KINGDOM HEARTS coded

Last-modified: 2023-10-05 (木) 07:39:32

●『キングダム ハーツ コーデッド』 2009年6月3日エピソード1配信 対応機種:携帯電話(NTT docomoのメガアプリ専用)
●『キングダム ハーツ Re:コーデッド』 2010年10月7日発売 対応機種:ニンテンドーDS

略称は「coded」、「Re:coded」等。
主題歌は「」。
 
FM版やリメイク作を除くと第6作目。KHIIのエンディングから、ラストの王様からの手紙が流れ着くまでの間に起こっていた物語。

  • 配信開始はBbSの発売より先だが、coded系列の作品は後に発売されたRe:codedを基準としているため、6作目に数えられている。

「coded」とは造語で、その由来は「暗号化された」。メモの謎を解読するという意味で名付けられたのだろう。


codedの配信日と購入必要ポイントは以下の通り。
購入には「KINGDOM HEARTS MOBILE」(2013年4月30日 サービス終了)への登録が必要で、KHモバイルのサービス終了とともに今作の配信も終了した。
 

エピソード配信日購入ポイント
12009年6月3日300P
22009年7月8日500P
32009年8月5日500P
42009年9月17日500P
52009年10月15日500P
62009年11月26日500P
72009年12月25日500P
82010年1月28日500P

coded

ストーリー

KHIIの旅の後、ディズニーキャッスルに戻ったジミニーはこれまでの旅の記録「ジミニーメモ」の確認をしていた。
ナミネにお礼を言う」とだけ書かれたはずのメモを開いてみると「彼らの痛みを癒しに戻らなければならない」という一文が書き加えられていた。
この謎のメッセージを解析するため、王様はメモをデータ化し、そのデータ世界の住人にデータ世界を探索してもらおうと考える。
王様のサポートの元で、データ・ソラの冒険が始まった。
 
主人公はソラであるが、上述の通りデータの存在であり、本人という訳ではない。


王様曰く、2つの記憶を繋ぐ旅。KHIIの初めに白紙になったジミニーメモと、ラストの王様の手紙にまつわる物語である。
また、KHIIのエピローグの手紙の内容も明かされ、KHIIIの序章となる3Dの旅立ちの切っ掛けになる。
王様達が主体の話なので、ディズニーファンにも嬉しい内容である。

  • 当時、ディズニーとのコラボがメインのコンテンツでありながらKHIIからのオリジナルキャラ・ストーリー主体に走った展開が続き、ディズニーファンからは否定的な声が強くなっていた。そんな中、現実世界のソラやKHキャラはほぼ登場せず、王様達やマレフィセント等ディズニーキャラをメインに据えたこの作品は当時離れかけていたディズニーファンを繋ぎ止めるのに一役買った。

ただ、既出のワールドばかりなので新鮮味がない、との評もある。

  • 本作で5回目・6回目の登場となるワールドもあるし、各ワールドのストーリーに既存作品(KHI・COM)の焼き直しみたいになってしまった箇所があるためだと思われる。ストーリー上COMはKHIの記憶を辿る旅であり、今回はKHIの記録を辿る旅なのである意味当然なことではあるのだが……。

シリーズの中でも外伝的な位置付けの強い作品。
続編に登場しない(登場できない)今作限りの主人公、明らかになる事実はあってもそれなしで続編の理解が困難になるようなものではないなど、模範的な外伝要素はKHシリーズには珍しい。
ディレクターは「位置付けはCOMに近く、プレイすればより詳しくシリーズの謎に迫れる」と発言している。
しかしバラバラの時代を描いていた携帯三作品(Days、BbS、coded)が最終的に今作にて一つに集約され、続編である3DやKHIIIに繋がっていくストーリーが終盤において描かれる。それを考慮すればこの作品は外伝ではなく紛れもない本編である。

  • エピソード1~7はデータ・ソラの冒険を描く「coded」としての話であり、最終章のエピソード8はデータ・ソラの冒険としてはオマケに近いがシリーズにおいては重要なエピソードという構成となっている。

システム

背景は3D、キャラクターは2Dで描写される。
ストーリー中の会話は基本的にCOMのグラフィックを使用したメッセージウインドウ形式で繰り広げられ、エピソードの最初と最後に展開されるメインストーリーはイベントムービーが流れる。


本作はフィールド上にバグブロックというものが存在し、空中での操作を多く要求される。
アクションゲーム初心者どころか、KHシリーズをかなりやり込んでいるプレイヤーでさえ移動に失敗することが多々ある。

