2009年の千葉ロッテ応援団のフロント及びチーム低迷に対する不満に端を発する、千葉マリンスタジアムで掲げられた過激な内容の横断幕。
経緯
背景
ロッテは2008年シーズンを4位で終え、同年オフに球団は当時の監督であったボビー・バレンタインとの契約を翌年限りで終了する旨を発表。バレンタイン解任を推し進めるフロントに対し、続投を求める一部ファンは不満を募らせる中で2009年シーズンへ突入した。
「幕張の横断幕」の登場
開幕後には以下をはじめとするフロントの不手際およびファンに対する背信行為が報じられ、フロント上層部に対する謝罪要求等の横断幕が掲げられる。
- ファンクラブ会員証で誤植の発生(LOTTE→LOTE)。
- 米田容子氏(球団副代表補佐)によるファン軽視の措置
- 1塁側の球場外周通路の封鎖によるロッテファンの移動の負担増加*1
- マッチカードプログラム廃止
- 球場に設置されていたバレンタイン神社を予告なしで撤去
- ビールのコップを予告なしで縮小
- プレミアムシート(大型テレビ・Wii*2・ビールサーバーが置かれた観戦席)の導入。球団関係者が「野球に飽きたらゲームをしたり、それぞれの使い方で楽しんでほしい」と発言したため「自分たちの商売を何だと思っているのか」と批判を受けた。
(以下は発言の意図に議論の余地あり。過激なファンの言動に対する反応とする説もあるが真偽不明。)
当初のファンの反発は一時的なもので収まったものの、以降は主力選手の不振も相まってチームは低迷、状況は悪化の一途を辿る。7月26日のバレンタイン監督の退任発表を経て、9月のBクラス確定を機に応援団の不満が爆発することとなる。
西岡剛の懇願~激化
Bクラス確定後初のホームでの3連戦の2戦目である9月25日のオリックス戦*6では球団幹部3人を名指しして「死刑」と批判するゲートフラッグが掲げられる事態となり、試合後のヒーローインタビューで状況を憂慮した選手達の代表として、西岡剛が横断幕の自粛を要求*7した。
しかし今度は矛先が西岡へと向けられ、応援団は翌日以降に応援拒否及び、フロントに加え西岡を批判する横断幕を掲げる等の反発行動に出る。本件をきっかけに穏健派までも対立し、ロッテファン同士で内輪揉めという事態にまで発展していく。
横断幕の内容
上記のうち西岡に関する批判は、阪神時代の当人に対する蔑称の原型となった。
動画
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終焉
以上の過激派ファンの言動は穏健派に加え他球団ファンからも批判を浴び、後に主犯団体であるMVP(「Marines Victory Productions)」は解散*13、首謀者数名は球場からの永久追放処分を受けた。
騒動関係者のその後
本騒動が直接の原因か如何によらず、ほぼ全員が数年以内に球団を離れている。
氏名(団体名) | 役職(当時) | ロッテ退団/辞任年 | 経歴 |
---|---|---|---|
重光昭夫 | オーナー代行*14 | (現職) | オーナー*15 |
瀬戸山隆三 | 球団代表 | 2011 | 2011年に辞任 |
石川晃 | 球団副代表 | 2011 | 瀬戸山同様、2011年に辞任 |
米田容子 | 球団副代表補佐 | 2012 | 辞任*16 |
ボビー・バレンタイン | 監督 | 2009 | 退任(任期満了) |
西岡剛 | 選手 | 2010 | MLB移籍*17 |
MVP | 応援団 | 2009 | 解散 |