阪神アストロズ

Last-modified: 2022-01-08 (土) 05:02:15

2020年のサイン盗み疑惑から派生した、阪神タイガースの蔑称。
サイン盗みが発覚し同年炎上したヒューストン・アストロズと掛けたものだが、ここでは2021年にも起こった疑惑についても取り扱う。
ただし2020年の方はサイン盗みではないことが確定。2021年の方はグレーであり、混同に注意が必要。


【目次】


1.2020年のものの経緯

事の発端は、2020年9月26日のヤクルト対阪神戦(神宮)の8回表終了後の選手交代時の出来事。内容は「7回2死での小幡竜平の本塁突入のアウト・セーフの判定*1についてのリプレー検証が行われていた場面で、次打者だった近本光司がフェンス越しに新聞記者とコンタクトを取っていた」という疑いを審判団にかけられ、それに対し矢野燿大監督が「俺らが何かズルをすることなんかない」と激昂したというものである。

この時点でのメディアの報道もあくまで「疑い」と付いたものだったが、球団ルールを破った面々によって前日にコロナウイルスクラスターが起きたばかりの阪神球団へ多分にヘイトが溜まっていたうえ、外部の人間と試合中に会話することは審判団に不正を疑われても仕方のない行為であるため、なんJでは完全にサイン盗み前提で激しいバッシングが行われ、挙げ句の果てには以前MLBでサイン盗みで大問題を起こしたヒューストン・アストロズをもじって「阪神アストロズ」という用語が作られるに至った。


当日の報道

阪神矢野監督が声荒らげ猛抗議!投手交代から口論に - 日刊スポーツ

8回裏、ヤクルトの攻撃が始まる前のイニング間に投手交代を告げにいった矢野監督が、審判団と話すうちに口論に発展したもよう。井上打撃コーチ、清水ヘッドコーチも姿を見せ、審判団と話し込む姿が見られた。矢野監督は次第に声を荒らげ、約5分間にわたる猛抗議で、球場は騒然となった。

藤浪被弾、矢野監督激高…渦中の阪神は3連敗/詳細 - 日刊スポーツ


真相

しかし翌日、セ・リーグの杵渕和秀統括が阪神が意図的に外部から情報収集したという疑惑については「全くそれはない」と否定。審判団から報告を受けたうえで「換気で窓も開いていたから、ジェスチャーとか声を上げたのが近本選手にも多少、聞こえて反応したんだろう」と説明し、逆に審判団が試合の進行を妨げたことについて両軍監督に謝罪するという結末となった。

同時に、虎ロナウイルスで散々やらかしたとはいえ今回の一件に関しては濡れ衣であったため、同じノリで叩いていたなんJ民にとっては手痛い正岡民ネタとなってしまった*2


翌日の報道

阪神の情報伝達疑惑についてセ・リーグ杵渕統括が状況説明、試合進行遅延を謝罪 - スポニチ

杵渕統括は阪神が意図的に外部から情報収集したという疑惑については「全くそれはない。報告を聞いた私は、友寄審判長もそうですし、昨日の当該審判も、タイガースがそれによってサイン盗みをしているとか、あらぬあれをしているとか、といういうことは全くない」と強調。当該記者への事情確認のタイミングで矢野監督が選手交代を告げに来たために、口論のような形となったと説明した。

【阪神】セ・リーグの杵渕統括が試合進行の遅延を謝罪 当該記者にもヒアリングで解決 - スポーツ報知

杵渕統括は審判団から報告を受けた上で、当該記者とも話し合いを持った。「換気で窓も開いていたから、ジェスチャーとか声を上げたのが近本選手にも多少、聞こえて反応したんだろうと。記者の方も『セーフですよ』と伝達するつもりでなかったことは、先ほどお聞きしました」と潔白を確認した。

なお日刊ゲンダイこの一件に関する記事を発表したのだが、その内容は「阪神が先述したクラスター誘引などによって球界から総スカン状態であることが、この騒動の一因になっている」という、あたかも「審判が『阪神だから』という理由だけで今回の行動に出た」かのような内容だったため、野球ファンたちを呆れさせることとなった。


2.2021年のものの経緯

ところが翌2021年の7月6日、またもや神宮球場のヤクルト戦にて阪神の疑惑が再燃。

5回表の攻撃で佐藤輝明が打席に立った際、二塁走者の近本光司がリードをしながら何度か左手を動かしたことに対し、ヤクルトの三塁手・村上宗隆が近本のサイン伝達を疑い「動いたらあかんすよ!」とアピール。それに対し井上コーチと矢野監督が激昂しヤジを浴びせた。
試合後、阪神監督の矢野耀大は疑惑を完全否定したものの、映像には敬語で審判にアピールする村上とは対照的に、激昂して「やるわけないやろ。ボケ!」と罵声を浴びせる矢野の姿が映っていたことから、後者に対して「あまりにも大人げない」「いきなり言葉を荒らげるのはサイン盗みを誤魔化すためだったと思われる恐れもある」などと各スポーツ紙で苦言を呈された。

また、前回に引き続き今回も当事者が近本だったことから、「また近本か」「頼むからウロチョロするな」などとファンからもブーイングが上がったほか、プロ野球OBの大久保博元笠原将生らも近本の行為に激怒するなど近本や矢野への反発は収まらなかった。