  • しかも、携帯版のcodedではハイジャンプの様な移動用のアビリティが修得出来ない。
    一応、ブロックの正面や端に向かって進むと自動でジャンプするという機能は存在するが。
  • リメイク版のRe:codedでは移動用のサポートアビリティが追加されたが、こういう時頼りになるグライドの入手はクリア後になるので、クリア前の頼みの綱はハイジャンプとエアスライドのみ。

さらに操作画面が横画面表示なので、横に開いたり出来ない機種の場合、操作ボタンは全て画面の右側に配置されることになる。結果として操作性が非常に悪く、その上カメラが回転しない(視点移動不可能)という、3Dアクションゲームとしては恐ろしい仕様になっている。
操作は携帯の十字キーで移動、0でキーブレードを振る、*でジャンプ、8でリフレクトガード、7でドッジロール


特定のステージ(特にボスステージ)で従来とは全く違う操作を要求される。その特殊な操作方法も各ステージ毎でそれぞれ異なるので、プレイヤーによって得手不得手がはっきりと分かれる。
敵はそれほど強くないが、COM・Days・3Dとは別種の難易度の高さを誇る。

Re:coded

codedのアプリが配信されたのがdocomoだけであり、しかも特殊なスペックを要求するのでdocomoの携帯の中でも対応機種は少なく、また海外の機種への対応は全く出来なかった。そのため、多くの既存ユーザーがプレイ出来ないという状況になってしまった。
この状況を解決するため、当時最も普及していた携帯ゲーム機であるニンテンドーDSで、「KINGDOM HEARTS Re:coded」としてリメイク版が制作された。

  • この頃は日本でスマートフォンが世の中に認知され始めた頃であり、後に携帯電話の大半がスマートフォンになるとは予測出来なかったと思われるので、配信機種が限定されてしまったのは仕方のないことだった。
    同様の理由で、当時携帯電話での配信を予定していたFFアギトXIII(後のFF零式)もPSPにハードを移行している。

当初は携帯版codedをベタ移植する予定だったが、開発をDaysと同じハ・ン・ドが担当することが決定し、「Daysのノウハウがあり力量もあるハ・ン・ドなら3Dでフルリメイクしてもらった方がいいのではないか?」となり、移植ではなくリメイクを行うことに決定した。

さらに開発チームからもアイデアが色々と出てきたこともあり、結果的には移植どころか新システムがてんこ盛りのゲームとなった。
しかし開発期間は1年という新作ゲームを作るには非常に短い時間しか与えられず、それをサポートするためにスクエニからcodedの開発チーム、BbSの開発チームも一部参加した。特にすれちがい通信の関係はほとんどをBbSチームが担当している。


リメイクに際してシステムが一新され、『coded』+『Days』+『BbS』(+『すばらしきこのせかい』)といえるシステムになっている。
コンセプトは「携帯ゲーム機のKHの集大成」だとディレクターの野村氏は語っていた。
 
システム以外もアイテムやアクセサリーも入れ換えられ、ストーリー以外はKHIIとKHIIFM以上にcodedとは全くの別物と言って良い位に内容が異なる。
イベントムービーはシステムの変更に伴い一部がカットされた以外はcodedと同一だが、3Dに繋がるシークレットムービーが新たに追加されている。
ストーリー中の会話パートはDaysの方式は労力がかかる割に評判がよくなかったため、キャラクターの全身の一枚絵とフキダシによって構成される方式に変更された。


オープニングムービーはCOMソラ編のラスト、ソラとナミネが約束を交わすシーンから始まる。
「光 -PLANITb Remix-」のイントロ部分で断片的にBbSでの出来事が描かれた後、KHIからのストーリーやディズニーキャラクターとソラ達の物語を描いたダイジェストの様なムービーとなっている(所謂「公式MAD」)。
新規に書き起こされたシーンはないが、目まぐるしく展開する映像と本作の特徴とも言える「データ」を表現したエフェクト、過去作の名シーンを曲の盛り上がりに合わせて流す演出など非常に見応えがあるオープニングムービーとなっている。これもある種の集大成と言えるだろう。

システム

本作のコマンドはBbSほど派手なものは多くないものの、地上空中関係なくコンボ中に割り込んで発動することが出来るため、切れ目のない強烈な攻撃を叩き込むことが可能。
本作の通常コンボが単純に当てやすく、また敵が怯み易いことも相まって、爽快感の高いバトルを行うことが出来る。Daysでマルチプレイを搭載せず、シングル専用で性能を集中させることが出来たならこのようになっていたのかもしれない。
ちなみに、携帯機三部作の中では最も「たたかう」の使い勝手がKHIIに近い。
 
