東北楽天ゴールデンイーグルスの蔑称。
発端 
2019年10月17日のドラフト会議で楽天は大船渡高・佐々木朗希を1位指名するがくじを外し大阪ガス・小深田大翔を外れで1位指名した。
その後、小深田はインスタライブにて仲間から「まず(楽天に)行く?」と尋ねられ「要相談で(笑)」と返答した動画が投稿され、これがなんJで話題となる。
当然のことながら本気で入団拒否を前提とした発言ではなく、冗談としての「要相談」であるが、それを聞いた一部の楽天ファンは小深田が元々大阪ガスの先輩・近本光司が所属する阪神への入団を強く希望していたという経緯*1からさらに不快感を増し「不快に思う人がいて当然」「社会人の発言とは思えない」「常識を知らない」と入団前から総叩きを受ける。
再評価 
しかし翌18日、楽天から第2次戦力外通告が発表され、その中に2017年入団の西巻賢二(仙台育英出身)が入っていたことから一転。
高卒2年目のしかも地元出身の選手が、怪我や手術、反社会的行為などの報道もなく「チームの方針」という理由で戦力外通告を受け、育成打診をされた。
西巻の場合はフェニックスリーグに出場中の出来事でもあり、特に怪我もなく一軍(2018年25試合出場打率.247)・二軍(2019年106試合381打席出場)で、順調に経験を積み成績を残している選手を戦力外にした例は極めて珍しいと話題になった。
楽天の仙台育英出身2年目西巻が戦力外 育成契約提示されるも「もし他球団から話があれば…」
- スポニチ
「チームの方針上、育成(選手)になってほしい、ということだった」と明かした上で、今後については「まだ分からない。もし他球団から話があればとは思っているけど、なければ(楽天で)育成契約になる」と説明した。
しかも当時の楽天は、生え抜きで主将も務めた嶋基宏が成績不振による大幅減俸を提示されたため退団*2、同じく楽天生え抜きだった平石洋介の監督退任騒動などが原因*3で、石井一久GMに対し一部のファンの不信感が高まりつつある状況だった*4。
この事からなんJでは「これは要相談ですわ」「流石社会人」「先見の明がある」等たった一晩で真逆の評価を得る結果となった。
当の西巻はこの育成打診について「去年出来なかったことが今年できるようになってきた中の戦力外だった」と落胆したコメントを残していた。
上記の通り本人は戦力外通告直後から移籍に前向きな意思を示しており、その後11月12日に千葉ロッテマリーンズ*5が秋キャンプで西巻の入団テストを行うと発表され、11月14日に正式に支配下選手としてロッテ入団となった。このお粗末な顛末から、これなら金銭で西巻をロッテに売った方がマシだったなどと言われた。
一方の小深田は遠征先の台湾で楽天の帽子を被った写真が撮られたり、近大の先輩である藤田一也にチームを通じて挨拶をするなどしており、当然のことながら入団拒否の意思は特になかった模様。その後、11月10日に契約合意された。
参考:2001-2020年オフの間、高卒2年目までに戦力外通告or任意引退した選手の例 
名前太字が1年目放出者、細字が2年目放出者。
戦力外の理由 | 氏名 | 球団 | 備考 |
---|---|---|---|
素行不良 | 佐藤正尭 | 日本ハム | 引退後の2018年に傷害罪で逮捕。 |
怪我・病気の悪化 | 伊奈龍哉 | ソフトバンク | 高校時代から痛めていた右肩の状態が上向かず自由契約。 引退後4度逮捕されており*6素行不良説も根強い。 |
川口容資 | 右肩故障から戦力外、この後育成選手として巨人入りするも翌年に再度戦力外。 | ||
吉田幸央 | ヤクルト | 内臓疾患の治療が長引き治療の目処が立たず1年目の6月に任意引退。 後年トライアウトから復帰を試みる程度には回復していたが復帰ならず。 | |
野元浩輝 | 楽天 | 自由契約→育成契約。本人が契約更改時のインタビューで怪我によるものと説明しているが具体的な怪我の内容は不明。 | |
古村徹 | 横浜 | 入団前からの肩の怪我で支配下から育成契約に移行。その後戦力外となるもいろいろあって支配下復帰を果たしたが2020年11月に再び戦力外となった。 | |
佐村トラヴィス幹久 | 肩の怪我で支配下から育成に移行。以後の経歴は長いので省略。 | ||
園部聡 | オリックス | 右肘手術後のリハビリに専念するため育成契約に。 2016年シーズン途中に支配下復帰、2018年のオリックス退団後は社会人野球・JX-ENEOSで1年プレーし引退。 | |
本田仁海 | 右肘疲労骨折で支配下から育成に移行。翌夏に支配下復帰。 | ||
森田一成 | 阪神 | 右肩の故障で支配下から育成に移行、1年半後に支配下復帰。 | |
平岡政樹 | 巨人 | 高卒1年目に一軍で7試合登板も翌年右肩痛に。リハビリのため育成契約も1年で引退。 | |
堀田賢慎 | 2019年ドラフト1位。入団1年目の4月にいきなりトミー・ジョン手術を受けたため、支配下から育成に移行。 | ||
直江大輔 | 2年目の2020年に一軍デビューもヘルニア手術後のリハビリのため育成契約に。 | ||
山下航汰 | 育成ドラフトで入団も1年目の夏に支配下登録し一軍初出場。 しかし2年目は右手有鈎骨骨折等故障が相次ぎ再び育成契約に。 | ||
春田剛 | 中日 | 腰痛悪化で最悪の場合下半身不随になると医者に警告を受け任意引退。 | |
垣越建伸 | 左肩の不調の為2021年は育成契約。 | ||
育成契約目的 | 金本明博 | 中日 | 投手から野手に転向、戦力外後に育成契約を打診されるが本人の希望により断って引退。 引退後の2009年に器物損壊で逮捕。 |
竹内龍臣 | 体作りの為2年目の2021年は育成契約。 | ||
藤井翼 | ソフトバンク | 育成契約の打診もあったが「実力が足りなかった」という本人の希望で育成契約を断って引退。 | |
柿澤貴裕 | 楽天 | 3年目の2015年から育成契約となり、翌年シーズン途中に支配下復帰の後オフに巨人へトレード移籍。 2018年7月に窃盗で契約解除、逮捕。 | |
牧丈一郎 | 阪神 | 入団2年目の2019年オフに育成契約。理由は単純に体力不足と技術不足。 | |
理由不明 | 樋口賢 | 中日 | 2年目途中から二軍ウォッチャーにも全く目撃情報が出回らず失踪を疑われていた。戦力外通告を受けた理由は不明。引退と発表されたが翌年には社会人入りし、その後トライアウトも受けている。 |
津田大樹 | 日本ハム | 二軍広報や同僚ブログ等にも全く登場しなかった謎の選手、理由は不明。2年目の契約更改で背番号降格+減俸の理由に素行不良が取り上げられていた。 | |
宮本武文 | 巨人 | 2年目の2010年に自由契約から育成契約、2012年に引退。引退後の2020年に風営法違反、暴行傷害容疑で逮捕され計4回の逮捕となる。![]() | |
チームの方針 | 西巻賢二 | 楽天 | 一軍で27試合の出場経験あり。 |
なお、一軍経験がある高卒2年目切りはこの西巻がNPB史上初*7となる*8。