西岡剛(元ロッテ→MLB→阪神、現福岡北九州フェニックス兼任監督)の蔑称。
阪神時代における2014年の日本シリーズ第5戦での出来事がきっかけで、この蔑称が付けられるに至った。
【目次】
概要・試合経過 
ソフトバンクの3勝1敗で迎えたこの試合、8回裏にソフトバンクが1点を先制し、日本一に大きく近づいた。
そして9回表には守護神デニス・サファテをマウンドに送るが、この日のサファテは3四球の大乱調で一死満塁の大ピンチ。続く打席の西岡に対しても5球連続でストライクゾーンに入らない有様だったが、西岡は3球目をカットし、5球目を一塁正面を突くゴロにしてしまう。
ボールはそのまま一塁手→捕手→一塁手と送球され併殺完成、ゲームセット……
と思いきや、捕手から一塁への送球は打者走者である西岡の背中に命中、その間に二塁走者がホームを踏んだ。だが同点になったと思われた直後、球審の白井一行は西岡に守備妨害のアウトを宣告、三塁走者封殺→西岡刺殺の併殺が完成してゲームセットをコールしていた。
和田豊監督が猛抗議するも覆らず、その横ではソフトバンクが日本一決定の喜びを分かち合い、和田が試合開始から3時間34分後に退場するなど、史上稀に見る何とも締まらない優勝シーンとなってしまった。そしてこの状況を作り出した西岡は「戦犯」とかけて「線犯」と呼ばれ、西岡のメジャーな蔑称として定着した。
なおこの年のパ・リーグの方のCSファイナルステージは、ソフトバンクと日本ハムの間で6戦に渡って死闘が繰り広げられた上、当時引退が決まっていた稲葉篤紀と金子誠を双方の選手で胴上げする優しい世界が展開された為、打って変わって日本シリーズの呆気なさからこちらのCSファイナルが「実質本当の日本シリーズ」などと揶揄されるハメになった。
公認野球規則6.05(k)*1 
ざっくり言うと、打者走者は「スリーフットレーン」と呼ばれる一塁線からファウルゾーン内へ引かれた領域を外れて走って一塁に対するプレーを妨害してはいけないというルール。西岡はこの領域を外れてフェアグランド内を走り、送球が当たったことで守備妨害とみなされた。
蔑称の派生 
派生形を含め実際には数え切れないほどの蔑称が作られている。以下はほんの一部。
西岡の釈明 
試合後、西岡は内側を走ったことは「故意じゃない」「左打者は内側を走るものだ」などとマスコミに説明していたものの、自身のフェイスブック上でファンに向けて「僕なりにルール上ギリギリのプレーはした」「阪神ファンを喜ばせたい一心で」と故意であったことを事実上認めてしまう。
妨害したことに対する謝罪の言葉などはなく、むしろ「阪神ファンのためにやった」と責任転嫁するかのような発言は火に油を注ぐ結果となってしまった。
一方でこれまで「コールがうるさいネタ審判」のイメージが強かった白井は、冷静に守備妨害を見極めアウトを宣告したことでなんJ民の評価を上げることとなった。
記事その1 
阪神負けた 西岡がまさかの守備妨害
http://www.daily.co.jp/newsflash/tigers/2014/10/30/0007463700.shtml
甲子園に戻ることなく、阪神の29年ぶり日本一の夢はついえた。対戦成績1勝3敗で王手をかけられていた阪神は0-0の八回裏、2死一、三塁から松田に中前打されて先制点を許し、そのまま逃げ切られた。
阪神は0-1の九回、先頭・上本がストレートの四球で出塁し、1死後にゴメス、福留が連続四球。1死満塁から西岡の一ゴロで上本が本塁憤死。続く一塁への悪送球で同点かと思われたが、西岡が守備妨害を取られた。
先発・メッセンジャーが七回まで無失点と好投。三回2死二、三塁と六回2死二、三塁のピンチには、中堅手の大和がこん身のダイビングキャッチ、背走してのスーパーキャッチで断つなど神がかりの好守で0点に抑えてきたが、ホームが遠かった。
記事その2 
阪神西岡「自分を責めたい」併殺打で終戦
https://www.nikkansports.com/m/baseball/news/f-bb-tp0-20141030-1389637_m.html
西岡は「最初、打ったら、左打者は内に入る。プレーどうこうはね…。故意でできるはずがない。ケガして始まった1年。最後に僕で終わったことが1年間を物語っている。応援してくれた阪神ファンやチームメートにも、申し訳ないという言葉ではすまされない。自分を責めたいと思います」と話した。
記事その3 
ニッポン放送ショウアップナイター【公式】
@showup1242
https://twitter.com/showup1242/status/527815838212960259
阪神西岡の守備妨害について白井球審『完全にラインの内側を走っていた。左バッターだから、普通は内側は走らない。明らかに邪魔してやろうという意図があった。』 #npb
なんでや!西岡関係ないやろ! 
