ロードナイト

Last-modified: 2020-09-03 (木) 23:44:36


20.ロードナイト
宝石言葉:自らの価値

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あらすじ ※ネタバレ注意※

ショートカット
プロクト城・謁見の間
大魔王城

 

冒頭回想・ヤマト編

ヤマトの母がベッドに横になっている。
部屋には幼いヤマトと見舞いに来たらしい大人の男女が3人いて、
母親の様子を窺っている。
3人はどうやら、叔母とヤマトの祖父、親戚筋の男性のようだ。
「ヤマトくん、水を持ってきてくれるかい?」
と親戚の男性に言われて、ヤマトは慌てて部屋を出る。
それを見届けると、大人達は口々に心無い言葉を発する。
「やっぱり似てるのよね、あの男に。同じ血だから仕方ないけどさ」
「見ているだけで憎くて仕方がない!
あの男の血が入った子供を産んだせいで、自分の娘が病気になったんだからな!」
「お姉ちゃんも、あの子がいなければ、まだやり直せたのにね。
「子供を捨てるなんて可哀想だ」なんて、
偽善者の無責任な言葉に縛られて生きるんだわ」
「生まれてくる価値のない命もあるということかのう。
あの男の血が入った子供じゃ、きっと不幸をまき散らすことじゃろう。
ただ、この子を縛り付ける厄病神として存在しているのじゃ」
キッチンから部屋の前まで戻って来ていたヤマトは、
偶然、大人達の話を聞いてしまい、立ちつくす。

場面変わって、イカルガの街中。
一人歩いていたヤマトは、すれ違った女の子達が
「サンタさん」の話題に花を咲かせているのを耳にする。
楽しそうなそれを黙って聞いていると、後ろからワタルが突撃してきた。
「ヤマト! おっはよー!」
ワタルは上機嫌でサンタさんからもらったという靴をヤマトに見せる。
ヤマトは
「よかったね」
とだけ言った。
そこへスミカもやって来て、やはりサンタさんに貰ったという
ヘアピンを嬉しそうに二人に披露する。
「あ、父さんが母さんに言ってた!
そういうの「まごにもいしょう」って言うんだって!」
「どういう意味ー!?」
スミカをからかって逃げ出したワタルを、スミカが追いかける。
ヤマトはただ見ているだけだ。

――毎年冬になると、「サンタさん」という人物が、
よい子にプレゼントをくれるらしい。
一度ももらったことないけれど。
自分のところに来ることはないというのは、幼いながらに理解していた。
「サンタさん」の正体も、周りより先に理解していた。
「“自分の子供を愛している”両親」だということを。
「サンタさん」の存在だけじゃない。
ふつうの子供はどういうことをするのか、
どんなにたくさんの幸せを世界からもらっているのか。
教えてくれたのは、いつだって二人だった。

プロクト城・謁見の間

ワタル達は、ダークラウンから聞いた話を国王と大臣に伝える。
大魔王の正体が分かるのであれば誘いに乗るほかない、という大臣。
ワタルは、自分の手で倒さないといけない存在を思い、複雑な表情をする。
謁見の間を退出した後、ワタルはヤマトがいつになく堅い表情をしているのに気づく。
「ヤマト、大丈夫か? 何か怖い顔してたけど。」
「怖い顔をしているように見えたなら、
それは朝食用に仕込んでおいた具材を
お前が根こそぎつまみ食いしていたことに対する怒りと呆れだな」
ヤマトが、何でもない顔をしてはぐらかすのを、
アヤネが何か言いたげな表情で見ていた。

大魔王城

ワタル達は、「異界の宝珠」を使って断絶のほこらから転移した。
「ダークラウンさんと同じ魔力を感じます。」
アヤネは、ここが大魔王城で間違いないと断言する。
(大魔王のこと倒せるのかな……。
倒さないといけないのか……?)
ワタルの胸中を察したヤマトが励ましの声をかける。
「大丈夫だ。いつも通りにすればいい。俺が前で注意を引くから――」
「必要ねえよ。まとめて焼き払う」
それを遮るようにクオンが前に出る。
「キャー! 
こんなところで王子様宣言されちゃうなんて
アタクシのお姫様力高すぎー!」
「あんたじゃねえよ黙れ」
ある程度事情を察しているクオンは、脳天気なワタルに若干苛立ちを隠せない様子だ。
黙って二人のやり取りを聞いているヤマトに、アヤネはそっと視線を向ける。
そして、スミカはその場のどこか不穏な空気を感じ取っていた。

