ヒュドラ錬成

Last-modified: 2019-12-23 (月) 12:49:11

ヒュドラ錬成【ひゅどられんせい】

2013年11月7日のZEROアップデート「闇の錬金術師 プロフェッサーJ」で実装。
錬金術カテゴリに属し、錬成術の才能ボーナスを受けるが才能経験値はない。錬成には土の結晶を5つ消費する。

  • ちなみに「ヒュドラ成」ではなく成である。読みは同じ「れんせい」だが、金術と同じ漢字(金偏)と覚えておこう。



地下の世界から呼び出された猛毒を持つヒュドラ(スキル説明より)

概要

  • シリンダーガードシリンダーを同時に装備している状態で使用可能な錬金術。
    地面から四つ頭の蛇が錬成され、周囲に猛を吐き出す。魔法防御、魔法保護を減少させ、さらにダメージを与える。このダメージは時間経過とともに増加し、ダメージが飛躍的に伸びる。
    プレイヤーが設置できるケルベロス(毒を吐くタイプ)だと考えるとわかりやすい。
    • 魔法耐性への弱体効果とダメージと効果時間はランクアップによって強化・延長されるが、クールタイムはランクに関係なく60秒。
    • ディフェンスを含め、あらゆるパッシブディフェンスで防ぐことができない。ただし、防御保護によってダメージの軽減をうけ、極端に保護の高い敵に対しては効果が発揮されない。
    • スキル準備に多めのスタミナを、発動時に少量のマナを消費する。
    • 土に属する錬成術で、アルケミマスタリ、アースアルケミマスタリ、シリンダーの影響を受ける。
  • 極めて優秀なスキルであるが、使用者自身が設置した防護壁にまでダメージを与えてしまう。範囲攻撃のため止むを得ないことではあるが、防護壁の耐久を限界まで高めてもあっという間に破壊される。
    • 防護壁で移動を制限したままヒュドラで大ダメージを与えられるようになると、かなりの強敵でも倒せてしまうので、その辺りのバランスも考慮されているのだろう。

備考

  • 見た目はメインストリームのボスのミニサイズ。しかし、それぞれの頭が内側を向いている「環」である例のボスと違い、「敵意」を現すかのように外側を向いている。
  • 説明文のダメージ数値はパッとしないが、実際はマスタリや敵の魔法耐性ダウンの効果を受け、それなりの錬金術師であればこの数値の倍以上のダメージが出る。しかも時間経過によってダメージが増加し、最終的には4桁ダメージを容易にたたき出す。といってもダメージの上限はあるため、天井知らずに上がっていくわけではない。
    • 毒ダメージと謳っているだけあり、高保護の敵にも容赦なくダメージが通る。逆に高ライフの敵に対してはあまり被害を与えられない傾向にある。
  • マスタータイトルで20秒の時間延長(最大50秒)が得られるため、猛毒を与え続けられる状況であれば総合で10000ダメージを超える。火力不足の錬金術にあっては破格とも言える。……といっても、黙って浴び続けてくれる敵はそう多くはないが。
  • このスキルの真価は、範囲毒ダメージで敵が倒せるという点と毒ダメージの倍加にある。
    • ヒュドラは設置物として扱われるため敵のターゲットを受けず、しかもこちらから攻撃したことにならない。
      このためプレイヤーがエルフの場合、ヒュドラ設置→ハイドすることで一方的に敵をハメ殺すという芸当も可能。
    • 毒の散布範囲以内に居続ける限りダメージは、時間ごとにどんどん増加するため、時間いっぱい浴びせ続けることで総合的なダメージは飛躍的にアップする。
    • 少し離れたところに設置できるため、地形を利用すれば強敵でも倒すことができる。
      しかもダンジョンの壁などの一部を除いて地形を貫通するため、本来なら格上の敵であっても難なく倒せてしまったりする。
    • 実は毒ダメージはアンデッド属性を貫通していたためデミリッチバンシーにもダメージを与えられ。ミレシアンの中にはデミリッチをヒュドラだけで倒すツワモノもいたのだが、2017年12月20日のアップデートで変更が入り、ゴーストソードでなければダメージが入らない本来の仕様になっている。
  • ヒュドラの猛毒で倒されると、吹き飛ぶこともなくその場で倒れる。気がつくと敵が減っていくという、冷静に考えると非常に恐ろしい光景である。
    • そのためか、自爆型モンスターを爆破せずに倒せるという極めて有用な側面を持つ。また、その場で倒れるため、生贄などのサークル内で倒す必要のある条件を満たすのに向いている。
    • 別名「バルサン」。ヒュドラが毒を散布する様子が同名の殺虫剤に似ていることから。
      • 敵の倒れ方がバルサンのCMに酷似している。効くまでに少し時間がかかるが、パタパタとその場で息絶えていく姿はまさに虫のごとし、である。
      • バルサンと違って「隅々まで効く」というわけにはいかないが。
  • トレーニング項目が最近のマビノギに珍しくやや大変。
  • アリアには「ライブを盛り上げてくれる出し物」と間違われている。こんな人畜有害な出し物などあってたまるか。
    • 実際ロナが毒ガスを吸ってえらい目に遭っている。
  • 錬成されたヒュドラの色は、設置時に装備していたガードシリンダーの染色と連動する。
    つまり派手な色の点滅アンプルでガードシリンダーを染めれば、それこそライブハウスの電飾のように輝く目に痛いファンキーなヒュドラが出現したりする。
  • 実はミレシアンの物理攻撃力も毒ダメージに影響する。そのため戦場の序曲や物理攻撃力アップ系のポーションなどの併用によって総合ダメージを飛躍的に高めることができる。
    • なら最大ダメージが極端に高い「人生は一度きり 一発ロングソード」などを装備すれば革命的なダメージが拝めるのではないか?と考えるかもしれないが、計算式の都合で属性シリンダーやタワーシリンダーの倍率が高く影響されるため、シリンダーボーナスを捨てるほどの効果はない。

