あと一球

Last-modified: 2022-06-03 (金) 23:21:08

あと1球で試合終了になる状況でリードしているチームのファンが行うコールのこと。
ここでは主に、2022年4月6日の阪神タイガース対横浜DeNAベイスターズ戦(阪神甲子園球場)にて起きた出来事について解説する。


【目次】


解説

阪神ファンが勝利目前のタイミングで伝統的に行うコールとして定着しており、2アウトを取ると「あと一人」、そこから2ストライクを取ると「あと一球」とコールする。
公式に電光掲示板や応援グッズなどにも取り入れられており、阪神戦の象徴とも言える。

阪神公式の「あと一人」画像

しかし、「相手チームへのリスペクトを疎かにしている」「味方投手へのプレッシャーとなる」と批判の声もあり、アウトコール同様快く思われていないのが現状である。また、2020年以降はコロナ禍による声出し禁止により、このコールは事実上禁止されていたはずだった。しかし、それでもあとアウト1つとなったところでメガホンを叩くばかりか、一部の阪神ファンは大声で「あと一人」コールを行い問題になっていた*1


2022年シーズンの「あと一球」コール

この年のシーズン開幕から9連敗した阪神は、4月5日のDeNA戦で西勇輝の完封で連敗を止め、その勢いのまま翌日の同カードも1-0と接戦ながら伊藤将司*2が9回2アウトまで無失点と、2試合連続完封勝利が目前に迫っていた。2死二塁で勝利を確信した一部の阪神ファンが「あと一人」コールを開始。
迎えた4番・牧秀悟を2ストライクまで追い込むと、「あと一球」コールになりTV中継でもはっきりと声が聞こえるようになる。しかし、コロナ禍の真っただ中で声出しをするというマナー違反ぶりに、対戦するDeNAファンを中心に他球団ファンから苦情が相次いだ。

すると、牧はフルカウントから右中間にヒット性の当たりを放つ。中堅手・近本光司がダイビングキャッチを敢行するも紙一重で及ばず同点タイムリーツーベースとなり、あと1球まで迫っていた伊藤の完封勝利が消滅。甲子園を包んでいた「あと一球」コールは悲鳴の後に静寂へと変わった。その後も再三のサヨナラのチャンスを生かせず、延長12回に登板した齋藤友貴哉が1アウトも取れず勝ち越しを許すと、そのままDeNA打線の打者一巡の猛攻で一挙5失点。この点差を覆せるはずもなく阪神の大逆転負けとなった。

この試合では阪神ファンの鬱憤が爆発し、12回裏には多数の阪神ファンがスマホライトをグラウンドに向けて照射し*3試合進行を妨害したため審判と場内放送から注意を受ける事態になり、果ては警察・救急車が出動する程の喧嘩騒ぎなどで荒れに荒れ、なんGでは「あと一球」コールをやり玉に上げ晒し上げるスレが乱立した。

この逆転負けをきっかけに阪神は再び大型連敗に突入し、勝利目前の「あと一球」から何時間経っても勝てない有様に、「「あと一球」からXX時間(XX球)が経過www」というネタスレが立てられるようなり、「あと一球」は予祝と合わせ2022年の阪神を象徴する蔑称の一つとなった。

ちなみに伊藤はこの後、コロナウイルスの陽性判定を受けて一旦登録抹消となったが、5月22日の対巨人戦(甲子園)で復帰。この試合で、あと一球コールから46日目にして正真正銘のプロ初完封勝利(無四球)を挙げた。


「あと一球」からの経過時間・投球数(連敗が止まるまで)

日付経過時間打者数投球数スコア相手出来事
4月6日-0人0球1-0DeNA2アウト、カウント2-2。完封目前。
2分1人3球1-1牧が適時打。同点に追いつかれる。
1時間18人66球1-612回表、大和が勝ち越し適時打。
そのまま5失点し逆転負け。
4月7日24時間(試合中止)DeNAにコロナ陽性者が続出し、急遽試合中止に。
4月8日50時間69人285球3-3広島同点に追いつくも勝ち越せず、引き分け。
4月9日68時間114人458球1-9相手先発・森下暢仁に適時打を打たれる。2連敗。
4月10日91時間144人565球0-1逆転サヨナラのチャンスを逃す。3連敗。
4月11日120時間(移動日)「あと一球」から120時間が経過wwwスレが立つ。
4月12日144時間180人698球1-2中日西勇が再び力投するも2番手・湯浅京己*4が打たれ逆転負け。4連敗。
4月13日168時間217人823球0-1x伊藤将のコロナ感染により先発が小川一平に急遽変更。
延長10回、大島洋平にサヨナラ適時打を打たれ5連敗。
勝率のNPB史上最低記録(1勝以上)を更新(.067)。
4月14日192時間255人963球1-46連敗。勝率の最低記録をさらに更新(.063)。
4月15日216時間288人1075球4-1巨人あと一球から1075球でようやく勝利。


関連項目



Tag: 阪神


*1 NHKの実況アナウンサーが「声を出してはいけないはずですが、『あと一人』という声が聞こえてきます」と苦笑するほどである。
*2 なおこの得点はジエンゴによるものなので文字通り孤軍奮闘である。
*3 この年照明をLEDに変えた甲子園では、阪神勝利時のヒーローインタビューにて場内を暗転、選手をライトアップする演出が始まり、スタンドからもスマホライトで演出を補助するようになった。
*4 ちなみの交流戦前の時点で12ホールドを挙げており、その時点で湯浅の失点はこの日だけである