なお、試合翌日の7月7日セントラル・リーグ統括の杵渕和秀は「サイン盗みがあったとは思っていない」と否定したうえで、「そういう紛らわしい行為はない方がいい」と阪神球団に注意している。近本の動きは“走塁意識からの投手・田口麗斗への牽制”で結論付けられた一方、紛らわしい動きをした近本に非があるのは明白であり、その点は矢野も認めている。
ただ、ネット上では前年のことについても改めて蒸し返され、近本や矢野は2年連続で叩かれる羽目に。また、打席に立っていた佐藤についてもそれまでの好調ぶりが疑問視されてしまうなど、阪神にとってはまたも濡れ衣を着せられる形となった。

この騒動の影響もあってか、その後近本はヤクルト戦でランナーに出た際にはわざとらしく腕を後ろで組んでいる。


問題のシーン(7月6日)

バックネット裏からの動画

この動画から分かるように、2塁ランナー近本の左手の動きは、捕手の古賀がインコースに構える動作よりも早くから行われている
一方で、投手の田口がランナー近本を見ている時であったことから、上記の通り牽制に対応するための動作だったといえよう。

先述の通り、近本の動きは捕手が構えるより早く行われているためシロであると思われたのだが、このあと新たな疑惑が浮上することとなる。


2塁ランナー時のサンズの動き

同試合での2塁ランナー時のジェリー・サンズの動き。捕手が構えた後に2塁方向へ上体を振り、キャッチャの構えたインコースと一致しているようにも見える動きをしている。
これだけなら(直前の投手の目線での牽制に対しての)2塁への帰塁意識から来る動きと捕手の構えがたまたま一致しただけにも見えるが、


騒動となった7月6日より1ヶ月ほど遡る6月1日の西武との交流戦。既にサンズはTwitter上で複数の西武ファンからサイン盗みではないかとの指摘を受けていたのである。
サンズはリードを取りながら何度も投手から目を切っており*3、「挙動不審すぎる」「近本のはともかくサンズのはガチっぽい」などの声が続出した。

その後も、村上の指摘のあった7月6日以降、阪神の打撃成績が急降下*4する、ヤクルトの猛追を受けV逸した上にCSでも巨人にストレートで敗退し「原巨人は阪神戦で、二塁に相手走者がいる際などはバッテリー間のサイン交換に細心の注意を払っていた。」という主旨の記事が夕刊フジによって書かれる等々、阪神への疑惑を強めるような要素が続いた*5


そして二軍でも

事件から僅か4日後の7月10日、今度はナゴヤ球場での中日戦(二軍戦)でまたもやサイン盗み疑惑が浮上。

球場に怒号!阪神2軍でもサイン盗み騒動 中日ともみ合い「やってるわけないやんか!」 - デイリー

 阪神の攻撃は七回2死満塁、井上の中飛で終了していたが、中日側から阪神の走者が何らかの伝達行為を行ったのではないかとのアピールがあったと見られる。中日・仁村2軍監督が「やってるやんか、こうやって」とベルト付近を触り、両足を踏むような仕草を見せ、平田2軍監督は「やってるわけないやんか」と抗議。両チームの首脳陣の激しい言い合いとなった。

 不穏な空気の中、両チームの選手は静かに見守った。約4分の中断後、松本球審が場内アナウンスで両チームに警告を発し、警告試合として試合が再開された。

ただし、翌日7月11日の記事によると、この疑惑は試合後に両二軍監督の間で解消済みである

阪神 2軍でもサイン盗み疑惑か 両軍怒号、もみ合いに 試合後に疑惑解消 - デイリー

 試合後、平田2軍監督は「当然そんなことは絶対にやっていない」とサイン盗み疑惑を否定。その上で「試合後に仁村監督とも話し合いをして、そんなことはしていないというのは理解してもらっている。この話は中日との間でもう解決したよ」と疑惑解消に努めたことを強調した。

 「1軍と同じタイミングでファームの選手たちにも疑われるような動きはしないように確認している」と平田2軍監督。


余談

2度目のサイン盗み疑惑後も7月9日の対巨人戦における雨天コールド劇*6や7月12日の対DeNA戦における「マルテへの三球目*7」のこともあり、他球団ファン(特に巨人ファン)からの阪神へのヘイトがさらに溜まることになった。


関連項目


*1 小幡はアウトになっており、矢野監督が抗議してリプレイ検証が行われるも結局覆らなかった。
*2 ちなみに広岡達朗も「疑われる方が悪い」と阪神を一方的に批判、逆に批判を浴びた。
*3 一応、「遊撃手の動きを見ているだけでは?」との声もある。
*4 特に6月には.287もの数字を誇った得点圏打率が7月では.229、9月は.217まで低下した。なお8月は.254とやや持ち直している。
*5 なおソース元がソース元なので鵜呑みは厳禁。
*6 6回終了時点で阪神が4-1でリードしていた。しかし、7回表に巨人はゼラス・ウィーラーと松原聖弥の連打で無死二・三塁と阪神先発の秋山拓巳を攻め立てる。そして若林晃弘を打席に迎えたところで豪雨に見舞われ中断。その後、豪雨は収まったものの審判団はグラウンドコンディション不良につきコールドゲームを宣告、4-1で阪神が勝利した。ネット上ではこの結末に納得のいかない一部巨人ファンは大激怒。さらにネット上のみならず甲子園でも一部巨人ファンが阪神ファンと揉み合うなど後味の悪い結末になった。なおコールドゲームの決定権は審判団であるため、阪神への非難はお門違いである。
*7 9回裏2死2ストライクから三嶋一輝がジェフリー・マルテに投じたゾーン内ギリギリの球を、球審・芦原英智がボールと判定。結果的にこれが同試合のサヨナラ負けへ繋がるきっかけとなった。
*8 2回目のサイン疑惑の次の試合で阪神は3死球を与えた。