己の生涯をかけて得点期待値を下げ続けた男

Last-modified: 2022-10-28 (金) 22:56:32

現読売ジャイアンツ一軍総合コーチ・川相昌弘の蔑称。

概要

川相昌弘とは

1984年ドラフト4位で巨人に入団。プロ7年目の1989年に巨人の遊撃手レギュラーに定着すると、翌1990年には当時のNPBシーズン記録を更新する58犠打を記録。その翌年の1991年にはそれを更新する66犠打を記録した*1

1999年以降は二岡智宏の台頭もあり出番が減っていったものの、ピンチバンターやサードの守備固めとしてチームに貢献し続けた。
その後、中日ドラゴンズへの移籍を経て2006年に引退した。

通算533犠打は世界記録であり、加えて犠打成功率も平均が8割前後と言われる中で.906と高い。
この記録から、「バントの神様」などの異名を持つ。
またバントばかり語られることが多いが、ゴールデングラブ賞も遊撃手部門で6度受賞している。

セイバーメトリクスの普及による評価の変化

しかし、近年プロ野球界に普及し始めているセイバーメトリクスにおいては、バントは意味の無い戦法扱いされてしまっている。
例えばこの記事によると、2014~18年のNPBにおいては無死一塁では得点期待値が0.804点なのに対して、一死二塁では0.674点と下がっている。他の状況でも同様に低下しており、中には1点を取る確率すら下がっているケースもある。

そんな送りバントを533回もした川相には、「己の生涯をかけて得点期待値を下げ続けた男」という蔑称を付けられてしまった。
ちなみに川相が巨人の二軍監督だった時(2011-2012年と2018年)は二軍のチーム犠打数が非常に多かった*2

とはいうものの、川相がバントをしたのは本人の判断ではなく、当時の監督だった藤田元司や長嶋茂雄らの指示によるものであり、川相を責めるのは理不尽だという声もある。
また上述の通り通算犠打成功率は高いため、バント失敗率が低い分(平凡なバント技術の打者と比べて相対的に)得点期待値を上げてるとも言える。

川相、テレビ番組に絶句

犠打ギネス記録の元巨人・川相昌弘氏が絶句した「送りバント無意味説」
https://www.daily.co.jp/gossip/2020/09/15/0013697740.shtml

 元巨人2軍監督でギネス記録の通算533犠打を誇る「送りバントのレジェンド」川相昌弘氏が、16日に放送される毎日放送のバラエティー「戦え!スポーツ内閣」(後11・56)にリモート出演。野球分析術「セイバーメトリクス」で表される「送りバントは無意味」という説に思わず絶句する。


(中略)


 画面に川相氏が映し出された瞬間、スタジオは「やめろ!」と声が飛び交い大慌て。送りバントへの熱い思いを語る川相氏に、MCのブラックマヨネーズ小杉竜一は「(送りバントは無意味と)言われへんようになってきてる」と嘆く。

 

 意を決したスタッフが「最近は送りバントをするべきではないというデータが出ている」と切り出す。長い沈黙ののち「…数値だけで判断はできない」と川相氏。小杉は川相氏に「うちのスタッフは出入り禁止にします」と謝罪した。


関連項目


*1 現在の記録は2001年の宮本慎也の67犠打。
*2 2011年が135(イースタン・リーグ2位)、2012年が127(1位)、2018年が141(1位)。参考として、2010年が33(7位)、2013年が61(6位)。