ピッチャーがどんなに好投を続けても味方チームの打線が点を取ってくれず勝ち星が増えない状態のこと。「負け運」とも呼ばれる。
球団によって考え方に差があるとはいえど、勝ち星の多寡は少なからず年俸査定に影響を与えるものであるため、投手にとってはネタ抜きで死活問題にも直結しうるものとなる。
概要
もともと「無援護」という言葉自体は存在しており、江夏豊13回完投負けや、防御率2点台なのに16敗を2回記録した尾花高夫(1982年・1988年)、三浦大輔(2005年)、黒田博樹(2006年)が最優秀防御率を取りながら勝ち星に恵まれなかった時など、特に貧打のチームの好投手に対して使われていた。
また「チーム得点数自体は多いが、特定投手の先発時のみ異様に援護点が少ない」場合にも使われていた。
用語「ムエンゴ」の誕生
2008年に抑えで炎上を繰り返したドミンゴ・グスマン(楽天)は先発に再転向。好投を続けるが一方で無援護に悩まされ*1、登録名と語感が近いことから「ムエンゴ」が誕生、その後は「渡辺俊介ちゃんを救う会」の発足により定着した。
ネット上での扱い
無援護投手は文字通り援護がないので無失点ないし最少失点で投げ切らないと負けてしまうため、「6回3失点の(大)炎上」*2「1点の大量援護」と言われたりするのがお約束。エース級のピッチャーだと1失点したり完封できなかっただけで「エースの自覚が足りない」と言われたりする。
また、ムエンゴ投手の先発が予告されている前の試合でチームが大量得点すると「明日の○○の分の援護をとっておけ」と野手陣が言われたりすることもある。
ムエンゴ扱いされている(されていた)投手
ここでは当wikiに個別項目が作られるほどネタにされた選手を紹介する。ネタの詳細についてはそれぞれリンク先を参照。
なお、複数球団に在籍経験のある場合は、ムエンゴが特に顕著だった頃のチーム名のみ表記する。
- 伊藤大海(日本ハム)
- 大竹耕太郎(ソフトバンク時代)
- 大貫晋一(DeNA、2024前半)
- 加賀繁(元DeNA)
- 澤村拓一(巨人時代)
- 菅野智之(巨人)
- 武田勝(元日本ハム)
- ブライアン・バリントン(広島、2012)
- 山本由伸(オリックス時代、~2020)
- ライアン・グリン(日本ハム時代)
- ラウル・バルデス(元中日)
- 渡辺俊介(元ロッテ)
用語
援護率
英語ではRun Support per Nine Innings、大概の場合Run Supportと呼ばれる指標、計算式は以下の通り。
(味方の援護点数×9)÷攻撃イニング数(投手がマウンドにいる間に味方が攻撃したイニング数)
【出典】
外部サイト“Kazmix World -- Baseball Data”
「9回完投時に期待できる味方打線の得点数」が援護率であり、この計算に基づいた援護率を算出するのが大前提。この数字が低いほどムエンゴに苦しんでいると言える。
特にパ・リーグのDH制の場合は投手がジエンゴで操作できない数値であり、チーム内でも大きく差が出る場合がある。
援護率はチームの得点能力と運のみによって決まるわけではない。例えば、エース級の先発投手は現在一般的な6日ローテーションだと相手チームのエースと投げ合う機会が多いためチーム内でも援護率が低い傾向がある。また采配方針である投手の登板時に守備重視のオーダーを組むような場合にもその投手の援護率は低くなりやすい(代わりに防御率などの投手成績は良くなりやすい)。とはいえ、これらの傾向を覆して(両方の意味で)異常な援護率を叩き出すケースも多々あり、運の要素が最も支配的といえるだろう。
関連項目
- ○○ンゴ
- 息苦しい
- 勝ち運投手…対義語。
- 援護率詐欺
- 渡辺俊介ちゃんを救う会
- 無援護仏
- 何があかんのですか
- 武田負
- そうか、そう来たか
- 目から光が消える
- カロカロ
- 負け運って何?
- 点が入らないのはわかっていた
- ゾウのグリン
- たこ焼き
- ジエンゴ
- 目ぇ覚ませ
BQS/YQS
関連サイト
- Kazmix World -- Baseball Data
※援護率データの出典
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