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| イサン | ファウスト | ドンキホーテ | ![]() 鴻園の放浪武者 | ムルソー | ホンル | ヒースクリフ | イシュメール | ロージャ | シンクレア | ウーティス | グレゴール |
人格ストーリー
| H社 | |
|---|---|
| 1 | 人格/良秀/黒獣-卯 |
| 2 | 人格/ウーティス/黒獣-卯 |
| 3 | 人格/ファウスト/黒獣-卯筆頭 |
| 4 | 人格/グレゴール/黒獣-巳 |
| 5 | 人格/ロージャ/黒獣-巳 |
| 6 | 人格/イシュメール/家主候補 |
| 7 | 人格/ホンル/鴻園の君主 |
| 8 | 人格/イサン/黒獣-午筆頭 |
| 9 | 人格/シンクレア/黒獣-酉 |
| 10 | 人格/ヒースクリフ/黒獣-酉筆頭 |
| 11 | 人格/ドンキホーテ/黒獣-未 |
| 12 | 人格/良秀/鴻園の放浪武者 |
人格/イサン/黒獣-午筆頭
平安なりや。
安否を問うこと叶わぬ長き冒険に旅立たれた故、かくして届かざる文にて問わん。
生涯、大観園を離れ新しき地へ冒険せんことを望みしお嬢様なれば、もしや心安らかやもしれぬ。
…私は、さほど良き時を過ごせざりき。
黒獣の座より私を引き出されしお嬢様が亡くなりたれば、我が身の処遇も大観園にては浮き草のごとき立場となりしと見ゆ。
元いた座に戻さんとしては、既に代金の支払われし身。暖香塢にそのまま留まらせんとしては、ジア家の家族にあらざれば…。
曖昧な自由人となり、鴻園をさまようこととなりし。
生涯の半ば以上を、何処かに繋がれて生きし身にはこれほどの自由はかえって慣れぬものと見ゆ。
…縄の繋がれし跡が痒き心地すらして、いたずらに記憶をかきむしることになれば。
前置きが長くなりたり。
かく筆を執りしは、お嬢様との記憶を追憶せんがためなれば、その話に移らん。
広大なる…平野。
私は、駆けたりし心地せり。
我が疾駆の始まりしはいつか、定かには思い出せず。
いずれの刹那にか、私は四つ足にて駆ける馬であり、轡という名の綱を握る主の目的のため、いずこかへ蹄を鳴らしたり。
黒獣らとは、おおよそ斯様なものなり。
入門の契機より、身が初めて変ずる瞬間こそが強烈なる経験なれば。
両の脚、溶け崩るる感覚。その間より流れ落ちんとする腸を巻き取り掴む…我がものにあらざるがごとき肉と皮。かくして完成せし四つ脚の私。
一度かくして最初の記憶が満たされば、その後はやや画一的なり。
轡の導くままに動くのみなれば…。
いつしか、全ての馬の先頭を駆けることとなりき。
何が他より優れていたのかは、今一度熟考すれども思い出せず。
かつて幾度となく経し轡の主の一人が、話したことあめり。
選びし馬の中、私が最も漆黒にして…闇深く、何の表情も浮かべぬ故に。
いかなる目標に向かい駆けて砕こうとも、良心の呵責が最も少ないと。
天災がただ過ぎ去りしのみなれば、やましきことなどあろうか?とのことなりき。
まこと恥ずかしき評価なれど…当時は恥を知ることもなき頃にて。
また見方を変ずれば…我がお嬢様に見出されし理由なれば、 悪し様には思わぬこととせん。
そう、そのときこそお嬢様が我が轡を握りし時なり。
今にして思えば、まこと奇妙なる人なりき。
どこぞを突破するに用いらるる馬を、他の勢力の攻撃を防ぐに用いると?
数日を過ごし、斯様な考えが浮かびたり。我が主君は、勢力を広げるには力が弱きお方と。
さらに数日経てば、別の考えも浮かびたり。我が主君は、黒獣を選びて使うこともままならぬ境遇と。
この轡も、遠からず他の者に渡るであろう。
斯様なことを考えたり。
二月ほど経てば、考えはまた変わりたり。いや、考えが明確に、清明になりたりと申すべきか。
このお方は、容易く使い軽く捨てる道具を求めたのではなく、自らの進むべき方向…その冒険の道行を共にする仲間を求めておられたのだと。
されば、残る全てが腑に落ちたり。
冒険の道に数百の大軍を連れて行けば足手まといとなるのみ。共に冒険せし仲間を易々と捨てるは愚かなる行いなれば。
手に入れしものを、大切にせんと考えておられることを。
その頃なりしか、私が主君をお嬢様と呼び始めたのは。
お嬢様があの時、何故に私を選ばれたのか。今日この日まで、多く悩みたり。
一度黒獣となりし者を…それも筆頭を引き抜きて腹心とするは、大いなる代償を要すれば。
馬らの轡を解くのみでは、済まぬであろう…。
故に、これまでに交わしし言葉を思い返したり。文にも書き記し、思い出せぬことは、その時々の痕跡の残りし品々にて想起せり。
私…一つ、心当たりあり。
かつて、家主対戦に臨むお嬢様が、未だに家主となるべき理由が分からぬと不平を漏らされし折のこと。
些細なことにも常より不平がましき口調にて話さるるお嬢様なれば私は何とはなしに気だるき返答をせしこと覚えたり。
お嬢様は、いつ鴻園にて最も楽しみを感じらるるかと。
返答は…ふむ。鴻園に楽しいことなんてあるのか、でありしや。
故に私が申すには…ならば鴻園に楽しきことをあらしめるには、家主となるべきではあるまいか…と。
…実のところ、今日に至り悩みを終えるまでこの問答に何の意義ありしか、分かりかねていた。
お嬢様の反応は、常のごとく、益体もなきことを申すなというものなりき。私もそれで口を閉ざせしのみ。
なれど…彼とまみえ、話を聞きて、分かりし心地もす。
そう、彼奴なり。
お嬢様を殺めし…者。
当てもなく鴻園の路地を彷徨えれば、彼奴が闇の中より現れたり。
駿馬らの筆頭の内、探し求めし馬一頭のみが見当たらず、それを探していたと申したか。
私が答えるに、既に私は黒獣より脱して久しく、また別の筆頭がおるであろうと。
されど、彼は首を横に振りたり。
己が知る限り、古今東西己が馬の中で先陣に立つべき筆頭は、己が妹君を補佐せし、かの馬をおいて他になしと。
私は、どうしても気にかかり堪えられず、問い申した。
貴殿が大観園の地下にひそむ怪異に欺かれ、傀儡となりかけたお嬢様を解き放ちしことは酌量すれど。その月刀を振るい、我が主たりし方を死に至らしめしは、許し難きことなれば…。
復讐の刃となるも足らぬ私のもとに来て、再び轡を噛まさんとするその真意、何処にありやと。
すると、彼が答えるには…。
卑しき座に子らの笑いと、商店の賑わしき声が根付くためには最も優れたる者を己が馬としておかねばならぬと。
…過去には、頻繁に言葉を交わし共にありしと申したか。なるほど、お嬢様の考えとさほど違わぬ目的であった。
ただ、血を見るべき瞬間に、ためらいがあるか、ないかの違いがあるのみ。
…結果が良ければ、過程はいかようでも構わぬものか。
それには、私も容易く答えを下せぬ。
彼の血に濡れし包帯を見れば、明らかであった。
斯様な鴻園を築くためには、暗黒の世界にていかなる血の嵐が吹かねばならぬか…また、吹くことになるかを。
されど、私はかく思うことにせり。
既に壊れし過程なれば…。
結果だけでも、良きものであるべきではあるまいか。
今日、私はお嬢様より賜りし抑えの丸を飲まざりき。
これで少しずつ黒獣の性質が戻るであろう…。一度、黒獣丸に浸かりし身、生涯を元に戻すことは叶わぬ故。
深き場所にしまい置きし、我が面具もまた取り出して参りたり。
馬の姿と化す度生え出づる、その甲殻の欠片を拾い集め、お嬢様が作り賜いし…かの面具を。
そして時至らば、再び轡を噛み、手綱を委ねるであろう。
我が記憶が…再び、いずこまでが朧となるか知れぬが。
この、送られざる文を再び書き、直し、読み返すことで…お嬢様を記憶に留めんとす。
さすればこそ、お嬢様が成し遂げられざりし夢を、継ぐこと叶うであろうから。
さあ、私は今一度、四つ足にて進まん。
もしお気に召さぬのであれば、またいつものごとく、不機嫌な声にて私を叱りたまえ。
私は、喜んで聞く用意あり。
恐らく、さほど遅うはなるまい。
我が歩みは、鴻園の誰よりも速ければ…。
お嬢様にまみゆる道も、さほど遠くはあらざらん。
人格/ファウスト/黒獣-卯筆頭
▌理解いたしました。
▌今、管理職ファウストは、私が一文不通の剣士だから、考えを改められない…そうおっしゃりたいのですか?
▌違うと?ふむ。
▌美辞麗句を並べたところで、私が閲覧した言葉に含まれた本意は消えないはず。
▌とにかく、情報を追加閲覧して再考してほしいというゲゼルシャフトの当為性は理解しました。
▌ですがお断りします。
▌二つほど理由がありますが…。
▌まず第一に、ゲゼルシャフトが提供する情報は非常に過多です。未だに主君の教えを理解するだけで精一杯な私には、それほど有益な情報ではないでしょう。
▌何より、ファウストの情報には義はなく利ばかりが満ちているがゆえ、そのような情報にばかり依存していれば、他のファウストたちのように道を誤った者になってしまうでしょうに…。それはあってはなりません。
▌二つ目は、私にどのような情報をくださったとしても、判断を変える余地がないからです。
▌ファウストはすべてを知っていると言いましたね。ならば、私がなぜこうするのかもー
▌ふむ。もしやご存じないのですか?
▌知っていることは全て知っているけど、知らないことは知らないだなんて。それでは、鴻園の街を行き交う誰かをつかまえてきても同じことでしょうに。
▌…結局、優れた師匠に教えを受けた私が答えを導いて差し上げるほかないということですね。
▌それはある夜のことでした。月のような照明が、煌々と輝いていた夜でしたね。
▌正直、その当時の私は剣一本さえあればどんな苦難でも乗り越えられる自信があったのです。
▌だからこそゲゼルシャフトに接したり、何かを学ぶ意志は特に持てませんでした。
▌そんな中で、主君と出会ったのです。
▌おっと!そんなに物騒に剣を振り回されると、話しづらいですよ~。
▌余裕で防いでいるというのに、冗談が過ぎますね。
▌はは…冗談じゃなくて、本当に話す余裕が中々なくてですね。
▌冗談でないのなら…この際、口を閉じておく方が良いでしょう。
▌う~ん。絶対に聞きたいことがあるので、それは困るんですよね?
▌はぁ…どうぞ。
▌ファウストさんは何が好きですか?
▌戦場で相対した者に切り出すような話題ではありませんね。
▌あるいは…時間稼ぎをしたかったとか。
▌はは…僕が時間を稼いだところでどうするんですか。
▌どうせあなたの主君は、すでに僕の手で命を落としましたよ?
▌……。
▌卯の筆頭であり、毎晩のように怡紅院を訪れて僕の大切な部下たちの首を奪っていったあなたについて…。
▌考えれば考えるほど、僕は何も知らないなって思ったんですよ。
▌いえ、一つだけ知っていることがありますね。
▌いまだ獣として生きていらっしゃる様子を見るに…小指の会談は相変わらず条件も時期もまだまだのようですね、ファウストさん。
▌あるいは…天究星とでもお呼びすべきでしょうか?
▌…!
▌剣が止まりましたね。動揺されましたか?
▌この話題が嫌でしたら、ファウストさんが僕の最初の質問に答えてくだされば嬉しいです。
▌ファウストさんは何が好きですか?
▌…剣。どうせなら強そうに見える剣が好きですね。
▌わぁ~お似合いのシンボルですね~。
▌でも…僕が聞きたかったのはそういうことじゃありません。ファウストさんが得意なことばかりに没頭して、知識を得ようとしないからもどかしくて投げかけた質問なんです。
▌学びさえあれば、誰も追いつけない道へと進めるはずなのに。
▌学び、問うことにそれほどの価値があるのかどうか。
▌もちろんありますよ。
▌学んだことがなくとも、進もうとする道に行き詰まることはありませんでした。
▌ふふ…あだ名の通り、手に負えない人だったようですね。
▌……。
▌でも、行ってはならない道までよどみなく進まれては困るじゃないですか。
▌僕のもとに来てください、ファウストさん。
▌僕はあなたに多くのことを教えて差し上げられますよ。
▌大義の名分も、戦うべき場所も、持てるものを活かす術も。
▌あなたは…この鴻園で何をしたいのですか?
▌家主が家主らしくなく、家門が家門らしくないこの鴻園で…。
▌僕は全てを正すつもりです。
▌鴻園に最も必要なものは…。
▌……。
▌答えを聞いた私は、主君に従うことにしました。
▌…もう、もうやめてくださいその質問は。知らないのではないと、何度説明すればいいのやら。
▌主君の怪しげな行動ならよく知っています。家主審査に備えて、主君が壮大な計画を準備したこともです。
▌大観園の貴重な玉にして、ジア家の宝石。そうして独り占めした愛を権力のように振りかざし、望むものを一つずつ手にしたことも。
▌心にもないシュエ家の娘を惑わせ、多くの機密を引き出したことも。
▌ゲゼルシャフトから情報を引き出す手段として、私を世話しているということも。
▌ファウストが話すまでもなく、私は知っています。
▌正名という大義の下、苛烈な仕打ちを繰り返してもいらっしゃいます。
▌ですが…主君を裏切ることはできません。
▌それがたとえ偽善であったとしても、そのおかげで私は変わることができましたから。
▌表面上の施しすら稀なこの都市で、主君から学ぶべきことは溢れかえるほどあります。
▌ファウストさん。少しこちらに来てもらえますか?
▌…はい。
▌先ほどこの方と話をしてみたのですが、不義な方が身に余る品を持って鴻園に向かっているそうです。
▌器に合わない品は、面倒事を起こすのが道理じゃないですか?
▌だから。ファウストさんが警告してくれたらなと思ったんですよ。義を以てして。
▌…覇もまた道であり、真似事の大義もまた義。
▌ん?
▌いいえ。間もなく出立いたします。お任せを。
▌やりかけていたことを終わらせてからでも構いませんよ。僕もやることがありますから、お気になさらないでください。
▌他のファウストさんたちにも、よろしくお伝えくださいね~。
▌……。
▌返事も聞かずに行ってしまわれましたね。
▌無意。無必。
▌たとえ本当に邪心を抱いておられたとしても、憶測をしないことこそ君子の道理でしょう。
▌安否は…あえて伝えません。ファウストもそれを望むでしょうからね。
▌記録はここまでといたします。
人格/ドンキホーテ/黒獣-未
(▌=闘鶏、▌=牛公、▌=羊の群れ)
▌お、おぉ…。
建物が建物を押し潰し、偽物の空さえ狭い隙間から覗き見なければならない鴻園の裏路地。
子供は顔を上げて、きらきらした目で遠い空と視線を合わせてるんだ。
そこには、幾重にも積み重なった部屋を呑み込んだ…大きな城がひとつ、そびえ立っているの。
▌兎の筆頭殿、見えるか…?あちらの立派な城のことであるぞ。
▌主君が仰っていたものとそっくりであるのを見るに…我らの向かうべき場所に違いあるまい…!
▌付近を捜索せずに済んで幸いですね。
▌あの城の中に、主君が連れて来るよう命じられた神秘の使用者がいるはずです。
▌しかしここは…へ…へ…。
▌へっくし!ずび…鴻園の裏路地であるぞ。
▌あのように誇示するかのごとく、大きな建物を建ててあるのを見るに…。
▌主君が必要となさっている正義の者は、あの城にはおらぬのではないか?
▌…正義の者だろうがなんだろうが、そんなもん関係ないだろ?命令が下ったなら従えばそれでいい。
▌主君は、輿三十二台分の器物まで背負って行けと仰せられた。
▌その価値に見合う者が、城の中にいるはず。
大多数の黒獣は、轡を握る者の命令に疑問を抱くことはあっても、それに従うこと自体には疑問を抱かないんだ。
それに同じ群れの中ですら余所余所しいんだから…他の群れと打ち解けて言葉を交わすのに、慣れているはずもないよね。
だからかな?同行している他の黒獣たちは、気怠げな顔で冷ややかな反応を返すばかりだね。
▌ふふっ…ロシナンテ。此度の出陣も頼りにしておるぞ。
子供もこうした冷たい反応には慣れているらしく、自分の靴と楽しげにおしゃべりしようとしたけど…。
何度か咳払いをして自分の存在を知らせた兎の筆頭が、子供の問いに答えを返してあげたんだ。
▌正義の者とは言えぬ者であっても、主君と共にあるならきっと仁義を悟ることができるでしょう。
▌…!
▌やはり筆頭殿は考えることが違うな!主君のあの教え?というものを受ければ皆、正義の者になると聞いたが…それは本当…へ…。
▌ヘ…ヘぅ…うぅ…くしゃみが引っ込んでしまったな。
▌……。
▌ともあれ、それは本当なのか?
▌はい。主君の仁に従えば、その道はおのずと正義へと向かうはずです。
▌ふむ。そういえば先日、主君が黒獣たちを呼び集めて簡単ながら教えをお授けになっていませんでしたか?
▌あぁ…そのときであれば…。我々羊は何ひとつ聞き取れなんだ…。
▌あまりにも寒く耳が真っ赤に凍りついてしまったせいで、主君のお言葉がひとつも聞こえなかったではあるまいか…。
▌…羊が寒さに弱いという話は小耳に挟んではいましたが、この天気でそこまで着込むと暑くはないのですか?
鴻園の裏路地には、丸を作るために焚かれた火の熱と路地に沿って流れる人波のぬくもりが閉じ込められているんだ。
百人くらい通りすがりの人に尋ねたとして、百人全員が暑いと言うわけではないだろうけど…。
他の羊たちが宿に閉じこもってる今、この場所が寒いと言うのはきっと子供だけだろうね。
▌当人は今、とてもとても寒いのだ。
▌骨の髄まで冷え込んでいて…このままでは凍りついてしまうのではないかと心配になるほどだ…。
それでも子供は、雪原の真ん中に置き去りにされたかのように寒さに震えているんだ。
それは…子供が口にした未丸、鴻園の羊の群れの根源であるとある外郭の生物が持つ特性のせいなの。
分厚い毛を噴き出すように生やすことのできるその生物は、ひどく寒がりなんだ。
その特性は、未の群れの頑丈な角と共に未丸にも受け継がれたの。
▌…予想していたよりも深刻ですね。今日もひとつ学びました。
▌分かってくれてありがたい…。こういうときは熱々のお茶でも一杯飲めれば、少しは楽になるのだが…。
きらびやかな看板を素早く目でなぞっていた子供は、ある店を見て歩みを止めたの。
暑い日でも食べる人がいるからかな?
