2023年8月18日のDeNA対阪神戦(横浜スタジアム)で京田陽太が行った、「ブロッキングベース」ルールが作られるきっかけとなった守備のこと。
概要
1-2で阪神が追う9回表、1アウト無塁で佐藤輝明がヒット、代走・熊谷敬宥が送られ盗塁を試みるが、京田がベースの前に座りブロックするという行為に出る。
最初の判定はセーフだったものの、DeNA側のリクエスト要求でアウトに覆され、阪神・岡田彰布監督の猛抗議も受け入れられず敗戦した。
その結果、阪神ファンは「完全に走路を塞いでるのに走塁妨害にならないのならベースの前にいるだけで簡単にアウトになって盗塁が出来ない*1」と激怒、ごみをグラウンドに投げ入れる、当事者の京田本人が出ていないのも関わらずヒーローインタビュー中ブーイングや六甲おろしを歌い妨害する*2などの問題行動を起こす事態も発生した。
審判団の解釈としては「たまたま捕手の送球によってその様な位置でタッチプレーをする事になり不可抗力なことであり故意ではなかったので走塁妨害にならない」との事だが、京田の場合は過去に類似のプレーを行っていた事も発掘され「常習性がある」「故意にやっている可能性もある」*3と物議を醸した。
さらにDeNA・三浦大輔監督がこのプレーを「よく体を張りながら、止めたタッチだった」と称賛したことも火に油を注ぐことになった。
この事から、一連のプレーを横浜移籍後の京田の別称となった「バトルフェイス」とかけて「バトルブロック」と揶揄されるようになってしまった。
岡田彰布監督が意見書提出、事実上の「京田ルール」新設へ
その後、阪神・岡田監督はNPBに意見書を提出。
翌月4日の実行委員会で走塁妨害とはならない事は変わらないものの「今後同様のプレーがあった場合はセーフとする」と解釈が変更され、翌5日からの適用という異例の即時対応となった。
不可抗力でベースをふさいだ場合は「セーフ」に 走塁妨害のルール運用に新基準導入 : スポーツ報知
NPBと12球団による実行委員会が4日、都内で行われ、阪神が意見書を提出するなど問題提起していた塁上での走塁妨害に関するルール運用について、野手が意図的ではなく送球がそれるなど不可抗力で完全にベースをふさいでしまった場合、走塁妨害とはしないものの「ブロッキング・ベース」として走者の不利益を取り除く(セーフ)とする新基準の導入を決めた。5日の試合から適用される。
野球規則自体は改定されていないので厳密にはルール変更という事ではないが、この新基準は「岡田ルール」もしくは「京田ルール」と揶揄されることになった*4。
京田本人の釈明
9月6日、デイリー新潮に京田本人のコメントらしきものが掲載された。
阪神・岡田監督の抗議で採用された「ブロッキングベース」 原因となった「DeNA・京田」は周辺にどう話しているのか
今回の一件後、球団関係者のみならず、同僚や解説者らは京田にアレコレと尋ね、これに対して京田はおおむねこんなふうに答えていたという。
「“とにかくわざとではない”“自分では邪魔をしている意識はない”“プレーに集中した結果だ”“ボールを捕球してアウトにするだけで精一杯だった”……といったものでした。大ケガをする可能性を認識していなかったのか?との質問もあったと言いますが、“そもそも故意ではないのだから”との説明だったと言います」(同*5)
その後
これをきっかけに阪神打線は奮起、翌日以降のカードを勝ち越し、9月に入ってからは11連勝するなど無双状態となり、勢いそのままにリーグ優勝を決めた。
優勝後のテレビの取材で熊谷と当時打席に立っていた坂本誠志郎は「あそこ(バトルブロック後のリクエスト)で岡田監督が必死になって抗議してくれた*6のを見て、この監督についていこうと思った」と語っている。
MLBが史上初のNPB追随*7
2024年3月11日、MLBでも2024年シーズンから適用されることが決まった*8。
お前、世界変えたな。