成瀬飛翔

Last-modified: 2024-09-11 (水) 12:57:27

成瀬善久(ロッテ→ヤクルト→オリックス→BC栃木)が本塁打を浴びた際に見られる書き込み。転じて被本塁打(=一発病)そのものを指す。「飛翔癖」とも。


概要

成瀬は2003年ドラフト6位でロッテに入団。奪三振の多さと与四死球の少なさが特徴の投球スタイルであり、当初は被弾も少ない部類だった*1

しかし2010年は一転してリーグワーストの29被本塁打を喫する*2。チーム最多の13勝、防御率3.31と安定した成績を残し、ロッテの日本一に貢献した一方で敗戦も11に上り、「飛翔」が原因で負ける場面の多さを象徴している。なぜ彼が突如として一発病を発症したのかは未だ謎に包まれている。

2011年以降は一発病が慢性化違反球時代の投高打低をものともせず、2012年は被本塁打2桁投手がわずか5人という異例の事態*3の中で21被本塁打と突出した数字を残す*4。さらに2014年は規定投球回にわずか1.1イニング届かなかったものの、ぶっちぎりでワースト相当の被本塁打率1.14*5と、貫禄を見せつけた。

2015年のヤクルトへのFA移籍以降は不振も重なり投球回が大きく減少したものの、リーグが変わっても被本塁打数は上位をキープし*6、NPBを去る2019年までシーズン被本塁打率が1を割ることは一度もなかった。

また、2023年に開催されたイベント「YOKOHAMA STADIUM 45th DREAM MATCH」*7で登板した際も村田修一から2ランを被弾し、成瀬飛翔の健在ぶりを見せつけた。

上記の有様から成瀬が飛翔を見せる度にスレが立ち、定期化のあまりスレタイが『【成瀬】成瀬、成瀬*8と化す場合もあった。


年度別成績

シーズン所属投球回被本塁打数被本塁打率備考
通算1567.21741.00*9
2006ロッテ(78.1)60.69
2007173.1100.52
2008150.2120.72
2009153.2140.82
2010203.2291.28
2011189.2150.71違反球
2012200.2210.94違反球
2013(87)131.34
2014(142.2)181.14
2015ヤクルト(79.1)161.82
2016(72.1)131.62
2017(16.2)42.16
2018一軍登板なし
2019オリックス(19.2)31.37

投球回の()内は規定未到達。
青字はリーグ上位3位以内、太字はトップ。
赤字はリーグ下位3位以内、太字はワースト 。
※被本塁打率の順位は規定投球回到達選手のみ考慮。

類似例

「成瀬飛翔」発祥以前から、被本塁打の多い投手に対する「一発病」という呼び名が存在していた。類似の表現として下記が挙げられる。

  • 藪から棒球
    阪神時代の藪恵壹。勝負所で被弾するケースが非常に多かったことから。SYBS*10とも。
  • ハマの花火師
    横浜時代の斎藤隆。1996年(31本)及び1999年(32本)はいずれも被本塁打数リーグワースト。特に松井秀喜からの被弾が目立った。
  • 飛ぶピッチャー
    2003年以降の吉見祐治(当時横浜)が発祥。当人はともに打球を飛ばしており、投球で不振に陥る度にファンの間で野手転向が噂されていた。
  • 柵越
    2007年の川越英隆(当時オリックス)。規定未達の129.1回ながらリーグワーストの20被本塁打と飛翔したことから。当時の一発病投手の代名詞となった。
  • 松本航空
    松本航(西武)。その名前と「飛翔」をひっかけて「航空」。実際に飛翔すると離陸にかけて「テイクオフ」などとレスされる。2019年から2023年まで6シーズン全て規定未達ながらも一発病の持ち主で、2020年には19被本塁打でリーグワーストタイを記録している。
  • よぎる
    カイル・ケラー(阪神→巨人)。名前は阪神時代の2023年開幕戦で登板した際の岡田監督の試合後コメント*11から。2024年シーズンは6月まで被安打9、被打率.148、5失点ながら5被弾と、飛ばないボールがウソのような飛翔ぶりを見せている。


余談

2015年のドラフト会議でロッテに3巡目指名された成田翔(なりた・かける)は、2016年の正月に地元紙の秋田魁新報で「プロで大きく飛翔」と取り上げられる。名前をもじった「成田飛翔」及び、球団本拠地とかけた「成田空港*16と呼ばれるなど成瀬飛翔の派生ネタが見られた。
しかしその後特筆すべき活躍はなく、2022年オフに現役ドラフトでヤクルトに放出。奇しくも成瀬と同じ球歴を歩むこととなったが、2023年オフにヤクルトから戦力外通告を受けた。

画像

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関連項目


*1 2007~2009年の被本塁打率は規定投球回到達者の中でおおむね平均以下。
*2 次点は涌井秀章(西武)の21本。
*3 前年は10人。違反球時代前の直近5年間は2007年の21人が最少。
*4 次点は石井一久(西武)の14本。こちらは規定投球回に10イニングほど足りず、被本塁打率は成瀬を僅かに上回る0.95。
*5 不足分を被弾せず抑えた仮定では1.13。規定到達勢のワーストは岸孝之(西武)の0.89。
*6 同年は規定投球回の半数程度の79.1回ながら16被本塁打を喫してリーグワースト2位タイにランクインしている。
*7 横浜スタジアム開業45周年を記念し、「ベイスターズ所属経験のある選手」と「神奈川県の高校出身の選手」が対戦するイベント試合。成瀬は横浜高校OBであるため選出された。
*8 原型は「【速報】成瀬、飛翔」等。
*9 厳密には0.9992...
*10 こちらは被弾に限らず炎上全般を指す。
*11 前年の開幕戦でケラーが7点差逆転負けの原因となったホームランを被弾しており、この日もあわや逆転負けしそうになりながらケラーがなんとか抑えたため、昨年の悪夢がよぎったと何度も連呼した
*12 1997~2000年まで4年連続20被本塁打を記録。投手のバルビーノ・ガルベス(巨人)に満塁弾を被弾したこともあり、自身の引退試合でも自虐ネタとして使われた。ただしガルベスは5年間で10本の本塁打を放っており、投手基準では屈指の強打者であった。
*13 現役時代は巨人キラーとして名を馳せ、2005年に2桁勝利を挙げるも164.2回で30被本塁打。
*14 2018年は84回で18被本塁打。名前をもじって「飛翔太」というあだ名がついている。
*15 特にシーズン前半に被弾が目立ち、デビューから7試合連続で計11被本塁打を喫した。なお以降は被弾が大幅に減りシーズン終了時点では14被弾となった。
*16 千葉マリンスタジアム~成田空港の直線距離は約35kmで、同じ千葉県下という事もあり12球団中最も近い。