一軒の饅頭屋が戸を大きく開け放ってもくもくと湯気を通りへ流してるね。
▌くんくん…あっ、あれは…!
人の背丈よりも高く積まれた蒸籠を目にした子供は、魅了されたかのように小走りで駆け寄っていったけど…。
▌あっ…あ…。
しばらく分厚い外套を何度か叩くと…諦めたような顔で黒獣たちの前へ戻ってきてしまったんだ。
▌も、もしや饅頭を五つだけ買ってくれる者、おらぬか…?
▌ご自分で買って召し上がってください。
▌…着込みすぎて、懐に手を入れることができなくなってしまったのだ。
▌一枚でも脱いでしまえば…当人はそのまま凍え死ぬであろう…。
▌……。
▌買って差し上げることはできますが、それで寒さが引くとは思えませんけども。
▌食べ物で身体を温めようとしても、内側で未丸に食われてしまうでしょうから。
▌うぅ…分かってはおるが…。それでも気持ちというものがあ…ヘっくし…。
▌ところで、闘鶏君はどこへ行くのだ?
▌…宿に戻ってるから、任務が始まったら呼べ。
▌どうせ歩き回ったところで、面白い喧嘩場もなさそうだしな。
▌あの店の饅頭を全て平らげたところで…我ら牛の腹を満たせるとは思えんな。
▌俺たちは客桟で食事をしてから、宿へ戻るとしよう。
▌はああ…身を切る風のように冷たい者たちよな…。夜が更けたらすぐに出発するとのことだ、そのときに会おうぞ…!
牛と鶏が返事もせずに去ってしまったあと。
子供は控えめに、それでも図々しい顔で兎の筆頭に頼み込んだの。
▌…こほん。では兎の筆頭殿…ひとつ頼みがあるのだが…。
▌……。
▌…い、五つが多すぎるのなら二つ…。い、いいやぁ一つ!一つだけ買ってくれても構わぬ…!
▌私は…そこまでケチな人間ではありません。食べたいだけお食べください。
しばらくして…。
▌近くで見ると思っていたよりも大きいな、うむ。
▌それに、と、とんでもなく寒いぞ…!
▌こ、これは当人だけが寒いわけではなさそうだ…。そうではあるまいか!?
▌少し歩いただけで蒸し暑くなるこの天気に…雪が降っていますね。
▌ところで…夜だとは聞いておるが、本当にこの時間に城を打ち壊してしまってもよいのか?
▌問題ありません。この城は…許可された居住区ではありませんから。
▌頭の禁忌に背くことにはならないでしょう。
▌押し寄せてくる掃除屋は闘鶏君たちが食い止めてくれると言うから安心ではあるが…。
▌あまりにも大きすぎるな。十頭の羊の群れでは、ずいぶん時間がかかってしまうであろう。
▌大丈夫です。全てを壊す必要はなく、必要な道だけをこの兎が案内して差し上げますので。
▌それに、状況に応じて共に来た丑も力を貸してくれるでしょう。
▌…道が開かなければ、輿も運べんからな。
▌だが…この城壁…力を込めてもびくともしないな。
X社の合金、P社の建築物。
何かを破壊する技術と同じくらい、何かを守るための技術もまた、都市で発展してきたの。
その代わり…技術の恩恵にあずかるには、莫大なお金とそれに見合う社会的地位が必要なんだ。
▌…確かに雪と岩だけで出来ているように見えるが…それなりの特異点と強度が似ているな。
▌翼や組織に属していない個人が、こんな城を建てて天気まで変えてしまうとは…か、可能なことではあるのか?
▌はい。だからこそ主君もお探しなのでしょう。
▌神秘の使用者たちを。
だからこそE.G.Oとねじれは…都市に大きな変化をもたらすことができたんだ。
ただ、心に従うだけで…金一文持たぬ人でも、自分を守る力を得ることができたんだから。
でも…。
▌…可能でしょうか?
▌ふむ…。
▌ふぅうううむ…。
残念だけど…心が常に技術を上回るとは限らないでしょうね。
▌…可能であろう。主君の御命、伝えてくだされ!
▌それでは…主君の勅令をお伝えしましょう。
▌黒獣 - 未は…轡を握る者の命に従い、道を拓け。
▌…!
命令が下された瞬間、子供の前腕にミシミシと音を立てながら角が生え出したの。
▌ぐ…うぅっ…。
その角は、両腕で抱えていた攻城兵器に食い込むように伸び出して、武器をがっちりと固定し…。
子供は苦しそうに顔を歪めながらも、落ち着かない様子で周囲をきょろきょろと見回すのに忙しかったんだ。
そしてそれは…他の黒獣 - 未たちも同じだね。
▌主君の命が…来ているな。
▌どんどん…どんどん!近づいてきている。い、急いで行かねばならぬ!
轡を握る者が命令を下した瞬間、羊たちはまるで…背後から何かが自分たちを追ってくるような、冷たい感覚に囚われるの。
命令に従わなければならない、迫り来る恐怖から逃げなければならない。
その二つだけが頭の中に残ると、ようやく…羊の群れは前を塞ぐあらゆるものを打ち砕きながら前進できるの。
▌衝破角…前へ!
▌衝破角…前へ!
▌粉砕…!
▌破砕…!
一点に集中した莫大な力が押し潰すように壁を打ち砕き、大きく息を吸い込んだ子供は次の一歩を踏み出したんだ。
のろのろと…のっそりと。
壁が強固であればあるほど、より強い力を発揮する彼らの前を遮るものは何ひとつなかったの。
▌早く行かねば…。
▌前へ。もっと前へ。
人格/良秀/黒獣-卯
(▌=別の兎、▌=???)
▌…か・ちく。
▌家畜呼ばわり…してるわけじゃないよな。
▌省略して言うと誤解が生じると言った気がするが。
▌はぁ…隠された竹簡だ。
子供は言葉が通じないと言わんばかりに溜め息を吐くと、手にしていた小さな木の板を後ろにいた別の者に軽く放り投げたの。
竹を干して平たくしたらしいその板には、筆文字で何やら走り書きがされているんだ。
▌次の指示事項か。
▌お前が勝手に要約しとけ。どうせまた、何の面白みもない凡庸な殺戮なんだろうさ。
▌…なんだそれは?
子供のこうした振る舞いが常日頃から噂になっていたせいかな。
あの黒獣は今日が子供と初対面だけども、指示を無視してターゲットを仕留めることに愉悦を見いだしているというその言葉に、とりわけ疑問は抱いていないみたい。
むしろ子供が片手に木の板を握って、何かを書きつけている様子のほうに興味があるみたいだね。
▌ふん。お前が知る必要はない。
▌……。
それもそうだなと言わんばかりに、黒獣はすぐに興味を失ったようで子供が放った板をじっくり眺め始めたの。
彼が要点をまとめている間に…子供が書きつけている内容を覗いてみるのもいいかもしれないね。
[これほどまでに退屈とは。自分に関する記録でも付けて遊んでるほうが、まだ面白いくらいだ。]
[誰かに読まれる芸術作品になることはないだろうが、いつかの自分が見返して回想できる程度にはなるだろうから。]
[ふむ…まずは背景描写。]
[辺りには山のように積まれた無数の死体。その傍らには幾多の刀痕と飛び散る血痕。]
▌ふっ…ライムだ。
▌何か言ったか?
▌気にするな。
[今の記憶が薄れる前に、この環境を記しておくとしよう。]
[そうだ。いつの間にか…俺は獣になっていた。]
[確かに輝かしい作品めいた瞬間も、かつてはあっただろうがどこかへ飛んでいってしまったらしい。苛立たしい限りだ。]
[…主君に仕えた記憶もある気がするが、今の感じとは違うのかもしれないな。]
[今の主君にも興味はないが…まぁ、いつだったとしても単に俺に轡(くつわ)をはめる相手が変わっただけだろう。]
[ただ噛まされた轡(くつわ)に繋がった紐に従って動き、その場にあったものを斬るか切り落とすだけ。]
[今日もそうだったし…あの竹簡に書いてある内容もまぁ、大して変わらんだろう。]
[ただ、その瞬間に咲き誇る刹那の美しさから喜びを見出すことだけが愉しみというべきだろうか。]
[ああ、そうだった。先日は黒獣と刃を交えることもあったな。]
[俺たち兎以外にも、黒獣はあともう11族あるから…。]
[恐らく今の主君が、どこかの主君と揉めたのかもしれない。いいことだ。そんな風に子供みたいに暴れ回ってくれればありがたい限りだ。]
[その方が少しは楽しくなるだろう。]
[いっそ、揉めた相手が昔の俺の主君だとか…。ふむ。いかにも陳腐なクリシェだが、実際に遭遇すればそれはそれで…。]
▌おい。
▌…いいところで水を差してくるんだな。
▌くだらない話で、俺の筆を止めたのなら…。
子供は少なからず怒ったのか、今にも筆を握り直して相手を突き刺しそうな勢いで黒獣を睨んだけど…。
その者はどこ吹く風といった様子で、冷ややかな視線を送りながらぱたぱたと動かしていたの。
▌飛び跳ねる時間になっただけだ。
▌チッ。
子供は、きっと自分の戦う姿も記録しておきたかったのかもしれないね。
不要な記憶は黒獣に必要ないから、いつでも風化してしまう可能性があるからね。
だけど緊迫した任務の現場で、悠長に板へ墨を染み込ませていくことはできないんでしょう。
▌黒獣だ!卯、卯を送ってきたぞ!
…だからこそ、今回は直接覗いてみるのがいいかもしれないね。
▌…ほぉ。
子供の目が何か面白いものを捕らえたらしく、丸くなっていくんだ。
そしてすぐに、面白がるように口元がにやりと吊り上がったの。
▌高そうな服を着ているな。
▌どこで見かけたか…。
▌ひ、ひぃっ!
▌お、お前は…。
▌俺?俺は良―
▌正気を失ったのか。
▌俺たちは兎だ。
▌…チッ。
▌互いに問いかけることもなく。
▌互いの居場所すら知らない。
▌しかし指示事項で定められた時が来れば、必ず群れを成す。
▌集まり、指示を遂行し、そして散る。
▌くそっ…俺の黒獣所有権さえ全部奪われてなきゃ…。
▌あのわけの分からない賭けに乗って、黒獣まで賭けてしまうとは…。本来なら卯は…!
▌…あはぁ。
子供はようやく自分が何を面白がっていたのか気付いたように、短い歓声を上げたんだ。
▌微かな記憶があるな…そんな主君もいたか。
▌安定的だな…こういうクリシェ。
▌ま、待て!もしお前が俺を知ってるなら…!
▌はあ…いや。知ってなどいない。
ズボンの裾を掴んで泣きつこうとする彼に、子供と一緒に来た者は溜め息を吐きながら割って入ったの。
子供が事を台無しにするほど愚かでないことは分かっているけど…黒獣には守るべきものがあるからね。
▌知る必要もなく、知ってもいけない。
▌俺たちは黒い獣。
▌忘れるべき者の顔など、知りはしない。
▌ああ…そうだ。そうだよな。
楽しい時に割り込まれれば腹が立つはずだけど、子供は意外にも落ち着いてるんだ。
むしろ…好都合だって思ってるみたい。
…そうだね、そういうことだろうね。
▌俺たちは散らされ、そして散りゆくのみ。
自らのクリシェを締めくくる最後のセリフが整いつつあるから…。
▌ただ…黒毛の獣を信じたお前の過ちが大きかったんだろう。そうじゃないか?
…あんなにも楽しそうに笑ってるんだろうね。
人格/ホンル/鴻園の君主
(▌=記録官/震えている職員、▌=瓶の中のご老人/機械の中のご老人/僧服を着たご老人、▌=???)
赤い涙を流し、声を枯らして叫んだとて。
虚しい言葉を、誰が聞き入れようか。
夢見たものは、もとよりただ一つだったものを。
愚かなる者たちよ。
昇りゆく龍の道を阻むでない。
家主承継が大観園に公言されてから52時間が経った。
浮説が飛び交い、園内の噂は止むことを知らなかったが家主の座を埋める者はいない。
息の詰まる騒ぎの中で聞こえてくるのは、信じがたい伝聞ばかりだ。
四大家門、潰滅。鉄檻寺、閉鎖。
家主審査制度、廃止。段階的恩赦制度、撤廃。
部屋の独占、宣布。不老不死、禁忌指定。
列挙すればきりがない古い法が消え、鴻園のための新たな規則がその座を占める。
まさしく滄海桑田。鴻園に根を張っていた悠久の悪しき慣習が、黒き獣の奔流の中へと流されていく。
大観園の宝石、賈宝玉。
いつもの物憂げな顔色は影もなく、暁の露のように冷ややかな視線が大観園に結ばれる。
▌皆が頭を地にひれ伏して大騒ぎしているというのにお前はどうしてか、筆を走らせるのに忙しいんだな。
▌鴻園で大事が起きましたので、その吉凶は占えずとも正しく伝えるために記録を残すのが道理です。
そう答えると、鴻園で最も高い座に着く者曰く。
▌混乱に怯えることなく、鉄檻寺からちょろちょろと後をついて回って己の務めを果たしたのだ、その記録の名は正承録にしようじゃないか。
▌かしこまりました。
▌鴻園の益になることだから無礼は赦すが、内容が気になるな。
▌持ってこい。書いたものを直せとは言わないさ。
▌…はっ。
▌…バオユ哥哥?
▌運が…いいですね…。目を覚ますや否や…大…観園の…愛らしい宝石を見られたのだから。
▌……。
▌あの汚らわしい虫が、妹妹の言葉と意思まで穢したか。
▌私は…鴻園の歴史と…。
▌一つになって…ごふっ…。
▌春の日の景色は、かくも儚いものというが。
▌まこと、儚く咲いては散ることよ。
家主の位を承継するはずだったジア家のイシュメールが息を引き取った。
ジア家のバオユが卯の筆頭だけを随行させ、鉄檻寺へ向かってから1時間後のことであり。
夜通し時間を数えた結果、家主承継宣言から23時間後の出来事であった。
▌完全に同化しきる前に終わらせられてよかったですね。
▌回収した仙皇蟲は遅れようとも、可能な限り徹底的に解剖してその中の情報を抽出してください。どんな方法を使っても不問に付します。
▌意に従います。
▌ですが…。
▌中にいるあの者たちは、どうするおつもりですか。
鴻園に大きな功を立てた者は不死の法を授かり、高き所へと登仙するであろう。
大観園に住む者なら一度は耳にしたことのある、仙人にまつわるうたことばだ。
だから、誰が鉄檻寺のこの奇々怪々な光景を想像できただろうか。
▌ば、バオユや…!これは何事だ!他でもないお前がどうして!
形姿はおぞましく変貌し、人肉を好んで食らったのか床には人の骨片が散らばっている。
その姿はまさに魑魅魍魎、怪力乱神のようであった。
▌は、はは。今の冗談は少し笑えましたよ、お爺さん。
▌他でもない…僕だからこうするんですよ?
▌市井の犬っころでさえ、当然育ててもらった恩は知っているものを!この恥知らずのこの腐れ野郎めが、最後まで…!
▌お前が鴻園の歴史も同然たるこの鉄檻寺で刃物を振り回して、無事でいられると思うのか!
シュエ家の大老であった仙人は、ジア・バオユに低俗な罵りを浴びせた。
それでもジア・バオユは怒る気色もなく、落ち着き払って…。
▌着々と道を歩んでいるだけで、こんな誤解まで受けるとはな。これは事実とは違う。
▌その見苦しい侮辱を片耳で聞き流したのは確かだが、空になってしまった眼窩がやけに痛み、沁みたものだ。
▌……。
▌やめ。起き上がる必要はない。記録というものは元来真実であっても、事実ではないことがままあるのだ。
鴻園の新たな主は目を閉じ、黙して深い思索に沈んだ。
顎を撫でながら思案を続けたその者が次の言葉を発したのは、茶を一杯飲むほどの時間が過ぎてからだった。
▌そこにひれ伏して頭を地につけているお前。お前。コン家がいかにして滅んだか述べてみよ。
▌こ、コン家は欲を出し鴻園の戒律を守らなかったがゆえに…。
▌その罪が限りなく重く、滅門したではありませんか。
▌ふふ。見るがよい。記録を述べたにもかかわらず、あの者は嘘つきになってしまったな。
▌しかし、コン家の名誉を回復することはまだ鴻園の益にはなるまい。
▌残りを読むんだ。
▌よくも鴻園の偉大な先祖たちの意に背くとは…。我々がお前に授けた宝玉のような恩を、何度も…!
▌ほぉ…貴様らのちっぽけな遊興のために俺の中へ入れておいたそれを今、恩と言ったか?
▌コン家が滅した日、仙人たちの遊戯のために俺は眺め続けねばならなかった。
▌黒いカッコウどもが生まれ、人をついばみ殺し、巣を奪って卵を押し込め…それらが腹を裂いて孵り、また人を…は、はは!
▌そのおぞましい循環を、その悲鳴と惨状を…とても見ていられず、目を抉り取ったのさ。
▌記憶に刻まれた光景が恐ろしかったから?
▌違うな。
▌その眼窩の奥で、老い朽ちた鴻園の虫けらどもが口を開け…俺が見て感じた感情を貪っていると思うと吐き気がして、嫌悪のあまり引き抜いた。
▌お前たちが俺に授けたものなぞに恩などなかった。あえて賜ったものを挙げるなら、呪いだけだろう。
▌ば、バオユや…!お前がその遊戯を知らぬのは、生きてきた年月のせいに過ぎん…。時が経てば、我々を理解できるようになるとも!
▌何よりも我々は…お前を可愛がり、お前が欲しがるものなら何でも買い与えてきたではないか!
▌あぁ…あれのことか。
▌今でも覚えている。たったの一週間、目を部屋に置いておいただけなのに、待ちきれずに人を寄こしたな。
▌面倒臭すぎて十億眼あれば玉を持って旅に出られるだろうと誤魔化したら…チェーヴィチのフィクサーたちが、シー・ミィインの送りつけた金銀財宝をこれでもかとぶちまけたな。
▌お前たちが俺に与えた金銀財宝は、あくまで取引の結果ではないか?
