就活

Last-modified: 2021-01-29 (金) 14:37:30
  1. 同年にFA権を取得した(またはする予定の)選手が、他球団に実力をアピールすべくシーズンで圧倒的な成績を残すこと。
  2. 上記1のパターンの派生例であり、FA移籍先として有力候補のチームが相手の試合で活躍すること。
  3. アマチュアの選手が、ドラフト指名されやすくする為に本職よりも難しいポジションに挑戦すること。
  4. 審判が楽天に有利な判定をすること。詳しくはこちら

本項目では1~3について解説する。

1の概要

主に2020年の中日ドラゴンズ・大野雄大に対して用いられている言葉。

大野は2020年に国内FA権を取得することが確実視されており、実際に2019年末の中日との契約更改においては中日の提示した複数年契約を蹴り単年契約でサインしたことから、2020年オフのFA争奪戦の目玉候補となりうることが予想されていた。しかし、大野は2019年シーズンこそ活躍したものの2018年シーズンに絶不調に陥っていたこと、またイニングイーターではあるが典型的な貯金をつくれない投手であったこと*1、2017年を最後に野外球場で勝利していなかったことなどから、これを知るファンからはポテンシャルを疑問視する声もあった。

そして、2020年シーズンが開幕すると開幕戦で4回6失点でKOされたのを皮切りに以後6試合勝ちがつかず2018年の再来を危惧されたが、7月31日に無事国内FA権を取得すると突如として球界屈指の好投手に変貌 *2。同日のヤクルト戦に先発登板し9回3失点完投で勝利を挙げたのを皮切りに先発登板しては平然と完投勝利を繰り返すようになり、8月~10月の3ヶ月で9勝、さらに登板12試合のうち9試合で9イニング完投、HQS達成*3した挙句、この期間中に45イニング連続無失点の球団記録を樹立する*4など無双。この結果、抑え込まれた相手球団のファンと阪神ファン*5を中心に「就活投法」などと呼ばれ、挙句の果てには阪神入団テスト合格なるスレまで立てられるようになった*6

これに対して中日は3億円+出来高の4年契約という大型契約で引き留めを行う。巨人・阪神・オリックスが調査に乗り出したと報じられたが、最終的には大野は3億円+出来高の3年契約で同意し、FA権を行使せず残留の意向を伝えた。また、残留の理由としてチーム愛とドラフト時の恩を返せていないとのことであった*7。なお、この結果にブチギレた阪神ファンは即座に「ドーム専*8なんかいらん」などと熱い手のひら返しをしていた。

余談だが、大野は19年オフに名古屋市内に戸建て住宅を購入しており、20年シーズン中にも夫婦揃って名古屋の街を気に入っているという報道が出ていたため、そもそもFA宣言する気は無いのではないかとシーズン中から一部の間で言われていた。大野本人も、よほど酷い提示額ではない限り残留する事を元々決めていたようである。

2の概要

1のパターンのうち狭義の例で、FA権取得を控えている選手やFA移籍が懸念されている選手が移籍先の候補として有力なチーム相手に大活躍するさまを言う。
その候補の多くが読売ジャイアンツなのは言うまでもない。その他、豊富な資金力を有す楽天・ソフトバンク・阪神も候補に挙げられる。

山田・鈴木・丸の3人は少年時代は巨人ファンだったと公言*9しており、山田は巨人・坂本勇人と仲が良い、鈴木はカッコいいユニホームは何かという質問に「巨人」と答えるなど、巨人愛があるようでヤクルトファンや広島ファンは不安視している*10。また丸に関しては広島時代のコーチ・監督だった緒方孝市にも問題*11があったとはいえ、移籍時の言動や経緯でほとんどの広島ファンから名誉外様扱いされている。
京都府出身で阪神ファンの糸井はそれまでキャリアハイは33盗塁、最多で盗塁死9だったがFA権取得を間近に控えた2016年に限り53盗塁、17盗塁死と狙いまくり*12、これも就活の代表例として知られる。

3の概要

多くの球団ではドラフト指名する際、代替の効きやすい外野手より内野手、それも二遊間を守れる選手を指名する傾向にあり、また同じ内野手でも二遊間を守れる選手は一三塁しか守れないスラッガータイプの選手よりドラフト順位も上がりやすい傾向にある。
裏を返せば二遊間を守れる選手はそれだけプロから需要があるということであり、ドラフト指名の際に有利にするため本職より難しい二遊間の守備に挑戦する選手も少なくない。
こうした選手は「プロに入るために二遊間を守った」と揶揄され、そのような選手の行動の事を「就活」と言われるようになりプロ入り後は守備難の内野手になっていることが多い。例として木浪聖也(阪神)や渡邊佳明(楽天)らが挙げられる。

関連項目


*1 2019年までに年間2桁勝利を3度(2013~15年)達成しているが、この3年間はいずれも勝ち数とほぼ同数の負け数を同時に積み重ねており、特に2013年に至ってはシーズン成績がちょうど10勝10敗だった。
*2 大野曰く、松葉貴大のストライク先行の投球を見たことで「これだ」と感銘を受け、ピッチングの組み立て方を見直した結果とのこと。
*3 このうち6試合は完封勝利、2試合は完投勝利。残る1試合は敗戦投手にこそなったが、相手は当時シーズン無敗継続中だった菅野智之であり、9回2失点で完投している。
*4 NPB全体でも歴代12位の記録。加えて歴代の記録達成者は大野以上だと1位の金田正一を除いて全員右腕で、左腕では歴代2位に相当する大記録。
*5 京都出身の大野は元来筋金入りの阪神ファンとして有名で、佛教大学時代携帯に付けていたトラッキーのストラップをドラフトで中日に指名されて以降外したというエピソードがある。
*6 しかし近年の阪神は長らく守乱の傾向があり、特に指標的にはさほど投球内容が変わっていないのに中日から阪神に移籍したところ大不振に陥ったオネルキ・ガルシアの例から、阪神に移籍した場合活躍するかどうかには懐疑的な意見も多かった。このことから、結局後述の通り中日残留となった際には「大野が阪神を不合格にした」とも言われた。
*7 元々阪神と中日が大野をドラフト1位として指名することを約束していたが、大野が最後の大会を前に肩を怪我してしまったことで阪神は見切ったのか連絡を途絶させてしまう。一方で中日は怪我を承知で1位指名、そのまま入団に漕ぎ着けている。
*8 ドーム球場での登板試合では10勝3敗、防御率1.13の成績なのに対し屋外球場では1勝3敗、防御率4.55の成績だった。
*9 丸は千葉県勝浦市、鈴木は東京都といずれも関東圏出身ということも影響している。
*10 もっとも山田に関しては2020年オフにFA権を行使せず総額40億円+出来高の7年契約でヤクルト残留を決めたことでヤクルトファンの不安は杞憂に終わっている。
*11 2015年春季キャンプでの貼り紙事件等。
*12 計算すると分かる通り、赤星式盗塁で見ると15→19と微妙な良化にとどまっている。