ソードアート・オンライン

Last-modified: 2023-05-03 (水) 10:06:14

ソードアート・オンライン

川原礫(かわはら れき)の著による小説。
元々は電撃ゲーム小説大賞応募用にウェブサイトにて連載されていたオンライン小説だったが、
商業デビュー作であるアクセル・ワールドを出版した後、担当編集者の提案によって大幅な加筆修正を経て商業作品として出版。代表作となった。
全世界1400万部を越える大ヒット作。後にアニメ化。略称は「SAO」。
web連載は2002年頃に開始され、2008年に完結。書籍版は現在も続編が執筆され、刊行されている。

VRMMORPG「ソードアート・オンライン」が舞台となるのは第一部「アインクラッド編」のみで、話の節目毎に舞台となる仮想世界も変わっていく。
マビノギとのタイアップは第一部「アインクラッド編」と、第二部「フェアリィ・ダンス編」の一部を扱っている。

概要

2022年。
全世界で注目されていたVRMMORPG「ソードアート・オンライン」が正式サービスを開始される。
ベータテストを経てリリースされた本作に、多くのプレイヤーが大きな期待を抱き、1万人ものプレイヤーが
「浮遊城アインクラッド」での仮想空間を楽しんでいた。

しかし、記念すべき正式サービス初日、SAOディレクター「茅場晶彦」によって「ソードアート・オンラインからの自発的なログアウトの不可」そして
「ゲーム世界での死は現実世界での死を意味する」ことが宣言され、恐るべきデスゲームが始まる。

このデスゲームは浮遊城アインクラッド100層のクリアによって終了するとされていたが、
デスゲーム開始後1ヶ月、2000人もの死者を出しながらも攻略は一向に進まず、
絶望して自暴自棄になるもの、適応して閉鎖空間を楽しむもの、現実世界でできない悪事を働くもの。
……そして、「浮遊城アインクラッド」の攻略を諦めないもの。

ソードアート・オンラインは、そんなプレイヤー達の中の一人「黒の剣士」こと「キリト」を中心に、
「浮遊城アインクラッド」の攻略、そして事件の真相へと向かう物語である。

タイアップに登場する人物紹介

キリト

  • ソードアート・オンライン全編の主人公。物語は彼の目を通して、また彼を中心に語られる。
    ゲーム好きないまどきの少年で、マイペースだったかと思えば他人の目を気にしたり、強く固い意志と脆く優しい面の両方を内包する多感なところもある。黒一色のいでたちの凄腕プレイヤーとして知られ、「黒の剣士」「ビーター」といった異名を持つ。エリュシデータとダークリパルサーという二本の剣を帯び、ユニークスキル「二刀流」とソードスキル「スターバーストストリーム」を持つ。SAO版の髪型、衣装、武器、かつらと二次タイトル、ALO版の二次タイトルが実装された。

アスナ

  • ソードアート・オンラインのアインクラッド編、フェアリィ・ダンス編におけるヒロインで、キリトのパートナー。見た目は可憐だが性格は強気で押しが強い。剣の腕も抜群で「閃光」の異名を持つ。武器は「ランベントライト」
    彼女のみフェアリ・ダンス編の衣装や髪型も用意されており、そのデザインのすばらしさと完成度から、エリンでは(サーバによるが)現行の最高装備を購入してお釣りがくるというとてつもないレアリティを誇っている。SAO版の髪型とSAO・ALO版の衣装、武器、かつらと二次タイトルが実装された。

ヒースクリフ

  • 血盟騎士団のリーダー。片手剣と大盾を持った長身の男性で、ユニークスキル「神聖剣」の使い手。その鉄壁の防御は絶対と言われ、ライフゲージが危険域に入ったことを見た者がいないとまで噂された。アスナによると血盟騎士団の初期は参加者を吟味して加入させていたようだが、攻略が進むにつれて実力本位の勧誘へと変わり、キリトと出会ったころには組織として肥大化しすぎていたという。衣装、武器、盾、かつらと二次タイトルが実装された。
    その正体はディレクター「茅場晶彦」その人。1万人もの人間を電子世界へと閉じ込め、それを導くと同時に自らも参加することで身近で観察していた。普段は自分を破壊不可能オブジェクトとしてシステム的に不死化しており、絶対安全な場所からプレイヤーが倒れていく姿を見つめ続けていた。本来なら95層で正体を明かし、100層でラスボスとして対峙する予定であったが、物語終盤あまりにも完璧すぎる、まるでシステムに守られているかのようなその鉄壁の守りに疑問を抱いたキリトによって正体を暴かれる。一対一の戦いは終始ヒースクリフ優勢で進み、勝ち目がないと敗北を覚悟したキリトをかばったアスナがヒースクリフの剣に斃れる。一時放心状態に陥ったキリトだったが、ヒースクリフの剣が胸を貫くと同時にアスナの残したランベントライトで反撃、相打ちとなる。その後は生き残った4000人を電子世界から解放するとともに自らの脳をマイクロ波でスキャンし、肉体的には死亡するが、脳の電子化に成功。のちにネットワーク世界でキリトを導くことになる。