▌お前たちは俺に見世物を提供させ、長生の退屈を紛らわせたいと望み…俺はその代価として金銀財宝を受け取った。
▌これ以上の打算的な関係がどこにある?お前たち老怪どもと俺の関係は…ただ取引で成り立っていただけだ。
▌もうよい!この腐れ外道め…まったくひどい奴に育ったな!どうせこんな取るに足らぬ反乱もじきに終わる。鉄檻寺が開かれた以上、ここへ賈藍隊が来るぞ!
賈藍隊といえば、ジア家を守る衛兵。
轡によってあちこちで握られる黒獣とは違い、彼らは家主と大観園に忠誠を誓った者たちだ。
隠し立てしていない分、鴻園にて腕っぷしを認められた多くの者たちが賈藍隊に名を連ねていたので…。
その軍勢が鉄檻寺の危険を察して押し寄せてくれば、ジア・バオユにとって大きな脅威になると、仙人たちは思っているようだった。
▌お前がいくら外で浅知恵を巡らせて布石を敷いたところで…この鴻園は…。
▌…この狭い寺で腐っていたせいで、耄碌したようだな。
▌イシュメールは死んだ。次期家主の命が潰えたのだから承継は不発。獣どもの休止も終わりだ。
▌...!
▌家門たちが握っていた轡も、家主を失って彷徨っていた獣どもの轡も全て手に入れた。
▌…十二獣は、俺の掌中にある。
▌そ…それは…お前が…バオユや、お前が!奴らの轡をすべて握ったということなのか?
▌い、いかん!これはどういうことだ!黒獣仙人方よ…なにゆえジア・バオユを…。
黒獣仙人というと…。
▌…筆頭のことをおっしゃっているのですか?
▌違う。筆頭が有能だとはいえ、彼らは所詮群れの中で強い幾つかの個体に過ぎない。
▌鴻園の全権を武力で握るには…十二名の黒獣仙人、その全員の承認が必須だったのさ。
▌ついでに、それぞれの群れの真の力まで借りられればよかったのだが…外部勢力との戦争でなければ差し出してはくれぬそうだ。
▌……。
▌該当事項は対外秘です。記録に残さないでください。
…と、卯の筆頭は各黒獣仙人に関する対話と取引、そして存在するかどうかも分からない彼らとのあらゆる交渉内容については記録するなと念を押した。
その言葉まで書き付けたのを見た卯の筆頭が柄に手を掛けて生殺与奪を思案したが、やがて鴻園の新たな主が突然吹き出し笑いをされると…。
「新しい鴻園には記録を禁じるいかなる規則もないから好きにせよ」と、記録をお許しになった。
▌十二獣よ。
▌鴻園の繁栄を喰い荒らす、あのうじゃうじゃと蠢く害虫どもを…無間へと落とせ。
休む間もなく、そして救う道もなく。
悪意にまみれた荒々しく痛ましい叫びが、鉄檻寺の中にこだました。
ジア・バオユは、その地獄を静かに目に収めた。
外へ出たジア・バオユの目には、喜び、怒り、哀しみ、楽しみ…そのどれ一つとして映ってはいなかった。
ただ、先代の家主。賈母にして史太君と呼ばれていた者と幾人かの仙人の首を刎ねたことで満足したようだ。
鉄檻寺を去る足取りは軽やかだった。
▌千里を望まんとするなら、より高き所に登れというが。
▌この低き地下の鉄檻寺からでも見える空のなんと高いことか。
天へと昇る道、ジア・バオユを阻む者は誰一人いない。
賈藍隊も、四大家門の兵も、誰一人として影すら見えない。
▌高いといえど、作られた偽物です。主君。
▌偽物が本物となる時には、本物もまた偽物であり、無いものが有ることとなる所では、有るものもまた無いのだ。
▌シー・ミィインはあの空を本物だと思っていた。ゆえにあれは空だったのだよ。
▌俺にもあれは空に見える。ならばこれからも、あれは空であり続けるだろう。
▌……。
▌難しく考える必要はない。重要なのは真と仮を見分けることではなく、眺める方向を定めることだ。
▌お前の目線に合わせて言うなら…そうだな、俺から見て賈藍隊は鴻園を守る盾ではなかったな。
▌おこがましくも鴻園の新たな主に刃を抜いて向けた、不純分子にすぎん。
▌…既に彼らの処分が始まったのですね。
家主審査開始から三十二時間が過ぎた戌の刻。
賈藍隊。必死の覚悟で理事会へと通じる鉄檻寺のあらゆる道を塞いだが、
大観園各地を掌握した黒獣によって、戌の刻が終わる前に全滅した。
▌その後、ジア・バオユは四大家門と理事会を武力で制圧し…ああ。この先は読む必要が無いだろう。
▌不信任の権限という妄りごとを企てていた連中の首も落ちた頃だろうし、遊びはここまでにしよう。
かつて鴻園の高みで憂いなく遊び興じていた者たちは…今や恐れ多くて頭を上げることができなかった。
鴻園の新たな主は、頭を垂れる彼らを見下ろした。
時を告げる鐘の音が鳴る頃。
彼が口火を切り、その声を鴻園全域に響かせた。
声は低かったが、その響きは骨身に染み入るほど深く…。
鴻園に住む者で、聞き逃した者は一人もいなかった。
▌大観園に居する者は聞け。
▌賈氏は嘘を生業とし、王氏は身を横たえる場所すら有せなかった。
▌豊年であっても薛氏は黄金を追うのに忙しく、史氏は十歩進めど歓待する殿閣一つ無かった。
▌四大家門には滅びの兆が差した。鴻園が歩んだ歴史に残ったのは、血の跡だけだった。
▌ゆえに、もはや鴻園に家主はいない。
だが、ただ一人の主はいる。
▌それにふさわしい新しい呼び名が要る筈。
▌君主。
▌これよりお前たちは俺を君主、紅露と呼べ。
…。
…。
。
既に幾多の血が流れたというのに暁の訪れた鴻園の地には、常に赤い露が結ばれていた。
君主は、私利を口にする者を決して赦さなかった。
陽が移ろい月が沈む間に大観園の名札は一つ、また一つと消え…。
大観園の夜は相変わらず明るかったが、人の影は薄かった。
君主の通った跡は血の匂いで満ちていたため、ある者は彼を残虐無道な暴君だと蔑んだ。
だが、多くの血が流れたからこそようやく夜明けが来た。
君主は諫言する者を退けず、直言する者にふさわしい官職を与えた。
路地は静かであれ、冷たくはなく…。
子どもたちの笑い声が、密集した建物の森の中をこだまのように巡った。
そのため、君主の進む道は光明に満ちた治世ばかりであったがゆえにある者は彼を慈悲深い聖君と称えた。
鴻園の君主。紅露。
たとえその偉業が都市の濁流に呑まれて消え去ろうとも、
その短い生涯の間に鴻園で起きたことは、夢のようであった。
ゆえに、君主の命に従い正承録と呼ばれていた記録の名を改め、
紅露夢とする。
▌君主の座に就かれましたので、そろそろひと息入れて御身をお労りになる番です。
▌夢のような話だな。この座に就いた以上…そんな時間がどこにあるのだ。
▌これまで身につけた学びは十分活かした。 ならばそろそろ新たな学びを請うとしよう。
▌…心と望。そして神秘。
▌それを能く扱える者たちを、俺の前へ連れてこい。
▌そのお言葉は…。
▌翼戦争に備えるぞ。
人格/ヒースクリフ/黒獣-酉筆頭
(▌=兎、▌=ねじれ、▌=???)
…戦場のド真ん中ってわけでもねえのに、頭に血が上りっぱなしで引く気配がない。
いっそ反撃の一つでもしてきたら、ここまでムカつきはしなかったろうに。
あのクソウサギ野郎は腹に穴まで開いてんのに、立ち向かうどころか逃げるのに必死だ。
▌夜な夜なゾロゾロ群れて歩き回るくせに、肝っ玉だけは腹の外に出してやがって…。
▌……。
賈藍隊の精鋭を砂場に上げてくれるって話だったから、ありとあらゆるゴネ方をしてまで残ってやったってのに…。
ウサギ野郎どもが真夜中に人質を取って、手に血一滴つけることもなく交渉を終わらせたんだとさ。
それを自慢げにオレのところまで来てほざきやがるんだ…マジで呆れたもんだ。
はあ…クソッ。こうなるんなら、あの神秘とかなんかを使うってヤツを捕まえに行くときに付いてきゃよかった!
▌おい。オレがその妙な卯の筆頭、アイツに一回負けたからって舐めてんじゃねえよな?
▌奪うもんがねえから、オレたちの喧嘩場を横取りかよ?
▌…酉丸を食ってから、頭まで鶏頭になったらしいな。
▌主君が無駄に黒獣を浪費するなとお命じになってから、まだ三週と経っていないぞ。
▌仙人のジジイとは全部話ついてんぞ。ニワトリはニワトリらしく動けってよ?
▌主君にはうまいこと話つけてやるから、任務を引き受けろって。
▌…そもそも卯と共同で遂行する任務ではなかったか?一体何が問題だというのか分からんな。
▌テメェらだけ楽しめりゃそれでいいのかよ?オレたちが啄む分も残しとけってんだ!
▌…筆頭までこうして無茶を言うから、誰も闘鶏と一緒に任務をやりたがらないんだ。
▌お前たちが自分で喧嘩場を蹴飛ばしているとは考えたこともないのか?
あのムカつく口の利き方を見るに、腹に穴が開いた程度じゃ足りねぇのは確かだ。
ドタマが土の上で転がれば、次からは静かになりやがるか…。
逃げ出そうとするヤツのつま先に意識を集中させて目を巡らせていると、背後から人の気配がした。
この気配を消した静かな足取り…間違いなくウサギだが…。
▌なんだ?いっちょヤり合うつもりか?
他のウサギどもも何匹かオレを囲むように近づいてくるのを見るに、はぁ…囲んで一気に掛かってこようってか?
そうだな…最近は一人で暴れ回ることもなかったし、 この機会に思いっきり―
▌何をお考えかは分かりますが、それではありません。
▌…主君が伝言をお預けになりました。
▌主君が?ちっ…奇襲かと思ったのによ…。
ネズミ野郎ほどじゃないにせよ、数がクッソ多いからよ…ぶつかりゃぁ良い喧嘩になったろうに。
▌その竹切れはなんだ?
▌主君が…任務を一つ闘鶏に回すゆえ、これ以上騒ぎを起こすなと仰せでした。
上等そうな乾いた竹簡をひったくった。
喧嘩場どころか、一日中闘鶏を護衛だなんだと言って連れ回して家主とか何とか言ってた前の主君とは違って…。
今の主君は、面白えってもんが何か分かってるヤツだ。今回もきっといい場所にオレたちを…。
…送るわけじゃなかったのか?
▌賈藍隊の残党を討伐…。
▌…おい、間違えて持ってきたんじゃねぇのか?アイツら、まともに戦えそうなヤツはもうとっくに懐柔されるか処刑されるかしてんだろうが!
▌主君がオレたち闘鶏に、そのカスどもを相手しろっつったか?主君が?
▌断っても問題ないと仰っていました。その場合は…我々卯が任務を引き受けることにしました。
▌……。
正直言うと…轡を握る主君の命令に背くなんて選択肢はねえ。
たとえ死地に飛び込めと言われようが、オレたちは行くしかねえんだ。
そんなオレたちに選ぶ権利をくれるってのは…。
ったく…何の意味があんのかさっぱりだ。これ断ったら、また何日も船漕ぎながら居眠りしなきゃなんねぇんじゃ?
▌そういうことだそうだ。気に入らんなら、やめておけ。
▌任務は我々が―
▌…おい。オレがいつ嫌だっつった?失せろ。今回の喧嘩場までひっくり返してみろ…縦に真っ二つにしてやるからな。
いつだって旨い餌ばかり啄んで食ってられるなんてことはあり得ない。
胸のすくような戦いにはなんねぇだろうが…それでも、身体くらいは解せた方がいいだろ。
あの鶏頭ども…どうせまた自分ら同士でやり合ってるだろうけど任務をもらってきたってなりゃ、喜ぶだろうよ。
▌!^#&*!%*!
▌は…ははは…!!
▌あのムカつくツラを初めて見たとき、妙に気分が悪くなんねぇからおかしいと思ってたけど…。
▌どうしてこう…選んでくる喧嘩場はどれも…外れがねぇんだ?
賈藍隊の残党は…予想通り、取るに足んねぇザコどもだった。
だが…その中の一人が使った妙な術のせいで、一方的な喧嘩で終わりかけてた戦場の空気が変わった。
鎧を着てたそいつはオレたちを見た途端、気が抜けたみてえにその場に座り込みやがって…際限なく分裂し始めた。
あれなんつったっけな…とにかく複製なんちゃら…禁忌だからやっちゃいけねえって聞いた気がするけど…。
はっ。とにかく重要なのは、そうやって分裂した奴の数が…路地を埋め尽くしても余るほど、とんでもなく多かったってことだ。
▌こりゃ、派遣に出された鶏頭どもが戻ってきたら悔しがってヘソでも噛みそうだな?
▌サイコーじゃねえか…。これ全部で何人だ?百?千?それとも…万?
▌!^#&*?
▌そうだ…チッ…。裏路地の夜を諦めて大観園に残ったんだ、これくらいは群れてねぇとな!
▌一応は筆頭だからって下の鶏頭どもに譲ってばかりで…死にそうだったんだぞ、テメェら!
▌血爪…!炎火…!
斬って、燃やして、突き刺して。
肩が外れるまで羽ばたきながら、血炎刀を振り回す。
……。
喉もちょっと渇いてきた気がするし…。
体力には問題ない。血炎刀をまともに使えさえすりゃあ…血が飛び散る戦場で闘鶏がへばることはねえから。
……。
あと何匹くらい残ってたっけか?
まだ山ほど残ってんじゃねえか?
ブシャアッ!
喧嘩が終わりゃしない。
とっくに東は明るんでるはずなのに、いまだに路地の向こうが見えねえくらい…分裂したヤツらが湧いて出てくる。
ブシャアッ、ガッ!
楽しい。
は…ははは…!は…?
油が切れたのか、血炎刀の炎が小さくなった。
…仙人のジジイが言うに、闘鶏が使う血炎刀ってのは…どっかの連中から伝えられた技を、黒獣に合うようにイチから作り直したもんだそうだけど…。
そいつらは油なんかなくても…自分の血で血炎を振るえるんだとよ…。
ブシャアッ!
▌あ…じゃあ、イチから作り直したんじゃなくて… 弱くなったんじゃねえか?
▌…筆頭。なに馬鹿なこと言ってるんですか。
▌んあ?あぁ…まあ、そういう話があってな。ところで、アイツらどこ行った?まだ沢山残ってた気がしたんだが…。
▌ひたすら分裂してたあの化け物みたいな奴なら、筆頭が全員殺しました。
▌は…?
▌興奮を抑えきれなかった筆頭が何分かの間ずっと僕たちを攻撃してたの、覚えてますか?
半殺しになっている闘鶏が何匹か見える。
▌いや…だから誰が、戦ってる最中に横でうろちょろして良いっつった?
▌戦うって言って、僕たちがいるところまで走ってきたのは筆頭―
▌うっせぇ。オレが二匹連れてくから、残りのヤツら連れて薬屋に来い。
▌はい…。
▌中途半端に怪我して帰ってくるヤツがいなくて、薬屋に丸薬ばっか余ってたんだし。ちょうどよかったな…まぁ。
人格/イシュメール/家主候補
▌まったく…こうするんならどうして宴なんて開いたんですかね。
▌敢えて相見えども、不快なる者ばかりと言いけるが。
▌まぁ…それはそうですけど。
宴会場から出た子供は、大きく溜め息を吐いてから扇を畳んだの。
大観園へ帰った途端、宴を開くと言うから時間を割いて参加したけど…。
▌はぁ…座ってる人といえばふざけた顔でニコニコしてる哥哥一人だけだとかね。
元々子供が挨拶しようとしていた家主と家中のご老人方は…忙しいという書信だけを残したの。
ましてや、余所余所しそうにしていた者たちは席を埋めもしなかったし…。
実情、子供を喜んで迎えているのはたった一人だったってことでしょうね。
▌元より陰険なる処ゆえ、令嬢の帰還を喜ばざるは予期せしことなれども…。
▌さにあらずとも、情勢が尋常ならざる気せり。
▌もう頭がズキズキしてきますね…。
▌されど、令嬢が力を尽くされたるおかげにて、1次大戦は通過せしことに代わりあらずや?
▌持てるものを守りつ情報を集むれば、やがて局面も見ゆるであろうゆえ、焦ることなかれ。
不老不死の手掛かりを探してこなければならない家主審査の1次戦。
幸いなことに、子供は苦難の旅路の末に望むものを持ってくることができたんだ。
▌ふぅ…■■■■■鯨が通り過ぎた痕跡から深い場所の■■■を少しではあれど得られて良かったです。
▌第一歩から危うく全員波の餌食になるところだったことを思い返すと…今でもぞっとしますね。
▌是非も無きことなり。令嬢はジア家に生まれた■に、U社に至りしこと一度として無■■■■。
▌不老不死の手掛かりを見つけるため、大湖へ■■■訪ねていったのは■■だったけど…。
▌■■■■■■■■■■■■■■■
おっと。
覗き見るのが早すぎたみたい。
でも、大丈夫。
心配することはないよ。
この可能性を見ようとする人が気になってるのは…そういうことじゃないでしょう?
子供が初めて大湖へ行ったことも。
子供がジア家で生まれたことも。
誰かが望んで観測した以上、些細な問題でしかないの。
ただ眺めて、更に眺めるだけで…。
鏡に映った世界は段々と鮮明になっていくだろうから。
そう、今みたいにね。
♬五色玲瓏たる光を瞳に宿し、世界を鮮やかに照らす宝石となったのだ♬
♬されど胸に秘めたるは幾星霜の陰り♬
♬やがて凶運訪れて、紅き涙は川の如く流れん♬
▌それはそうとして…道に出るや否やこんな物騒な歌が聞こえてくるだなんて。
▌鴻園らしい歓迎というべきですかね?
▌実に露骨的な歌なり。
▌鴻園の宝石といわば…バオユ若君以外に誰ならん?
