19.ベアインのコツ << バックギャモンの戦略・戦術 >> 21.コンタクトがある時は?
さて次は、すべてのコマを自分の陣地に入れた後、
コマをゴールさせていく「ベアオフ(ベアリングオフ)」についてです。
ちなみに今回は、ノーコンタクト、つまり、相手と完全にすれ違っている状況におけるベアオフについてです。
上がれるコマは上がる!
さて、ベアオフの最もシンプルかつ最も重要なセオリーは、「上がれるコマは上がる!」です。
2枚ゴールできる目なら2枚ともゴールする。1枚しかゴールできないならその1枚を必ずゴールする。
ゾロ目を振った時は、4枚ゴールできるなら4枚ともゴールする。ということです。
とにかく1枚でも多くコマを上がっている方が有利なのですから、
形などはあまり気にせず、なりふり構わず1枚でも多く、ゴールさせていってください。
それが必ず最善手というわけではないものの、9割以上の場面では最善手ですし、
少なくとも悪手であることはないでしょう。
ギャップを埋める!
さて、では、コマをゴールできない時に、残りの目はどのように使えばよいのでしょうか。
次の場面を見て、どのように動かすべきか考えてみてください。
5の目は簡単ですね。「上がれる目は上がる」の原則に従い、5のマス目のコマをゴールさせましょう。
問題は2です。2のマス目にコマがないため、ゴールさせることができません。
このように、自分の陣地にコマがない溝(=ギャップ)があると、コマが上がれない可能性があるのですね。
ならば、この場面ではどうすべきかというと・・・
こうです!コマがない場所に動かして、ギャップを埋めてあげるのです!
これで、今までは「2」か「4」の目を振るとコマがゴールできない状態でしたが
次からは、「2」さえ振らなければ、コマを2枚ゴールできますね。
このように、コマがゴールできない時は、次に上がりやすくするために
ギャップを埋める、ということを重視してください。
コラム:最終盤の例外
最後にちょっとした余談。まずはこちらをご覧ください。
終盤の終盤です。この場面、普通なら「5」の目を使ってゴールさせた後、
「1」の目を使って4ポイントのコマを動かすべきですね。「ギャップを埋める」のが大事ですからね。
しかしここでは違います。この場面はもう相手の勝ちがほぼ決まっている場面。
次にこちらが全部コマをゴールできない限り負けてしまうという場面です。
ということは、できる限り次にすべてのコマをゴールしやすいように動かすべきです。つまり、こうです。
そう、4のマス目に4枚積み上げます!これで次に4以上のゾロ目が出れば勝つことができるのです。
先ほどいった「普通の手」では、5以上のゾロ目でなければ勝てません。
わずか1つの目の差ではありますが、こういった非常に細かい工夫が勝負を分けることもあるのです。