マーク・L・サビカスの理論

Last-modified: 2013-04-29 (月) 13:25:14

マーク・L・サビカス 現在の米国キャリア心理学会において、最も名声の高い学者の1人

21世紀にふさわしいキャリア発達およびキャリアカウンセリングの理論として「キャリア構築理論」を提唱(2005)

サビカスは
働く人を取り巻く環境が流動的で不安定なものへと急激に変化している今日、働く人を支えるキャリアカウンセリングも変化すべきである  と主張
 

キャリア構築理論は…
構成主義(ナラティブアプローチ)という新しい視点をキャリア理論に取り入れ、
「人は職業行動と職業経験に意味を付与することにより、自らのキャリアを構成する」と考える。

客観的なキャリアより“意味あるストーリー”を生み出す1つのまとまりとしての主観的なキャリアを重視し、過去の記憶、現在の経験、そして将来の抱負に意味を与える主観的な構成体としてのキャリアに焦点を当てる。

21世紀の労働環境に適したキャリア支援

流動的で不安定な労働環境

サビカスは
21世紀の不安定な労働環境を「脱雇用」という言葉で表す。
 

21世紀の労働者には、
“変化の多い職業人生をいかに上手く乗り越えるか”ということが新たな課題。

ナラティブキャリアカウンセリングの可能性

ナラティブキャリアカウンセリングは…
 人が自分らしさを維持しながら職業を選択し働き続けるために、自分のライフヒストリーを構成することを手助けする。

サビカスは
確立したキャリアの道筋も、確実に成功に至るための筋書きも存在しないわれわれは、地図も羅針盤も持たずに放浪する旅人のようなものであると 述べている。
 

キャリア構築理論

概要

○キャリア構築理論に基づくカウンセリングでは、3つの作業を目指す。 ①小さなストーリー(マイクロナラティブ)を通してキャリアを構成する
 ②小さなストーリーを大きなストーリー(マクロナラティブ)へと脱構築または再構築する
 ③ストーリーの中に次のエピソードを構築する

ナラティブアイデンティティ

ナラティブアイデンティティ…自己について語るストーリー

マクアダムス&オルソン
ナラティブアイデンティティを「人が青年後期に発達させ、人生に意味と目的を提供する内在化され、進化したライフストーリー」  と定義

マイクロナラティブからマクロナラティブを構成する

☆ナラティブアイデンティティ…日常的な小さなストーリー(マイクロナラティブ)を大きなストーリー(マクロナラティブ)に統合する

キャリアストーリー

 ○ストーリー…予期しなかった出来事への対応(正常でない、不適切な、予想に反した出来事に、納得できるような意味を与えようとする営み)
 ○プロット…出来事だけを取り上げてほかは無視することにより、出来事を一貫性のある全体へと構成(始まりから結末に向けて員が関係が与えられる)

キャリアテーマ

 キャリアテーマとは…
 小さなストーリーを多く集めると、同じことが何度も繰り返し出てくることがあり、これを“暗黙のパターン”と呼び、このパターンは小さなストーリーを貫くライン
 過去の記憶や現在の経験、そして未来の抱負に個人的な意味を与え、その結果として将来に見通しを与える。