エントランスから扉を開けて中に入った途端、どこからともなく
「――あんな男の血が入った子供なんて嫌だわ。きっと不幸をばらまくわよ」
と囁く声をヤマトは聞いた。
しかし他の4人は何も聞こえなかったという。
「そうか。なら、気のせいだろう」
一同は歩みを進める。
しかし、ヤマトの聞いた声は幻聴ではなかった。
何度も何度も聞こえるそれは、ヤマトにだけ囁きかけているようだ。

「――片親の生徒は面倒なんだよなあ。精神的にトチ狂うし、
ちゃんとお金払ってくれる親御さんから非難がくるし」
「――奥さんも可哀想よね。子供がいなければ、まだやり直せたのに」
「――お前のせいだ!お前を産んだせいで、こいつは金喰い虫になったんだ!」
「――ああ、どうして、あなた! どうして私を捨てるの!」
「――私にはあなたしかいないのに!」

そして、ワタル達はついにダークラウンと相見える。
「お待ちしておりましタ! どうだったでショウ、大魔王城ハ! 
暗すぎない適度な装飾だったデショウ?」
相変わらずふざけた調子のダークラウンをスミカは追求する。
「ふざけないで! 大魔王はどこなの!?」
それを聞いて尚、
「せっかちですネー。急かす女性は苦手デース。」
のらりくらりとはぐらかせながらも、ダークラウンは宣戦布告する。
「まあ、いいデショウ!
大魔王とご対面する前の最後の舞踏会といきましょうカ!
ワタル達とダークラウンの三度目の戦いの火蓋が切られる。

その戦いの最中も、ヤマトへ囁きかける声は止まらない。

「――この金喰い虫め! お前なんか産まれてこなければよかったんだ!」
「――この子を産んだせいで病気になったのに、
この子のせいでやり直せないなんて、酷いわね」
「――お前、父親に捨てられたんだって?
どんだけ悪い子にしてたんだよ! はははは!」
「――あなた! ねえ、どうして! お願いよ、私を捨てないで!」
「――あなたさえいれば、他に何もいらなかったのに!」
「――ホカニ カチノ アル モノ ナンテ ナニモ ナカッタ ノニ!」

激しい戦闘の末に、ワタル達はダークラウンを追い詰めることに成功する。
真っ先に詰め寄ったクオンが、厳しく尋問する。
「大魔王はどこだ。どこのどいつが親玉なんだ!」
クオンの追求に、何故か高笑うダークラウン。
「何で笑ってるのよ……。ここで終わりなんだから!」
と不快感を露わにするスミカを、ダークラウンは鼻で笑う。
「オワリ? いいえ、はじまりデスヨ!
いよいよ、大魔王様の花が開く……! 負の感情で成長した種が、立派に……!
あとは、おねがいいたシマス――」
ハッとしたワタルたちが後ろを振り返ると、
ヤマトに闇──負の感情エネルギーが集まっている。
ダークラウンは絶叫する。

「大魔王様あああぁぁァァァァ!」

ダークラウンは消滅した。
そして、負の感情エネルギーが飽和したヤマトは──。

――大魔王として倒されることが
自分に与えられた最初で最後の価値なのだろう
その価値を受け入れたいから。
自分の最期は、世界からもらえるたくさんの幸せを教えてくれた人の手で。

大魔王が、ついに姿を現した。

※ネタバレ注意※

考察 ※ネタバレ注意※

折りたたみ内のメインキャラのセリフは、
文字色をそれぞれのイメージカラーにしています。
「ワタル」「スミカ」「ヤマト」「アヤネ」「クオン」です。
それ以外のキャラの色もメインキャラに準じて決めています。
詳細は折りたたみ内最初に記載しています。

ショートカット
大魔王城
ヤマトよ、仲間たちを見よ!

