更新データVer.1.1

Last-modified: 2018-07-08 (日) 13:37:59

発売から約一ヶ月後にあたる8月26日、公式サイトにて唐突に「更新データ」配信のお知らせあり。
公式ツイッターでは告知されなかった。発売後はずっと沈黙していたがこの件もスルー。

「ニンテンドーeショップ」もしくは公式サイトのQRコードを読み取る事でデータを受け取れる。もちろん無料。
Ver.1.1の更新内容として公式サイトに記載があるのはわずか三件のみだが、実際にはそれ以外の修正も色々と入っている。
アップデート前のセーブデータは引き継いで使用可能。

1(・公式サイトより)ストーリーで保有アイテムが変わる問題を修正

闇ルート19章の指揮官配置画面で、アイテムが何度も入手出来てしまう件のこと。
ユーザーに利益のあるバグではあったのだが…
報告バグまとめの、ドーピングアイテム強制入手バグ

アップデート後でも、以前のセーブデータを引き継いでいると同ステージで発生する。
ゲームを最初からプレイした場合は起こらなくなっている。

2(・公式サイトより)ダメージ表示が「10」を超えると適切で無い数字が表示される問題を修正

10ダメージ即死なのに0ダメージと表示されていた件のこと。
報告バグまとめの、ダメージ表記バグ
11以上の数値が出ることをゲーム側では想定されていなかった的な…?

3(・公式サイトより)戦闘予測及び戦闘中のHPバーが数値に合わせて変動しない問題を修正

敵に攻撃を仕掛ける際の、上画面のHPバー。戦闘アニメ中の下画面のHPバー。
どちらも数字は変われど、HPバー自体は常に満タンの見た目だったのが可変するように。
というかこれやっぱりバーだったんかい! アプデ前は、全く動かないから横長の体力アイコンかと…

4 自軍にターンが回って来ている間、Bボタン押しっぱなしで高速カーソル移動が可能に

これ以下は公式サイトには記載が無い、有志の調査によるもの。
公式サイトで記載が無い理由は不明だが、以下6番目とか7番目とかの内容が
ページに堂々と書かれているとそれはそれで……というところだろうか。察して下さい。

Bボタンを押し続けながら十字ボタンを押すと、カーソルを高速で移動させられる。
なかなかに便利な機能。
ただし、ユニットが密集している上を移動させようとすると、わずかに処理落ちする…。

5 自軍敵軍問わず、カーソルを合わせてAボタンを押すと移動可能範囲が可視化される

アプデ前は現在操作可能な自軍のキャラでしか可視化はされなかったが、
アプデ後は順番待ちの味方だろうと、敵軍だろうと、
「このユニットはまだ行動できません」「このユニットは操作できません」と表示されつつも、移動可能範囲が可視化される。
下画面でステータスを確認するよりも直感的で便利か。
飛兵など特に移動範囲が広い相手について調べておけば事故が少なくなる。

6 ユニットのHP数値の色が所属によって色分けされるように

敵軍が赤色、NPCは緑色になった。自軍は従来通りの白っぽい黄色。
なおHPバーの色はどこの所属だろうと緑色のまま。
戦闘以外のシーンでも色分けされており、第1章クリア後の演出では、
光輝軍たちは緑色で、後から出てくるツバメだけは赤色だったりと地味に凝っている。
NPCについては、前項である移動可能範囲と、指揮範囲も緑色で表示される。

7 自軍か敵軍かでユニットの向きが異なるように

アプデ前は敵だろうと味方だろうと全員左向きで、
カーソルを合わせるまで敵味方どちらの傭兵かさえ分からなかったが、アプデ後は敵だけ右向きになった。
前項目の変更と相俟って、マップ上での見た目だけで判別が効くようになった。
シリーズ一作目の仕様がやっと実装。ちなみにゲーム内チュートリアル画像や、
電子説明書での敵の向きは元のまま。そこまで修正する余力は無かったようだ。

各ステージの配置を振り返ってみると、自軍はマップの右、敵軍はマップの左が初期配置であるケースが多い。今回の変更によって、ステージ開始時には敵味方ユニットがそれぞれ向き合う格好になるので見栄えが良い感じに。
…というか、本来はもともとこうなることを想定しての配置だったのだろう。
発売前に公開された画像(マップが3Dでは無いように見える。開発前のイメージ画像?)でも敵味方は向かい合っていた。
http://www.famitsu.com/news/201502/05070976.html
本件から納期等の大人の事情が垣間見えなくは無いが、良改変であることは確か。

8 各キャラにターンが回ってくるのが若干早くなりテンポが改善

アプデ前は画面上部に「○○部隊の行動です」と表示された約2秒後にカーソル移動とボタン入力を受け付けていたが、
アプデ後はその表示と同時に操作可能になり、わずかにゲームのテンポがアップ。
味方キャラの行動が続くときなどは特に効果を実感出来る。
また全キャラ行動後、ターン開始演出の待ち時間についても減っており、傭兵の回復エフェクトが出続けているうちから各操作が可能になる。

