成瀬善久(ロッテ→ヤクルト→オリックス→BC栃木)が本塁打を浴びた際に見られる書き込み。転じて被本塁打(=一発病)そのものを指す。「飛翔癖」とも。
概要
成瀬は2003年ドラフト6位でロッテに入団。奪三振の多さと与四死球の少なさが特徴の投球スタイルであり、当初は被弾も少ない部類だった*1。
しかし2010年は一転してリーグワーストの29被本塁打を喫する*2。チーム最多の13勝、防御率3.31と安定した成績を残し、ロッテの日本一に貢献した一方で敗戦も11に上り、「飛翔」が原因で負ける場面の多さを象徴している。なぜ彼が突如として一発病を発症したのかは未だ謎に包まれている。
2011年以降は一発病が慢性化。違反球時代の投高打低をものともせず、2012年は被本塁打2桁投手がわずか5人という異例の事態*3の中で21被本塁打と突出した数字を残す*4。さらに2014年は規定投球回にわずか1.1イニング届かなかったものの、ぶっちぎりでワースト相当の被本塁打率1.14*5と、貫禄を見せつけた。
2015年のヤクルトへのFA移籍以降は不振も重なり投球回が大きく減少したものの、リーグが変わっても被本塁打数は上位をキープし*6、NPBを去る2019年までシーズン被本塁打率が1を割ることは一度もなかった。
また、2023年に開催されたイベント「YOKOHAMA STADIUM 45th DREAM MATCH」*7で登板した際も村田修一から2ランを被弾し、成瀬飛翔の健在ぶりを見せつけた。
上記の有様から成瀬が飛翔を見せる度にスレが立ち、定期化のあまりスレタイが『【成瀬】成瀬、成瀬』*8と化す場合もあった。
年度別成績
シーズン | 所属 | 投球回 | 被本塁打数 | 被本塁打率 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
通算 | 1567.2 | 174 | 1.00*9 | ||
2006 | ロッテ | (78.1) | 6 | 0.69 | |
2007 | 173.1 | 10 | 0.52 | ||
2008 | 150.2 | 12 | 0.72 | ||
2009 | 153.2 | 14 | 0.82 | ||
2010 | 203.2 | 29 | 1.28 | ||
2011 | 189.2 | 15 | 0.71 | 違反球 | |
2012 | 200.2 | 21 | 0.94 | 違反球 | |
2013 | (87) | 13 | 1.34 | ||
2014 | (142.2) | 18 | 1.14 | ||
2015 | ヤクルト | (79.1) | 16 | 1.82 | |
2016 | (72.1) | 13 | 1.62 | ||
2017 | (16.2) | 4 | 2.16 | ||
2018 | 一軍登板なし | ||||
2019 | オリックス | (19.2) | 3 | 1.37 |
投球回の()内は規定未到達。
青字はリーグ上位3位以内、太字はトップ。
赤字はリーグ下位3位以内、太字はワースト 。
※被本塁打率の順位は規定投球回到達選手のみ考慮。
類似例
「成瀬飛翔」発祥以前から、被本塁打の多い投手に対する「一発病」という呼び名が存在していた。類似の表現として下記が挙げられる。
- 柵越
2007年の川越英隆(当時オリックス)。規定未達の129.1回ながらリーグワーストの20被本塁打と飛翔したことから。当時の一発病投手の代名詞となった。
- 松本航空
松本航(西武)。その名前と「飛翔」をひっかけて「航空」。実際に飛翔すると離陸にかけて「テイクオフ」などとレスされる。2019年から2023年まで6シーズン全て規定未達ながらも一発病の持ち主で、2020年には19被本塁打でリーグワーストタイを記録している。
- よぎる
カイル・ケラー(阪神→巨人)。名前は阪神時代の2023年開幕戦で登板した際の岡田監督の試合後コメント*11から。2024年シーズンは6月まで被安打9、被打率.148、5失点ながら5被弾と、飛ばないボールがウソのような飛翔ぶりを見せている。
- その他
横浜投手陣。本拠地の横浜スタジアムは本塁打が出やすいこともあり、上述の吉見・斎藤に加え三浦大輔、川村丈夫*12、土肥義弘*13らを、後身のDeNAでも石田健大、今永昇太*14、井納翔一、トレバー・バウアー*15と、定期的に「花火師」を輩出している。
余談
2015年のドラフト会議でロッテに3巡目指名された成田翔(なりた・かける)は、2016年の正月に地元紙の秋田魁新報で「プロで大きく飛翔」と取り上げられる。名前をもじった「成田飛翔」及び、球団本拠地とかけた「成田空港」*16と呼ばれるなど成瀬飛翔の派生ネタが見られた。
しかしその後特筆すべき活躍はなく、2022年オフに現役ドラフトでヤクルトに放出。奇しくも成瀬と同じ球歴を歩むこととなったが、2023年オフにヤクルトから戦力外通告を受けた。