アレックス・ラミレス監督が仕掛けた作戦のひとつ。
別名「横浜ストーリー*1打線」とも。
概要
2018年4月30日の中日戦で、この年にソフトバンクから中日に移籍してきた松坂大輔に抑え込まれ、NPBで4241日ぶりの勝利を献上することとなったDeNA。
再戦となった8月16日の中日戦では、
守 | 選手名 | 出身高校 | |
---|---|---|---|
1 | 中 | 荒波翔 | 横浜高 |
2 | 二 | 石川雄洋 | 横浜高 |
3 | 一 | ホセ・ロペス | ヘスス・ラファエル・アルボルノス高 |
4 | 左 | 筒香嘉智 | 横浜高 |
5 | 三 | 宮崎敏郎 | 厳木高 |
6 | 右 | ネフタリ・ソト | マリスタデ・グアイナボ高 |
7 | 遊 | 倉本寿彦 | 横浜高 |
8 | 投 | 京山将弥 | 近江高 |
9 | 捕 | 嶺井博希 | 沖縄尚学高 |
と、松坂の出身校・横浜高校に在籍していた一軍選手でスタメンを固めて松坂に挑んだ*2。
しかし、試合は先発京山の炎上でいきなり大量失点。3回に石川の内野安打から生まれたチャンスでロペスがホームランを放ち2点を返すも、それ以降は松坂に1点に封じ込まれまたしても完敗する体たらく。しかも肝心の横浜高校の選手は5四球を選んだものの僅か2安打だった。
敗戦後、ラミレス監督は「松坂が相手だったので横浜高校の選手たちを送り込むのがモチベーション的にもストーリー的にもベストだと思った。」と打線について説明。まともとは言い難い戦略で試合も落としたラミレスに批判が集中し、「ストーリー」がラミレス采配の蔑称の一つとなった上、皮肉を込めて「横浜高校ストーリー打線」と呼ばれるようになった。
その後の横浜高校ストーリー打線
2018年シーズンはその後松坂と対戦する機会がなく、もともと主力に横浜高校の選手が普段から出場していたこともあって、次第に忘れられつつあったが…。
2019年6月11日 vs涌井
1年後の交流戦、苦手西武に勝ち越し勢いに乗っていたDeNAは、ロッテ戦で横浜高校出身の涌井秀章が先発ということで、再び横浜高校出身の選手でスタメンを編成し横浜高校ストーリー打線で試合に挑んだ。
上記を記憶する一部のファンからは批判の声が漏れていたが、意外にも打線は爆発。1点ビハインドの5回表、石川*3のタイムリーで同点に追いつくと、宮崎とロペスのタイムリーなどで一気に逆転。最後は乙坂智のダメ押しタイムリーで勝負あり。横浜高校の先輩・涌井を攻略し、横浜高校ストーリー打線が初勝利を飾った。
2019年7月27日 vs松坂
中日戦で1年ぶりの松坂との再戦となり、ラミレス監督は「前回のリベンジがしたい」と、またしても横浜高校出身選手でスタメン編成。
守 | 選手名 | 出身高校 | |
---|---|---|---|
1 | 中 | 乙坂智 | 横浜高 |
2 | 左 | 筒香嘉智 | 横浜高 |
3 | 右 | ネフタリ・ソト | マリスタデ・グアイナボ高 |
4 | 一 | ホセ・ロペス | ヘスス・ラファエル・アルボルノス高 |
5 | 三 | 宮崎敏郎 | 厳木高 |
6 | 捕 | 伊藤光 | 明徳義塾高 |
7 | 遊 | 大和 | 樟南高 |
8 | 投 | 石田健大 | 県広島工高 |
9 | 二 | 石川雄洋 | 横浜高 |
先頭打者乙坂がいきなりヒットで出塁すると、続く筒香がタイムリーツーベース。わずか3球で先制に成功する。
その後も勢いは止まらず9番の石川、一巡して回ってきた乙坂もタイムリーを放ち、先発松坂を0回1/3・8失点でノックアウト。初回だけで横浜高校出身打者全員がヒットを記録し、見事に昨年のリベンジを果たす結果となった。
日本ハムの横浜高校ストーリー打線
2021年6月11日には、日本ハムの栗山英樹監督が三浦監督率いるDeNAに対してストーリー打線を編成。上位打線の4人を横浜高校出身の選手で固めている。
守 | 選手名 | 出身高校 | |
---|---|---|---|
1 | 中 | 淺間大基 | 横浜高 |
2 | 左 | 万波中正 | 横浜高 |
3 | 一 | 髙濱祐仁 | 横浜高 |
4 | 指 | 近藤健介 | 横浜高 |
5 | 二 | 渡邉諒 | 東海大甲府高 |
6 | 三 | 野村佑希 | 花咲徳栄高 |
7 | 右 | 大田泰示 | 東海大相模高 |
8 | 遊 | 谷内亮太 | 金沢西高 |
9 | 捕 | 清水優心 | 九州国際大付高 |
試合は淺間、高濱、近藤の3人がそれぞれ1安打ずつ放ったものの先発の金子弌大が5回途中4失点と振るわず、打線も濱口遥大に4安打で抑えられ、当時投壊していた*4DeNAに完封負けを喫してしまった。
また、当試合のDeNAは横浜高校出身の選手を1人も試合に出さなかった*5。
松坂の引退試合では
2021年10月19日(メットライフドーム)の松坂の引退試合でも、横浜高校出身の選手中心の編成となった*6。