9 クリティカルの発生確率が大幅に上昇

アプデ前は50回ほど攻撃を実行して一度でも発生すれば運が良いくらいだったのが、
アプデ後は体感で約15回に一度の発生と、明らかに頻度が上がっている。傭兵の攻撃も頻繁にクリティカルになる。
戦闘アニメをずっとオンにしていれば、序盤でも1ステージに1回はお目にかかれる計算。なお敵側の発生頻度はそのままのようだ。
今作のクリティカル自体は仕様上決定打になりにくいが、通常時とは攻撃ボイスが異なりそのパターンも多いので、埋もれさせたく無かったのだと思われる。
ちなみにクリティカル用のボイスは、スキル「ウェポンブレイカー」および「アーマーブレイカー」などの実行時でも同じものが聴ける。

10 敵AIの思考開始が早くなった

アプデ前は「○○部隊の行動です」の表示に合わせ、ターンが回って来た敵ユニットの位置へカメラ移動してから思考を開始していたが、
アプデ後は最初の表示と同時に思考開始するので、カメラ移動が終わるのに合わせて敵が動くように。
前項目の変更と相俟って、両軍の位置が離れているステージなどで、待ち時間が幾らか解消されている。

なお、今作のAIの思考時間自体は元から短め。ユニットの移動アニメが遅めなままで移動の高速化はVer.1.1でも実現しなかったが、Ver.1.0と比べると快適さは段違い。

11 魔法系のスキル使用時の効果音ズレと、テンポが改善

アプデ前は「マジックアロー」などの攻撃魔法使用時、魔法エフェクトが終わったあとに魔法の効果音が鳴るという独特な演出(※皮肉)になっていたが、
アプデ後は効果音の鳴るタイミングが早くなり、魔法エフェクトと連動するようになった。
ただし回復魔法については鳴るのが早過ぎ、これはこれでまたズレ気味。惜しい。
また、前々項目と同様に、回復等のエフェクトがまだ表示されている最中だろうと他のキャラへターンが回る。
「治療」実行時も同様。魔法エフェクトと同じ扱いのようだ。

12 戦闘アニメをオフにしているときの、マップ上でのダメージ数値挙動が変更

アプデ前は、敵と味方の頭上にそれぞれダメージ数値が表示され、のろー…と上方向に数値が昇っていき消えるという間延びしたものだったが、
アプデ後はぴょん!と数値が飛び跳ねて消えるという異なる演出になった。
なお、ダメージだけでなく、回復した場合もこの挙動に差し替わっている。
ただし、演出の尺自体はほぼ変わっておらず、プレイヤーの待ち時間は極僅かしか減ってはいない。

13 クラスチェンジの際に確認が出る

アプデ前はクラスチェンジ決定後でないと習得スキルと傭兵が分からずじまいだったが、
アプデ後は習得スキルと傭兵の確認画面に行ったあとでBボタンで戻れるようになり(ただしキー表示は無い)、
さらに決定時には「このクラスでよろしいですか?」という選択肢が表示されるように。
初期カーソルの位置も「いいえ」となっており気が利いている。シリーズ一作目と同等の設計になった。

14 敵指揮官のAI強化

アプデ前は、敵指揮官の移動可能範囲にプレイヤーが進入すると敵指揮官が突貫してきて隣接し、その際に必ず攻撃を仕掛けていたが、
アプデ後はプレイヤーとのステータス差が大きい場合、隣接後に「待機」を選択するようになった。敵傭兵についても同様。今作ではどうやらATとDFの値の合算でユニットを品定めしているようで、DFの弱い騎兵であってもATがずば抜けているとほぼ敵から攻撃されなくなる。「待機」ユニットだらけになりやすいという残念な点もある。

しかし、自軍の狙撃兵キャラにしか反撃されない間接攻撃については、ステータスを気にせずどんどん攻撃実行するなど臨機応変。ようやくシリーズ一作目に近いAI挙動になった。
これらの変更により、敵部隊はメンバー総出で道を塞いでくるので、プレイヤーのほうでそれをこじ開けて進む「遊び甲斐」が生まれてくる。弱い傭兵だけを狙って仕留めたり、あえて指揮官より強い傭兵に挑んだりとゲーム性も広がる。