▌まぁ…こんな歌が出回ることも理解が出来ないわけじゃないです。
▌正直、怖い相手ではあります。
子供の言う通り、歌の主人公は全ての候補者にとっても怖い相手なんだ。
最初はご老人方の関心と愛を独占する鴻園の宝石に嫉妬したけど…。
これを利用して広げた人脈を自分勝手に振り回し始めるとその感情が徐々に恐怖と不安に変わったの。
鴻園の宝石が選んだ全ての歩みが他の候補者には怖くて、脅威的な要素だったんでしょうね。
でも…子供が最も恐れてるものは別にあるの。
▌何を考えて生きてるのかまったく分からないって部分が特に怖いけども…。
▌されど、令嬢に対して中々に親切なるところやあらぬ?今度の宴にても、席を埋むれば。
▌そのうえ幼き頃には、随分と親しかりきと聞き及びたり。
▌幼い頃こそニコニコ笑ってよく遊んでくれるから、無邪気について回ったけれど…。
▌優しいあの笑顔が最近はなんというか…気まずく感じられてですね。
▌うむ。
▌…心得たり。思い当たる節が無きにしもあらず。
▌うーん…ただの気分のせいかもしれませんけどね。
▌令嬢は、出鱈目なる理由にて他人を疑うような人にはあらざり。
▌きっと、その微笑には異質なるものを覚えたらん。
小さな不安感を側近に打ち明けた子供は、すぐに疑念を払い落とすように首を振ったの。
他の候補者に対する分析も良いけど、いまのところは持ってきたものを守り抜くことに集中することにしたの。
▌今のところはその疑いすら時期尚早なんじゃないか不安ですけどね。
▌持ってきたものを…審査当日まで守ることだけ考えましょう。
▌さらば、暖香塢へ戻らねば。
▌久々ですね、私の部屋で寝るのは。
その夜、亥時の終わる頃。
そうは言ったけど、当然子供は眠れずにいるの。いいえ、そもそも寝るつもりもなかったんでしょう。
子供が思うに…鴻園に帰ってきた初日だっていうのに、襲撃がないわけないだろうし…。
その襲撃を防げないと、命以前に持ってきた手掛かりが残るわけないだろうから。
実際のところ、その考えは少しも違わなかったんだ。
▌令嬢。
▌シー家の蛇捕りが巳を解き放ちたり。
▌はぁ、やっと家に帰ってきたって感じがしますね。
▌むしろ何もなかったら侮られたって思ったでしょう。
▌凄惨であれど…奇妙なり。
▌イサン?いくら何でも今は冗談を言ってる場合じゃ―
変な冗談を投げかける自分の側近を見ながら、子供は呆れた顔で睨みつけたけど…。
側近は冗談じゃないという風に、困惑した表情で子供を見つめたんだ。
▌私もまた、令嬢に冗談を言いしばかりなればよかれども…。
▌どうにも私が見誤りしようなり。巳の轡を握りたりし者は、シー家にはあらざらん。
▌…!
地面を蹴る音。勢家たちの叫び。
子供はぼんやりと、自分を狙う勢力が想像以上に巨大であることを悟って顔をこわばらせたんだ。
▌卯…子…?それだけじゃないみたいだけど…。
▌休息中の諸家どもが卯と遭遇せしか。それのみならず、鼠の群れまでも押し寄せつつあるようなり。
▌歓迎の宴には顔も出さなかったと思いきや、ここに全員集まったかぁ…。
▌うん?それまた寂しいことを言うじゃないか、イシュメール。
▌あのガラガラに空いた大花庁の空席を埋めてあげたのは僕だけだったろう。
▌…バオユ哥哥?
▌はっ。誰一人信じられないってこのことか。
▌見ないうちに、人を背中から刺す才能に目覚めたみたいですね?
▌う~ん、才能だけじゃ難しいんじゃないかな?学んで努力したおかげだと思って欲しいかな。
▌巳の轡はどうやって手に入れ…あぁ。こういうことを聞くのは意味がないでしょうね。
▌ふふ…。
一見すると悟った者のように見えるけど、実のところそうじゃないってことを子供は知ってるんだ。
余裕ぶった態度は慎重さからではない、明らかに傲慢さからくるものだし…。
口から飛び出る全ての仁義に満ちた言葉はがらんどうだったから。
▌過去に良い記憶があった人であったとしてもとりあえずは疑うべきだったのに…。
▌困った状況でも学ぼうとしてるだなんて、偉いんだね。
▌ジア家に産まれたなら、当然身につけておくべき素養ですね。
▌でも…学んだことを生かすにも、とりあえずこの状況を打開すべきだと思うんだけどね…。
▌君にはやっぱり…大変すぎないかい?
▌バオユ若君、そは…。
▌やめ。百遍言葉を紡いだところで何になるんですか。
▌生き残って証明しないと。
▌諦めるつもりはないみたいだね。
▌そうだね、イシュメール。君の意がそうなら…そうすればいい。
▌でも…後悔しないといいな。
溢れ出すかのように暖香塢に押し寄せてくる黒い獣たちを見て、子供は落ち着きながら扇子を握ったの。
他の候補者なら怖がって、最終的には諦めたかもしれない状況だけど…。
子供はいつも通り、最善を尽くそうとしてるの。
▌たぶん…することになると思いますけどね、後悔。
▌だからといってここで引き下がるのは…本当に性に合わないんですよ。
▌…はは。
前へ進むことも、不条理で苦しいこれらすべての出来事も。
子供にとっては、目の前の男が浮かべる微笑みと同じくらい、慣れ親しんだものだったから。
人格/ロージャ/黒獣-巳
(▌=怯える住民/反発する住民/子供)
冷たく固まっていく死体。その間をかき分けて逃げる者たちが見えた。
力の限り走ったところで、巳から逃れられないことを知らないはずはないでしょうに。
▌ぐぁぁあっ!
▌……。
裏路地の夜ほどではないだろうけど、鴻園の夜もまた数多の恩讐がぶつかり合う。
だからかな。
偉そうに通りをうろつき、商人たちを苦しめていた者たちがブルブル震えながらテーブルの下に潜り込んで、
あれほど人を見下していた者たちが、誰の差し金かと問いながら偽りの涙を流す。
腕を振るうたびにその傲慢な者たちの首が刎ねられ、
落ちた首は木の床の上をトン、トンと滑るように転がっていく。
すると、ふと壁にぶつかって止まった首一つと視線が合った。
無念、恐怖、憂鬱。
閉じられることのなかった濁った瞳には見慣れて久しい、そういった感情が渦巻いていた。
▌はっ。一体何が不幸で、そんな顔してるんだか。
▌寒さに震える必要も、餓えで骨が浮き出ることもなかった癖に。
▌たかが家畜に過ぎない黒獣が、何を知ったふうに説教など!
背後から聞こえた怒声には振り向きもせず、腕を伸ばして槍を振るった。
もう聞く者はいないと分かっているのに、喉喉*1の奥がざらついてもどかしかった。
彼らが死ぬ理由は火を見るより明らかだったから…それでも自分たちがどんな過ちを犯したのか分かっていないから。
きしむ床を歩きながら、転がる首どもに口を開いた。
▌有り余る富に満足できず、欲をかいたんでしょ。
▌理由なんて見え見え。ちっぽけな権力にすがる、糸みたいにか細い期待のせいじゃない?
その欲のせいで他の候補者や、主君に睨まれたんだろう。
積もり積もった恨みで惨めに死んだくせに、何をそんなに潔癖ぶっているんだろ。
▌…首を斬るべき人は、全員斬ったと思うんだけど。
主君が下した命令は単純だった。
松庵(ソンアン)と呼ばれる小さな庵へ行き、名簿に記された者すべての首を斬ること。
名簿にない者を見かけたら頭を砕けという、変な例外条項があったけど…。
この小さな庵には、そんな人はいないように見えた。
▌そろそろ主君のもとへ戻らないと…ん?
箱が積まれた場所から聞こえてきた、ごく小さな物音。
反射的に腕を伸ばして箱を壊すと、その隙間から小さな影が身を震わせながら這い出てきた。
▌はは…。
▌だから送ったんだ、主君。競争相手になり得る子供を、こいつらが密かに育ててるって知った上で。
▌た、助けてください。黒獣様!
▌父と母が…大観園の栄光を末永く享受するには…。
▌わ、私が家主になるために努力しなければならないとおっしゃってました。
▌乳臭いチビが、なに分かったような口を…。
▌はぁ…隠すならもっとまともな場所に隠せばいいものを。箱の下ってなんなの。
べそをかく子供。目撃者一人いない静かな庵。
考えてみれば、主君に確信はなかったのだろう。
もしあったなら、あんな曖昧な命令を下すんじゃなくて、子供を探して殺せと言ったはずだから。
今回の件で黒獣を使ったのは…警告の意味合いが強かったんだろうね。
噂であれ、そのような話が自身の耳に入らぬようにせよという警告。
▌……。
▌うう…。
▌うん、そうだね。
▌主君が私を助け出してくれるのなら…今後、私たち巳に重大な任務を任せられなくなるよね?
▌だからこんな些細な仕事に、私たち巳を使ったんでしょうね。
▌ふふっ。どうやら今回の主君は、本当に約束を守るつもりみたいだね。
▌…え?それはどういう。
▌知る必要はない。知らない方がいいだろうしね。
▌運が良かったな、チビ。
私が引き受けた仕事だから、他の黒獣が来ることはない。
一人、同行してきた黒獣もサポるつもりなのか一晩中まったく姿を見せなかった。
▌えっ…え!?
▌大人しくしてな。下手に動いて首が飛んだら困るからね。
だから…首を斬るだけで大丈夫なはず。主君には私が上手いこと説明すれば…。
▌おっと。もうほぼ終わりかけてたか。
▌……。
▌もしかして俺、ちゃっかり美味しいとこだけ持ってったりしてないよな?そうならごめんな。
槍に貫かれた頭が、無造作に落ちる。
トン、トンと床を転がった他の首とは違い、子供の首が落ちる音はひどく不快だった。
湿った肉が潰れる音。ねっとりとした血がじっとりとこびりつく音。
▌いやぁ…今回の主君はカンは良いんだ。なっ?よくもまあこんなのを見抜いたな。
▌あ…うん。そうだね。
だから…嫌なんだ。
判断一つすら自分で下せず、ただ主君の命令に従うだけ。
誰とも恩讐を結ばないけど、それゆえに道具にしかなれない立場。
…長く続けるようなことじゃないよね。
それでも、主君との約束が果たされる日が遠くないことがせめてもの慰めだった。
このうんざりする黒獣稼業も…あと数日もすれば…。
▌…何で今更来たの?
▌主君に急な仕事を一つ任されたせいで、ちょっと遅れたんだ。
▌仕事…?
▌明日、シュエ家の有力な候補者一人をどうにかする魂胆らしい。
▌この規模の任務が終われば、俺たちの口枷は外してもらわなきゃならないだろうけど…それでもこれで得られる利益があるなら、割に合うって思ったらしいな。
▌その…念のため言うけど、この前お前を連れ出すとか何とか言ってたやつ…信じてたわけじゃないよな?
▌えっ?まさかぁ~。当然でしょ。誰がそんなの信じるの。
口から出た言葉は妙なほど穏やかで、声にはむしろ生気が宿っていた。
▌だよな。筆頭でもない黒獣を連れて行くやつが、 鴻園のどこにいるってんだ。
▌家主大戦が始まった今、黒獣から抜けるなんて馬鹿げてるでしょ。
▌こういうときは黒獣として生きるのが一番だって。だってほら、家主が決まったら休息期間もくれるでしょ~。
まるで自分の言葉ではないかのように、憂鬱な言葉が口から出てこなかった。
黒獣から出ることをあれほど望んでいたと認めてしまえば…自分の境遇がいかに惨めか、向き合うことになるから。
▌間違っては無いな。
▌それに私みたいな有能な巳が急にいなくなったら、みんな困るだろうしね。
▌それは…うーん。まるっきり間違いってわけでもないけど、事実でもないよな。
▌こういうときは、そうだって言ってあげるもんだよ。ここで飽きるほど長くやってるだけあって、つまんないなぁもう。
▌じゃあ、帰るか。ちょうど主君のところへ行く用事があるから、報告は俺がしておくよ。
巳が去った後、私は形さえ見分けられないほどに潰された首一つを見つめていたけど…。
やがて視線をそらして、庵を後にした。
戻った部屋からは、じめじめとしたカビ臭い匂いがした。
丸(ワン)の染み込んだ包帯、全身に付いた血。
散らかった部屋がまるで自分の心のようで、
こみ上げる憂鬱さを隠すように、膝を抱えて顔をうずめた。
▌もう、本当に分かんないや。
▌言われたことは全部やったでしょ。口枷を握ってられる、その数ヶ月がそんなに惜しかったの?
力の限り主君に忠義を尽くしたところで、巳から逃れられないことは分かっていたはずなのに。
▌私を選ぶことだってできたでしょ。
▌どうして…私じゃないの…。
これ以上何も考えたくなかった。
考えるほどに、果てしなく沈んでいく気がして。
あまりにも寒くて。
人格/シンクレア/黒獣-酉
(▌=怖じ気づいた住民/不安がる住民、▌=とある家門の子/建築技術者/召使い/私兵、▌=賓客、▌=闘鶏)
▌た、確か家主大戦は終わったと大観園で公表したのではないか?
▌…私もちゃんと聞いたぞ。
▌それなら…なぜ真昼間から奴らが大路を闊歩しているというのだ…。
路地の影が最も短くなる刻。赤い鶏冠を立てた闘鶏たちの行進。
蹄の音も、太鼓の音もなかったけど、鴻園に住む者なら大通りを堂々と闊歩する彼らの足取りに、おのずと怖気づかざるを得なかったんだ。
▌あちらは…大観園へ向かう道だが…。
▌む、謀反でも起きたのではないか?
▌そんなはずは…ジア家のイシュメールがいかに勢力が弱小だったとはいえ…お前たちも見たではないか。
▌…納得せざるを得ない勝利だった。その抱負も、その過程も非の打ち所がなかったな。
▌では奴らは一体…。あ、いや、こんなことをしている場合ではない。まずは部屋に戻れ!下手にあの獣たちに巻き込まれたら…。
店の戸を開けようとしていた商店街の人々は素早くかんぬきをかけ直し、外に出ようとしていた子供は親の手に引かれて戸の隙間から姿を消したんだ。
黒獣が恐ろしいのは確かだけど、それだけじゃ応が過剰だね。
ましてや闘鶏たちは黒獣の中で最も強い獣でも、最も恐ろしい獣でもないんだから。
だが…彼らの反応を不思議に思う者は、鴻園中を探したところでどこにもいないでしょう。
…闘鶏が街を歩くということは、鴻園のどこかで全面戦争が起きたという意味だからなんだ。
▌シー家の暁玲の部屋に到着する頃には夜になって消灯が始まるはずですが…。
▌主君はなぜ我々を遣わしたのでしょうか?その時間は蛇と兎たちが独壇場で暴れ回る時間じゃないですか。
▌隠す必要がないということだ。好都合ではないか?俺たちだけで鬨の声をあげて爪を立てるのも、そろそろ飽きてきただろう。
▌それは…そうですが。
平和なときに、闘鶏の出番はそう多くないんだ。
せいぜい、護衛として呼ばれるだけ。闘鶏たちが望む舞台が用意されることはほとんどなかったの。
だが…今回の主君は違ったんだ。
▌シー家のシャオリンなら、H社の理事会の一員だな。他の理事たちが黙ってはいないだろうが…。
▌何か準備されているのではないでしょうか?
▌捨て駒だとしても戦場に捨て置かれるなら悪くはありませんが…今の主君なら、我々をもっと上手く使ってくださる気がして。
▌確かに…他の黒獣たとの轡を握る手腕を見るだけでも、今回の主君はただ者ではないな。
▌でも、どうせなら…理事会が黙っていないでほしいです。
▌そしたら、向こうも軍を送ってきますよね?連戦で戦えるなんて…それは…とても幸せなことじゃないですか。
理事会の一員が過ごす場所にふさわしく、到着した部屋は見る者の息が詰まるほど広く…。
どれほどの富を築いたのか、首を精一杯上げてもその天井が容易には見えないほどだったんだ。
圧倒的なその風景を見て…子供は浮き立ちながら剣を握りしめ、中へと向かったの。
▌主君が殲滅をお望みなので、下から一つずつ階を上がりましょう。
自分がこれから向き合う、楽しくて長い戦いに向かってね。
▌こ、これくらいなら大丈夫だろうな?
▌いくら蛇や兎でも、こんなにも罠に満ちた部屋を狙うのは難しいでしょう。
▌不信任票決が始まるまで持ちこたえた後、ご用意した通路からお逃げになれば…。
▌た、大変です。闘鶏です!闘鶏が…こちらへ上がってきています。
▌…なんだと?
▌みんなここに集まっていたんですね。
彼らが準備した罠は十分に効いたの。
闘鶏たちは肉が裂け、羽が折れ、満身創痍になったんだ。
それでも…子供と闘鶏の眼差しはむしろさらに赤く、荒々しく燃え上がったの。
まるでそんな傷と闘争に対してもっと浮かれたかのように、彼らの身振りには興奮が色濃く漂っていたんだ。
▌……。
▌あの闘鶏どもには…何を言っても無駄でしょう!今すぐお逃げください!
私兵たちが一斉に襲いかかったけど、怒り狂う鶏たちの相手にはならなかったんだ。
彼らは腕に斧の刃が刺さっても、むしろさらに激しく腕を振り回して…。
足が折れても肘で、身体を引きずりながら敵に襲いかかったの。
縦横無尽、止まることを知らなかった闘鶏たちの進撃は…ほとんどの私兵たちが倒れた後、ようやく遮られたんだ。
▌こいつらが噂に聞いていた闘鶏か。
かなりのお金を払って製作したらしい巨大な工房の装備が部屋の中を薙ぎ払い…。
瞬く間に襲いかかった闘鶏二羽がミンチになってしまったの。
その姿にどんな希望を見出したんだろう?
生き残った者たちは素早く賓客の後ろに身を隠したの。
▌家主大戦は終わったのではなかったのか?
▌わ、我々を守ってくれれば不足ないように報いるから、どうか…。
▌はぁ…緊急保護費を一発たんまりとせしめてやるか。
▌……。
▌さあ!かかってこ…お、おい!?
賓客は自信満々に前に出たけど…すぐに表情をこわばらせたの。
数多の闘鶏のうち、誰一人として自分を相手にしないことに気づいたんだ。
彼が慌てて武器を振り回し、横を通り過ぎた闘鶏一羽の足を潰しても視線は向けられない。
闘鶏は賓客じゃなくて…家門の人々と私兵だけを執拗に狙って剣を振るったの。
▌こ、この野郎ども!こっちを見ろ!