 

第20話のタイトル「ロードナイト」の宝石言葉は「自らの価値」。
言うまでもなくヤマトのこと。
自らの価値を正しく評価できていない彼のことを指したものだ。
そのことが原因で、国王のいう「精神の厄災」をもたらすことになる。

 

冒頭回想・ヤマト編

冒頭回想では、ヤマトの受けてきた精神的虐待ともいえる事実の詳細が明らかになる。
ヤマト父がクズなのは誰が見ても明らかなので、
母親の親族が憎むのは仕方がないにしても、子供には何の非もない。
そう思っていたにしても、子供が近くにいる状態で口に出すべきではないのだが、
そういう大人としての対応が出来ない親族もまた、クズには違いないだろう。
このようなことを言われ続ければ、大抵の人間は精神のバランスを崩してしまう。
小さな子どもなら尚更だろう。
生まれてからずっとそのような環境にいたヤマトが、
自己肯定出来なくなってしまったのは必然的ともいえる。

他の魔法戦士4人も家族絡みの問題で性格が歪んでしまったわけだが、
ヤマトが決定的に異なるのは「肉親に愛された経験が皆無」なことだ。
ごく一般的な家庭に育ったワタルはいわずもがな。
スミカはユウジには大事にされているし、今回の回想で、
サンタさん(親)からプレゼントをもらっていたことが分かる。
クオンも冤罪騒動が起こるまでは「どこにでもある普通の家族だった」と言っている。
幼少期は愛してくれる両親と可愛い妹に囲まれていたのだろう。
グレーなのはアヤネだが、父親はともかく、
母親からは多少なりとも気にかけられていたのではないだろうか。
母親はあくまで夫に怯えているだけで、アヤネ自身に恨みがある描写はない。
AS版の設定を出すのは反則かもしれないが、
ASでは「歳の数だけ飴をもらう風習があった」そうなので、
誕生日のお祝い程度はされていたと思われる。
付け加えるなら、父親は村の風習で考え方が偏っていたため、
アヤネを特に虐げていたわけではない。
アヤネも男性に怯えながらも、そのことは理解している。

一方ヤマトは「サンタさんは一度も来たことがない」と言っている。
生まれてすぐに母親は病気になり、幼少期に父親は出て行き、親戚はこの有り様。
母親も「あなたがいればよかったのに!」と夫のことしか考えていない。
言い換えれば彼女は、一人の男性を愛する女性のままで、
子どもを持つ母親へ成長出来ていなかったのだ。
このように、ヤマトには肉親に愛された経験が皆無だった。

家族に自己肯定感を求めることができないヤマトは、
ワタルとスミカを通して、疑似的に「普通の子どもの幸せ」を享受しようとしたのだ。
最後のモノローグは、その裏付けとなるものだ。

「ふつうの子供はどういうことをするのか、
どんなにたくさんの幸せを世界からもらっているのか。
教えてくれたのは、いつだって二人だった」

今までに解説してきた「ワタルとスミカに自己投影している」とはこのことだ。
これを見れば、ヤマトにとって、二人の幸せは自分の幸せに等しいことが、分かり易いのではないだろうか。
だから、二人に何かあると焦ってしまい、その原因を排除しようとしたのだ。

実際の会話

「ヤマト叔母のセリフ」「男性のセリフ」「ヤマト祖父のセリフ」「ミナのセリフ」
「」なし=ミナの友達のセリフ

 

 

♪オフ

──ヤマトの自宅。病気の母親を、親族が見舞っている──

「……駄目ね。もう、今までの薬じゃ効き目がないのかも。」
「ヤマトくん、水を持ってきてくれるかい?」

──ヤマト、慌てて水を取りに行く。
そして部屋の前まで戻ってくるが、大人達の話に足が止まる。──

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──ヤマト、立ち尽くしたまま動けない──

──場面転換。イカルガの町中。ヤマト、二人の女の子とすれ違う。
女の子達が話をしている──

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「えー、いいなー!どれどれ? うわー!可愛いー!」
ミナちゃんは何もらったの?
「私はこのヘアピン!」
すごーい!似合ってるよー!

──立ち止まって二人の話を聞いているヤマトの背後から、ワタルが全力で駆けてくる──

「ヤマト!おっはよー!」
「ああ、ワタルか……」
「何でそんな暗い声出すんだよー! あ、それより、これ見て!」
「……靴?」

──スミカが二人のところへ駆けてくる──

「そう! 朝起きたら、枕の横にあったんだ!」
「……そっか。よかったね。」
「ワタル! ヤマト! おはよー!」
「うわー! ヤマンバがきたー!」
「誰がヤマンバなのー!? でも、今日は怒らないもんねー。
ほら、このヘアゴム! サンタさんにもらったの!」

