メニューに項目はあるのにAARの上がらない通信網整備をやってみた。
文章が硬いのは勘弁。
何をしたかったのか
RemoteTechを導入すると、無人機の操作に通信経路の確立が必須となる。
そのため通信衛星の配置が重要となるが、特に問題なのが大気圏再突入中の通信経路確保である。
大気圏高速飛行中に使用できる無指向性アンテナはReflectron DP-10(500km)のみある。
その他は指向性アンテナのみで、0.5t以上と重い上に、通信先の設定を間違えると無人機が地面へ一直線である。
そこで、kerbin大気圏内どの箇所でもReflectron DP-10のみで通信が出来るよう通信衛星コンステレーションを構築する。
軌道設計
高度決定
まずは衛星の高度hを決定する。
低高度では、図の通り衛星が地平線の下に隠れてしまうため、効率よく地表をカバーすることができない。
計算をすると高度180kmでθ=40°と最大になるため、高度h=180kmに設定した。
三角関数とか久しぶりに使った。
配置数決定
θ=40°ということは1機あたり80°をカバーできるということである。仮に赤道上に全機配置した場合最低5機でカバーできるが、軌道設計をシンプルにするため6機でカバーすることとした。
ぎりぎりの設計すると後の調整がめんどい。
軌道平面決定
赤道上の衛星からは緯度40°以下の地方しかカバーできない。そのため高傾斜角の軌道に衛星を投入する必要がある。
上図をKerbinを横から見たものと考えれば、inclination=60°の軌道を用いれば全球をカバーできることがわかる。
具体的には下図の通りA~Dの4つの軌道に衛星を投入すれば良い。
また、A~Dの軌道諸元は以下の通り。
軌道名 | A | B | C | D |
高度 altitude | 180km | |||
軌道傾斜角 inclination | 0° | 60° | ||
昇交点赤経 longitude of the ascending node | 0° | W0° | W120° | W240° |
周期 period | 38m20s |
衛星配置決定
結論から言うと、A~Dの各軌道に120°の間を開けて3機×4軌道=12機の衛星を配置すれば通信システムが完成する。
1つの軌道では下図の通りスカスカだが、ちょうど衛星の無い位置に他の軌道の衛星が通過するよういい感じに配置してやればよい。
衛星単体設計
衛星単体は非常にシンプルな構成である。
打ち上げ中の通信用にReflectron DP-10(500km)、軌道上での衛星間通信用にCommunotron 32(5Mm)、
Mechjeb並びにマップ上に衛星を表示するためSCAN SATのセンサーを搭載した。
通信衛星コンステレーション構築
- 軌道A衛星投入
まずは軌道Aへ衛星3機を投入、120°の離隔=前の衛星の12~13分遅れの箇所を通過するように軌道を調整する。
投入~調整はMechJebを使用して下記のように実施する。- Ascent Guidanceで軌道投入
- Manuver Planner→Change inclinationで傾斜角=0°へ
- 前の衛星の付近にマニューバーを作成して通過予定時刻を確認、一周した後に12~13分後に通過できるよう、Ap or Peを変更
- 一周するタイミングでManuver Planner→circulaizeで高度180kmの真円軌道になるようマニューバーを作成、実行
正直手動だとしんどい
- 軌道B~D軌道平面指示衛星投入
B~Dは昇交点赤経の設定が難しいため、事前に軌道指示用衛星を配置する。
とりあえず高ΔVがあれば問題ないので通信衛星にタンクを増し増ししたものを投入。
手順は以下の通り- Ascent Guidanceでinclination=90°の極軌道(高度500km程度)に投入
- Manuver Planner→change longitude of the ascending nodeで指定の昇交点赤経を通過するよう軌道変更
- Manuver Planner→Change inclinationで傾斜角=60°へ
- Manuver Planner→circulaizeで円軌道になるよう微修正
実はこの前に軌道Bの3機を投入後、軌道Cに衛星を投入しようとしたが上手く軌道Cの設定が出来なかったため、先に軌道平面を算出する方法に変更をしている。 ↑軌道Cの設定に失敗した ↑B~Dの軌道平面指示衛星投入完了
- 軌道B~D
ステップ2で設定した各軌道に衛星を投入していく。- 投入したい軌道の指示衛星をターゲット選択。エンジン出力を0にした上でステージを進める。
- Ascent Guidance→Launch into plane→Engage autopilotで目標軌道面へ自動的に打ち上げられる
- 軌道投入後Manuver Planner→Match planes with targetで目標軌道面へ修正
- いい感じのタイミングで赤道面を通過できるようタイミングを調整
- Manuver Planner→circulaizeで円軌道になるよう微修正
地味な作業が続く ↑構築途中で軌道上が混沌としてきた。
- 構築完了
不要となった指示衛星を廃止すれば通信衛星コンステレーションの構築が完了する。 ↑構築完了
その他
各衛星にSCANSATのセンサーを積んでいるので、ミニマップ上で衛星がぐねぐね動いているのを確認できる。
当初はマップ上の座標から位置の調整をしようかと考えていたが、マニューバーを作成して時間の差異を確認した方が早くて楽だと気づいたので、あまり意味がないパーツになってしまった。
出来上がって軌道を見ていたら何か軌道の設計をミスっている気がしてきた。
なんか違うぞ。
主な使用MOD
RemoteTech2
MechJeb2
SCANSAT9
コメント
- 俺が知ってる通信網の整備と違う・・・ -- 2015-10-20 (火) 16:45:24
- これタイムワープするとずれてダメになるよね -- 2015-10-20 (火) 22:33:53
- 平面の計算のみですが、このためのツールを作っています(執筆者様とは別人です)。全て英語ですが、もしお役に立てばと思います。GitHub上のWebツール -- 2015-11-09 (月) 19:01:55
- 斜めの軌道の傾斜角は2*arcsin(1/√3)=70.53°な気がする。傾斜角60°だと交点が正六角形に並ばない -- 2022-03-19 (土) 21:27:24
- ほかの軌道の衛星がうまいこと入り込むようにするには、斜めの軌道が逆行(傾斜角109.47°)になってる必要があるのかな -- 2022-03-19 (土) 21:44:43
- 順行のほうが中緯度の最小通信距離が短くなる -- 2022-05-07 (土) 17:32:10
- 最大通信距離 -- 2022-05-07 (土) 17:32:34
- 順行のほうが中緯度の最小通信距離が短くなる -- 2022-05-07 (土) 17:32:10
- 高度180kmで両極を常時カバーするには傾斜軌道の衛星が多くないと難しい -- 2022-05-07 (土) 18:43:08
- 衛星同士の間隔φとすると、位相90°-φ/2のとき北極の上に出ている必要がある -- 2022-05-07 (土) 18:45:31
- 傾斜角60°ならφ/2<27.34°(8機必要) 70.53°ならφ/2<35.32°(6機必要) -- 2022-05-07 (土) 18:55:24
- 衛星同士の間隔φとすると、位相90°-φ/2のとき北極の上に出ている必要がある -- 2022-05-07 (土) 18:45:31