2017年8月1日 広島対阪神(マツダスタジアム)
9回表・阪神の攻撃、1点ビハインドの場面で一死から西岡が安打で出塁するが、次打者の上本博紀が空振り三振。この時西岡がスタートを切っており、二塁送球は間に合わずセーフになると思いきや、杉永政信球審が上本に守備妨害を宣告。
このケースでは守備妨害のアウトがランナーに適用されるため、一気にアウトが2つ増えて試合は終了。金本知憲監督の抗議も実らなかった。
上本の妨害行為はどう見ても露骨にホームベース上に立ちふさがっていたことから、「もはや阪神のお家芸」などと揶揄された。上本は前打席のランニング本塁打の歓声から一転して嘲笑と罵声を浴びせられる羽目になり、西岡も「何があった!また西岡か!」「西岡が走るとろくなことないな」など熱い罵声を浴びた。
2018年9月28日、巨人対DeNA(東京ドーム)
岡本和真がDeNAの2番手・スペンサー・パットンからピッチャー強襲の当たりを放ち、捕手の嶺井博希が取って一塁に送球。これが一塁線の内側を走っていた岡本の背中に当たり、岡本は守備妨害でアウトになった。
何度も見たようなプレーであり、流石になんJ内外でも守備妨害によるアウトは納得されていたが、巨人・高橋由伸監督は猛抗議。当然判定は覆らず、なんJでは失笑の声が漏れた。
ちなみに同年9月14日の同カードで岡本はパットンの投球を右手に受け、その直後から18打数ノーヒットと不振に悩まされたことから、岡本の打球および嶺井の送球を『報復合戦』とネタにする向きもある。
2022年3月26日 巨人対中日(東京ドーム)
7回表・中日の攻撃、一死一塁の場面で京田陽太がバント。打球を処理した投手の鍬原拓也は一塁へ送球するが京田の頭部に直撃。ボールはファウルゾーンへと転がり一塁走者の石川昂弥は三塁まで進む。しかし京田が一塁線の内側を走っていたため守備妨害が宣告され京田はアウト、石川は一塁に戻されてしまった。
なお中日は8回裏に岩嵜翔の負傷降板*4に続き田島慎二・福敬登の乱調もあり5失点、5-7で敗戦した。
海の向こうでも 
試合日はいずれも日本時間で記載。
2019年10月30日 アストロズ対ナショナルズ(ワールドシリーズ第6戦・ミニッツメイドパーク)
2-3で迎えた7回表、先頭・ゴームズが出塁し、1番・ターナーに打順が回る。
そしてターナーはボテボテの3塁線へのゴロを打つ。アストロズ投手・ピーコックが打球を処理して一塁に送球するが、ボールは誰がどう見ても線の内側を走っていたターナーの背中に直撃。
当然守備妨害が宣告されるが、ナショナルズ・マルティネス監督はこれに猛抗議。相手投手が交代し*5、イニングが終わっても抗議し続けた監督はついに退場を言い渡されてしまった。
なお、試合はこの後に追加点を挙げたナショナルズが2-7で快勝。ワールドシリーズ制覇に逆王手をかけた。
なお、ターナーの背番号は7で線犯当時の西岡の背番号と同じである。
余談だが、次の試合もナショナルズが勝利し球団史上初となるワールドシリーズ制覇を達成。これによりMLB史上初の完全外弁慶シリーズ*6が完成した。
2021年10月11日 ホワイトソックス対アストロズ(ア・リーグ地区シリーズ第3戦・ギャランティードレートフィールド)
6-6で迎えた4回裏、ホワイトソックスはティム・アンダーソン、ルイス・ロバート、ホセ・アブレイユの3連打で1点を勝ち越しなおも一三塁のチャンス。ここで4番のヤズマニ・グランダルが放った当たりは一塁へのゴロ。
一塁手のユリエスキ・グリエル*7は本塁突入を狙った三塁走者のロバートを刺そうと本塁へ送球したが、送球がファウルラインの内側を走っていたグランダルの左上腕部に当たり逸れてしまう。
当然アストロズ側は抗議するがグランダルがいた地点が本塁・一塁間の本塁寄りの部分であったため守備妨害は認められず*8。
試合はこの後ホワイトソックスが追加点を重ね12-6で勝利した。