「あ、父さんが母さんに言ってた!
そういうの「まごにもいしょう」って言うんだって!」

「どういう意味ー!?」
「わー! 逃げろー!」
「あ、待ちなさーい!」

──ワタル、スミカ、走り去る。二人を無言で見送るヤマト。画面暗転──

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大魔王城

大魔王城入口の場面では
「ある程度事情を把握しているアヤネとクオン」
「ヤマトの異変を知らないワタルとスミカ」
という構図が明確に描かれる。
ヤマトはワタルとスミカの前では、ほぼ完璧と言えるくらい平静を装っているので、
二人が気が付かないのも無理はない。
クオンが「(心配してるのは)あんたじゃねえよ黙れ」と言っているが、
ワタルでなければ誰なのかは明白だろう。
「ヤマトを壁にする戦法」が、今のヤマトには負担が大きいことを考えたうえで
「それなら自分がまとめて焼き払う」
ということなのだ。

筆者がβ版の感想を送った際に聞いた裏話だが、
大魔王城の途中に、魔力の使い過ぎで疲労するクオンを
アヤネが労わるシーンが初期案ではあったという。
ただ、20話ではヤマトの絶望に重点を置きたかったため、
前向きなシーンはカットの方向になったとか。
それにしても、優しさの見せ方が素直でないというか不器用というか。
それがクオンなのだ。だから分かりにくいとかツンデレとか言われるんだよね。

β版コメンタリー(見たい人は反転)
親友のくせにヤマトの変化に気が付かないのか?
――と叩かれそうな気がします。
でも、これってヤマト本人が望んでいることなんですよね。
ヤマト本人もワタルやスミカへの演技の方が力を入れているでしょうし。
大切な人だからこそ隠したい、
そんな青い感情だってあると思うんです。

大魔王城を進み、マップが切り替わる度に表示される心無い声は、
おそらくは、今までにヤマトが実際に受けてきたものの再現だろう。
それを改めてみせることで、ヤマトの負の感情を蓄積させるのが
ダークラウンの策略だったというわけだ。
ヤマトにしか聞こえないようになっているのも嫌らしい。
戦いの最中にまで聞こえてくるのだから陰湿極まりない。

「――あなたさえいれば、他に何もいらなかったのに!」

母親のものと思われるこの言葉は、最後の方に示される。
彼女にとっては、夫がいれば他に何もいらない、
ヤマトを含めた他のものに価値なんてない、というふうに受け取れる。
もっとも、第1章(1~12話)のイカルガパートで、
(そんな息子はいないはずなのに、探さないといけない気がする。「ヤマト」)
という彼女の胸中が描かれているため、実際には全く思い入れがなかったわけではないのかもしれない。
ただ、夫と離婚する際に、子どもよりも自分の気持ちを優先して息子の前で泣きわめくのは、親としては失格と言うほかはない。
やはり彼女は、一人の女性ではあったが、母親ではなかったのだ。
もちろん最悪でクズなのはヤマト父で間違いないのだが。
魔法戦士の儀式によって、母親はヤマトのことを忘れて他の家族を作ってしまう。
この事実と、一番最後の
「――ホカニ カチノ アル モノ ナンテ ナニモ ナカッタ ノニ!」
という言葉がヤマトの自己肯定感欠如の決定打だったのだろう。

「――大魔王として倒されることが
自分に与えられた最初で最後の価値なのだろう
その価値を受け入れたいから。
自分の最期は、世界からもらえるたくさんの幸せを教えてくれた人の手で」

このヤマトの最後のモノローグこそ、彼にとっての理想のシナリオだ。
自分の命を捨てることで、世界に自分の価値を示す。
それこそが、ヤマトが生きたことを世界に残す唯一の手段で、
その死を受け入れるためには、
「世界からもらえるたくさんの幸せを教えてくれた人」
――自己投影をしていた人、ワタルの手で逝きたい。そういう意味なのだ。

自分に死をもたらす存在が、例えば父親だったり親戚だったり、
名前も知らない誰かだったりしたら、
「どうしてこんなやつに殺されないといけないんだ?」
という疑念が多かれ少なかれ発生してしまうだろう。
そうなるとヤマトは、死(=自分に与えられた最初で最後の価値)を
受け入れられない。
しかし、単に
「俺を殺してくれ」
と言ったところでワタルは当然、他の3人も納得しないだろう。
だからこそ黙っていたのであり、それを暴こうとするアヤネとクオンの行動は
ヤマトにとっては余計なことでしかなかったのだ。
そして、ワタルの大魔王討伐意欲を高めておく必要があったのも、
自分の描いたとおりにシナリオを進めるためだったといえる。

