ガバガバSSTO設計ツール

Last-modified: 2015-09-30 (水) 19:42:53

作った人 aki_miyabi

目的

SSTOを作るに当たり、ペイロードに対して必要な燃料、推力、エンジン数を参考として算出する。

使い方

1.まずペイロード部分を作成し重量を見る。この際、コックピットやRCSタンク等もペイロードに入る。
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2.次に、設計ツールをエクセル、もしくはGoogleドライブにインポートしてのスプレッドシート等で開き、
先ほどのペイロードの質量を入力する。
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3.デルタブイを2400前後、TWRを0.8前後、ジェット燃料消費量を0.8前後に設定する。
(追記:デルタブイ2000前後、TWR0.9前後、ジェット燃料0.85程度が良いのではないかという推測)
(追記;デルタブイ1600前後、TWR0.95前後、ジェット燃料率0.95前後が良さげ…?)
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4.OK/NGの判断でOKとなっている部分で自分が作りやすいエンジン数を見つける。無い場合は3を調整する。
4.png

 

5.作るエンジン数の右にある採用ロケット燃料、ジェット燃料を搭載する。
5.png
翼や着陸脚、インテーク、針金等を総重量の値を超えない範囲で取り付ける。
この際、重心は燃料満タンおよび空の時に空力中心より前に有る事、
推力中心軸は出来る限り常に重心と一致することを心がける。
screenshot124.jpg

 

6.エンジンの点火トグルとステージに切り替えトグルを設定する。エンジンのモード切替はマニュアルが良いと思われる。

 

7.試験飛行で緑を応援する。
離陸後、およそ15度程度の上昇を行い続け、高度16kmくらいでモード切替を行う。
(追記:バランスが崩れないならオート切り替えでギリギリまでジェットが良い)
この際、モード切替時に850m/s程度は出ていないと厳しいので、最後の方は多少角度を落としても良いが、
落とし過ぎると空気抵抗が大きくなるのであまり下げ過ぎても良くない。
(追記:できれば切り替え時1400m/sくらいあるとロケット燃料の節約になる)

(超音速域では操縦は難しいので、離陸直後に角度を決めたら後はSAS任せにする。)
(多少の推力ズレはRCSで抑え込む)
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8.試験結果をもとに微調整を行う。
(酸化剤を少し抜くとか。)

 

応用

このツールは出来る限り応用が利くように作ったつもりです。
ロケットモードの要求するデルタブイや初期TWRなどを弄ることで、
各設計者の設計思想に合わせた結果を算出できます。
しかし、SSTOは理論上デルタブイに上限があり、また現実可能な範囲は更に狭いことから、
デルタブイは2700m/s程度が限界であり、また最低2200m/s程度は無いと帰ってこれないと思われます。
初期TWRも0.8では余裕のある飛行が可能だが、0.7になると少々遅めに感じるため、
あまり低い値に設定しない方が良いです。
低い場合は角度が浅くなると思われるので、1基当たりのジェット燃料を0.8から1などに増やすべきだと思われます。

 

追記
TWRは0.9~1.0程度、デルタVは1600m/s程度という条件でも問題なくSSTOになるもよう。

ファイル

エクセル用 fileSSTO設計書rev1.1.xlsx
オープンドキュメント fileSSTO設計書rev1.1.ods

説明に使った機体fileSSTO mk8.craft
なお、RCSが無いと宇宙でエンジン吹かせない上にRCS取付位置が不適切な模様・・・

計算式

まず、ペイロードをZトンロケットモード時のデルタVをDと置く。
エンジン個数をX個ロケットモード用の燃料をYトンと置く。

 

大気圏内用のジェット燃料は、レイピア1基当たり0.003トン/s程度消費するので、
ジェットエンジンを高度16kmまで使うとして上昇する角度が15度の場合、
16000/(300*sin(15°)=206 より約4分弱かかる。
ひとまず4分、つまり240秒と見たとき、1基あたりに必要なジェット燃料は
0.003*240=0.72トンとなる。
よって、帰還時や超音速時の燃料バカ食いがあるので、1基当たり0.8トンの燃料を用意する。
よって必要なジェット燃料は 0.8X トン

 

要求されるデルタVを満たすには、D ≦ Isp * g * ln( (総重量-ジェット燃料)/(総重量-ジェット燃料-ロケット燃料) )
が必要となる。
ここで、Dは初期に決定する定数、ジェット燃料は上で求めた0.8Xトン、ロケット燃料は変数Yトンより、
総重量が算出できれば式は解ける。

 

総重量はペイロード+エンジン重量+ジェット燃料+ジェットエンジンタンク重量+ロケット燃料+ロケットエンジンタンク重量+その他重量(翼、インテーク、車輪、脚等)である。
タンク重量は各燃料の1/7の重量程度である。
その他重量はそれ以外の重量の10%程になると仮定して計算を行う。(経験則より)
よって、総重量は
(Z+2X+0.8X/7*8+Y/7*8)*1.1 トンとなる。

 

以上より要求デルタブイの式を解く。
exp(D/(Isp * g)) ≦ ((Z+2X+0.8X/7*8+Y/7*8)*1.1-0.8X)/((Z+2X+0.8X/7*8+Y/7*8)*1.1-0.8X-Y)
ここでexp(D/(Isp * g)) = b と置くと
b * ((Z+20.4X/7+8Y/7)*1.1-0.8X-Y) ≦ (Z+20.4X/7+8Y/7)*1.1-0.8X
よって
(b-1)*(1.1Z+20.4*1.1/7*X-0.8X)/(8.8*(1-b)/7-b) ≦ Y
以上より必要なロケット燃料Yの最低値が(b-1)*(1.1Z+20.4*1.1/7*X-0.8X)/(8.8*(1-b)/7-b) トンと求まる。

 

さて、デルタブイを満たすだけなら上の式で良いが、
実際のSSTOではある程度のTWRが無いと速度が伸びない。
そこで、ジェットの推力と初期総重量から初期TWRを求め、
それが一定の値を超える事とする。

 

ジェット推力はエンジン1基当たり98.1kNと置く。(実際は95kN程だが計算の簡略化のため)
初期TWRの要求値をRと置くと、R ≦ 98.1/g*X / ((Z+2X+0.8X/7*8+Y/7*8)*1.1)
g=9.81と置くと R ≦ 10X / ((Z+2X+0.8X/7*8+Y/7*8)*1.1)
これを解く。
Y ≦ (70/(8.8*R)-20.4/8)*X-7/8*Z
よってロケット燃料Yの最大値が(70/(8.8*R)-20.4/8)*X-7/8*Z トンと求まる。

 

後は整数であるXを1から順に置いていき、Yが最小値、最大値を満たすかを調べるだけである。

 

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