リズベット

  • アインクラッド48層で武器屋を営む。見た目はメイドさんのようだがマスタースミスであり、マスターメイサー(メイス使い)でもある。アスナの親友で、アバターは彼女のカスタマイズによってかなり手が入っている。負けん気が強いが一般人的な感性の持ち主のようで、キリトの行動に振り回されながらも惹かれていく。武器の製作がうまくいけばキリトに告白しようと考えていたが、すでにキリトとアスナの仲が深まっていたことから身を引いた。衣装、かつら、二次タイトルが実装された。

ニシダさん

  • 本来はプレイヤーではなく、現実世界のサーバ管理者。ゲーム開始直後のサーバ稼働具合を見るためにログインしたところデスゲームに巻き込まれてしまった。そのため戦闘に関してはからっきしで、22層で釣りに専心していた。そのためか釣りレベルは非常に高く、「ヌシ」レベルでも釣ってしまうらしい。二次タイトルが実装。

シリカ

  • ビースストテイマーの女の子。「竜使い」シリカの異名を持つが、どちらかというとマスコット的な扱いらしい。一時は使役するビーストのピナを喪い、失意の底にいたが、キリトによって蘇生の希望を知らされ、一時行動を共にする。キリトは彼女に妹の面影を見ており、放っておけないという感情を持っていたが、シリカは兄のような安心感と淡い恋心を抱いていた。二次タイトルが実装。

ピナ

  • シリカに従うドラゴン。登場直後にいきなり死亡してしまうが、キリトとシリカによって復活。特に出番らしい出番はなかったが、二次タイトルはパーティーヒーリングマスターと併用するとすさまじい性能を発揮するスーパータイトル。

クライン

  • 正式サービス開始と同時にSAOを始めた新規プレイヤー。義理堅く情に厚い。ちょっと涙もろいが人を見る目は確かで、キリトをベータテスター出身者であることを見抜いたり、後半には激戦区の階層攻略に少数ながらメンバーを引き連れて参戦するなど、リーダーの素質がある。といっても組織を切り盛りするタイプではなく、気の合う連中とつるんでいたら自然とそうなった、という兄貴分型。野武士面(キリト評)によく似合う和装を好み、メイン武器が刀ということもあって侍のようないでたちをしている。二次タイトルが実装。高性能二次タイトル揃いのSAOの面々の中でなぜか一人だけ微妙な性能となっている。

ソードアート・オンライン×マビノギ

  • 既にアニメ化されていた事もあって知名度は高く、オンラインゲームが題材という事でマビノギのプレイヤー層と原作のファン層も被っており、このタイアップイベントの注目度は高かった。
    • そのためか、充実したタイアップイベントや専用の特設ページ、ブラウザでのミニゲーム、さらには原作のストーリーに絡ませたクエスト等々、ファンサービスを非常に強く意識している。原作を知らないプレイヤーにはとんでもないネタバレではあったが、これを機に原作ファンになったというプレイヤーも少なくない。
  • しかし、一方でイベントの不備が重なり、せっかくのビッグタイトルとのタイアップに水を差してしまったことも挙げられる。

タイアップアイテム

  • キャラクターカード付随のタイアップ衣装には衣装アクションに二次タイトル、さらに専用の髪型が使用でき、クエストでも各種限定アイテムや二次タイトル、ランダムボックス品にはSAOファン垂涎の装備品が大量に実装されるなど、普段から力の入るタイアップ関連でも、特筆するほどの力の入りようだった。
    • これら付属アイテムである「SAOキリトの衣装」「SAOアスナの衣装」、ランダムボックス品である「ALOアスナのかつら」「ALOアスナの衣装」「リズベットのかつら」「リズベットの衣装」は未だ需要が高く、取引価格も結構な桁になる。再入手の機会も恐らく無いので、今後もその価値は上がり続けるだろう。
    • なおランダムボックスで出現したキリトの持つ剣「ダークリパルサー」と「エリュシデータ」は片手剣でありながら背中に背負うことができるという特殊な性能を持っていた。二刀流で装備すれば原作再現ができたが、剣二刀流ができるのは人間だけのため、エルフやジャイアントは無念の涙を流したという。
      • ちなみに右手がエリュシデータ(黒い剣)、左手がダークリパルサー(緑の剣)になる。ファンやコスプレマニアは押さえておこう。