また、おそらく16話のパジャーユ火窟でダークラウンと接触した時点で、
ヤマトは「自分が大魔王だ」ということを把握していたに違いない。
今まで「大魔王は所詮その程度の存在」などと言っていたのは自虐で、
「大魔王を倒さないと」
と言っていたのは、
「自分をワタルに殺してもらわないと」
という意味だったのだ。
自分一人で親友に殺される覚悟を決めていた様は、
魔法戦士の誰よりも自己完結で、身勝手で、けれど痛々しい。
ワタルとスミカに自己投影し、二人を護ろうとしていたのも同じ理屈だ。以前に
「ヤマトもクオンも自分のために行動するが、ヤマトのほうがはるかに自己完結的」
と解説したことが分かっていただけるだろう。(13話の考察参照)
ただ、見方を少し広げると結果的にヤマトは世界を護るために
大魔王として殉職しようとしているわけなので、ヤマトほど世界に忠誠しているキャラはいないともいえる。
しかしそれは、断じて正しいやり方ではないだろう。

ちなみに、制作ブログによると制作陣には「闇人(ヤミト)」と呼ばれていたとか。
酷い言い草だが、補完者に言わせれば「病み人」でもある。

実際の会話

※ 「ダークラウンのセリフ」

 

 

♪オフ SE 風の音

──断罪のほこら──

「これまでの人生で培った知力/体力/時の運が、
ここで宝珠を使えと訴えている!」

「これまでの人生で培ったもののすべてを駆使したとしても
あんたから知力を見いだせないわけだが。」

──場面転換。大魔王城エントランス──

「ここが大魔王城……?」
「ダークラウンさんと同じ魔力を感じます。
ここで間違いないかと。」

(大魔王のこと倒せるのかな……。
倒さないといけないのか……?)

──不安を隠せない様子のワタルを励ますヤマト──

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──クオン、ヤマトの前に出る──

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「キャー!
こんなところで王子様宣言されちゃうなんて
アタクシのお姫様力高すぎー!」

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──クオン、やや苛立つ様子。ヤマト、アヤネ、それぞれに曰くありげな態度。そんな二人を不思議そうに見るスミカ──

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──大魔王城内部──

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♪大魔王城(曲名:おばけ屋敷 /配布元:ほわいとあいらんど工房)

──※ 以下、大魔王城を進むと一定間隔でヤマトのみに聞こえる声──

「──片親の生徒は面倒なんだよなあ。
精神的にトチ狂うし、
ちゃんとお金払ってくれる親御さんから非難がくるし。」

「──奥さんも可哀想よね。子供がいなければ、まだやり直せたのに。」

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「──ああ、どうして、あなた! どうして私を捨てるの!」

「──私にはあなたしかいないのに!」

♪ダークラウン(曲名:信用してはいけない/配布元:H/MIX GALLERY)

──ダークラウン戦前──

「お待ちしておりましタ! どうだったでショウ、大魔王城ハ!
暗すぎない適度な装飾だったデショウ?」

「ふざけないで! 大魔王はどこなの!?」
「せっかちですネー。急かす女性は苦手デース。
まあ、いいデショウ!
大魔王とご対面する前の最後の舞踏会といきましょうカ!」

──戦闘開始。以下、戦闘中に表示される文章──

♪ダークラウン戦(曲名:GEROM/配布元:ほわいとあいらんど工房)

「──この金喰い虫め! お前なんか産まれてこなければよかったんだ!」

「──この子を産んだせいで病気になったのに、
この子のせいでやり直せないなんて、酷いわね。」

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「──あなた! ねえ、どうして! お願いよ、私を捨てないで!」

「──あなたさえいれば、他に何にもいらなかったのに!」

「──ホカニ カチノ アル モノ ナンテ ナニモ ナカッタ ノニ」

──戦闘勝利。ダークラウンに詰め寄るクオン。ワタル、スミカ、アヤネもクオンに続く。──

♪オフ

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──負の感情エネルギーがヤマトに集中する──

─大魔王として倒されることが
自分に与えられた最初で最後の価値なのだろう。
その価値を受け入れたいから。

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──大魔王、出現──

ヤマトよ、仲間たちを見よ!