▌闘鶏が望むのは強者との戦いではありません。
▌望むのはただ、より多くの戦い。
賓客は自分なりに家門の主要人物を一人二人かろうじて守り抜いたけど、その間に繰り広げられた虐殺まで防ぐことはできなかったの。
一人、二人……数を数える間もなく数十人の命が瞬く間に消えて闘鶏の剣から立ち上った炎で、隠れる場所さえも灰燼に帰したんだ。
闘鶏が望むのは強者との戦いじゃないの。
より多くの戦い。そのためなら闘鶏は目の前の強者からしばし目をそらして、他の戦場へと駆け出すの、
その瞬間、何を考えているか分からない目で賓客をじっと見ていたその子が、ゆっくりと距離を縮めてきたの。
▌お前…。
荒くなった呼吸、疲れて垂れ下がった両腕、わなわなと震える足。
最初とは変わったその視線…子供は明らかに賓客を獲物として見ていたの。
▌あなたが本当に強かったなら、我々闘鶏が最後まで倒せない敵だったなら…ここには寅が来たでしょう。
▌我々の新たな主君は…決して黒獣の使い道を間違うようなことはなさいませんから。
▌…血炎刀、発火。
子供の一撃を受け止めた賓客は、今や自分が闘鶏一羽すら手に負えない状況だということを悟ったの。
慌てて人々を見捨てて逃げようとしたけど、確かにミンチにしたはずの闘鶏一羽が目を光らせながら賓客の足首を掴んだんだ。
▌離せ!くそっ、離せよ!
そのあとは…子供がわざわざ出るまでもなかったね。
戦いを望む闘鶏たちは、己の身を顧みず絶えず敵を斬ったの。
▌待て、降伏…降伏する!蟲を飲もうが契約書を書こうがお前たちの主君の好きにさせるから!
▌いいえ…そうはいきません。一度点いた血炎刀の火を、今消すわけにはいきませんから。
▌ご存知ですか?この剣は相手を斬れば斬るほど、流れ込んでくる血で油に摩擦を起こすんですよ。
▌斬るのをやめることはできない、ということです。
もしかしたら子供の主君は…有能な賓客を追い払ったりはしなかったかもしれないね。
だが残念なことに、子供と闘鶏たちの頭の中には主君が望む「鴻園の未来」なんて入っていないんだ。
▌かはっ…。
彼らはただ…一人でも多く斬れるのなら、それで満足するだけだからね。
人格/ウーティス/黒獣-卯
(▌=泥棒)
夜になっても、人工的な光の下で依然として明るい鴻園。
子供は黄色い瞳をぎらりと輝かせながら、目の前にいる不届き者の盗人を見下ろしていたんだ。
▌そのみっともない逃げ足は終わった。
▌卯が速いとは聞いてたが…これは…。
▌そんな鈍い足取りで、兎から逃げおおせると思ったのか…愚かだな。
主君が受け取るはずだった大事な品を、途中でかすめ取って姿を消した泥棒。
その泥棒を捕まえろという命が子供に下ったのは、泥棒が逃げてからすでに2時間も経った頃だったけど…。
その時間差が無意味であったかのように、子供が彼に追いつくのには30分と掛からなかったんだ。
幾つもの建物が入り組む複雑な鴻園の裏路地とはいえ、毎日のように鴻園を舞台に暗闘を繰り広げる黒獣にとってはその者の逃走経路など、まるで手の平の上だったんでしょう。
▌蟲は無事だな。
泥棒の手には、長くてずんぐりした虫がうごめいている。
ぬるりとした表面と、ぶよぶよした身体が不自然にうごめく様子もおぞましいけど…。
とりわけおぞましいのは、蟲と呼ばれたその頭部なんだ。
人間そっくりだけど肌は青白く垂れ下がり、落ち窪んだ眼孔は焦点を失ったまま虚空を見つめている、見るに堪えない顔面。
それでも泥棒は、それをよほど大切な宝物でもあるかのように両手で慎重に抱えているの。
▌貴い者から作られた蟲を盗んだのだ。即座に首をはねても足りないくらいだが…。
西部や南部みたいな他の地域の人からすれば虫の一匹で何ができるのかって思うかもしれないけど…。
泥棒が抱えている蟲は、ただの虫とは違うんだ。
体内に入れれば材料になった人間の記憶を持てる特殊な虫であり、
材料の貴賤を問わず、、*2数える時は物ではなく人として扱われるほど特別な存在。
なかでも泥棒が盗んだ蟲は、一家の多くの秘密を抱えている鴻園でも格式高い人物を材料にしたという貴重品だったんだ。
その中には子供が仕える主君と関連する、一家にまつわる数多の情報が記憶という形で収められているだろうし…。
もし敵対する一家の候補がこの蟲を手に入れ、自分の身体に取り込んだりでもすれば、あっという間に子供の主君は一家の様々な秘密を奪われてしまうことになるだろうね。
▌蟲を狙った理由を聞こう。
それでも子供は、すぐさま泥棒の首を落とすのではなく事情を問いただすことにした。
子供が哀れみをかけたわけじゃないの。
ただ、子供の主君がそう望んだからなんだ。
冷淡きわまりない子供の口調からも、命令を下した者が与えたチャンスを悟ったからかな?
泥棒はすぐに膝を突いて、悲痛な声で己の身の上を語り出したんだ。
▌か、金が必要だっただけなのです。
▌ほ、他の一家から蟲を持ってくれば、一生遊んで暮らせるだけの財産を与えると言われまして。
▌病に伏せる老いた母のためには、こうするしかなか―
▌嘘だな。黒獣がそこまで調べずに尋ねてきたとでも思ったのか。
▌病の母…はぁ。お前の母親ならもう3年前に亡くなっているはずだ。
▌あの短い時間にそれを…。
▌正直に言え。
▌主君がお前に差し出した命綱はそう長くない。
▌つまらぬ嘘で舌を動かせば…。
子供の毅然とした態度に泥棒はしばらく戸惑った末、ようやく口を開いたんだ。
▌……。
▌いつまで再積日で墜落しないかビクビクしながら生きるのが嫌だったのだよ。
鴻園に存在する建物の多くは、一定周期で動くんだ。
それは各々の財産に応じて、所有する空間を再分配する仕組みなの。
貧しい者が住む場所はどんどん狭くなっていき、休むべき自宅でも安心して休めなくなるでしょう。
気の毒と言えば気の毒な話だけど…黒獣である子供には響かないみたい。
▌財に目がくらんで起こしたことだったのか。
▌その程度の理由なら…私たちが交わす会話はここで終わりだろう。
▌ち、近づいたり、足を変形させる素振りを少しでも見せれば…。すぐさまこの蟲を耳に入れるぞ!
▌…死に急ぐか。お前が耐えられる記憶じゃない。ましてや…。
▌ま、待て!!!
▌いや。これ以上話す必要はない。
泥棒が言い終わる前に、子供が背負った剣が邪悪な光を放ち始めたの。
Q社の技術で刻まれたこの剣の怪文字は、特定の条件を満たしたときにこそ真の力を発揮するんだ。
今回の任務において子供が力を使う条件は、蟲を盗んだ者が主君の情けを拒むことだったんだろうね。
剣を構える子供の脚は瞬く間に兎のみたいな逆関節へと変化し、泥棒に向かって飛びかかる準備を整え…。
未来を直感した泥棒は、無駄と知りながらも全力で後方へ身体を投げたんだ。
▌くぅうっ…クソッ!
最後の手段として泥棒は慌てて蟲を耳に入れたけど…。
▌かはっ…。
▌体内に蟲を入れたところで、その直後に命が断たれれば…まだ同化する前のまま、元通り取り出せる。
▌その点を看過したな。
あまりにも素早く跳躍した子供の剣に、泥棒は悲鳴を上げる暇すらなく死を迎えてしまったの。
もう少し時間が経っていれば蟲は泥棒の身体と一体化して…蟲にされる際に刻まれた条件を満たさない限り、どんな手段でも取り出せなくなるところだったけど…。
同化する前に命を奪ってしまった以上、子供は容易に蟲を取り戻すことができたの。
▌次の任務は…。
でも、子供の夜は任務1つじゃ終わらないんだ。
鴻園ではいくつもの暗闘が起こってて、その暗闘の中心に立つ黒獣となった子供は…。
主君が下した別の命が示す場所にむかって、また飛び跳ねるんでしょうね。
人格/グレゴール/黒獣-巳
(▌=熟練の巳、▌=新入りの巳たち)
▌まったく。
▌今度の施術を受けると、腕が蛇に変わるとか言ってたけど…全部嘘っぱちだったな。
▌だから、先に去った奴らの言うことなんて信じられないんだよな。
感情の宿っていない目で自分の腕を見つめていた子供は変形した腕をあちこちに曲げてみながら、物思いにふけっていたの。
今回でもう7度目の施術だったけど、期待したほどの変化がなかったからかな?
腕がもう少し柔軟になって、血に流れる毒性はより驚異的になったけど…。
黒獣丸の効能で感情が鈍くなった子供には、そういう変化にはあまりピンとこなかったんだ。
▌しばし失礼する。黒獣仙人様が丸を授けてくださった。
腕を調べていた子供は、じきに丸を使いに入ってくる他の黒獣たちを見て訝しげな表情を浮かべたの。
丸が下されてからそれほど経ってもいないのに、また下されたからなんだ。
その上、巳になりそうなものたちが大勢で来たからね…。
▌なんだ。もう新入りたちを仕込むときが来たのか?
しばらく考えていた子供は、すぐにその理由を簡単に推測することができたんだ。
▌そういえば、前の主君の無理を聞いてやったせいで巳たちがたくさん死んだよな。
間もなく家主審査が始まるという話が鴻園全体でささやかれている時期。
そこそこ有力な候補者たちはそれぞれの戦略と計画をもって黒獣を使役したけど…。
混乱した時期に乗じて、偶然口枷を握った主君数名が黒獣をめちゃくちゃに扱ったんだよね。
▌武力集団と全面戦争をしたかったなら、あの闘鶏どもの口枷を手に入れるべきだったろ…。
▌ふぅ…巳にただの泥沼の戦いなんかさせてたら、命が助かるわけないだろ。
黒獣は主君の命令を拒むことができないの。
先代の主君だって、奇襲と暗殺に特化した蛇に無理な任務を押し付けたんだ。
もちろん、黒獣の口枷を握ること自体凄く難しいことだから…常識を超えた命令をすることは少ないけど。
いつだって例外はあるからね。
▌まったく…なんだ、どうした?今度は。
▌丸を下賜されるこんなめでたい日に、どうしてそんな顔してるんだ?
一連の会話が秘めてる意味を察した何匹化の巳が、表情を固くして…
子供は少しでも雰囲気を和らげようと思ったのか、ためらってから口を開いた。
▌いくつか助言をしてやるとすれば…うーん。
▌他の黒獣丸は知らないけど、巳丸を溶かした水は絶対に飲んじゃ駄目だ。
▌昔、早く吸収したいって言いながら飲んだ奴がいたんだけど…変形が酷くて使い物にならなくなったんだ。
▌……。
▌ただどっぷり浸かっていればいい。どれだけ楽なこった。何か剥ぎ取ったり張り付けたりする必要もないだろ。
▌ああ。でも最初はうまく適応できないだろうから気をつけるんだな。後々ならともかく、最初の施術で腕が絡まったら結構厄介なことになるぞ。
▌……。
役には立つ言葉だったけど、どこか冷たくに聞こえる助言に全員口を噤んだんだ。
すると子供は頭を掻きながら、隣に座った巳にそっと別の話題を切り出したの。
▌おい、ところで今日、主君がお前に命じた仕事が一つあったんじゃないか?
▌…巳一匹が、自分がやると言って待機中だ。主君もお許しになった。
▌ふむ。どの巳がそう言ったのか、大体見当はつくな。
▌万が一ということもあるから俺も行くか。腐っても鯛って言うし、ジア氏なら巳一匹を相手できるくらいの手札は隠し持ってるかもしれないからな。
▌…こうなると思ってたさ。
▌入って間もない巳に限って、自分の立場が分かってないんだからな。
子供は命令が書かれた竹簡を注意深く見つめ、呆れたように鼻で笑ったんだ。
松庵と呼ばれる小さな庵へ行き、名簿に記されたものの首を全て斬る任務。
しかし子供が見るに、最も重要な命令はその下に書かれた例外条項だったの。
▌肖像画にない者がいれば、頭を打ち砕け。
泣きじゃくる幼い候補者と、その前でためらう巳。
子供はしばらくその様子を見守っていたけど、巳の目がついに候補者の首に向けられた瞬間、腕を長く伸ばしたんだ。
床を這うようにうねうねと、巳のように伸びた腕はやがて静かに候補者の背後を取ったの。
▌この角度なら…下の方に振り下ろしたっけ?
▌いや、右だった気がするな。
刹那、子供の槍が目で追うのが難しい速さで動いたんだ。
そしてまるでリンゴを潰すかのように、幼い候補者の頭を正確に貫いたの。
感情一つ込められていない、乾いた静かな一撃。
衝撃に包まれたまま瞳を震わせている巳に向かって、子供は何事もなかったかのように白々しく口を開いたんだ。
▌おっと。もうほぼ終わりかけてたか。
▌……。
▌もしかして俺、ちゃっかり美味しいとこだけ持ってったりしてないよな?そうならごめんな。
子供が巳の感情を知らないわけじゃないんだ。
長い間黒獣として生きてきた子供にとって、新入りが何を望んでいるかを知るくらい造作もないことだったから。
ただ、少しも共感できない感情に、事がこじれる前に終わらせただけ。
その後、子供は…まるで巳が塀を滑らかに越えていくかのように、自分が見たことをうやむやにスルーして…。
自分が直接報告すると言って、任務中の巳を帰らせたんだ。
子供がその巳のためにやったわけじゃないんだ。
ただ…それを指摘する理由がなかっただけなんだ。
▌まだ一度しか施術を受けていないからかな…。
▌ふむ。まあ、次の施術を受け終われば慣れるだろ。
▌よっと…。
遊び人のような口ぶりとは裏腹に、子供の舌先には冷酷さが色濃く滲んでいるの。
それにもかかわらず、表情はひどく無表情で足取りはいたって平然なんだよね。
7回の施術を受けるまで、子供が生き残った理由はやっぱり…。
ただ道具としての役割に忠実だったからかもしれないね。
台詞
人格/イサン/黒獣-午筆頭
| 人格獲得 | 君主の望む鴻園は、お嬢様の望みし鴻園と、末には相通ずるところあると見ゆ。 たとえその道、血に点綴(てんてつ)さるるとも…私は未だ花開かざりしお嬢様の夢を、其の身に代わりて成就せん。さればお嬢様 …この愚かなる護衛を…願わくは、我を赦したもうな。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 東明るめば、暖香塢の朱の大門の彼方に光ゆらめく。その光の調べ、まことお嬢様に生き写しにて、毎朝ごとに目を離し難し。 |
| 昼の挨拶 | お嬢様より常に賜わりし、黒獣の力を抑うる丸(ワン)を服すべき刻が近づきたり。主を失い、筆頭として復帰せし後は、口にも触れざりし筈なるに…。今もなお、この刻のみは喉に何物か懸かるがごとく、息しばし止みがちになれり。 |
| 夕方の挨拶 | 君主の支配せし大観園の夜は、音無きなり。その平安は喜ばしけれども、かくまで静かなる世は却って異常であるが故に、心穏やかならず。 |
| 対話1 | ホンル、かの方への怨みを断じて撤回したるにあらず。ただ…仙皇蟲、その悪毒なる謀略は私もお嬢様も知らざりき。それを告げ、 ざりしとて、敵たりし男に、いかで責を問わんや。 |
| 対話2 | 私、いかにせばお嬢様を救い得たりしかと、思考の破片を反芻せり。 もとより無用の業なるは知れり。過去に逃れて悔いを深めたとて、死人の還ること無し。されども…この連想、どうにも殺すこと叶わず。 |
| 対話3 | この甲冑…別途装いしものにあらず。こは、黒獣丸の中の午丸によって変じたる我が皮膚なるのみ…。甲殻のごとき外皮の萌え出でて、まとえりと言うが正し。 |
| 同期化後の対話1 | 牛の角の強きことは知れり。されど穿たれし道にて長久の戦ならば、俊馬に委ねるがよろし。馳せるに足る空間さえあらば、戦場の勢力図は畢竟(ひっきょう)勢いの乗れる馬蹄の下に定まらん。 |
| 同期化後の対話2 | 遂に鴻園に戦火起これり。朽ち腐れたるものを忘れ、善き理想を捨てしが故ならん。 君主は鴻園を正さんと宣すといえども、人を信用せず、本性は悪なりと唱うる者を…果して我は信用してよきや。 |
| 放置 | …今日ずっと休まるるならば、私は暖香場にて待たん。用向きあらば彼処へ歩を運ばれよ。 |
| 同期化進行 | 馬蹄の音鳴れ。砂塵は起これ。関(とき)の声は木霊(こだま)せよ。 逃ぐる所なき隘路(あいろ)たれ。*3 君主の言葉通り悪心を懐きし逆賊、斬り捨てたり。願わくは鴻園は…恐るることなく、進みたまえ。 |
| 人格編成 | 黒獣-午、筆頭。イサンなり。 |
| 入場 | 彎曲サレタ直線ヲ直線二走ラン。*4 |
| 戦闘中の人格選択 | 閑話休題。私事に耽ることなかれ。戦場に専心せよ。 |
| 攻撃開始 | 一騎当千…! |
| 敵混乱時 | 心おきなく開け放ち…。 |
| 混乱時 | …足を挫きたるか。 |
| 敵討伐 | …風吹くままに踏み砕け。 |
| 本人死亡 | 私が歩み速くて…早く…着きすぎたか…。 |
| 選択肢成功 | これぞ馬の行進なり。 |
| 選択肢失敗 | …歩みが乗らざりき。それのみなり。 |
| 戦闘勝利 | 勝ち関は響けり。されど馬らは歓びを忘れよ、喜悦を倹約せよ。 我ら、直ちに君主の指す他の戦場へ投ぜらるべければ。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | 遂に轡の一つを断てり。畏れなく進み得る、お嬢様の望みし鴻園へ一歩近づけり。 されば…いつか再会の日には、かならず我にも銀子を渡したまえ。私はただそれのみを願ひ、全身に血を浴びつつ休みなく馳せ続くればなり。 |
| 戦闘敗北 | …成果を上げられざりしか。これではお嬢様の理想に至るまで幾年を要するやも量り難し。 君主の策を待たん。当面はこの先を駆くる胆、なかなか湧かぬ。 |
人格/ファウスト/黒獣-卯筆頭
| 人格獲得 | その答えで十分です、主君。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 昨晩お任せいただいた件の結果はこちらです。すべて意のままに為されました。 |
| 昼の挨拶 | 直ちに主君の全ての教えを理解することはできませんが、日が昇っているうちに私のものにしてみせます。ファウストはそれに長けております。 |