タイアップクエスト

  • タイアップイベントとして、ゲーム内では期間中3つのイベントが開催された。
  • 2013年8月15日~9月12日のタイアップイベント期間中通して「謎のダンジョン現る」が開催。これはエリン各地に現れた別世界と繋がる階層を攻略していき、サーバ全体のダンジョンクリア回数によってダンジョンの攻略進行度が進み、すべてのダンジョンが攻略されることで事件の真相が明らかになるという「ソードアート・オンライン」のストーリーとミキシングした意欲的なもの。
    • 開催直後は一定のエリアまでしか開放されていないが、地球時間の日数経過によって徐々に進行が可能になるというもの。そのためいきなり初日にクエストを終わらせられないというもどかしさもあったものの、各地のダンジョンの手強さもあって、なかなか歯ごたえのあるイベントだった。
    • すべての真相が明らかになる最終クエストは「ソードアート・オンライン」アインクラッド編とリンクしたもの。ソードアート・オンラインを全く知らない人には何がなんだかちんぷんかんぷんという消化不良な感想もあったとか。
  • 前半戦となる「リズベットの依頼」は2013年8月15日~8月29日の期間で行われ、クエスト「心の温度」を進行することで初回は超高性能二次タイトル「リズベットのお客さん」を入手でき、また地球時間1日ごとに1回挑戦できた。クリアする都度「リズベットのプレゼントボックス」も貰え、原作で用いられていたクリスタルアイテムやトレーニングポーションなど、様々なアイテムが入手できた。
    • 内容はNPCキリトと協力して、ホワイトドラゴンのテリトリーで「クリスタライト・インゴット」を集めるというもの。ボスが闊歩する危険なエリアで、定期的に出現するクリスタライト・インゴットを拾い集めるなかなかスリリングなクエスト。
    • パッと見かなり難しそうなインパクトがあったものの、ホワイトドラゴンは手出ししなければたいていはNPCキリトが戦ってくれるので、プレイヤーはクリスタライト・インゴットを拾っていけばいい。時々雪原虐殺者が出現して邪魔をしてくるが、大した敵ではなかったため、生産キャラクターでも参加できた。
      • なお、余談だがこのクエスト名はアニメ「ソードアート・オンライン」の第七話と同じで、内容も踏襲したものとなっている。
        ……ダークリパルサーは作ってくれないのだが。
  • 後半戦となる2013年8月29日~9月12日からは「ネア湖に謎の魚出現!?」イベントが開催。「謎の魚出現!」「巨大な魚」「釣りの楽しさ」の3つのクエストによって様々な報酬が得られ、釣り師垂涎の「ニシダの釣り仲間」の二次タイトルも得られた。
    • ……といっても期間イベント「謎のダンジョン現る」や前半戦の「リズベットの依頼」と比べるとかなり見劣りし、有り体に言うと「釣り放置イベント」だった。戦闘だけがマビノギのコンテンツではないが、基本的には自動釣りでほったらかしでも進行できるため、釣り師としても腕が振るえるかというとなんとも言えないところであった。
      • アニメ「ソードアート・オンライン」では屈指の「癒やし回」であった。殺伐としたアインクラッド攻略から離れていたキリトとアスナの心休まる日常風景はマビノギのそれと重ならなくもない。
  • Webイベントとして「アスナのお料理イベント」も行われた。ゲーム性はあってないようなものだが、原作ファンがニンマリできる小ネタが一杯の楽しいものであった。運が良ければゲーム内アイテムが貰えたり、期間終了後はアニメ「ソードアート・オンライン」のブルーレイディスクなどのリアルグッズも抽選された。

タイアップイベントの不備

  • 上記のように、ファンならずとも興味が湧く盛りだくさんのビッグ・イベントであったが、反面それだけに不備が多少なりとも発生してしまい、しかもそれらがかなり致命的であったため、せっかくのタイアップイベントに水を差す形になってしまった。
    • 「謎のダンジョン現る」の最終クエストではボスが出現しない、倒しても報酬が出ない、「浮遊城アインクラッド」を模した各地ダンジョンでの攻略進行ができない、「心の温度」クエストではクリア条件を満たしてもフラグが立たず失敗になってしまう、などはゲーム進行に関わる致命的なものであった。
    • タイアップアイテムのエンチャントは、付与すると表記されている性能と異なるなど、いつものバグ関連も発生。しかもこれはシステム的に不具合が出てしまうため、当初発表されていた性能を変更し、返却するという異例の処置が取られた。
      この期間は短かったものの、2015年になっても最強クラスという破格の性能であったため多くのプレイヤーが古代の魔法の粉やエンチャント保護ポーションを湯水のように使ってどうにか貼り付けたものの、この不具合修正によってエンチャントは取り消され、使用した魔法の粉や保護ポーションは補償されなかった
    • 加えて緊急メンテナンス直前でクエストアイテムのドロップ率が大幅に下方修正。どうやらドロップ率の調整ミスで高くなりすぎていたという事らしいのだが、この下方修正がプレイヤーの心証をこの上なく悪化させてしまった*1。このあたりはいつものマビノギという感じだが、特に力が入っていただけに非常に悔やまれる。

ソードアート・オンライン☓マビノギ?

  • 2014年現在ではアニメ「ソードアート・オンラインⅡ」(原作では第三部「ファントム・バレット編」が該当)が放映されており、こちらとのタイアップも期待されている。……といっても、ポストアポカリプスのFPS型VRMMOが舞台であるため、SFチックな武器や近代兵器がこれでもかと出てくる*2。そのため「マビノギの世界観と合わないのでは」という声もあるのだが……。

*1 実際、修正前は「報酬が良い割に妙に出やすい」と思うプレイヤーも結構な数いたようだ。が、修正後は翻って「あまりにも出なさすぎる」という極端な調整だったのだ。
*2 主人公キリトが使う武器からして、ライトセイバーもどきの片手剣と実在するハンドガンという具合である。