ヤマトの周囲にいる大人達はハッキリいってクズばかり。
それは、ワタル以外の3人の周囲にもいえることではあるが……。
プレイヤーからの嫌われ度でおそらくNo.1を誇り、
サブキャラページの紹介でも”人間のクズ”としか書かれていない、
あの男を父親に持ったのがヤマトの最大の不幸だろう。

しかし!

諦めてはいけない。
ヤマトを心配する仲間がちゃんといる。
下記2枚の画像の、キャラの並びを見て欲しい。

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通常時は2枚目の画像のように、ワタル、ヤマト、クオンが前衛、
スミカ、アヤネが後衛でボスに臨む。
しかし、大魔王城のダークラウン戦では、
ヤマトが体調を悪くしていることを知っているクオンとアヤネが、
キッチリヤマトをガードしているのが分かるだろう。
(……つまり作者様の演出が細かいのだが、今いうべきことではない)

魔法戦士たちは今、最大のピンチを迎えている。
しかし、ここに希望が残されている。
皆、気を強く持って先へ進もう。

※ネタバレ注意※

攻略

過去イベントから場面転換して、プロクト城でのイベントに切り替わる。
そのイベント終了後から操作可能になるので、新たなサブイベントをこなしたり、
装備品やアイテムを調達したり、自由に行動してから大魔王城へ行こう。

断絶のほこら

♪オフ SE 風の音

断絶のほこらはプロクトからすぐ南東に位置する。
サブイベントで何度か訪れたプレイヤーもいるのではないだろうか。
イベントアイコンが出ているところでエンターキーを押すと大魔王城へ転移する。
大魔王城からは行き来が出来るので、様子を見て足りないアイテムの調達をすることが可能。

サブイベント情報

  • 光の魔跡地
    プロクト城でのイベント後、光の魔跡地へ行けるようになる。
    場所はプロクトからエフライント神殿・ボッチョーロ祭壇へ行く途中の道を南下した所。
    遠いので、一旦エフライント神殿までテレポレスで飛んで戻ると若干楽。
    勝利報酬の光の魔装石はダークラウン戦で役に立つので、戦う前には入手しておこう。
ボス攻略
ボス攻略はこちら→光の精霊長
※ 別タブで開きたい場合は右クリックでお願いします。

※ サブイベント会話集に会話掲載あり
※ 別タブで開きたい場合は右クリックでお願いします。

  • 秘密のお願い

※ 「お菓子を届けて」、「募金のお願い」、「薬草が欲しい」をクリアしていないと発生しない。

魔法に精通している方を募集しています。
プロクトの宿屋2階で待っています。

フードの人物4度目。さすがにみんな気づき始めたか。
プロクトの宿屋2階にいるので、話しかけよう
話しかけるとイベントが開始するので、必要ならセーブをしておこう
今回は、表示された吹き出しに対応する魔法を選んでエンターを押す。
これを7回行うのだが、侮るなかれ。だんだんと表示される吹き出しの数が増える。
自力で突破するならメモは必須だろう。
選択を間違えてもイベントは進行するが、魔法の成功率で報酬が変わる。
以下、吹き出しと魔法の対応、正解と報酬のまとめ。

長いので折りたたみ

吹き出しと魔法の対応

  1. びっくり=魔法
  2. ハテナ=魔法
  3. 音符=魔法
  4. 電球=魔法
     

    正解

    吹き出し魔法
    1音符
    2びっくり→ハテナ
    3電球→ハテナ→音符color(orange){黄};→
    4びっくり→ハテナ→音符→電球
    5音符→電球→ハテナ→びっくり→電球
    6ハテナ→電球→ハテナ→
    びっくり→音符→ハテナ
    7ハテナ→びっくり→電球→音符→
    電球→びっくり→ハテナ
     

    報酬

    成功報酬
    7魔法反射率上昇++、反撃率上昇++、魔法回避率上昇++、
    会心回避率上昇++、会心率上昇++、回避率上昇++、
    命中率上昇++、64.000coin、エキサイダーマ
    6必中ダメ率減少++、魔法ダメ率減少++、物理ダメ率減少++、
    32.000coin、エキサイダーマ
    5MPチャージ率上昇++、MP再生率上昇++、
    16.000coin、エキサイダーマ
    4狙われ率減少++、狙われ率上昇++、
    8.000coin、エキサイダーマ
    3回復効果率上昇++、回復の知識上昇++、
    4.000coin、エキサイダーマ
    2回復効果率上昇++、2.000coin、エキサイダーマ
    11.000coin、エキサイダーマ
    0エキサイダーマ
 
