バックギャモンの戦略・戦術 11.当てる、作る、逃げる

Last-modified: 2018-08-19 (日) 23:39:41

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これまで学んできたオープニングの知識は、序盤全体に使えます。
序盤講座の最後として、序盤全体にあてはまる戦術をまとめていきます。

 

当てる、作る、逃げる

序盤のセオリーは、「当てる、作る、逃げる」と覚えると良いと言われています。
何度か暗唱してみましょう!「当てる作る逃げる、当てる作る逃げる、当てる作る逃げる…」

 

それぞれの意味は、こういうことです。

当てる相手のコマをヒットする
作るブロックを作る
逃げるバックマンを逃がす
 

この3つが序盤に特にやるべきことです。
そして、基本的に、この順番に優先して行うべきことです。
まず「当てる」ができるなら当てる。それができないなら「作る」。
それもできないなら「逃げる」。それもできないなら他のこと…という感じですね!

 

それでは、それぞれについて少し詳しく見ていきましょう。

 

「当てる」

「当てる」は、相手のブロットをヒットすることです。

 

この重要性については、これまでのオープニング講座で説明できていませんね。
それもそのはず、いきなり初手で相手のコマをヒットできることはないので、仕方がありません。
しかし、実は序盤最も優先すべきは、相手のコマをヒットすることなのです。

 

これまで、バックギャモンで勝つために必要なことは、
「ピップカウントでリードすること」そして、「相手のコマを閉じ込めること」
この2つだと、紹介してきました。

 

そう考えると、もし相手のコマをヒットすれば、

  • 相手のコマを遅らせることができる(ピップカウントでリードできる)
  • 相手のバックマンを増やせる(相手のコマを閉じ込められる可能性が高まる)

ということで、2つの観点どちらからいっても多大なメリットがあるのです。

 

ただし、どのコマもやみくもにヒットすれば良い、というわけではありません。
相手にとってかなり後方にあるコマに限っては、ヒットするメリットが薄いことが多いです。

 

image102.png

 

このようなコマをヒットしたところで、

  • ピップカウントで得できる量はほとんどない。
    おまけに、次に自分のコマをヒットし返された場合、ピップカウントで大きく損してしまう
  • 既に閉じ込めやすい位置にあるコマをヒットしているだけである

ということで、先ほど言ったヒットのメリットを2つとも生かせていないのです。

 

ただし、相手のコマをヒットしつつ、その場所にブロックを作ることができるならその手はとても良い手です。
そうでないならば、相手にとって後方すぎるコマをヒットするのは、基本的には良くないと考えてください。
(時に正解になることもありますが、その考え方をマスターするのは中級者をめざす時で構いません。)

 

image103.png

 

具体的には、上の画像で囲ったゾーンにある相手のコマは、どんどんヒットするべきですが
それ以上に後方にあるコマだけは、ヒットには慎重になるべきかもしれません。

 
 Q.4ポイント~7ポイントあたりも、相手にとって後方すぎる場所では?なぜそれはヒットするべきなのか?
 

確かに、4ポイント~7ポイントにある相手のコマをヒットすることは、メリットが薄いように思います。
しかし、実は明確なメリットがあります。

 

4ポイント~7ポイントに相手のブロットがある場合、
それをヒットしなければ、次の相手の番にそこにアンカーを作られる危険がありますよね。

 

以前、18~21ポイントあたりにアンカーを作ると良い、という話をしました。
ということは逆に、相手に4ポイント~7ポイントの位置にアンカーを作られると不利になります。
なぜなら「相手のコマを閉じ込める」という目的の達成が非常に困難になってしまうからです。
ですから何としても阻止するため、多少リスクが多いように見えても、ヒットしましょう。

 

「作る」

「作る」は、ブロックを作ることです。この重要性は、もうご存知ですね!

 

ただやみくもにどこにでもブロックを作るのではなく、
「相手のコマを閉じ込めること」(特に有効なのは3~9ポイントあたりにブロックを作ること。)
「自分のコマが閉じ込められることを防ぐこと」(特に有効なのは18~21ポイントあたりにアンカーを作ること。)
のどちらかを意識して、ブロックを作っていきましょうね。

 

「逃げる」

「逃げる」は、大きな目を活用してバックマンをぴょーんと逃がすことです。
オープニングでいうと、6-5、6-4、6-3なんかを振った時に考える手ですね。
基本的には、大きな目を振った時に、「当てる」「作る」ができないなら、この手を考えましょう。

 

特に、自分のバックマンが1枚だけしかなくて、
さらに、相手がプライムを作りかけている状況なら、閉じ込められてしまう前に
何としても逃げてみましょう。逃げ切ることができれば、かなり状況が好転します。

 

スプリット、ビルダー、スロット

そして、序盤に「当てる、作る、逃げる」がどれもできない時は、
これまで学んできた「スプリット、ビルダー、スロット」といった戦略ができないか考えましょう。
これらの手が、「当てる、作る、逃げる」の次に優先される手と考えていいでしょう。

 

以上のことを意識して、あとは数をこなすべし!序盤の上達はある程度までは早いです。頑張ってください。

 
 

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