| 夕方の挨拶 | 夜中の月光と共に姿を消すのが私の存在意義。しかしお呼びであれば、月が雲に隠れる間を縫って主君の側に参じましょう。 |
| 対話1 | 学び問うことに何の意味があるのか。そんな悩みを抱いた時期もありました。主君がいなければ…私は今もファウストではなく、一介の凡人として生きていたでしょうから。 |
| 対話2 | 黒獣は一介の道具に過ぎないかもしれませんが、ファウストは違います。黒獣-卯としての私も、小指としても…。名前を取り戻した私は、主君の忠実な剣であり、努力する弟子です |
| 対話3 | ゲゼルシャフトに接続するのは…必要なことではありますが、気が進みません。あの者らは絶えず何かを教えようとしてきますが、私は主君の教えを消化するだけでも時間を要しますので。しかし、学びのためなら多少の抵抗感も甘受すべきなのでしょう。 |
| 同期化後の対話1 | 雲解顕現。轡(くつわ)の紐を主君より賜りましたゆえ、卯は直ちに私に従え。 |
| 同期化後の対話2 | 義ある者は武力を先立てぬと、主君は幾度もおっしゃいました。しかし…言葉より剣が先走るこのような私であっても、義に向かって進むのであれば、それもまた道ではないでしょうか。 |
| 放置 | 恨みも抱かず、欲も出しもしないので、私もまた素晴らしい人間のうちの一人でしょうね。主君…笑わないでください。 |
| 同期化進行 | どのような意を遂げようとしているのか理解しました。次は速やかにその義を行うのみです。 |
| 人格編成 | 義を立てるためならば。 |
| 入場 | 筆頭、出陣。 |
| 戦闘中の人格選択 | 構わずお申し付けを。 |
| 攻撃開始 | 不可違也。防げぬであろう。 |
| 敵混乱時 | 無用ですね。 |
| 混乱時 | …成る程。 |
| 敵討伐 | 今こそ悟りを得るように。 |
| 本人死亡 | …笠を直してください。はい。それで…十分…。 |
| 選択肢成功 | 時には剣が問題を解決することもあるのですよ。 |
| 選択肢失敗 | 情勢を把握できませんでしたね。 |
| 戦闘勝利 | いつであれ、塵一つなき終わりというものはないのでしょう。しかしそれに近づこうと努力するのなら、また問題はないでしょう。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | 今日、恥じるようなことはありませんでした。義を立てることに力を尽くしたのですから、明日はより堂々と生きていけるでしょうね。 |
| 戦闘敗北 | …これでは、凡人だった過去の日々と何が違うというのか。…昇る朝日に顔向けできませんね。 |
人格/ドンキホーテ/黒獣-未
| 人格獲得 | そなたら…本当に暑いと申すのだな…? 当人はうぅぅ、今にも凍えしにそうなのだが…へっくし! |
|---|---|
| 朝の挨拶 | そなたら、知っておるか? 真っ暗な夜よりも…ふうう…今まさに日が昇るこの瞬間が一番冷えるのだ…。そろそろ少しは暖かくなるかと思っておったのだが、うぅ…。 |
| 昼の挨拶 | 何故ここを見てもあそこを見ても決まって冷たい食べ物ばかり売っておるのであろうか。…はあっ! この匂いは…! いぃや、この季節、この天気にクジラパン売りが出ておるとは! お、おおかねが…。そ、そなた。余っている小銭少しありませぬか? |
| 夕方の挨拶 | うぅむ…夜は冷えるな…こういうときは、温い布団にぐるぐるくるまって隅っこで眠るのが一番…あっ…出ねばならぬのか…? わ、分かったのだ…支度しよう…。その、布団がちょうどいい具合に温まっておって…もう5分…経ってから言っては行かぬか? |
| 対話1 | そのだな、昔はな…? 当人もあちこち駆け回って、旅なんぞをしてきたことがあった気がするのだ。初めて見る場所にもいってみたり…恐ろしいと聞く猛獣にも…。うう! 未丸で角が生えたあの日から、どうにもこうなってな。いったい当人は、あれほど恐ろしいことをどうやって平然とやっていたのやら…。 |
| 対話2 | 我らの役目は、行く手を塞ぐあらゆる物を打ち壊して道をこじ開けることにあるのだが、ふぅ…そんな恐ろしいこと、素面でどうしてできようか。必要とあらば、轡を握る主君様が我らの首輪をぐいと引いてくださる。するとまるでなにかに追い立てられるようにそわそわし始めてな…目の前にあるものなど…何一つ怖くなくなってしまうのだ。 |
| 対話3 | …はっ!? し、失礼した…。少し気を抜くと、隣りにいるものを角で突き飛ばしたくなってしまってな…。そ、その…頼みがあるのだが。大きな麻袋に藁いっぱい詰め込んで、持ってきてはくれぬか? こ、これがな…いったん始まってしまうと止めるのが難しく…下手をすればそなたを突き飛ばして足の骨を追ってしまうやもしれぬ。た、頼むぞ! |
| 同期化後の対話1 | 背中が…ぞくりとする…。はやく、はやく…! あやつらを突き抜いて、前へ進まねばならぬ!さぁ! 衝破角、前へ! |
| 同期化後の対話2 | はぁ…戦闘中には、目の前がよく見えぬな。前でそんなふうにゆらゆらしておると、つい、つい突き飛ばしたくなってしまうゆえ、気をつけるのだ! |
| 放置 | 皆…ドコへ行かれたの? うぅむ、ひとり、ひとりでいると心細いのだが…。ロシナンテ…? 当人に何か面白い話でも聞かせてくれたまえ…。 |
| 同期化進行 | 引き返す必要はない! さぁ、前へ駆けてゆくのだ! 未の群れが、そなたらの行く手を阻む全てを粉々にしてしんぜよう! |
| 人格編成 | ううむ、未の出陣であるか…。うっ、寒い。 |
| 入場 | ふぅ…行きまするか! |
| 戦闘中の人格選択 | 征くぞ!!! |
| 攻撃開始 | 初戦、粉砕! |
| 敵混乱時 | 頭がくらくらしておろう! |
| 混乱時 | ぐぅっ…。 |
| 敵討伐 | がらがらと崩れ落ちているぞ! |
| 本人死亡 | はっ!? あ、あぁ…当人…死んでしまうのか? |
| 選択肢成功 | あぁっと…その、上手くいったか? |
| 選択肢失敗 | ひっ!? こ、こ、これはすまぬ…。 |
| 戦闘勝利 | ふう、ふう…もうじっとしていても良いのだろうか? も、もう追っては来ぬのか…? ふう、肩もじんじんして…どれ…うわっ!? こ、こんな物を当人がなぎ倒して進んできたというのか…! |
| EX CLEAR戦闘勝利 | さあ! 羊の群よ! 止まるでない! 立ち止まった瞬間、食いちぎられてしまうぞ! そなたらの、当人のこの分厚い角を信じて、前へと駆け抜けるのだ! |
| 戦闘敗北 | そこの…まだ当人の視力が戻っておらぬものでな、あちらの方に積み上がっておる死体は敵なのか、それとも…。ああ…そうであるか。それは…悲しくて、恐ろしいことでもあるな、うむ…。 |
人格/良秀/黒獣-卯
| 人格獲得 | まだ定められた時期じゃないんだし…この高・煙くらいは最後まで吸い切ってもいいだろう。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 阿呆どもが慌ただしく動き回っているのを見るに、熟睡する時間か。…知らなかったのか? 兎は元々夜行性だ。 |
| 昼の挨拶 | 今のうちに一本吸っておかないと、あとで煙草をくゆらせる暇もなくなるからな。 影にじっくり漬け込まれた獣どもを呼び寄せるつもりじゃないなら、夜の空気は綺麗な方が良いだろう。 |
| 夕方の挨拶 | 月が傾いた。飛び跳ねる時間か…。ふっ、楽しみだな。今日はまた、どんな血祭りが繰り広げられることやら。 |
| 対話1 | R社の兎と比べるのは、耳の遠い愚か者のすることだ。 根は同じかもしれんが、あいつらと俺たちとでは、食んできた草から違う。 |
| 対話2 | …卯も黒獣も、俺を示す名にはならない。呼ぶときは良秀と呼べ、主君。 |
| 対話3 | 芸術も解さないつまらない兎どもだが、無駄口を叩かぬ会話の短縮は気に入っている。命令さえ守れば、俺のすることにあれこれ口出しする者もいないからな。 |
| 同期化後の対話1 | この武器に刻まれた文字は、ただの飾りじゃない。Q社の呪縛が込められた逸品だ。 …だからといって俺の刀と比べるほどではない。この刀には…何物も及びはしないからな。 |
| 同期化後の対話2 | よくあることだ。昨日まで同じ飯を食らっていた獣が、今日は仇敵の轡(くつわ)を噛まされてるのも、今日まで忠誠を尽くしていた主君が、明日には喰らい尽くされる獲物になるのも。 |
| 放置 | 主君。黒毛の獣は昔より信じるなと言われている。肝に銘じるように。 |
| 同期化進行 | 信じていた獣に喉笛を噛み裂かれる気分はどうだ?ゆっくり話してみろ。急かしたりはしないからな。 |
| 人格編成 | やっと呼んだか。尊命。 |
| 入場 | 飛び跳ねる時間。 |
| 戦闘中の人格選択 | もっと処理する獲物でもあるのか? |
| 攻撃開始 | 黒獣 卯、飛び跳ね準備。 |
| 敵混乱時 | はっ。まだ死ぬなよ。 |
| 混乱時 | チッ。ちょっとだけ待てよ…。 |
| 敵討伐 | ふん、価値なし。死ね。 |
| 本人死亡 | あぁ…チクショウ。楽しい…時間だったってのに。 |
| 選択肢成功 | 暇潰しにはなるな。 |
| 選択肢失敗 | こんなことで、黒獣の時間を無駄にしたのか? |
| 戦闘勝利 | つまらん狩りだった。無駄に長引いたせいで血痕がだらだらと広がって、なんの美しさも残らん*5かったな…。チッ。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | いいぞ…。生動感あふれる、いい空間になった。次の獲物もこうならいいんだが。 |
| 戦闘敗北 | 逆に狩られるとはな…。逆説的なことが嫌いなわけじゃないが、あまり…愉快じゃないな。 |
人格/ホンル/鴻園の君主
| 人格獲得 | 鴻園の最も高い場所からは…大観園がこんな風に見えるんですね?ふふ、さて…うわべを取り繕うのは終わりだ。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | あまりにも長い時間でしたね。毎朝お婆さんにご機嫌伺いの挨拶をして、千からびたご老人方にニコニコ笑いながら愛嬌を…。はぁ、振りまいて。これ以上、そうはならないはず。 |
| 昼の挨拶 | 楽しかった日も、嬉しかった日も、あの日見たおぞましいものを忘れるために全部埋めたさ。今になってそれを掘り返したところで何も残ってなく、がらんどうでしかない。腐り膿んで光を失った俺の眼高(がんか)のように。 |
| 夕方の挨拶 | 夜になると目がズキズキするから、神経を逆撫でするなと命令したはずだが。…出ていけ。こんな失敗で首を斬るにも、既に鴻園に積み上がった死体の山が天井を突き破ってもなお余るほどだ。 |
| 対話1 | この先、大観園のご老人というものが面倒を見る家主はいない。鴻園を牛耳っていた四大家門の名も全て地に堕ちるだろう。これからは…俺が鴻園を治める唯一の君主だ。 |
| 対話2 | この包帯がそんなに…気になるみたいですね。ふっ。あのですね、最初からこんなに紅くはありませんでした。ただ平凡な包帯を巻いていたんです。でも…しきりに眼窩(がんか)から黒くて臭い、汚れた血が出てくるんだ。止まりもせず、せき止めることも出来ず。だから常に…紅いんだ。 |
| 対話3 | あぁ…あんたたちまで入れれば、十二黒獣が全部集まったんだろう。最初から反抗せずに俺の話を聞いてればよかっただろ。無駄に黒獣の数だけが減っただろ…。明日は直接黒獣仙人にお会いしないとな。お前らの筆頭とかいう奴らとは本当に「話」にならないから。 |
| 同期化後の対話1 | あの日、コン家が滅した日。憎らしい玉(ぎょく)を俺の手で抉り取ると、翡翠色の布が紅く染まったな。ジア家の宝玉を取り除いたところからは、紅い涙が止め処なく流れたのさ。…紅露(ホンル)。だからホンルだ。 |
| 同期化後の対話2 | 鴻園に以前のような四大家門は存在しない。お前たちは無数の群衆の一員に過ぎず、君主でない者は誰の上にも立てない。選べ。家門の名の下に没落するか。鴻園の意の下で繁栄するか。 |
| 放置 | …影に隠れていれば俺が気付かないとでも思ったのか。ふぅ…こういうのも嫌気がさすな。 |
| 同期化進行 | 各筆頭は聞け。お前たちの主君は今、いたく…不快の念を抑えきれずにいる。この者たちに教えろ。君主へ叛逆の刃を掲げる者、どのような結末を迎えるか。 |
| 人格編成 | 君主自ら出ようじゃないか。 |
| 入場 | 俺の命を受けた十二獣、結集だ。 |
| 戦闘中の人格選択 | 血で治めよう。 |
| 攻撃開始 | 獣たちの轡(くつわ)を解こうぞ。 |
| 敵混乱時 | たかがこの程度の濁流に喘ぐか…。 |
| 混乱時 | …無礼だな。 |
| 敵討伐 | お前は、青を芽吹かせることも叶わぬだろう。 |
| 本人死亡 | 過ぎてきた道を思い返せば…これもまた…俺が歩くべき道…なんだろう。 |
| 選択肢成功 | 知っていることに知らぬ振りは出来ないからな。 |
| 選択肢失敗 | 知らぬことを知っていると言ってはならなかったか。 |
| 戦闘勝利 | 黒獣、その勢を退け。大観園の害虫たちはここまでだ。ただ命を保とうと震えながら這う憎らしい者ども。そのまま…鴻園の土台にでもなれ。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | また一筋、道を残したか。血に濡れた道でしかないが…歳月が過ぎれば鴻園はそのときようやく知るだろう。このホンルが何を変えたのか。 |
| 戦闘敗北 | 昔から一度に事が進むことはなかったな。大観園を出て行ってからはいつも、常に。だが、上手くいくときまで血を流して殴り合えばいいだけの話だ。俺に死ぬ覚悟なんて腐るほどあるからな。 |
人格/ヒースクリフ/黒獣-酉筆頭
| 人格獲得 | くぅぅ…!ようやく許しが降りたぞ!闘鶏!全員爪を出せ!今夜は飽き飽きするまで戦い続けんぞ!砂場に餌がなくなるまで…! |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 一生オレたちの首でもへし折っとけ。だからって朝日が昇らねぇとでも思ってんのか?どれだけ足掻こうが、テメェらは死ぬんだよ。朝が来るみてぇに当たり前のことさ。 |
| 昼の挨拶 | 次は…お前と、お前。いつも通り、昼メシは手合わせして勝ったヤツだけが食う。分かったか? …ああ。前みてぇに最後まで残ったヤツはオレとヤるぞオレも楽しませてもらわねえとな。飯は負けてもくれてやるから、悔しがる必要ねぇよ。 |
| 夕方の挨拶 | …んあぁ。お、来たか。暗くなるとさぁ、やたら眠くなんだよな。どっかで景気よく羽でもバサッと打ち鳴らせりゃ、頭に血がドッと上って目も覚めんのによ。 筆頭にもなったってのに、カッコ悪くこうやって待機ばっかしてなきゃなんねぇのかよ…ちょっと…ムカつくな…。 |
| 対話1 | たまに…昔のこと思い出すんだよな。オレがどうして黒獣になろうなんて思ったのか。その中で、なんで酉丸を選んだんだったか…そういうヤツ。 確か、出世したかったはずだけど…。まぁ、鳥頭どもの上に立ってるんだし、出世っちゃ出世か。 |
| 対話2 | オレらは単純だ。鶏小屋の扉を開けて砂場を敷いてやりゃ、誰かがくたばるまでぶっ殺し合う。筆頭ってのも大したもんじゃねえぞ。オレがただ、そこで一番上手く戦ったんだ。くたばらずにな。 |
| 対話3 | 酉丸は人間をケンカしたくて狂いそうにしちまうのが副作用でな、たまに制御が効かなくなって命令もなしに鳴き喚くヤツらが出てくんだよな。けど、あのジジイどもは丸をもっとマシにしようと思っちゃいねぇ。 何言いてぇか分かっか?元から物量で戦うヤツらだし、使うだけ使って減った分は補充すりゃそれで終わりってわけよ。どうせすぐ壊れるモンだし、直す努力が要るかって話だ。 |
| 同期化後の対話1 | あぁ…そこそこよく我慢してるつもりだったんだがな、テメェらウサギ野郎ども…ウチの砂場に勝手に飛び込んできたってことはよ…。 ウサギ串にしてやっても文句ねぇってことだよなぁ!? |
| 同期化後の対話2 | 二匹、六匹…!なんだよ…もうおしまいか?羽を打ち鳴らしてやるついでに、我を忘れるほどに啄んで食ってやろうと思ってたのによ…! くぅぅ…おい、お前らオレの視界に入ってくんな。向こうでやり合ってろ。今の調子だと、腹いせでテメェらまで啄み食いかねねぇかんな。 |
| 放置 | ふあぁあ…。おい、できればヒマな時は頭空っぽにしとけ。無駄に頭転がすから、いちいちケンカしたくなってくんだよ…分かったか? |
| 同期化進行 | 東が明るんでも、オレたちが黙ってることに感謝しな…鶏鳴ただ、轡を握る主君の「鳴け」って一言でのみ許されるからな。 |
| 人格編成 | なんだうお…主君が、お呼びか? |
| 入場 | はっ…ちょっと腹でも満たしに行くか! |
| 戦闘中の人格選択 | 横に立つな。ブッ殺すぞ。 |
| 攻撃開始 | ツメ立てろ! |
| 敵混乱時 | なんだ、もうぶっ倒れんのか!?味気ねぇな…。 |
| 混乱時 | キヒッ、いいな面白ぇじゃねぇか! |
| 敵討伐 | 一匹啄み喰ってやった!次、つぎ! |
| 本人死亡 | はぁ…今日は気を…抜きすぎたか。まぁ…結局はこうして斃死(へいし)する…運命だったってこった。 |
| 選択肢成功 | かろうじて…ケンカしたくなんのを我慢して、やったんだぞ。分かってくれよな。あぁ? |
| 選択肢失敗 | すっこめろ!久々の戦場だってのに…。 |