イベント会話

依頼確認時
……そうですね。これはあなた方にしか頼めないでしょう。
今回は教会に潜入し、「悪魔の子の儀式」を
裏からコントロールしていただきたいのです。
「悪魔の子?」
教会の子供たちに我々と同じ道を歩ませないため、必要なことなのです。
夜になったら参りましょう。
侵入経路は知っていますから。

依頼達成時
ありがとうございました。
「あの儀式に引っ掛かるとどうなるんだ?
一定の事象が起こると悪魔に認定でもされるのか?」

そのようなところです。教会のさじ加減でいくらでも結果を変えられますから。
ですが、魔法による改変には干渉できません。だからあなた方に頼んだのです。
「あの、聞いてはいけないことかもしれませんが──」
ええ、お察しの通りです。我々は儀式に引っ掛かり、追放された人間です。
「だから顔を隠していたり、
自分たちでは教会に行かなかったり、そうしてたんですね。」

──フードの人物の仲間がやってくる。やはりフードで顔を隠している。──

こっちは終わったわ。これでもう大丈夫ね。
残りの二人も待ってるぜ。上手くやったようだ。
よかった。では我々は失礼します。これはお礼です。
「どこかで聞いたことのある声だった気がする。」
「あの人たち、教会を追い出されて大変だったんだろうな……。」

誕生石
詳細はこちら「誕生石の在り処
※ 別タブで開きたい場合は右クリックでお願いします。

大魔王城

♪大魔王城(曲名:おばけ屋敷/配布元:ほわいとあいらんど工房)

大魔王城に謎解きはないが、一定の分岐で進む方向を間違えるとスタート地点に戻される、という簡単な罠が仕掛けられている。
罠が仕掛けてあるのは松明が置かれている階段。
青い炎の灯っている方が正解ルート。

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出現する魔物の特徴は、チャットでクオンが言ってくれるので参考にしよう。

 
ヒントチャット

「あのドクロの根城だからな、嫌らしい敵が多そうだ。」
「合成できる魔装石のレベルも上がっています。防げる効果は無効化したいですね。」
「とりあえず闇耐性は必須か。あとは闇とセットになってる催乱対策。
雑魚の攻撃も参考になりそうだ。」

その他オススメなのは、ホワイトスケイル合成時に予想外で出来るシルクコート。
会心回避率+25%、能力弱体無効化と特にボス戦で有用。
ボス含め、全ての魔物が光属性に弱いので、ワタルのスキルに「レウコン」をセットしよう。
なお、初回チャットでは、いつものようにアイテム入手があり、全種類の欠片を5個ずつ入手する。

宝箱はエリアの右端と左端にあるので、丁寧に見ていけば取りこぼしはないだろう。
最後から2つめ、素材の入った宝箱は階段を上りきった場所の左側にある。
右に進むとゴールドエリクサーの宝箱があり、その奥でボス戦となる。

宝箱の中身:
闇耐性++(2)、光強化++(2)、攻撃半減耐性++(2)、魔法半減耐性++(2)
運半減耐性++(2)、敏捷半減耐性++×(4)、魔法ダメ率減少(2)、融解の結晶(5)
救済の十字架(5)、ダイアモンド(5)、英雄のペンダント(5)、闇夜の証(5)
女神の髪飾り(5)、大地の金属(5)、伝令使の靴(5)、雷鳴の石(5)、人魚の貝殻(5)
炎の牙(5)、竜の皮(5)、ゴールドエリクサー

最奥部でのボス戦闘だが、今回は勝たなければ先に進めない。

 
ボス攻略
ボス戦の攻略はこちら→ダークラウン3回目
※ 別タブで開きたい場合は右クリックでお願いします。
 
ボス戦後、やや長めのイベントが挿入されるので必要ならセーブしよう。

余談だが、今回のダンジョンは、進むごとにあるキャラへの心ない言葉が表示され、
ただでさえ重苦しいダンジョンの雰囲気がさらに重く感じられる。
さらに、先へ進むことへの不安が増していくプレイヤーも多いだろうが、もちろん意図的な演出である。

 

→次のお話へ