アンラ・マンユ【1】
「万物の中に、我は宿る」 耳をすませば、己の中でそうささやく声が聞こえるはずだ。そのささやきがほの暗い色を帯びたものだとしたら、それはきっと、美しき姿をした、根源の「悪」……アンラ・マンユの呼び声であろう。 |
アンラ・マンユ【2】
「我は善なる神と、表裏一体の存在なり」 世界創造のとき、アンラ・マンユはもう一人の創造主と出会った。その創造主アフラ・マズダーが善を、アンラ・マンユが悪を請け負い、この世界は創造された。 |
アンラ・マンユ【3】
「美しきものは、醜きものを秘め、醜きものは美しきものを秘める」 美しい花や蝶も、内側にはアンラ・マンユの与えた醜く悪の部分を秘めている。醜く見えるものは、体の表面に悪の部分が目立って浮き出ているにすぎず、内部には美しいものが秘められている。美醜の総量、本質はどんなものも同じなのだ。 |
アンラ・マンユ【4】
「悪を否定することは、汝を否定することぞ」 万物は善と悪の両方で構成されている。世に善人と呼ばれている人も、そのとき、善の部分が表に出ているだけにすぎず、環境しだいでは悪人の振る舞いをするようになるだろう。あらゆるものの中には、悪の化身アンラ・マンユのカケラが秘められているのだから。 |