グラブ投げ

Last-modified: 2025-07-28 (月) 11:46:47
  1. 負の感情が抑えられずにグラブを地面やベンチに投げつける行為。
  2. 野手が打球を止めようとしてグラブを投げつける行為。プロ野球では走者に安全進塁権が与えられる反則行為である。
  3. 喜びの感情からグラブを宙に放り投げる行為。胴上げ試合でしばしば見られる。
  4. 打球を捕球した際にグラブにめり込んで抜けなくなった時、グラブごと送球する行為。これは2.とは異なり反則ではなく、グラブ(というよりボール)が先に塁に到達したら走者はアウトとなる。

ここでは1.と2.について解説する。

1.の概要

炎上や被弾を喫した、または味方のエラーを見せつけられた投手が悔しさや怒りのあまりグラブを投げる行為は時折見られる。下柳剛の特技として知られ、実際は投げるというよりはその場に叩きつけるパターンが多い。基本的に降板を告げられた後のベンチで起こるが、下記のようにグラウンド内で発生する場合もある。

事例集

江尻のアレ

2005年5月21日の巨人戦(東京ドーム)で江尻慎太郎(当時日本ハム)が小久保裕紀ホームランを打たれた瞬間にマウンド上でグラブを投げた

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小久保のスイングとバット投げ、江尻は打球を目で追うことすらせず天を仰ぎグラブを叩きつけ、球審は立ち上がりマスクを外す…と一連の流れはもはや芸術。

本行為は、後にアニメ『名探偵コナン』(2016年10月22日放送回)の「Next Conan's Hint」においてネタにされた。

  • 右ピッチャーに右バッター
  • ピッチャーの背番号
  • イニングが4回裏
  • スコア(5-4)とカウント
  • 敗戦チームが「F」
  • ランナー1塁
  • 投球の球速(127km/h)
  • 打った直後のピッチャー、キャッチャー、バッター、アンパイアのポーズ
  • バックネット付近の広告の位置と色

という一致ぶりである。

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秀太事件

2007年10月1日の横浜戦(横浜スタジアム)で発生した、「下柳=グラブ投げ」のイメージを確立した事件。
チームのCS進出かつ下柳の3年連続2桁勝利がかかった試合であり、試合は5回までに阪神5点リードで進んでいた。しかし1死一塁の場面から

  • セカンドへゴロからの二塁送球を捕球した秀太*1の脚がベースから離れており野選でランナーを増やす。
  • ショートへのゲッツーコースの打球を再度秀太が弾き満塁へ。

秀太の2連続ミスに下柳は激昂し、グラウンド上でグラブを投げた。悪い流れは止まらず、

  • 続く相川亮二の打球もショートへのゲッツーコースだったが、秀太の捕球が遅く(直前のミスから慎重になりすぎたと思われる)併殺崩れで1点を失う。下柳はまたもグラウンド上でグラブを投げた

試合自体は9-7で阪神が勝利し、下柳も10勝目を挙げている。

1イニングで2回もグラブを投げた本事件は珍プレーの定番と化し、後年に下柳本人からも持ちネタとして扱われた*2

下柳本人が秀太事件を振り返った記事

グラブ投げを我慢した例

大瀬良大地の場合

2017年9月21日の阪神戦(マツダスタジアム)で6回途中3失点、なおも2死1・3塁のピンチで降板した際にグラブを3度投げようとしたが、3度とも投げられずに結局普通にベンチに置いた。
この様子は道具を大切にするプロ野球選手の鑑と評価され、大瀬良が数多く有するぐう聖エピソードの1つとなっている。

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松葉貴大の場合

2020年8月14日の巨人戦(東京ドーム)の3回裏にゼラス・ウィーラーに本塁打を浴びた際にグラブを投げようとした*3がグラウンドに叩きつけることはなかった。前年のロメロの件と対戦カードが同じだったため、ファンおよび中スポ(下記)は同件を想起した。

感情を表にあまり出さない男が… 中日・松葉は怒りの30歳バースデー 3回にボール判定直後に被弾「申し訳ないです」


打球の行方を見るやいなや、あまり感情を表に出すことのない中日・松葉がグラブを振り上げた。同じ東京ドームで昨季のロメロをほうふつとさせる動き。マウンドにたたきつけるのだけは自重したが、自分への怒りはそれだけ大きかった。

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2.の概要

転がったり飛んでいたりするフェアの打球に故意にグラブを投げつけ当てるという行為*4はルール違反であり、打者及び走者に3個の安全進塁権が与えられる*5*6*7
数少ない事例として、2008年5月4日のロッテ-西武戦(マリン)でのホセ・オーティズの事例がある。5回表の西武の攻撃で、先頭打者の栗山巧がロッテ先発の小林宏之から一・二塁間に放った打球が、ダイビングキャッチを試みた一塁手フリオ・ズレータのグラブを弾き、外野へ転がった。この打球を二塁手オーティズが追いかけながらグラブを投げつけて止めてしまったものである*8*9。打者の栗山は三塁まで進塁し、直後に石井義人の犠牲フライで生還した。この時、打球の進行方向には既に右翼手ベニーがカバーに入っており、急いで打球を止めねばならない状況でもなかったため、実況解説にも何故この行為に走ったのか分からないと疑問を呈された。オーティズ自身も「自分でも分からない。ただ必死にボールを捕ろうと追い掛けていたら、なぜかああいう行動になった。無意識でやった。今はパニックになっている。チームに迷惑を掛けて申し訳ない」とコメントを残している。

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関連項目

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*1 田中秀太。鳥谷敬の負傷離脱のため、急遽2軍から昇格し4年ぶりにショートのスタメンで出場していた。
*2 OBの集まりの際にファンサービスとしてグラブを叩きつける、等。
*3 2アウト2ストライクまで追い込んで投じた5球目がボールかストライクかが微妙となり、松葉は三振を確信するも審判がボールと判定し攻撃続行、続く6球目を痛打された。
*4 グラブのみならず、帽子、スパイク等ユニフォームの一部を故意に外して行った場合も同様。
*5 なお、ボールインプレーである。
*6 当然、本塁打性の打球の場合は本塁が与えられる。
*7 なお、当たらなければ何もなかったものとして扱われる。
*8 記録は三塁打。なお、公認野球規則に定められている。
*9 なお、このケースでは動画を見てもらえれば分かるが打者の栗山が一塁で止まった段階でプレーが止まったことにより審判が協議した上でスリーベース扱いとなっている。