| 戦闘勝利 | これで、終わりか!?残りのヤツらはどこだ。どこ行きやがった!?もっろぶっ殺してやらねえと気が済ま…スゥゥッ…。いや、我慢だ。我慢しねえと…。ふぅ…次のケンカがあるはずだからよ…。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | あぁ…チッ、だからなんで前に飛び出してくんだよ。もう殺すのが残ってねえから、腹いせに殺しちまっただろ。はっ、なんだよ。お前らもちょっと物足りねえみたいだな…?いいぜ、まとめてかかって来い!! |
| 戦闘敗北 | 主君!!!ここでトンズラこけってのは本気ですか?!やっと、やっとあの情けねえ鶏頭どもの首がまとめて飛んでって、オレがちょっとは楽しめそうだって思ったのによ、えぇ!? あああぁぁ、クソッ。逆らうわけにもいかねえし…。 |
人格/イシュメール/家主候補
| 人格獲得 | 秋を耐え抜く花はないと言いますが、どういうわけか、鴻園は何一つ変わっていませんね。ああ、道は昔と違うかな。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 結構騒がしい夜だったのに、太陽の下を平然と歩いて出てこられるとは…運が良かったみたいですね。 でも気を付けた方が良いと思いますよ。昼になったからといって、あなたの命を狙う暗手が消えるわけではありませんし。 |
| 昼の挨拶 | 倉庫が満ちて礼節を知るとはいえ、食費を節約する必要はありません。そんなはした金より、勢家の士気と状態の方がもっと重要ですし。 |
| 夕方の挨拶 | はぁ…明かり一つなく暗いのを見るに、今日から足を伸ばして寝るのは無理そうですね。夜の招かれざる客が何人になることやら。 |
| 対話1 | 鴻園の家主候補者ジア家のイシュメール。手掛かりを見つけて鴻園に戻りました。え…何か変じゃないか、ですか…? …何が変だって言うんですか。私は生まれたときからジア家で生きてきたので、ジア氏なのは当然のことじゃないですか。 |
| 対話2 | 中途半端な結果物じゃ御目に入るのは難しいでしょうけど、レーテーの川の水ならきっとジア・ムー様も注目なさるでしょう。 あの深い場所の川から何かしら持ってきた候補者は、きっと私だけでしょうから。 |
| 対話3 | 家主になりたい理由ですか?それはもちろん…うーん。考えたこと…ありませんでしたね。幼い頃から家門の大人たちが望んでいたことだから?ジア家の一員として生まれたから? 審査が終わるまでには見つけたいですね。家門とは関係なく私が決めた、家主になりたい理由を。 |
| 同期化後の対話1 | 裏路地から変な歌声が聞こえてくるのを見るに…そろそろ戻って来られそうですね。 あの不吉な歩みがこちらに向かってこないことを祈っていますけど…候補者である以上、どこかでぶつかるしかないでしょう。 |
| 同期化後の対話2 | 家主審査では黒獣はとても強力な札ですが…正当な後ろ盾がない立場なもので。黒獣の轡(くつわ)は2回しか握れませんでした。 一度目は■■■*6を解放するために轡を手放して、二度目は…ふぅ…。他の家門の世間知らずのせいで呆気なく失いました。 |
| 放置 | …言うことがあるなら早く言ってください。焦れったく黙って立っていないで。 |
| 同期化進行 | 歓迎の宴には顔も出さなかったかと思いきや…私の首を刎ねにわざわざ暖香塢(ヌアンシャンウー)までお集まりになったんですね。 |
| 人格編成 | うむ。見る目はありますね。ここで私ほど有能な人材はそういませんから。 |
| 入場 | ふぅ…準備通りにやれば…。 |
| 戦闘中の人格選択 | 不必要な関心は遠慮します。私は静かなのが好きなので。 |
| 攻撃開始 | 時間を掛けるまでもなく、全て片付けてしまいましょう。 |
| 敵混乱時 | ふん。お粗末だこと! |
| 混乱時 | くっ!一体どんな策略を…。 |
| 敵討伐 | 試みは良かったです。 |
| 本人死亡 | 春ひとつ…なんと短いことか…。 |
| 選択肢成功 | これくらい、隠しから物を取り出すより簡単ですよ。 |
| 選択肢失敗 | …ちょっと待ってください。もう一度やってみます。いやだから、もう一度やってみますってば? |
| 戦闘勝利 | たかだかこの程度の勝利で喜ぶつもりだったなら、家主審査には参加すらしなかったでしょうね。 まあ…こうなったついでに、もう少し手伝ってくださいよ。私が家主になった暁には、その礼は何倍にもしてお返ししますから。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | はっ、こんな簡単になんとかなるとは想像すらしてなかったのに…。勢家たちに銀子を配りませんとね。こんなめでたい日には紐を少し緩めても問題ないでしょう。 |
| 戦闘敗北 | …為す術もなくやられたって…?私の…勢家が…?…ふぅ。…その、な…何でもないです。私の準備が…足りなかったせい…でしょうね。 |
人格/ロージャ/黒獣-巳
| 人格獲得 | 命じられた任務も全て果たした…忠義も尽くしたというのに…どうして…私じゃないの? |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 夜が明けたから、主君に報告しに行かなきゃ。ふふっ、今回もたくさん褒めてもらえそうだね。 |
| 昼の挨拶 | 巳丸(ワン)を食べてから、何を食べてもどうも味気なくてねぇ…。それでも、食感の良い食べ物を食べるのはやっぱり楽しい気がするね。 |
| 夕方の挨拶 | 私は夜が好きなんだよね。あれこれ任務も多いし、たまたま敵の襲撃でも防げたりしたら…。偉いお方の目に留まる絶好のシチュエーションだからね~。 |
| 対話1 | 知ってる?黒獣の所有権がまだ多く残っているときに、それを放棄したり、それに見合った対価を支払ったりすれば…その黒獣の一員のうち、一人を黒獣から解放してあげることができるんだよ。この没個性な黒い獣から逃れられるってことなの…。 |
| 対話2 | 黒獣は人にあらず、主君に忠誠を尽くすもの。飽きるほど聞いた話なんだよね。でもね…殻を脱ぎ捨て、もっと輝くためには…人に忠誠を誓わなきゃいけないんだ。そうしてこそ私に目を留めて、連れ出してくれるだろうから。 |
| 対話3 | 気味悪いし、醜いでしょ?時間が経てば、今よりもっと酷くなるだろうね。だんだん他の巳たちみたいに、黒獣みたいに、全てに対して無感覚になってくんだろうね。 |
| 同期化後の対話1 | だ、大丈夫。夜にじっくり考えてみたんだけど、黒獣のままでいるほうがマシかなって。下手に選ばれて出て行ったって、どうせ陰謀に巻き込まれて早死にするし? それに、この前の主君はどうもイマイチだったでしょ。仕えるにも…私は、あの主君にはもったいなかったよね。 |
| 同期化後の対話2 | 家主候補者たちは、自分がこの世で一番不幸だと思ってるみたい。名家に生まれて、絹の服を着て、食べたいものを好きなだけ食べてる癖に、何がそんなに不幸なんだろ。 毎日のように命が脅かされてるのは、ボロをまとって腹を空かせてる裏路地の人間だって同じでしょ。 |
| 放置 | これで80…もう少しやれば獣として生きるのも終わるはず。 |
| 同期化進行 | 見えた?見えないはずなんだけど…しなる巳は音よりも速いからね。 |
| 人格編成 | 待って!今回の任務は私が出るよ。良いよね? |
| 入場 | こういう任務は巳の中でも私が一番でしょ~。 |
| 戦闘中の人格選択 | 呼んだ、主君?必要な仕事があればいつでも言ってね。 |
| 攻撃開始 | 首をガブッと噛んじゃえ。 |
| 敵混乱時 | あら、ビックリした? |
| 混乱時 | うっ…。 |
| 敵討伐 | 隙だらけだね。 |
| 本人死亡 | 私は…何のために…今まで、主君を…。 |
| 選択肢成功 | 見た?こういうのは他の巳たちより私の方が上手だって。 |
| 選択肢失敗 | これは…些細な失敗だって。次は絶対成功するから。 |
| 戦闘勝利 | よし。これで成功した任務が90を超えたね。個人的な頼みごとも全部聞いてあげたし…。ここまでやれば、さすがに主君も私を大事な腹心だと思ってくれるんじゃないかな? |
| EX CLEAR戦闘勝利 | この前約束したの忘れてないよね、主君?あれだって~。任務を100回成功させたら…。 主君?まさか、もう所有権を使い切っちゃったの…?嘘でしょ…こんなの、約束と違うでしょ! |
| 戦闘敗北 | …今回の主君もダメだったか。まぁ。最初から芽も微妙だったしね。次の主君に上手く尽くせば良いんだ。そしたらいつか…。 |
人格/シンクレア/黒獣-酉
| 人格獲得 | 主君よりご下命を賜りました。いよいよ…鴻園に群がる害虫を突き穿ち、抉り抜く時がきたということです。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 止まり木に座ってうとうとしているのは…退屈すぎます。新しき主君が一日でも早く我々闘鶏をお呼びくださればいいのですが…。 |
| 昼の挨拶 | 空腹よりも…この滾(たぎ)る闘志を鎮めねばなりません。任務がないなら、他の闘鶏と喧嘩…いや、対練をしてでも…。 |
| 夕方の挨拶 | 使鶏司夜。夜となれど、それを世間に隠す必要がないのなら…その夜は我ら闘鶏にお任せください。蛇や兎よりは。 |
| 対話1 | 西丸が身体に染み込んだ瞬間から、我々闘鶏は戦いを求めて彷徨う他ありません。血が飛び散り炎が舞う戦場、そこで羽を振るうことだけが!…人生の唯一の愉しみとなるのです。 |
| 対話2 | 十二黒獣はそれぞれ違う理由で畏怖の対象となっていますが、中でも権力とは無縁の平凡な鴻園の住民にとって最も不吉な存在は、我々闘鶏でしょう。 我々が列を成して大路を歩くというのは、すなわち鴻園のどこかで全面戦争が始まった合図なのです。 |
| 対話3 | 任務が始まれば、我々は小さな音一つ、不気味な影一つ。何一つ見逃さず飛びかかります。だから…各自距離を取ってください。 戦場の熱気の中では、同じ闘鶏でない限りひとりひとりを見分けている暇はないから。 |
| 同期化後の対話1 | 僕の動きが軽薄に見えますか?一度でも多く斬り、ひとつでも多くの首を取れるのなら…どう見えるかは重要ではありません。 ただ速く斬り、斬り、また斬るために腕を振るうだけ。 |
| 同期化後の対話2 | 血炎刀には刀身がない代わりに、H社の特殊な油が流れています。だから血と武器が触れ、その摩擦で炎が立ちのぼるとき、血炎刀ははじめて形を得るのです。 |
| 放置 | …我々は眠っている間も警戒を緩めませんので、ゆっくりお休みください。 |
| 同期化進行 | 悔やむことはありません。あなたがここで死ぬのは、運が悪かったからでも、主君の不興を買ったからでもない。ただ…あなたが途方もないくらいに弱かっただけだ。 |
| 人格編成 | 主君が…餌をお撒きになったので。 |
| 入場 | 止まり木から降り、戦場へ。 |
| 戦闘中の人格選択 | …ご用心を。戦場で田舎鶏のようにきょろきょろしていると、血が滾った闘鶏についばまれて喰われますよ。 |
| 攻撃開始 | 翼を広げ、爪を掛ける。 |
| 敵混乱時 | 追い込んだ、もう逃れられない。 |
| 混乱時 | …ぺっ。 |
| 敵討伐 | …殺した。次はどこに…。 |
| 本人死亡 | 東が明るむまでは…この戦場に残っていたかったのに…。 |
| 選択肢成功 | …熱くなる間もなく終わりましたね。 |
| 選択肢失敗 | 戦場の熱気に酔いすぎたのやも…。 |
| 戦闘勝利 | この程度では主君の御望みを果たし切れません。さらに畳みかけ、さらに燃え上がり、羽を広げねば。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | 家門一消。餌さえお撒きくだされば…。我ら闘鶏は、主君が忌み嫌われるいかなる虫も、砂場に残しません。闘鶏が役に立つことは証明しました。ですから、主君。どうか我らが羽を振るう次の戦場を…。 |
| 戦闘敗北 | 爪が砕け…翼が焦げ…肉が裂けても…。残る息が尽きるまで…もっと…もっと…戦って…!かはっ…。 |
人格/ウーティス/黒獣-卯
| 人格獲得 | 兎に付ける名はない。私はただ、何者でもない影の中の獣に過ぎぬゆえ。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | お呼びでなければ、私は陽の差す間は存在しないも同じ存在であります。主君におかれましては、主君の執務に専心なされませ。 |
| 昼の挨拶 | 午餐の用意ができたとのことです。ご指示どおり、食事中に起こりうる衝突に備えて、私は日陰に身を潜めておくことにいたします。 |
| 夕方の挨拶 | 各自、配置につきました。ほんの小さな合図をいただければ、兎の群れが月光をすべて覆い隠しましょう。敵が目にする光も、それが最後となりましょう。 |
| 対話1 | 僭越ながらご忠告申し上げますが、我らを道具として側に置けども、心は遠くに置かれませ。影に生きる獣は、ただ主君として定められた者に忠を尽くすのみ、人に忠誠を誓うものではないが故に。 |
| 対話2 | 一人が死んでも、二人目が現れて相手するでしょう。たとえ捕らえられても、我らはただ消えるのみ。主君の言葉を聞いたことも、主君の行いを見たこともない身です。 |
| 対話3 | 他の黒獣には興味がありません。すでに彼らについて、必要な情報はすべて心得ておりますゆえ。主君がいくつの黒獣の群れを操り、それぞれが誰であるのか…私にお伝えいただく必要はございません。たとえ耳にしたとしても、それは一瞬の影絵芝居に過ぎず、私は再び、それを知らぬ者へと戻りましょう。 |
| 同期化後の対話1 | 主君、この場は終わったようです。他の兎たちは、この建物にまだ齧るべきものがないかと周囲を巡っております。 命ずることがなければ退きますが…念のため、潜む獣がいないか注意深く見張っておくことにいたしましょう。 |
| 同期化後の対話2 | 夜陰の地は、獣にとって最も優位な立場を持てる空間だ。 …分かったか?兎がお前を見つめたそのときから、お前の命運は既に尽きていたのだ。 |
| 放置 | ……。 |
| 同期化進行 | 指示された敵は処理いたしました。次に飛び跳ねるべき場所をご指示くださいませ。 |
| 人格編成 | 拝命いたします。 |
| 入場 | 夜陰に紛れて。 |
| 戦闘中の人格選択 | 主君自らお越しになるのは…いえ、どうぞ仰ってください。 |
| 攻撃開始 | 斬り捨てん。 |
| 敵混乱時 | 哀れに泣き叫ぶか。 |
| 混乱時 | …くっ。 |
| 敵討伐 | これにて終わらせよう。 |
| 本人死亡 | 私が…死んでも…卯は…。 |
| 選択肢成功 | 簡単な命令です。 |
| 選択肢失敗 | …この仕事により適した兎を探しましょう。 |
| 戦闘勝利 | 命を果たしました。たとえ卯の損失は大きかったとしても、お気になさる必要はありません。失われた分だけ、卯は再びその姿を現すでしょうから。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | 影が彼らを覆いました。掃除屋が通り過ぎて空が明るめば、死んだ者の痕跡を求める者が訪れようとも、何ひとつ知ることは叶わぬでしょう。陽が差せば、影は消え去りますが故に。 |
| 戦闘敗北 | 私の失敗は黒獣の失敗ではありません。私もまた、数多の獣の中のひとつである、何者でもない者に過ぎません。じきに、この失敗を覆うための別の獣の群れが現れるでしょう。 |
人格/グレゴール/黒獣-巳
| 人格獲得 | こんくらいなら人間の腕だろ、まぁ。俺はてっきり、今回の施術で両腕とも巳になっちまうかと思ってたんだよな。 |
|---|---|
| 朝の挨拶 | 夜通し使ったんなら、朝ぐらいは休ませとかないと。今度の主君は、朝っぱらから何度も呼び出してくるんだよなぁ。 まあ、契約して間もないから分からなくても仕方ないか~。そのうち大事にしすぎて、いざってときに使いそびれるだろうなぁ。 |
| 昼の挨拶 | 最初は煙草をやめたストレスのせいで皮と骨だけになったのかと思ったけど、このガリガリの身体って巳丸(ワン)の効能だったんだよな。 慣れとかないとな~。見た目は酷いけど、任務中にはこういう痩せっぽちの身体が役に立つんだ。 |
| 夕方の挨拶 | この時間になると、大観園はほんと静かなんだ。こんな居心地のいい立派な屋敷で…安らかに眠ることもできずに息を殺してるなんてさ。黒獣も黒獣だけど、主君もなかなかロクなもんじゃないみたいだな。 |
| 対話1 | まあ…黒獣にもそれぞれ役割に違いがあるから、巳はやっぱり柔軟な方が良かったんだよな。考え方にしろ、処理方法にしろ。こっそり片付けなきゃならない俺たちが、後先考えず突っ込んでいく闘鶏みたな真似してちゃ、上手くいくもんも上手くいかないからな。 |
| 対話2 | この、腕がぐんぐん伸びるやつ…相手からしたらかなり厄介だろうな。 距離感が掴めないのはもちろん、いつどの方向から攻撃が飛んでくるか、まるで読めないだろうからな。 |
| 対話3 | 黒獣は、鴻園の恩讐から一歩引いたところにいるんだ。おかげで任務を遂行するとき、余計なしがらみがないんだ。 恨みってのは…近くにいる相手に対して抱くもんだろ。ふいにサッと現れてすぐ消える見知らぬ道具にまで恨みを持つのって、流石に変だろ? |
