阪神タイガースがしばしばシーズンオフに見せる冬の風物詩の事。
概要
元ネタは2007年オフにヤクルトを退団したセス・グライシンガー(元ヤクルト→巨人→ロッテ)の獲得を目指した際の、2007年12月4日付デイリースポーツ記事から。
もっとも暗黒時代の頃から毎年オフに「虎の恋人」獲得に乗り出しては失敗を繰り返して*1おり、一連の流れは冬の風物詩として他球団ファンからも高く評価されている。またオチまでセットになっていることが多く、このコントのような流れが阪神が球界を代表するお笑い球団と称される事にも大きく貢献してしまっている。
対義:取る取る詐欺
2018年8月頃、阪神は国内FA権行使濃厚とされていた浅村栄斗(当時西武)や西勇輝(当時オリックス)などの獲得に動くと一部スポーツ紙では言われていた。しかし球団経営陣と首脳陣一新直後に一旦は「撤退」*2を宣言し、2019年矢野燿大体制のコーチ陣も阪神OBが多数を占める結果となり補強への消極的な姿勢*3といい暗黒時代に先祖返りしたという阪神ファンも多かった。しかし、最終的にFA宣言した西獲り*4に動き獲得に成功した。
記事
虎 グライシンガー獲り怒りの撤退も
http://www.daily.co.jp/baseball/2007/12/04/0000759220.shtml
阪神が、ヤクルトから自由契約となったセス・グライシンガー投手(32)の争奪戦に関して、 常識外のマネーゲームに発展した場合は即刻、撤退する方針を固めたことが3日、分かった。
=== 中略 ===
球団はグライシンガー側が2年7億円を最低ラインに置ているとの情報も得ているが、 事前調査の結果、それ以下の額でも十分に交渉可能とみている。 だが、他球団が法外な額を提示すれば一気に常識を超えた世界に突入する。 そうなれば…猛虎はきっぱり、怒りの撤退宣言を行う。
グライシンガーからの撤退はある程度想定内だったが本当の意味で感情のままに怒りの撤退をやらかしたのは1991年ドラフトの田口壮(元オリックスブルーウェーブ→MLB→オリックス・バファローズ)獲得を狙った時であり、阪神も関西学院大も互いに態度を硬化させたことから只でさえ疎遠だった両者の関係はさらに険悪になっていた。
ただし2000年代に入ってから2006年ドラフトで清水誉を、2018年ドラフトで関学OBで大阪ガスの近本光司を獲得している。
派生形
この怒りの撤退ネタは、改変性が高い事もあり「怒りの○○」として他球団のネタにも応用されたりしている。また、元々「怒りの撤退」以前よりシルヴェスター・スタローン主演の映画「ランボー」の続編2作で怒りの~と言う邦題(怒りの脱出/怒りのアフガン)が使われていた事もあり、「ランボー怒りの○○」と言う形式が使われる事もある。ちなみに以下に挙げた三つの例は全て阪神が何らかの形で絡んでいる。
怒りの通信障害
2018年12月6日にソフトバンク・Y!mobileの通信回線が大規模な通信障害を起こした。また同日にソフトバンクホークス大本営の西日本スポーツ朝刊にホークスが西獲得に失敗した記事が載ったこともあり「西と浅村を獲得できなかったことへの八つ当たり」、「怒りの通信障害」、「孫正義乱心」、果ては「45億の浅村西資金を通信事業に投資しろ」などと散々な言われようであった。
しかも、通信障害が発生したのが東京、大阪とその周辺であったため、「オリックスと阪神の存在する大阪周辺への嫌がらせ」とまで言われていた。
なおこの通信障害の原因は、スウェーデンのエリクソン製交換機のソフトウェアで使用される証明書がミスで期限切れとなりセキュリティからはじかれた事によるもので、他にもイギリスなど11カ国を巻き込む大騒動にまで発展。ソフトバンクに取ってはある意味FA獲得競争の連敗が確定した上に、エリクソンのせいで巻き込まれたとんだとばっちり。おまけに12月19日に予定されているソフトバンクの上場に水を差すリアルで最悪のタイミングであった。