清田育宏が2018年オフ(12月7日)にトークショーで発言した言葉。
概要
清田はキャリアハイを叩き出した2015年を境に成績は下降し続け、2018年には凡退時にヘラヘラと笑いながらベンチに帰っていく等の態度の悪さや私生活での不祥事、「CSとか年俸査定に掛からないからめんどくさい」といった失言癖でロッテファンからの評価を落としていた。
そんな中、清田は同年12月7日にチームメイトの江村直也と共にイトーヨーカドー津田沼店で開催された新京成電鉄*1主催のトークショーに出席。
その数日前(11月30日)にロッテはFA権を行使していた丸佳浩(広島→巨人)の獲得に失敗した一方、トークショー前日(12月6日)には楽天を自由契約になっていた細川亨*2の入団を発表していた。
様々なチームを渡り歩き、酸いも甘いも経験したベテランとポジションが被る江村は「細川さんも来ますし田村(龍弘)もいるので2人には負けたくない」とライバル意識を燃やす発言。
一方で清田は「丸が来なくて良かった!」「ライバルが増えなくて済む」等のコメントを残す。
これだけならトークショーという場でのおどけたコメントとしてあり得るものだが、さらに
- 丸の巨人入りのニュースが出たときにガッツポーズをした
- 自分の妻にその情報を嬉々としながら見せた
などの衝撃発言を続ける。
2016年から3年連続で不甲斐ない成績を残していた清田に呆れていたファンは激怒し、「清田出ていけ!」「引退しろ!」「丸が来なくても(外野陣の現在の実力を考慮すると)お前の職場はない!」などの罵倒の嵐となり、球団公式HPにもトレードや減俸を望む声が出るほどの大炎上となった。
非難された理由
- 2019年は福浦和也が選手兼任で二軍打撃コーチになることが決まっており、荻野貴司と清田が実質的な最年長野手になるにも関わらず、他の選手の手本になるべきという自覚が全く無い。
- 一軍ベンチすら弾き出される可能性がある己の立場の危うさを自覚していない。
- そもそも球団が本腰で丸の獲得に動いたのはチームの見本となるような外野手がいない中で、千葉県出身の彼にまとめ役を期待してのこと。同じく千葉県出身の清田がキャリアハイとなった2015年のような成績*3を残し続けていれば獲得する必要はなかった。
- 清田と同じ千葉県人の福浦や唐川侑己・チームのリーダー役の鈴木大地(現楽天)・井上晴哉などが丸にラブコールを送っていた中での空気の読めなさ。
- 現役時代に清田と合同自主トレを行っていた井口資仁監督が丸との交渉に出馬しており、入団することを熱望していたこと。
- ドラ1で入団したばかりの藤原恭大が丸超えを宣言するなど意識の高さを見せたのに対し、先輩である清田の意識の低さへの失望感。
上記のような理由の積み重ねもあったため、以前までは多少の擁護があった清田は多くのロッテファンから絶許認定を受け、果ては1番という選手・アレ・死刑囚・終身名誉死刑囚扱いまでされるなど、ファンからのヘイトを一気に高めることとなった。
その後の清田
ところが、2019年はオープン戦から好調でシーズン開幕後はこれまでの不振が嘘だったかのように活躍。
5月に入る頃にはすっかり外野の一角としてスタメンに名を連ねるようになり、規定は未到達ながらも打率は3割超え、長打率に至っては5割超えと大暴れした。
ホームランこそ5本に留まるが、その内の4本は4試合連続で放ったものであり、キャリアハイであった2015年清田の再来とも呼ばれ始めた。
また、5月程の勢いは無くなったものの、交流戦では6月5日の阪神戦に試合を終了させるファインプレーを見せ、6月18日の広島戦では延長11回に代打で出場すると勝ち越しの決勝タイムリーを放つなど攻守共に存在感を示し、一部のファンの間では清田2019verとも言われ始める。
7月には復帰後初勝利を狙う佐々木千隼をアシストする満塁弾を中村勝から放つが、新外国人のレオネス・マーティンが加入してからは主な活躍の場を代打に移すことになる。
そこで清田は打率5割、得点圏8割超という驚異的な勝負強さを発揮しはじめ、代打の切り札としてのポジションを確立。
また、スタメンで出場した8月6日のソフトバンク戦では、自身初となるサヨナラ弾*4を放つなどクラッチヒッターぶりに拍車がかかっている。
以上の活躍からこの騒動は一旦の終結を迎えることとなった。
そのため一部では「(清田やマーティンが活躍して丸の活躍場所が無くなるから)丸が来なくて良かった!」等と前向きな意味でネタにされた。
最終的には規定打席に到達せず、打率こそ2割5分台だが得点圏打率.311、本塁打は2015以来の2桁、守備でも(マーティンの加入により守備機会は減少したとはいえ)これまた2015以来の無失策と中々の成績を残した。
しかし、オフにソフトバンクからFA宣言した福田秀平の加入が決定。さらなる出番減少の危機にさらされることになったが、福田は安定のスペ体質で荻野と共に離脱を繰り返した上にスラガガー化したため、出番が減ることはなかった。それどころか、開幕直後から4番に固定されていた安田尚憲が終盤に不振に陥り、前年4番を張った井上もイマイチでマーティンも戦線離脱したため4番を張ることも増えるなどファンからの信頼を取り戻したかに見えていたが・・・
余談
一方丸が退団した広島では、丸と同じ外野手である野間峻祥が移籍決定の一報が出た際に「丸が出ていって良かった!」と言わんばかりのガッツポーズをしたと野間本人が明らかにしている*5。野間に関しては2018シーズンは丸離脱時の代役を果たしたこと、新人時代の悪評を払拭していることもあって清田と違って批判されていなかったが、2019年交流戦以降は打撃が低迷し守備や走塁でやらかしをするなど再びヘイトを集めている上に佐々岡真司政権になってから出番そのものが激減した。2022年以降は一定の成績を残しつつあり、時々致命的なミスをやらかすものの批判の的になる機会は少なくなった。なお、人的補償として広島に入団した長野久義が「野間が将来一人前になって付けたらいい」として着用を辞退した背番号9(2018年までは丸が着用)は2022年に日本球界復帰を果たした秋山翔吾のものとなっている。