ヒュドラ錬成とタワーシリンダー

  • ヒュドラ錬成はダメージが発生する時点で装備しているシリンダーの影響を受け、土属性で強化、それ以外の属性で弱体化(特に風属性が顕著)する。また、シリンダー以外を装備している場合も本来の能力より劣化してしまう。
    翻って、ヒュドラ錬成中は土属性以外の攻撃手段が弱体化してしまい、「ヒュドラが弱体化しても他の属性を使う」か「他の属性が弱体化してもヒュドラのダメージを最大化する」という選択を迫られることになる。
  • この「持ち替え」の仕様によってにわかに注目を浴びたのがタワーシリンダーである。
    タワーシリンダーは本来使用にあたってはまず設置が必要で、しかも設置場所にも制限がかかるため、通常これ自体を用いることは少ない。また、ヒュドラ錬成はガードシリンダーと同時に装備する必要があるため、本来はヒュドラ錬成を含む英雄スキルを用いることはできない。
  • ところが上記のとおり、ヒュドラ錬成の発動中は「その時点での装備」の影響を受けるため、ヒュドラ錬成を発動後にタワーシリンダーに持ち替えることで、タワーシリンダーの特性がヒュドラ錬成にも適応される。これによって、なんとアースクエイクシリンダーを含めたあらゆるシリンダーをも凌駕するダメージを叩き出せることが明らかになった。
    • しかもタワーシリンダーは精霊化もできるため、Luck(土属性ダメージにボーナス)を充分に育てた場合、常識を超えた総合ダメージを与えられる。その凄まじさたるや、1回のヒュドラの猛毒をフルヒットさせた場合、マスタータイトルがあればエリン武闘大会の決勝戦の相手ですら倒せてしまう。
  • これはバグか仕様かの曖昧だが、かつてはゴーレム錬成でも同様に「持ち替え」を利用したスーパーゴーレムが猛威を振るったことがある。これはあまりにも強すぎた(あと大きすぎた)ため、発覚後暫くして修正された経緯があることを鑑みれば、ヒュドラ錬成も同様の修正を受ける可能性がある。
    • 具体的には発動時のシリンダーの影響のみを受けるようにされるのが妥当であろうが、その場合は持ち替えによるデメリットが完全になくなるため、今度は持ち替えによる装備の自由度が増し、その恩恵を受けることができるようになる。
    • 現状ではタワーシリンダーを装備している間は(設置しない限り)錬金術が使用できなくなり、武器に依存しないスキルに限定されてしまうため、ヒュドラ錬成の効果を極限まで高める代わりにほとんどの能動的な手段を失ってしまうことに等しい。デメリットとしては充分なリスクを背負っていると思われる。
  • こうして精霊タワーシリンダーとヒュドラ錬成の関係はそれなりにバランスが取れていたのだが、2019年12月18日に実装された『UPRISE-精霊の飛翔-』で微妙に弱体されてしまった。
    • これまでの精霊化によってシリンダーはそれぞれの属性に割合でダメージボーナスを得られていた。そこにタワーシリンダーの全錬金術効率アップとの相乗効果で凄まじいダメージを叩き出していたわけだが、『UPRISE-精霊の飛翔-』から通常の武器から精霊化しても精霊の成長そのものによる強化が一切ない仕様へと変更がなされたのだ。結果、通常のタワーシリンダーでのヒュドラ練成と性能自体はほぼ同等になり、わざわざ精霊武器の枠を使う必要が無くなってしまった。
    • 精霊化する価値が全く無くなったわけではなく、シリンダー精霊の習得するスキルでヒュドラ練成のダメージを最大+100することができる。だがこれは最終ダメージに+100されるだけなので、これまで500~1000近いダメージを上乗せしていたことから鑑みればやはり大幅な弱体と言わざるを得ない。
    • とはいえタワーシリンダーを上回るものは制作が超絶困難なケルティックテトラシリンダー以降のエンドコンテンツ系素材が必要なものしかなく、そこまでの手間暇を考えれば、結局のところタワーシリンダーを使うのが最も手っ取り早く、効率が良いといえるだろう。

