私が苦労した点を交えながらSSTOの設計と飛ばし方を記録しておきます。
(たぶん)初心者でも飛ばせるようになるので参考にしてもらえると嬉しいです。
あくまでも自己流のSSTOです。「こうした方がいいよ」という点があるかと思いますがご容赦ください。
実際の飛行に関して書いた後編、「初心者に贈るSSTO講座 飛行編」も併せてご覧ください。
【前置き】
- 初心者向けとは書いてありますが最低でもこのあたりをクリアしてからの方が宜しいかと思います。
- ロケットでLKO(Low Kerbin Orbit:いわゆる70km軌道 以下LKOと表記)に到達ができる。
- ジェット機の設計と飛行(離着陸)ができる。
- MODパーツは使いませんがAP/PEの高度と到達時間を表示できるMOD(KERなど)があると便利です。
- バージョンは1.0.5を使用しました。
【目標・条件】
- 一応、目標や条件を定めます。
- 有人機である
無人でもいいのですがせっかくなので緑を連れて行きます。 - パーツの切り離しはしない
SSTOですので単段でなくてはいけません。燃料の増槽も使用しません。 - LKOに到達する
SSTOですので軌道上に到達するのが必須です。 - KSCの滑走路から離陸し滑走路に着陸
これはSSTOの条件には当てはまりませんがロマンとコストを考慮しこの条件を定めます。
- 有人機である
【設計編1 -胴体の設計-】
コマンドポッド(コックピット)の選定
- Mk1Command Podはスペック面で優れたポッドなのですがいかにも「ロケット」といった感じで飛行機らしくはありません。
Mk1Cockpitは小型ジェット機のようでカッコいいのですが前面に接続部が無いので採用は見送ります。
なので今回はMk1Inline Cockpitを採用します。 - 選んだ後に余分な荷物となるMonoPropellantは抜いておきます。
エンジンの選定
- 基本的には迷わずCR-7R.A.P.I.E.R. Engineを採用しましょう。ジェットエンジンとロケットエンジンの両方を搭載する方法もありますが、せっかくSSTO向けのエンジンが用意されているのでこれを使います。
- エンジンの数ですが今回は2発搭載します。1発でもSSTOは飛ばせますがエンジンは多ければ多いほど設計の余裕が大きくなります。
例えば、あなた1人で50kgの荷物を持ち上げるとします。そこに50kgの荷物を追加したらもう立ってはいられないかもしれません。
一方、10人で500kgの荷物を持ち上げるのを考えてください。そこに50kgの荷物を追加しても崩れ落ちてしまう程では無いでしょう。
だったら10発でも20発でも積んだらいいじゃないかと思うかもしれませんが構造が複雑になってしまうので見送ります。 - またここで、エンジンのAutomatic Switchingはオフしておきましょう。
燃料の搭載量
- 燃料の搭載量はSSTO設計で一番のキモです。多すぎても少なすぎてもLKOには到達できません。
- ガバガバSSTO設計ツールを参考にさせて頂きつつ数字を丸めた結果、2発エンジンの場合だいたい以下の通りの数値が算出されました。
- LiquidFuelを850
- Oxidizerを550
- 正直なところ、この数字はかなり適当です(余裕があります)。細かく計算したい方はガバガバSSTO設計ツールのページもご覧ください。非常に参考になります。
インテークの選定
- インテークはデザイン面にも影響してくるため設計者の腕の見せ所です。
- CR-7R.A.P.I.E.R. Engineの場合、1エンジンにつき最大で4.0ぐらいの空気流入が必要です。
- 耐熱性や空気流入量を考慮した結果、最前部にShock Cone Intakeを付けました。
- これだけでは足りないのでLiquidFuelが200搭載できるMk1 Diverterless Supersonic Intakeを2つとXM-G50 Radial Air Intakeを2つ取り付けました。
胴体の完成
【設計編2 -翼の設計-】
主翼の取り付け
- 翼平面形は実際の飛行機では超音速飛行に向くとされるDelta Wingを採用します。が、好みに応じて設計してもいいでしょう。
- 後部にはエレボンを取り付けます。このとき右クリックをしてYawをInactiveにしておきます。
- また、主翼には安定性向上のためにRotate機能で上反角を付けました。上反角を付ける際にはエレボンを装着してから角度をつけた方が組み立てやすくなります。
