グラブ投げ

Last-modified: 2022-04-15 (金) 20:33:24

炎上や被弾を喫する、または味方のエラーを見せつけられた投手が悔しさや怒りのあまりグラブを投げること。
下柳剛の特技として知られる。
なお、「投げ」とはついているが、実際の動きとしてはその場に叩きつけるパターンが多い。
他にも、ボールがグラブから抜けなくなった時の対応としても使われている。

解説

様々な場面で見られるが、基本的には降板を告げられた後にベンチで起こる。
しかし江尻慎太郎は日本ハム時代の2005年5月21日の巨人戦(東京ドーム)で小久保裕紀にホームランを打たれた瞬間にグラウンド上でグラブを投げたため「江尻のアレ」として有名な一件となっている。

小久保のスイングとバット投げ、江尻は天を仰ぎグラブを叩きつけ、球審は立ち上がりマスクを外す…と一連の流れはもはや芸術。

この江尻のアレは、後にアニメ『名探偵コナン』(2016年10月22日放送回)の「Next Conan's Hint」においてネタにされた。

ちなみに、

  • ピッチャーの背番号
  • イニングが4回裏
  • スコア(5-4)とカウント
  • 敗戦チームが「F」
  • ランナー1塁
  • 投球の球速(127km/h)

という一致ぶりである。

また2019年にはエンニー・ロメロ(当時中日・現ロッテ*1)が全く同一のマウンド上で、似たシチュエーションでグラブを投げたため江尻の再来と話題になり、「ロメロのアレ」と呼ばれることも。

秀太事件

グラブ投げに関する有名ネタ。「下柳=グラブ投げ」のイメージを確立した試合である。
阪神時代の2007年10月1日の横浜戦(横浜スタジアム)に起きた。
この日の先発である下柳は勝てばチームのCS進出と自身の3年連続2桁勝利がかかっており、試合は5回までに阪神5点リードで進んでいた。
しかしこの回先頭を歩かせ、1死を取ったあと、次の打者の打球はセカンドへのゴロ。これを関本賢太郎が処理してショートの秀太*2に転送したが秀太の脚が離れており野選でランナーを増やしてしまう。
その後仁志敏久の打球はショートへのゲッツーコースに飛ぶが、秀太がこれを弾き1死も取れず塁を埋めてしまい、下柳はグラウンド上でグラブを投げた。
次の相川亮二の打球もショートへのゲッツーコースだったが、今度は秀太の捕球が遅く併殺崩れに。この間に1失点してしまい、下柳はまたもグラウンド上でグラブを投げた。

秀太の1イニング3タイガーボールのせいで1試合どころか1イニングで2回もグラブを投げたこの事件は「秀太事件」と呼ばれ、珍プレーの常連となったほかグラブ投げも下柳の代名詞にもなった。
そしてあまりに有名になりすぎてしまった結果、遂には下柳本人も持ちネタとして扱い出すようになり、OBの集まりの際にはファンサービスとしてグラブを叩きつけることも。
本人が秀太事件を振り返った記事
なお、この試合は9-7で阪神が勝利。下柳が勝利投手となり10勝目をあげている。

グラブ投げを我慢した男達

大瀬良大地の場合

2017年9月21日の阪神戦(マツダスタジアム)で6回途中3失点、なおも2死1,3塁のピンチで降板した際にグラブを3度投げようとしたが、3度とも投げられずに結局普通にベンチに置いた。
この様子は道具を大切にするプロ野球選手の鑑と評価され、好人物として名高い大瀬良が数多く有するぐう聖エピソードの1つとなっている。

松葉貴大の場合

2020年8月14日の巨人戦(東京ドーム)の3回裏にゼラス・ウィーラーに本塁打を浴びた際にグラブを投げようとした*3がグラウンドに叩きつけることはなかった。なお、対戦カードが同じだったことから多くのファンが前年のロメロの1件を思い起こし、中スポの記事でもそのように記載された

打球の行方を見るやいなや、あまり感情を表に出すことのない中日・松葉がグラブを振り上げた。同じ東京ドームで昨季のロメロをほうふつとさせる動き。マウンドにたたきつけるのだけは自重したが、自分への怒りはそれだけ大きかった。


余談

ちなみに野手が打球を止めようとして故意にグラブを投げつけた場合、打者走者に3個の安全進塁権が与えられる*4
数少ない事例として、2008年5月4日のロッテ-西武戦(マリン)でロッテの二塁手ホセ・オーティズが外野へ転がった球をグラブを投げつけて止めた。このとき打者の栗山巧は三塁まで進塁、直後に石井義人の犠牲フライで生還した。

関連項目


*1 このときの捕手の加藤匠馬も前日にロッテに移籍しており、再びチームメイトになっている。
*2 本名は田中秀太。この試合では鳥谷敬が怪我で離脱したため、急遽2軍から昇格し4年ぶりにショートのスタメンで出場していた。
*3 2アウト2ストライクまで追い込んで投じた5球目がボールかストライクかが微妙となり、松葉は三振を確信するも審判がボールと判定し攻撃続行、続く6球目を痛打された。
*4 ただし、本塁打性の打球に対してグラブを投げつけた場合は4個の安全進塁権が与えられる。