問題点

  • 研究が進み、コンテンツによっては錬金術師の必修科目とまでささやかれる昨今ではあるが、実装直後から存在する意外な問題点があることも明らかになってきた。それは耐久減少が激しいということである。
  • これはヒュドラ錬成にのみ発生する現象で、どうやら毒散布の攻撃判定が1回ごとに耐久減少の処理が行われているようで、持続時間が長くなればなるほど攻撃回数が多くなり、同時に耐久減少も起きるということのようである。そのためただでさえ摩耗しやすい錬金術カテゴリーのなかでも特に消耗速度が速い。戦術?におけるバッシュも似たような問題点を抱えている。
    • これは錬金術師にとっては割りと重大な問題である。特に使いみちのないアースシリンダー/アースクエイクシリンダーを使用している場合は使い捨てくらいの気持ちでもかまわないかもしれないが、問題は精霊化している場合である。現在の仕様では精霊武器の修理成功率100%であるため、NPC売りでないアースクエイクシリンダー以外は大した問題ではないが、これまでよりも明らかに摩耗する速度が早くなっているため、いざというときに備えて最低限ひとつは修理用の素材を用意しておきたい。
    • 直接は関係ないのだが、長時間装備している必要があることと、上述のとおり「1回の攻撃判定発生ごとに1回攻撃したことになる」という仕様から精霊武器が空腹になる率が高く、翻って育成しやすくなるという副次効果が得られることになり、釣りイベントなどの宝石の消費先ができたことに内心喜ばしく思っている錬金術師もいるとか、いないとか。
  • また、前述の通り「ヒュドラ錬成のダメージとそれ以外の行動のほとんどがトレードオフの関係にある」点も大きな課題。
    • 現状では常時ヒュドラ錬成を維持できるため、装備との兼ね合いもあるがヒュドラ錬成に特化した場合の行動制限が極端に大きくなってしまう。また、移動をともなったコンテンツの場合はスキルのクールタイムが終わっていない場合、何らかの他の攻撃手段を用いる必要がある。そのためのコストなども考えるとヒュドラ錬成一本でやっていくのはなかなか難しい。

現在のヒュドラ錬成

  • 実装後時間が経っていることもあり、ヒュドラ錬成も少なからず影響を受けている。
    現在ではエレメンタルウェーブの副次効果である風属性強化(錬金術スキルクールタイム10%軽減)により、60秒のクールタイムが54秒に、昇段タイトル「勘で当てた」(マスタータイトル効果+20%)によってヒュドラ錬成マスターの持続時間+20秒が持続時間+24秒に強化されることがわかっている。
    • つまり「勘で当てた ヒュドラ錬成マスター」タイトル時にはヒュドラ錬成の持続時間54秒・クールタイム54秒となり、ヒュドラ錬成の維持が容易になるとともに、持続時間が伸びて時間当たりのダメージ効率が良くなるということになる。
    • 昇段タイトルの+4秒がどの程度の効果かというと、具体的にランク1+マスタータイトルの50秒の持続時間で22回の攻撃判定が発生するのに対し、25回の攻撃判定が発生することが確認されている。これはダメージ上限に到達した状態が延長されるため、極まった錬金術師なら5000~10000越えのダメージを上乗せできるということになる。

出展

  • ギリシア神話の「ヒュドラー」がモデル。マビノギでは長母音を省略して「ヒュドラ」となっている*1。ヘラクレス12の功業の一つとして退治された。
  • 9つ(5~100と異説あり)の蛇の頭を持つ水蛇の怪物。レルネー沼に棲み、吐き出す毒で周囲の草木が腐り落ちたという。一つの首を切り落とすと、傷口から二つの頭が生えてくるうえ、中央の一本の頭は不死身だったため誰にも倒すことができなかった。
    ヘラクレスは切り落とした傷口を焼き再生できなくしたが、不死身の頭は切り落とせなかったため、巨大な岩の下敷きにして倒したという。
    • ちなみにこの時、彼を憎む女神ヘラが巨大なカニを彼のもとに差し向けて邪魔させようとしたのだが、ヒュドラ退治に夢中になっていたヘラクレスはカニに気づかず踏みつぶしてしまったそうな。南無。
    • このカニが星座として天に上げられたのが「かに座」である。ヘラクレスに倒されたヒュドラも「うみへび座」として天に上げられたという。
  • 余談だが、ヒドラという生物は現実にも存在する。細長い体に数本の触手を持つクラゲの仲間で、見た目が前述のヒュドラに似ているため命名された。

*1 ヒュドラー、ヒュドラ、ハイドラ、ヒドラなど。