垂直尾翼の取り付け
- 垂直尾翼はエンジンの上にStructural Wing Type Dを取り付けました。2枚付けた理由はデザイン面のみです。1枚でも問題無いしょう。
- 主翼と同様にエレボンを取り付けます。と、同時に右クリックをしてPitchとRollをInactiveにしておきます。
揚力中心と重量中心
【設計編3 -その他に必要なパーツ-】
ランディングギア(車輪)の取り付け
- 空気抵抗になりにくい格納式を選びましょう。大きさは大中小とありますが今回は一番小さいLY-10 Small Landing Gearを使います。
- ランディングギアは基本的に前部に1つ後部に2つ、左右方向に傾けずに取り付けます。
- 前輪は前のほうであれば大雑把な位置で構いませんが、後輪は揚力中心の下あたりに付けましょう。
- 接地時に機首がやや上を向くようにすると離陸がしやすくなります。
- この時、車輪を右クリックしてBrake Torqueの設定も行います。今回は前12/後25としました。基本的には前は弱め、後ろを強めに設定しましょう。前の方を強くすると着陸しブレーキをかけた際に引っくり返ってしまいます。
SASの取り付け
- SASの搭載は必須ではありません。しかし、減速時や着陸時など運動性能が高い方が操縦しやすいのでコマンドポッドのすぐ後ろに取り付けました。
バッテリーの取り付け
- SASは電力を消費しますが、コマンドポッドの電力のみでは限界がありますのでバッテリーが必要です。
- 容量は余裕を持たせるためにZ-1k Rechargable Battery Bankを選びました。これもSASと一緒にコマンドポッド後部に取り付けます。
太陽電池パネルの取り付け
- CR-7R.A.P.I.E.R. Engineは発電能力がありません。軌道上で電力切れにならないためにOX-STAT Photovolatic panelsを取り付けます。
- またOX-STAT Photovolatic panelsは耐熱性が低いためにやや奥まった所に付けると破壊されにくいです。
- ここでは燃料タンクの二股の部分の上面と下面に取り付けましたが、インテークの後ろなども適しています。
ラジエターの取り付け
- 大気圏突入時には非常に高い熱を発します。その熱を冷ますためにラジエターを搭載します。
- 固定式のものであれば大小どちらでも構いません。ここではRadiator Panel (small)を2枚搭載します。
- 搭載場所は主翼の付け根(上面のみ)としましたが、これもデザイン優先で決めていいでしょう。
【設計編4 -アクショングループの設定と命名-】
アクショングループの設定
- エンジンモードなどは飛行中に右クリックすることで切り替えられますが複数のパーツの設定を1度に変更できるので機体のバランスを崩すことなく飛行を続けることができます。
- Custom1にCR-7R.A.P.I.E.R. Engineのモード切替とインテークの開閉を設定しました。ClosedCycleモードで飛行中はインテークを閉じておくと空気抵抗を減らせるらしいです(未確認)。
命名
- 機体の性能には無関係ですがせっかくなので愛機に名前を付けてあげましょう。
- 機体コードはSP-1AとしましたSpacePlane 1号機A型の意味です。
- ペットネームは再びKSCへと帰ってくることを願い渡り鳥であるツバメにあやかりSwallowとしました。
- また忘れないうちに保存をしておきましょう。
【その他】
機体データ
後編
「初心者に贈るSSTO講座 飛行編」に続きます。
コメント
- インテークの数、低空で速度を上げ過ぎなければショックコーンインテーク1つでレイピア4~6発賄えますよ。最大要求量は1気圧での数字なので、実際に速度が乗って最大出力になる高度ではそこまでの要求量にならんのです。ご参考まで。 -- 緑の本多? 2016-08-19 (金) 22:53:15
- 単尾翼と双尾翼の違いは、ヨー操作をした時のロールへの影響の大小でしょう。同じリクツでロール操作時にラダーを併用した際の寄与度も違ってきますな。 -- 緑の本多? 2016-08-19 (金) 22:56:59
- 行きは燃料満載でペイロードも積んでるが帰りは燃料も少なけりゃペイロードも放出した後だから重心バランスが大きく変化する事も念頭に置かないと帰還時に大変なことになるな -- 2017-12-12 (火) 18:28:14