| 同期化後の対話1 | 鴻園にいる一族という一族は、全部仕えたことがあるんだ。滅門したコン家も、どん底を這っていたシー家も、強盛を誇るジア家も全部。 そう考えると、俺もずいぶん長く生きてきたもんだよなぁ。そろそろ死にどきかと思ってたら抜け殻が脱げて、また生き返っちゃったからな…。 |
| 同期化後の対話2 | 長く生き残ったけど…大した意味なんかないんだ。生きることにも段々心が動かなくなってきて、死ぬなら死ぬんだ、生きてるなら生きてるんだ、ってなる。そのうち、それ以上削ぎ落とす感情すらなくなったら…その瞬間こそが死の始まりなのさ。他でもない、そういうことだ。 |
| 放置 | …いつの間にか主君が命令を下したのか?まったく…それじゃこうしてぼんやりしてる場合じゃないな。さっさと行こうぜ。 |
| 同期化進行 | 目をキョロキョロさせって無駄だ。もうとぐろを巻いてるってのに、どうやって逃げるつもりだ? |
| 人格編成 | …どこからか巳が這う音が聞こえてこないか? |
| 入場 | この経路は…忍び込むには悪くないな、ああ。 |
| 戦闘中の人格選択 | とぐろを巻いた巳の近くには来るなって言っただろ。 |
| 攻撃開始 | さぁ、どっちから来るかちゃんと考えてみろよ。 |
| 敵混乱時 | これは予想できなかったみたいだな? |
| 混乱時 | はっ…。 |
| 敵討伐 | 綺麗に噛めたな。 |
| 本人死亡 | ふぅ…来るっちゃ来るもんなんだな。 |
| 選択肢成功 | 難しいことないって言ったろ、主君。 |
| 選択肢失敗 | 始まりは良かったけど、巳尾だったな。 |
| 戦闘勝利 | 数人逃しはしたけど…呪殺毒を受けた以上、長生きはできないだろうよ。このくらいなら主君も満足なさるだろうし、帰ろうか。 |
| EX CLEAR戦闘勝利 | これなら…今回の主君と決別する日もそう遠くないか。最後まで丁寧に使ってくれそうだから未練はなさそうだけどな。 |
| 戦闘敗北 | しばらくは頭を下げて這いつくばるしかなさそうだな。無理な任務でもないのに失敗したんだし、今回の主君とは長い付き合いになりそうだな? |
固有バフ・状態異常
| 脚力【卯】 | 最大値 : 3 ターン終了時、次のターンにクイックを5得る ターン終了時に1減少 | + | |
| 呪殺【迅速】 | 基本値 : 3 速度が10以上の対象に攻撃スキル*7でダメージを受けて破裂が発動するときに1減少、自分の破裂回数が1増加 数値が0になるとき、(破裂威力)だけ暴食属性ダメージを受けて消滅 ※この効果は更新されない | - | |
| 巳腕 | 最大値 : 3 ターン終了時、次のターンに呼吸3を得る、呼吸回数が2増加 基本攻撃スキル使用時、対象に破裂があるなら呼吸5を得る ターン終了時に1減少 | + | |
| 呪殺【毒】 | 基本値 : 5 呪殺 対象にクリティカルダメージを受けて破裂が発動するとき、1減少 バフ効果によって減少するとき、攻撃レベル減少1または防御レベル減少1を得る(1ターンにつき3回発動) バフ効果によって*8減少するとき、数値が0なら(破裂威力)だけ暴食ダメージを受ける ※この効果は更新されない | - | |
| 天究星刀 | 最大値 : 20 数値が10以上なら、ターン終了時に次のターンにてクイック1を得る 特定のスキルに使用される | - | |
| 呪殺【破】 | 基本値 : 3 自分に呪殺がある状態で破裂が発動するとき、数値が1減少して次のターンに束縛1を付与 ・この効果が発動するとき、自分に次のターンにて付与される束縛が3以上なら、束縛を付与する代わりに数値が2減少 | - | |
| 援護防御 | 最大値 : 3 味方が敵に一方攻撃されるとき、数値を1消耗して敵の攻撃対象を自分に変更し、援護防御専用スキルを使用 援護防御を保有する味方が複数名いるなら、最も高い数値を持つ味方が優先して発動 守備スキルを装着した味方には発動しない ターン終了時に消滅 | - | |
| 崩壊の印 | 最大値 : 1 暴食属性スキルによる被ダメージ量+10% 呪殺によるダメージ量+10% ターン終了時に除去 | - | |
| 始 | 最大値:6 自分が戦闘に参加したターン数 退却時に除去される ターン終了時に1増加 | - | |
| 待 | 最大値:3 待機解除または復帰するときまで自分が待機、退却状態だったターン数 | - | |
| 援 | 最大値:1 対象のマイナス効果が5種類以上なら、マッチ威力+1,ダメージ量+10% | + | |
| 戦闘退却 | ターン終了時、混乱状態を解除して戦闘から離脱する(強制混乱を除く、死亡処理されない) 連続戦闘の場合、退却時に待機人員へ自分のスロットを渡して交代し、大気人員リストの最後へ移動(次のターンに交代可能な待機人員がいなければ離脱する。復帰時は退却順に復帰 | - | |
| 畳み掛け | 鴻園の君主 ホンル人格と連携を実施した回数 最大値 : 2 ターン開始時、数値1につき攻撃レベル増加1、防御レベル増加1を得る | + | |
| 尊命 | この効果を付与した対象のスキル終了時、付与対象が攻撃した敵を基本スキル3で一方攻撃する。(強化スキルとして発動しない) 付与対象がこの効果で攻撃時、該当キャラクターの使用するスキルリストに影響を与えない。 スキル3を使用できる味方がいなければ、発動しない | - | |
| 黒獣丸染 | 最大値 : 11 連携を実施した黒獣によって鴻園の君主 ホンルが強化される 強化効果は重複する ・黒獣卯筆頭 ファウスト : スキルによる被ダメージ量-5% ・黒獣卯 良秀 : 自分の速度が対象よりも高ければ、ダメージ量+5% ・黒獣卯 ウーティス : 一方攻撃時、破裂回数が1増加 (1ターンにつき1回) ・黒獣巳 ロージャ : クリティカル的中時、破裂を1付与 (1ターンにつき3回) ・黒獣巳 グレゴール : 破裂ダメージを与えれば、呼吸回数1を得る (1ターンにつき1回) ※以下は本来、該当黒獣人格のパッシブに記載 ・黒獣午筆頭 イサン : 基本スキルの最終コイン的中時、1回振動爆発(1ターンにつき1回) ・黒獣酉 シンクレア : スキルで破裂威力または回数付与時、火傷1を付与(1ターンにつき3回) ・黒獣酉筆頭 ヒースクリフ:自分の基本スキルで攻撃的中時、該当する敵へ与えた暴食ダメージの5%だけ憤怒ダメージを与える ・黒獣未 ドンキホーテ:スキルで破裂威力または回数を付与時、沈潜1を付与(1ターンにつき3回) | + | |
| 死中求活 | 最大値 : 5 ターン開始時、下記の効果を適用 ・数値1につき、攻撃レベル増加1を得る (最大5) ・数値2につき、ダメージ量増加1を得る (最大2) ・数値3以上なら、攻撃威力増加1を得る | + | |
| 意に従い、斬り伏せます。 | この効果を付与した対象の攻撃スキル終了時、付与対象が攻撃した敵をスキル1で一方攻撃する。 付与対象がこの効果で攻撃時、該当キャラクターの使用するスキルリストに影響を与えない。 | - | |
| 全ての黒獣の主 | 最大値 : 11 数値1につき、毎ターン開始時に下記効果を得る ・1につき速度最大値が1増加 (最大5)、自分のスキルダメージ量+1% ・2につき速度最小値が1増加 (最大2)、防御レベル増加1を得る (最大5) ・3につき攻撃レベル増加1を得る (最大3) ・5以上ならダメージ量増加1を得て、全黒獣人格へ攻撃レベル増加1を付与 | + | |
| 護衛 | 特殊援護防御 最大値 : 1 鴻園の君主 ホンルが敵に一方攻撃されるとき、数値を1消耗して敵の攻撃対象を自分に変更し、鴻園の君主 ホンル人格の「護衛」スキルをコピーして使用 援護防御を保有する味方が複数名いるなら、最も高い数値を持つ味方が優先して使用 この効果は援護防御とみなされ、援護防御数値を計算するときに合算される ターン終了時に消滅 | - | |
| 血炎 | 最大値 : 3 自分の基本スキルで敵へ付与する火傷・破裂威力+1 このバフを保有した状態で敵を混乱または討伐したなら、精神力を3回復(1ターンにつき3回) 上記の効果が発動したとき、自分の精神力が最大値なら次のターンに攻撃レベル増加1、クイック1を得る ターン終了時に数値が1減少 | + | |
| 敵陣走破 | 最大値 : 5 ターン開始時、該当ターンの間バリア(数値×10)を得る 最大値の場合、自分の最終威力が2増加する 被ダメージ時、1つのスキルで100以上のダメージを与えたのなら該当スキル終了時に保護1を得る(1ターンにつき2回、バリアダメージを含む、キーワードによるダメージでは判定しない) | + | |
| 脳震盪 | 最大値 : 2 この効果がある間、破裂ダメージと振動爆発による混乱区間前進量が1.2倍になる(小数点切り捨て) ターン終了時に1減少 | - | |
| 脚力【午】 | 最大値 : 3 ターン終了時、次のターンにクイック2、挑発値を(数値×2)だけ得る 攻撃開始前、振動威力を数値だけメインターゲットに付与(1ターンにつき最大6) ターン終了時に1減少 | + | |
| 号令 | マッチ威力が1増加、防御レベルが2増加 ターン終了時に除去 | + | |
| 血闘本能 | 最大値 : 20 数値1につき、与ダメージ量+0.75% 数値10につき、ターン終了時に次のターンにクイック1を得る | + | |
| 破砕痕 | 暴食属性、憂鬱属性スキルで被ダメージ時に受けるダメージ量+10% 精神力がある対象なら、パニックタイプが「破砕痕」に変更される 精神力のない対象なら、マッチ威力-1 ターン終了時に1減少 この効果は加算されず、更新される パニックタイプを変更できない一部の精神力がある敵には、精神力のない対象の効果が適用される ※破砕痕パニック効果 -士気低下 : 自分のマッチ威力-1、防御レベル-2 -パニック : 自分のマッチ威力-2、防御レベル-3 | - | |
| 発角 | 最大値 : 3 自分の基本スキルで敵に付与する破裂、沈潜威力+1 ターン終了時、1減少 | + | |
| 護衛態勢 | 最大値 : 2 被ダメージ量が(数値×10)%減少 ターン開始時、自分の呼吸だけバリアを得る(最大20) ターン終了時、呼吸威力3、呼吸回数1を得て、次のターンに自分の最左端スロットの挑発値が5増加 ターン終了時、1減少 | + |
E.G.Oギフト
| + ++ | 効果 | 獲得イベント | ||||||
| NSB3 | 黒獣丸 - 卯 | 暴食 | Ⅱ | 強化 不可 | 限定ギフト:深夜清掃 BokGak(H4-5) 黒獣 - 卯所属人格がステージに初めて出場時、1ターンのあいだ速度の最小値が10に保たれる(速度の最小値が10以上なら、この効果は発動しない) 自分に脚力【卯】があるなら、基本スキルのマッチ威力+1、ダメージ量+10% | 破裂 | ||
| NSB4 | 暗躍 | 暴食 | Ⅳ | 合成 | 強化 不可 | 素材に限定ギフトを含む:深夜清掃 BokGak 合成:〈黒獣丸 - 卯〉+〈卯脚〉+〈影の編み笠〉 黒獣 - 卯所属人格がステージに初めて出場時、3ターンのあいだ速度の最小値が10に保たれる(速度の最小値が10以上なら、この効果は発動しない) 自分の脚力【卯】数値1につき、基本スキルのマッチ威力+1、ダメージ量+10% 呪殺【迅速】付与時、呪殺【迅速】のない敵2名へ追加で付与する (1ターンにつき1回、集中戦闘の場合は部位で判定) 自分の速度が対象より高いとき、スキルで付与する破裂または破裂回数を対象へ(速度差÷3)だけ追加で付与(最大3) ターン終了時、黒獣 - 卯所属なら、次のターンにクイック2を得る 自分の速度が対象より高いか一方攻撃をする場合、(速度差÷3)だけ斬撃ダメージ量+10%(最大30%) 自分の速度が対象より高いなら、(速度差÷3)につき、被ダメージ量-10%(最大30%) | 破裂 | |
| 319 | 怪文字のお札 | 憤怒 | Ⅱ | 212 | 強化 不可 | 限定ギフト:深夜清掃(NH5) 自分の攻撃スキルで破裂を持つ対象を討伐するとき、(集中戦闘の場合は部位破壊)対象の破裂威力を分けて全ての敵(集中戦闘の場合は部位)に付与する(最大2ずつ、小数点切り捨て) 自分の攻撃スキルで呪殺【迅速】を持つ対象を討伐するとき、(集中戦闘の場合は部位破壊)上記の効果の代わりに対象の破裂威力と回数を分けて全ての敵(集中戦闘の場合は部位)に付与する(最大2ずつ、小数点切り捨て) | 黒獣 | 破裂 |
| 322 | 刻み込まれた怪文字 | 憂鬱 | Ⅲ | 245 | 強化 不可 | 限定ギフト:深夜清掃(NH5) 破裂を持つ対象とマッチするとき、(対象の破裂÷20)だけマッチ威力が増加(最大2) -呪殺【迅速】を持つ対象とマッチするとき上記の効果の代わりに(対象の破裂÷15)だけマッチ威力が増加(最大3) 呪殺【迅速】効果でダメージを与えるとき、(呪殺【迅速】ダメージ÷3)だけ固定ダメージを与える | 黒獣 | 破裂 |
| 323 | 影の編み笠 | 暴食 | Ⅲ | 251 | 強化 不可 | 限定ギフト:深夜清掃(NH5) ターン終了時、黒獣卯所属なら次のターンにクイック2を得る 自分の速度が対象より高いか、一方攻撃をする場合は(速度差÷3)だけ斬撃ダメージ量+10%(最大30%) 自分の速度が対象よりも高ければ、(速度差÷3)につき被ダメージ量-10%(最大30%) | - | 斬撃 |
| 325 | 璃鈿漆字 | 暴食 | Ⅳ | 合成 | 強化 不可 | 素材に限定ギフトを含む:深夜清掃 合成:《怪文字のお札》+《刻み込まれた怪文字》 ターン開始時、破裂威力または破裂回数を付与する攻撃スキルを保有した人格が5名以上なら、この戦闘の間発動。(E.G.Oスキルを除く) 自分の攻撃スキルで破裂を持つ対象を伐するとき、(集中戦闘の場合は部位破壊)対象の破裂威力を分けて全ての敵(集中戦闘の場合は部位)に付与する(最大3ずつ) 自分の攻撃スキルで呪殺【迅速】を持つ対象を討伐するとき、(集中戦闘の場合は部位破壊)上記の効果の代わりに対象の破裂威力と回数を分けて全ての敵(集中戦闘の場合は部位)に付与する(最大6) 破裂を持つ対象とマッチするとき、(対象の破裂÷20)だけマッチ威力が増加(最大2) -呪殺【迅速】を持つ対象とマッチするとき、上記の効果の代わり(対象の破裂÷10)だけコイン威力が増加(最大2) 呪殺【迅速】効果でダメージを与えるとき、(呪殺【迅速】ダメージ÷2)だけ固定ダメージを与える | - | 破裂 |
| 348 | 血炎刀 | 憤怒 | Ⅱ | 201 | 強化 不可 | 限定ギフト:切磋琢春(NH5) ステージの最初のターン開始時、自分に火傷を付与する基本スキルを保有した人格が火傷5を得て、精神力が8回復 黒獣-酉所属人格が維持または回復可能な体力が49%に固定される代わり、被ダメージ量と体力回復量が50%減少 | 黒獣 - 酉 | 火傷 |
| 349 | 黒鉄馬甲 | 暴食 | Ⅱ | 205 | 強化 不可 | 限定ギフト:切磋琢春(NH5) ターン開始時、防御レベルが最も高い味方1名へバリア(防御レベル ÷ 3)を付与 (黒獣-午所属人格を優先して指定、最大で15) バリアを保有した味方がマッチ勝利時、敵へ(速度 ÷ 2)だけ振動威力を付与して、次のターンにクイック2, 防御レベル増加2を得る (1ターンにつき人格ごとに1回) | 黒獣 - 午 | 振動 |
| 351 | 徳目 - 智 | 憂鬱 | Ⅱ | 202 | 強化 不可 | 限定ギフト:切磋琢春(NH5) [編成6番人格専用効果] 破裂威力または破裂回数を付与する攻撃スキル(E.G.Oスキルを含む)を使用してマッチ勝利時、次のターンに防御レベル増加2を得る (1ターンにつき最大1回) - 家主候補所属なら、追加効果で次のターンにクイック1を得る | シーチュン | 破裂 |
| 352 | 徳目 - 勇 | 暴食 | Ⅱ | 202 | 強化 不可 | 限定ギフト:切磋琢春(NH5) [編成6番人格専用効果] 破裂威力または破裂回数を付与する攻撃スキル(E.G.Oスキルを含む)を使用してマッチ勝利時、次のターンに攻撃レベル増加2を得る (1ターンにつき最大1回) - 家主候補所属なら、追加効果で次のターンに攻撃レベル増加3を得る | シーチュン | 破裂 |
| 353 | 徳目 - 仁 | 嫉妬 | Ⅱ | 202 | 強化 不可 | 限定ギフト:切磋琢春(NH5) [編成6番人格専用効果] 破裂威力または破裂回数を付与する攻撃スキル(E.G.Oスキルを含む)を使用してマッチ勝利時、体力を15回復 (1ターンにつき最大1回) - 家主候補所属なら、追加効果で次のターンに保護1を得る | シーチュン | 破裂 |
| 354 | 切磋琢磨 | 憂鬱 | Ⅳ | 合成 | 強化 不可 | 素材に限定ギフトを含む:切磋琢春(NH5) 合成:〈徳目 - 智〉+〈徳目 - 勇〉+〈徳目 - 仁〉 [編成6番人格専用効果] 破裂威力または破裂回数を付与する攻撃スキル(E.G.Oスキルを含む)を使用してマッチ勝利時、体力を20回復して次のターンに攻撃レベル増加3, 防御レベル増加3を得る (1ターンにつき最大1回) - 家主候補所属なら、追加効果で自分を含む全味方へ次のターンにクイック1, 保護1, 攻撃レベル増加3を付与 | - | 破裂 |























