2012年5月27日の阪神タイガース対埼玉西武ライオンズ戦(甲子園)の9回裏、西武のファースト・中村剛也がピッチャー・エンリケ・ゴンザレスを押し出したプレーのこと。
その後ゴンザレスの後に続きマウンドに立ったランディ・ウィリアムズが関本賢太郎へサヨナラ押し出し死球を与えて決着がついたこの伝説的ネタ試合そのものを指す場合もある。
これらのプレー以外にも、俺達とツラゲの夢の対決があったため、注目を集めた。
概要 
阪神・能見篤史、西武・平野将光の両先発で始まったこの試合。序盤から中盤は西武ペースで進んでいた。
そして7回裏、西武・渡辺久信監督は6回まで1失点という好投を見せていた平野に代わり長田秀一郎を投入。
最初の打者新井貴浩はノースリーからのど真ん中を見逃し三振で抑えるものの、次のクレイグ・ブラゼルから古巣に対するお礼参り代わりのホームランを打たれ同点、平野の勝ちが消える。
8回裏、長田に代わって3番手にエンリケ・ゴンザレスを投入。
しかし今度は柴田講平に四球、鳥谷敬にバントを決められ、マット・マートンに内野安打、田上健一の代打・金本知憲に四球を与えてワンアウト満塁。
そしてバッターは新井貴。絶対に満塁で点を与える俺達VS絶対に満塁でゲッツーを打つツラゲ製造機という最弱のほこたて対決ということもあり、なんJは大きく盛り上がった。その結果は新井が見事に6-4-3の芸術的ツラゲを放ちまさかの俺達勝利。
9回もゴンザレスが続投。
ブラゼルにヒットを打たれると、次打者の藤井彰人の時に初球ワンバウンドのボールでブラゼルの代走・大和に進塁を許してしまい、さらには直後の2球目。4月に広島で顔面に死球を食らっている藤井にあわや顔面死球という暴投を投げる。結局カウントが悪くなり藤井を敬遠。
そして次の打者・今成亮太はピッチャー前にバントをするものの、転がった打球を捕球しようとした中村はここで同じく打球を処理しようとしていたゴンザレスにタックルをかまし、ゴンザレスを吹っ飛ばした。普通なら大怪我にも繋がりかねない交錯プレーだが、中村は何事もなかったかのように打球を処理して今成を一塁でアウトにする(記録上は今成の犠打)*1。
次打者の平野恵一を敬遠して満塁とすると、ここでランディ・ウィリアムスに交代。一方の阪神・和田豊監督は柴田の代打に関本を送る。
そして、ウィリアムスは関本にカウント1-0から押し出し死球を与えて、阪神がサヨナラ勝ち。また日曜のホーム・甲子園初勝利となった。
衝撃的な結末に加え、試合終了後なんJや野球chが約2分落ちたことなどもあり、稀にみるネタ試合としての箔が付いて伝説になった。
余談だが、このサヨナラによって、9回を投げ抜いていた能見にひっそりと完投勝利が記録された。
なお、関本は現役最終年の2015年3月28日の中日ドラゴンズ戦(京セラドーム大阪)でも祖父江大輔からサヨナラ押し出し死球を、同年9月29日の横浜DeNAベイスターズ戦(甲子園)では代打として出てきた打席で相手捕手・嶺井博希のパスボールによってサヨナラ勝ち*2になるなど、「打席に立つだけでサヨナラ勝ちを呼ぶ男」とネタにされることとなった。
動画 
甲子園場所再来未遂 
阪神絡みでは大相撲甲子園場所から7年以上経った2019年7月5日の広島戦の6回裏に類似のプレーが発生する。
先頭打者の近本光司がセーフティバントで出塁。続く糸原健斗のバント処理の時に一塁手のアレハンドロ・メヒアが大瀬良大地にぶつかってしまい、結果的に連続セーフティバントになってしまう。その後、糸井嘉男にタイムリー二塁打が出てこれが決勝点となり広島は「地獄対決」初戦に敗れ貯金を全て失ってしまった。
一部ではこの時のメヒアと大瀬良のぶつかりぶりがかつての大相撲甲子園場所を彷彿とさせたため「甲子園場所の再来」や「甲子園場所未遂」と言われた。
余談 
1970年代の阪神は江夏豊・田淵幸一・遠井吾郎*4といった恵体選手の存在感が高かったことから阪神相撲部屋と呼ばれることもあった。