。「たたかう」による通常攻撃は総じて低く設定されており(中にはゼロの技も)、今作では通常攻撃で敵を怯ませるのがかなり難しくなっている。
一方フリーフローアクションや各種デッキコマンドリンク攻撃などのリアクション値は高めに設定されており、積極的にこれらの技を使わせるようにプレイヤーを誘導するようにバランスが取られたと思われる。
とはいえ流石にやりすぎだったためか、PS4版では通常攻撃のリアクション値が底上げされ、敵をかなりひるませやすくなった。

  • なお、敵がひるみにくいということばかりが非難されるこのシステムだが、逆に従来作では一切ひるまなかったような大型の敵でもリアクション値をゼロにすることができればひるませることができる、ということはあまり知られていない。
    バルーン系ファイガバーストなど、リアクション耐久値を削りやすい技を連発してみると意外とすぐにひるむ。

χ

レベル、最大AP、最大HP、攻撃力、防御力、コスト。
攻撃力と防御力は画面上ではすべてのカードの合計の値が表示されるが、実際には攻撃力は技を出すカードごと、防御力は攻撃に使ったカード3枚の合計になる。


プレイヤーが敵に与えるダメージの計算は「{カードの攻撃力÷2×タイプ一致時の倍率(+有効キーブレード補正)}×ダメージ減少補正(×BP消費量によるダメージ倍率)」。()内はレイドボス戦時のみ影響。本作の敵にはほかの作品における防御力にあたるステータスが存在せず、被ダメージを軽減する倍率のみが存在する。この処理はダメージ上限の処理の後に行われるため、敵によってはどんなに攻撃力が高くても数値上の上限ダメージを与えられないことがある。
プレイヤーが受けるダメージの計算は不明。

APはいわゆるスタミナで、敵との戦闘を始める、宝箱を開ける、素材を拾うのに必要。
上限は「APプラス」、パーティーの自分以外の所属人数で上げられる。

コストはデッキに入れられるカードを制限する値。レベルアップによってあげられる。

レベル、最大AP、最大HP、攻撃力、防御力、デッキコスト。
χと同じく攻撃力と防御力は画面上では全てのメダルのメダルスロット一致補正を含めた合計の数値が表示されるが、実際には攻撃力は攻撃に用いたメダルのもの、防御力は全てのメダルの合計が用いられる。


ダメージ計算の詳細は不明だが、おおまかには「{(攻撃力×攻撃力に関わる補正)-(防御力×防御力に関わる補正)}×その他の補正」となっている。「攻撃力に関わる補正」に該当するものは攻撃バフとメダルスロットの一致補正のみ、「防御力に関わる補正」に該当するものは防御バフと覚醒能力の「地上エネミー防御-60%」「空中エネミー防御-60%」(特別覚醒能力は「-20%」)のみであり、アビリティの倍率や属性バフ、ギルトなどは全て「その他の補正」に属する。
上限下限や切り捨て切り上げの処理がどこでどのように行われているかは不明だが、与ダメージの最低値は1。
いずれにせよこちらの最終的な攻撃力が敵の最終的な防御力を上回らなければどんなに強力なアビリティを使っても与ダメージは1にしかならない。


本作ではレベルアップしてもステータスは一切上がらず、特定のレベルで解放されるアバターボードで該当のマスを解放することにより最大AP、最大HP、デッキコストが上がるようになっている。

KHIII

KHIIと同じく、レベル、最大HP、最大MP、最大AP、攻撃力、魔法力、防御力、属性耐性の基本的な項目以外に、BbSからFOCUSゲージが引き継がれている。
また、今作ではHPゲージとは別にHPを保護するARMORゲージが登場した。
他、ステータス外ゲージではシチュエーションコマンドの保持時間ゲージ、ギガース搭乗時のブーストゲージ、と状況によって特殊なゲージが登場する。
 
機種の世代交代によって解像度が高くなった関係か、ゲージ1本内の1目盛りが更に細かくなり、あわせて最大HPの実数値も従来の3~4倍近く高くなった。
ゲームスタート時のLv1のソラがHP100前後もあるのは、過去タイトルプレイヤーからしたら驚きだろう。


属性は「物理」「ファイア」「ブリザド」「サンダー」「ウォータ」「エアロ」「ダーク」「無」「連射」の9属性に細分化された。ただし連射属性は主に大型エネミーやボスエネミーに耐性が付与され、連射攻撃でHPが一気に減ってしまうのを防ぐための措置であり、他の属性とは少し立場が異なる。


*1 同作はほぼすべてのボスの経験値がゼロであり、低レベルでも様々な戦術でボスと渡り合える優れたゲームバランスであった。ボスの経験値がゼロであるという点はKHシリーズでもKHII以降で踏襲されている。