DSで知育ゲームが流行していた時期に制作されたDaysは時勢に真っ向から立ち向かうように歯ごたえのある高難易度のゲームに仕上がったが、案の定ユーザーからは難しいとの声が相次ぎ、今作の難易度はサクサク進める爽快感を重視して制作された。振り幅が極端なのである。


Re:codedで導入されたステータスマトリックスはDaysのパネルシステムに似ているが、そちらとは違って、上記の戦闘の爽快感をさらに上げる性能になっている。

  • ボスステージの仕様は珍しくcodedからあまり変わらなかったため難易度は相変わらずだが、今作はレベルを上げやすい上に必ず最大HP、攻撃力、防御力が上がり、さらにステータスマトリックスでソラのステータスを上げることができるが、そのチップも手に入りやすい。ステータス(特に攻防力)の限界値も他作品より高く設定されているにも拘らず、敵のHPが他作品とあまり変わらない(攻防力はソラと同じく他作品より高め)ことも通常戦闘の爽快感を高めている。
    • 限界値まで上げれば、Daysストーリーモードの最終日二刀流時に近いサクサク感が常に味わえる(さすがにあちらほど攻撃力が高いわけではないので、どんなハートレスも一撃でバッサリ、とまではいかないが)。
    • これも繰り返しプレイを想定した設定なのかもしれない。

また、「チート」機能を使うことでプレイに様々な影響を及ぼすことができる。
チートと言うと人聞きは悪いが、要は様々なステータスを変更できる機能であり、敵がプライズボックスをボロボロ落とす(相手によっては100%まで落とす確率を上げられる)ようになったり、難易度を変動させて、初期のボスなら一撃死させることまで出来る。(もちろんある程度のステータスは必要だが)

  • とは言え無制限にステータスを変更出来るわけではなく、同時に何らかのデメリットが発生する。
    上記の「ドロップ率の変更」を例に挙げるとすると、ドロップ率を上げれば上げる程ソラの最大HPが減るようになっている。ドロップ率を戻せば最大HPも元に戻る。ご利用は計画的に。

BbSで導入されたトロフィーシステムが大幅に強化され、繰り返しプレイや低レベル攻略のお題もあるなどやりこみ要素の豊富さはシリーズでも屈指。
エピソードリプレイによる繰り返しプレイを想定しているため、イベントスキップはどんな細かなイベントでも飛ばせ、ロード時間もとても短くなっている。デッキコマンドに関してもDSのボタン数でも無理なく操作できるように絶妙にボタンが配置されているなど、プレイ環境は恐ろしく快適。
システムの細部に至るまでDaysやBbSの反省が強く活かされているが、開発が別会社かつ開発期間がかぶっていた3Dの方にはほぼフィードバックされなかったのが少々惜しまれる。

映像作品

「KINGDOM HEARTS -HD 2.5 ReMIX-」には、本作のストーリーをHD画質で楽しめる映像作品が収録された。対応機種はPS3。
なお、名義はcodedではなくRe:codedとなっている。
収録時間は約3時間。KH1.5のDaysとは異なり、ディズニーワールドや戦闘シーンを含めた物語のほぼ全てが映像化され、さらに続編の3Dやχに繋がる新規シークレットムービーも追加収録されている。
また、ムービー以外で進行するあらすじ部分については王様のボイスで朗読される。


イベントがフルボイスになったことで、演技の仕方こそ違うものの黒コートの正体が序盤からバレバレである。
終盤に登場する黒コートの人物についても、ボイスのなかったcodedとRe:codedではバトルが始まるまで正体がわからなかったが、今作ではボイスつきですぐに誰かわかるため、フードで隠した顔がはっきり見えるキャラクターモデルが新たに用意された。

余談

ゲーム終盤に、「戦いに敗れ 彷徨いし肉体…その肉体を捧げ闇の意思は蘇らん」という台詞が何処からともなく流れてくるが、この台詞の主は未だに不明。ソラによると何処かで聞いた事があるらしい。HD版ではこのイベントは収録されず、ボイスもつかなかった。
KHIのエンド・オブ・ザ・ワールドの研究室に残された文章にも似通っており、次回作への関連が気になるところである。

  • 3Dの展開を考えると、マスター・ゼアノートの復活を示しているとも考えられるが、それにしては状況的に関連性が薄すぎる。

NTT docomo P-01Aには本作の特別版がプリインストールされている。
内容はオリンポスコロシアムを訪れたソラがお土産のパオプの実を渡すというもの。
アップデートを行うと、上記の物に加え本編の第2章(トラヴァースタウン)の体験版もプレイ出来るようになる。

関連項目