2013~2016年に埼玉西武ライオンズのショートを守っていた選手の総称(蔑称)。
現在は西武の控え遊撃手そのものを指す。
この手のネタは野球ch時代から存在し、“あるポジションに対してなかなかレギュラーの座を勝ち取れない選手達”に対して、ことわざ「どんぐりの背比べ」を捩った「ドングリーズ」という呼称が使われる。
概要
ライオンズは西鉄時代の豊田泰光に始まり、伝統的に球界を代表する遊撃手を輩出してきた。特に1981年~2012年の約30年にわたる固定メンバー(石毛宏典*1→田辺徳雄*2→松井稼頭央*3→中島裕之*4)は全員がタイトルを複数回受賞。極めて順調な世代交代を見せていた。
しかし中島の移籍以降、遊撃手のレギュラー候補たちはいずれも
- 攻守のいずれかが不安定
- ケガが多い
- 好不調の波が激しい
等の理由でレギュラー固定に至らず、2013~2016年の4年間で主に遊撃を守り規定打席に到達した選手は0人*5。本拠地の所沢で遊撃手が次々と入れ替わる様を揶揄した「所沢遊撃隊」という呼称が誕生した。
主な隊員
名前 | 打席 | 特徴 |
---|---|---|
浅村栄斗 | 右打 | 2008年ドラフト3位入団。高い打撃力を誇り、ポスト中島の筆頭と目されたが遊撃守備に不安があったためコンバート。2013年は主に一塁手、2014年以降は二塁手で出場。 2018年オフにFAで楽天に移籍。 |
鬼崎裕司 | 左打 | 2011年に小野寺力とのトレードでヤクルトから移籍。2013年後半にスタメン定着するも、2014年以降は故障などから攻守に精彩を欠く。 2017年に戦力外。 |
永江恭平 | 左打 | 2011年ドラフト4位入団。「松井稼頭央二世」と期待され守備には定評があったが、打撃がまったく向上せず長年守備要員に甘んじていた。 2020年に戦力外。 |
金子侑司 | 両打*6 | 2012年ドラフト3位入団。後に盗塁王を2度獲得するなど俊足の持ち主だが内野守備に難があり、故障も多く春先だけの活躍で終わることが多かった。2016年途中から主に外野手として出場し、2017年から正式に外野手登録に。なお |
山崎浩司 | 右打 | 2012年11月に原拓也とのトレードでオリックスから移籍。目立った活躍はなかった。 2014年に戦力外。 |
渡辺直人 | 右打 | 2013年7月に長田秀一郎とのトレードでDeNAから移籍。加齢の影響もあり守備範囲が狭く2016年以降は殆ど遊撃に就いていなかった。 2017年に戦力外。 |
外崎修汰 | 右打 | 2014年ドラフト3位入団。俊足とパンチ力のある打撃を兼ね備えるも、遊撃の守備では致命的なミスを連発。2017年に二塁・三塁・外野と様々なポジションを経験したのち、浅村の移籍に伴い2019年から二塁手に固定。 |
呉念庭 | 左打 | 2015年ドラフト7位入団。2016年夏以降にスタメン遊撃手の座を掴むも攻守の不安定ぶりから定着できず。以降は遊撃を除く内野・外野に挑戦*7。 2023年に退団。 |
木村昇吾 | 左打 | 2016年2月に入団テストを経て広島からFA移籍するも故障で戦線離脱し、同年オフに育成落ち。 2017年に戦力外。 |
終焉
2017年は前年ドラフト3位の源田壮亮が石毛以来36年ぶりの新人遊撃手開幕スタメンの座を掴む。開幕5試合目から2番・遊撃手に定着し、56年ぶりの新人フルイニング出場を達成*8。球団新人の最多安打(155安打、2リーグ制以降2位)および最多盗塁(37盗塁)記録を更新し、守備でもUZR21.5という好成績を記録する等、走攻守全てにおいて活躍を見せ新人王を獲得。ファンの間で「源田たまらん」というワードが流行し、西武公式Twitterも使用している。めでたく球団・ファン待望の正遊撃手が誕生し、所沢遊撃隊は無事解散と相成った。
参考
同年は元所沢遊撃隊メンバーが好調だったため、下記のように元メンバーが多数スタメン入りしていた。
西武のスタメンショートだらけでワロタwwwwwwwwwwww
http://hawk.2ch.net/test/read.cgi/livejupiter/1502941323/
1 :風吹けば名無し@無断転載禁止:2017/08/17(木) 12:42:03.85 ID:FvzRyvxd0
1 (左) 金子侑 .315 4←元ショート
2 (遊) 源田 .272 3←ショート
3 (中) 秋山 .341 21
4 (二) 浅村 .312 15←元ショート
5 (一) 山川 .304 9
6 (指) 森 .667 0
7 (右) 外崎 .248 10←元ショート
8 (捕) 炭谷 .269 2
9 (三) 永江 .375 1←ショート
ショート困ってる球団一人くらい欲しいんちゃうか?
サンディエゴ遊撃隊
サンディエゴ・パドレスでは2010年代後半からプロ・アマ問わずショートをかき集めていった結果、2024年には遂にバッテリー以外全員ショート経験者でスタメンを組む珍事にまで発展した。アメリカではショートが花形とされるため元ショートの選手自体は珍しいものでもないが、パドレスではプロ入り後も本職ショートで活躍していた選手が多数加入していった点で異質性が際立つ。
2024/3/20 対LAD(開幕戦)のスタメン
1(二)ザンダー・ボガーツ←元ショート
2(右)フェルナンド・タティスJr.←元ショート
3(一)ジェイク・クロネンワース←元ショート
4(指)マニー・マチャド*9←元ショート
5(遊)金河成←現ショート
6(左)ジュリクソン・プロファー←元ショート
7(捕)ルイス・キャンプサーノ
8(三)タイラー・ウェード←元ショート
9(中)ジャクソン・メリル←元ショート
先(投) ダルビッシュ有
ショート以外のポジションが埋まらないチーム事情や不安定なショート守備など、様々な理由から多数の選手がコンバートされている。このため守備力は総じて高い一方打力はやや見劣りするとされ、特に一塁手としては低調な打撃が続くクロネンワースがやり玉に挙げられることが多い*10。
関連項目
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