そもそも、アプデ前の「敵指揮官が隣接後、必ず攻撃を仕掛ける」挙動だと、
何がまずかったのかというと……

  • ラングシリーズでは、1ターンにつき各ユニットは1回しか行動出来ないが、敵軍ターンに敵から攻撃をされた際の「反撃」については無条件かつ、攻撃される度に強制的に何度でも行わされる仕様となっている。防御といった、他の選択肢は一切無く、敵軍ターンにプレイヤーは見ていることしかできない。今作でもその点は全く同様となっている。
    • そのため、攻守のステータスが整った味方のエースを敵軍のど真ん中に放り込むと、敵はそのエースに挑んでは散り、挑んでは散り…を繰り返し、なんとエースの「反撃」だけで勝手に全滅してしまう。他の仲間は見ているだけでいい。さながら、夏の蚊取り線香状態。自軍がめちゃくちゃ強くなりやすいゲームなのにこれである。
      • なお旧作では自軍が育ちきると敵が仲良く揃って「待機」ばかりになってしまう(今作Ver.1.1でもこれ準拠。とはいえ旧作は自軍の成長が遅めだった)。
  • ラングシリーズは、各部隊の指揮官が死亡すると、傭兵という配下のユニットも纏めて撤退するという敵味方のお約束がある。今作では敵指揮官が真っ先に行動する仕様であり(これも旧作通りではあるのだが)、そしてその敵指揮官が真っ先に死ぬせいで、お供の傭兵が一歩も動かないまま全員撤退してしまう。ただでさえ序盤は敵の配置数が少なめなのにますます少なく感じる。今作だと、このケースで撤退した傭兵の経験値はゼロで何も入手できない(旧作だと作品によっては本来の半分は得られたりする)。あまりに敵指揮官があほなせいで、「いかに敵指揮官を死なせず稼ぐか」という変な遊びは生まれもしたが…。一部の公式特集ページで本件が特記されていたりもした。いいのかそれゲーム性ということにしても。
  • ラングシリーズは防御力が相手の攻撃力を上回っていると、作品にもよるが基本的にノーダメージか1ダメージにしかならない。今作はよりにもよってノーダメージとなっているので、敵軍内に蚊取り線香を置きにいったら無傷のまま稼働し続ける。そこで立ってるだけで敵全滅。強っ。せいぜい魔法でしかダメージを受けない。敵軍へ散歩しにいくだけのゲームに…。

と、三重苦あったわけで、これらが纏めて起きなくなったのはただただありがたい。
しかし冷静に考えれば、突撃AIだろうとその敵指揮官が打たれ強く、
自軍の反撃に耐えてくれるようなバランス調整ならここまで大問題にはならなかったのだが。

なおVer.1.1のAI変更では、プレイヤーが瀕死になろうとステータス差を考慮し攻撃して来なかったりもするので、難易度上昇ばかりというわけでもない。見過ごされるようになり事故が減った。
敵全軍が突っ込んでくるステージの難易度はむしろ減っていると言ってもいい。
ただし、狙撃兵系の傭兵が近辺に居ると、執拗に直接攻撃を狙ってくる。自身のHPが7を下回ろうとひたすら狙撃傭兵に攻撃を優先するケースも稀にあり(一部のネームド限定)、これまでの勝手が通用しない場面も。他、自身にとって相性の良い格下相手なら、そのユニットが奥のほうに居ようと、狙いをつけて特攻してくる。

ちなみに全ての敵指揮官が新AIになっているというわけではないようで、
闇ルート終盤のフローレやモブ飛兵などは、ステータス差など気にせず攻撃してきたりもする。
この場合、Ver.1.1で敵から攻撃を受けているのに優勢BGMがかかるというレアな機会になる。

Ver.1.1の変更点の中では、本編への影響度は群を抜いている。
敵味方が早い順に動く変則ターン制で、しかも一度に一部隊までしか動かせないという
今作独自の基本仕様こそ変わらないものの、シリーズ初期作での大軍戦闘の体裁に多少は近付いた。

◆敵すり抜け可能バグ

アプデ後、新たに発生するようになったと思われる有益なバグ。

敵兵が、自軍指揮官に向けて近付いてきて、反撃でも倒されずにそこへ留まったとする。
すると次のターンでその自軍指揮官を動かす場合、近付いて来た敵兵の上に限ってだけすり抜け移動可能、というバグである。

今作では「ユニットごとに、どのマスに移動出来るか」の情報を管理しているようで、敵兵が近付いて来る1ターン前の位置情報のまま更新がされないようだ。
不整合が生じているのはあくまで移動関係のみで、敵兵への攻撃自体は問題無く行える。

今作は難易度が低く、敵が弱いので、こちらへ隣接して来た敵兵がそのまま1ターンを生き延びることはかなり稀。故に、縛りプレイでもしていない限りはそうそうお目にかかれない。

さらに、同部隊内の指揮官と傭兵、両方を動かした場合は情報が正常に更新されるようで、
「目の前の敵を死なせないまま、傭兵(指揮官)か指揮官(傭兵)だけ動かす」
と、多少は意識しないと条件が揃わない。

また、バグが起きたら起きたで、影響する範囲は自軍の一部隊だけ。
ゲームバランスを崩すほどのバグではない。
指揮官が敵兵に囲まれた際の、火事場の馬鹿力とでも思っておこう。縛りプレイでは有効に使える。