クライマックスシリーズと対極をなす、リーグ最弱を決める試合。
類義語として「裏天王山」*1「天保山」*2がある。
概要
2018年10月13日、CS1stステージとしてセ・リーグでヤクルト(2位)対巨人(3位)、パ・リーグでソフトバンク(2位)対日本ハム(3位)がそれぞれ行われていた。
奇しくも同日、中日(5位)対阪神(6位)及びロッテ(5位)vs 楽天(6位)のシーズン最終試合が裏で開催されていた。しかもいずれも「5位チームのホームゲーム」「(順位は確定済みだが)わずか2ゲーム差」だったため、ただの消化試合に過ぎないはずのこれらの試合はあたかもリーグ最弱を争う裏クライマックスシリーズのようだと揶揄されたことが由来。
背景
2018年は自然災害が多発*3し、それに伴う試合中止も例年以上に多いシーズンだった*4。
特に阪神関係の試合中止が多く、3位争いが混戦*5だったこともあり「CS開催日の2日前時点の順位をもとにCS進出チームが決定される」というルールが再確認されるほど試合消化ペースを懸念されていた。
阪神では上記のルール確認が行われた頃から当シーズン絶望レベルの故障者が続出し、一気に失速。10月3日にBクラスが確定、更に8日にはリーグ最下位が確定*6。チーム状態がどうであれ日程の余裕の無さは変わらず、最終的には同じくCS進出を逃した中日との一戦がCSと同日に組まれることになった。
パ・リーグも同様にロッテが天候の煽りを大きく受け、同じくCS進出を逃した楽天との一戦がCSと同日に組まれた。
トーナメント表
┃ ┏━┻━┓ ┏━┻┓ ┏┻━┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┏┻┓ ┃ ┃ ┏┻┓ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ ┃ 神 中 巨 ヤ 広 西 ソ 公 ロ 楽 ┗┳┛ ┗┳┛ ┃ ┃ ┗━━━━━━━┳━━━━━━━┛ ┃
結果
当該試合に対しては「この裏シリーズを制した最下位*7」には「地獄が待っている」「 1001が待っている*8」、「裏日本シリーズは大宮けんぽグラウンド / 六郷土手(いずれも草野球場)でやれ」などの熱い罵声が浴びせられた。
パ・リーグ裏CS 楽天対ロッテ (試合結果)
楽天先発の古川侑利が4回1安打の好投を見せ、楽天打線も3回に2点のリードを奪う。しかし直後の5回から、6年連続2ケタ勝利がかかっている則本昂大がリリーフ登板し勝利投手をヌッス。最終的に4-1で楽天が勝利し、ロッテは本拠地14連敗*9に加え、井口資仁の監督就任初年度勝率の球団ワースト記録(.421)を喫した。
セ・リーグ裏CS 阪神対中日 (試合結果)
本シーズンをもって森繁和・金本知憲ら両監督が退任を表明しており、中日は岩瀬仁紀・荒木雅博の現役最終試合でもあった。これに対し阪神も福留孝介・高橋聡文*10・森越祐人ら元中日勢の揃い踏みを演出した。
試合は両先発の阪神・竹安大知*11及び中日・柳裕也がそれぞれ5回2失点、6回1失点に抑え、後続も0を並べる投手戦の様相を呈していた。しかし9回表の阪神の攻撃、一死1・3塁と一打逆転の場面にて一塁走者の大山悠輔が二盗を企図。本盗とのダブルスチールを警戒した松井雅人がピッチャーカットのため送球するも、投手の佐藤優がサインを失念して捕らなかったうえ、サイン通りの守備位置に就いていたセカンド高橋周平とショート京田陽太がどちらもベースカバーに入っていなかったため、ボールが誰もいないセンターに転々としてしまう。この大やらかしで中日は同点に追いつかれ、直後に控えていた岩瀬の引退登板に泥を塗る展開となった*12。
延長に突入した試合は11回表に祖父江大輔が中谷将大に決勝タイムリーを打たれ3-2で決着。最弱争いにふさわしいグダグダの試合内容で、セ・リーグ最弱は中日に軍配が上がった。
上記の通りネタに溢れた2試合の結果により、2018年の裏日本シリーズの対戦カードは(仮に開催されるとしたら)中日対ロッテとなった。本年で引退した浅尾拓也・岡田幸文らが活躍した2010年の日本シリーズと同じカードであるが、どちらが最弱となるのかはご想像にお任せする。
「表」である本来のCSファーストステージも、巨人・菅野智之による日本球界ポストシーズン初のノーヒットノーラン達成や日本ハム・中田翔の中田翔が破壊された事件など、話題性に富んだものとなった。