1安楽

Last-modified: 2020-02-22 (土) 00:32:10

主に高校野球で使用される個人の投球数の単位。なお元ネタとなった安樂智大(現楽天)の正式な表記は旧字体の「安樂」だが、一般的には「安楽」と表記されることが多い。

概要 Edit

1安楽で232球、もしくは772球と定義される。前者は1試合での投球数、後者は1大会における投球数としての意味を持ち、アマチュア野球での酷使の基準として使用される。
1安楽に近づくほど将来を不安視され、1安楽を超えると酷使無双となり、将来が絶望視される。

経緯 Edit

2013年センバツ高校野球において、上甲正典監督率いる済美高は「やればできるは魔法の合言葉*1」を信条に準優勝。新2年生エースの安樂は全5試合中準決勝までの4試合で完投。決勝では6回をもって降板したものの同大会の9日間で772球を投じた。232球は初戦の広陵戦で延長13回まで縺れた際に記録したもの。

 

安樂は2年生夏の地方大会において自己最速の157km/hを記録。しかし登板過多により2年秋に右肘を負傷し、プロ入り後の最速は152km/hに留まっている。

 

安楽以外の例 Edit

斎藤佑樹(現日本ハム) Edit

2006年夏の甲子園では早実高のエースとして決勝引き分け再試合を含む7試合をほぼ完投し、16日間で948球(1.23安楽)を投げ優勝投手になった。
ただしこの頃はエースによる全試合完投は珍しくなかったので、大きな問題にはなっていなかった。

しかし大学2年時に左股関節の故障によりフォームが崩れ始め、3年生以降はオジギングファスト、日本ハム入り後はカイエン青山化している。

島袋洋奨(元ソフトバンク) Edit

2010年夏の甲子園において興南高のエースとして12日間で783球(1.01安楽)を投げ春夏連覇投手となった。その後中央大に進学するも、入学後には何かと悪い噂の多い秋田秀幸に監督が交代。中1日で318球を投げさせられるなど酷使され、一時はプロ入りすら危ぶまれるほど劣化していた。
ソフトバンク入団後も精彩を欠き、一軍では1勝もできず2017年オフには育成落ち、2019年に戦力外通告を受け引退した。

今井重太朗 Edit

2014年夏の甲子園において三重高のエースとして全6試合を先発、内4完投で13日間で814球(1.05安楽)を投げ準優勝。中部大に進学した後も1年春から登板し15勝を積み重ねるも、3年冬に神経障害で左肘を手術。
最終年はほとんど投げられず、卒業後は愛知郡の和合病院軟式野球部でプレーしている。

吉田輝星(現日本ハム) Edit

2018年夏の甲子園において金足農業高のエースとして全6試合中準決勝までの5試合で完投。決勝では5回で降板したものの本大会14日間で881球(1.14安楽)を投げた*2
なお吉田は日本ハム入り後故障が頻発しており、高校時代の影響を懸念されている*3

おまけ・佐々木朗希(現ロッテ) Edit

2019年夏、大船渡高のエースだった佐々木は高校生にして最速163キロ投手と大きな注目を浴びていた。しかし県大会決勝で国保陽平監督は酷使回避のために佐々木を登板させず、県大会決勝で敗退。4回戦で12回を194球で完投、準々決勝は温存されたが準決勝では9回129球を完封しており、「酷使で壊れたら誰が責任を取るのか」「そもそも大会日程が悪い」という声もあれば「準決勝で温存すればよかった」「甲子園は球児の夢だ」という声もあり、学校に「何故佐々木を投げさせなかったんだ」という抗議の電話が飛んでくるなど*4、物議を醸した。しかし翌年1月、佐々木とドラフト同期の奥川恭伸(ヤクルト)も故障していた事が発覚した。このため(元々スペ体質を懸念されていた)佐々木の将来の事を考えたら登板回避は正解だったのでは?との意見もある。

現状 Edit

2017年センバツからNHKのテレビ中継で投球数が表示されるようになり酷使の実態が可視化されるようになった。
こうした一連の流れの中2018年からは春のセンバツ及び夏の甲子園でタイブレークが導入、2019年夏の甲子園からは決勝前の休養日が導入され、またチームレベルでも継投戦術が普及の兆しを見せるなどの対策が取られ始めている。
 
また上述した斎藤、島袋の例に加えて

  • 斎藤と同期の大石達也福井優也前評判ほどの結果を残せていないこと
  • 斎藤、大石、福井以降は有原航平がプロ入りするまで早稲田大学からプロ選手を輩出できていなかったこと
  • 島袋以降、高卒ドラフト候補選手の大学経由が激減していること
  • 世間的に大学野球の注目度は低く、ほとんど実情が語られないこと

などから、「大学野球は高校野球以上の聖域と化しているのでは」という疑惑も持たれている。

関連項目 Edit


*1 同校の校歌の一節。2004年センバツで福井優也(現楽天)らを擁して甲子園初出場初優勝を達成した際に一躍有名になった。
*2 加えて秋田予選5試合でも全試合完投し636球を投げていた。
*3 ただし当時絶不調だった広島が相手ではあるがプロ初勝利を挙げている。
*4 大船渡に佐々木起用法問い合わせ殺到、警察協力要請