フーケ&ワルド

Last-modified: 2006-10-28 (土) 16:42:05

『破壊の杖』(1)

「この固定化の魔法はやっかいね…」
小さな呪文を唱え石壁にそっと手を触れても反応が全く無かった。
モノは試し!と再度挑戦を試みたが…二度目は触れただけで弾かれた。
「耐性魔法の学習処理まで施しているなんて…」
弾かれて痺れの残る右手を悔しそうに見つめながら、唇をかみ締めた。
なす術の無い事を悟った彼女は…仕方なくその夜は素直に退散した。

事の始まりは他愛の無い街の噂話だった…。
魔法学院に保管されている『破壊に杖』以外にも『破壊の杖』があるらしい。
聞き耳を立て、情報を集め、ある貴族の家に潜り込み、真偽を確かめた…。
「あの時とは違う!今なら私は…破壊の杖の使い方を知っている…」
ここには邪魔をするガキ達もいない!もう二度とドジは踏まない!
土くれのフーケの心に火を付けるには充分過ぎる”新たなお楽しみ”だった。

場末の酒場でフーケは男を前にくだを巻いていた!
「飲みすぎだよ…マチルダ」
「今ではその名で呼ぶのはアナタだけだわ…」
「嫌かい?」
「別に!名前なんて…どうでもいいわ」
「そ、れ、よ、り!」指先を男の鼻先に突きつけてイラついて言った。
「で?手伝ってくれるの?くれないの?」
酔った女性に敵う者などいやしない!男はやれやれと言った風に答えた。
「わかたっよ、他ならぬ君の頼みだ…協力するさ」
「ありがとぉ~♪アナタのそういう所、大好きよ~♪」
彼女は椅子を倒さんばかりの勢いで立ち上がり…男にキスの雨を降らせた。
「まずは…報酬の前払いを!」「気が早いのね♪いいわ…行きましょう♪」
腕を絡ませたまま…2人は連れ立って二階に取った部屋に向かった。

薄明かりのベッドの中で2人は抱擁し…激しく唇を重ね舌を絡ませる…
貪る様に激しく身体を求め合い…大き目のベッドはギシギシと音を奏でた。
長い長いキスの後…唇を話すと…混ざり合った唾液が長く糸を引いた。
キスの雨は頬から首筋…鎖骨へと移り、やがて大き目の胸に至る…。
両手に少し余るその胸を優しく揉みながら乳首に舌を這わせ、口に含む。
赤子のように吸うと…「あ…あん…ソコ…いい」と、艶のある声が漏れた。
舌先で転がすように愛撫した後、軽く噛んで刺激を与え、反応を楽しんだ。
身体をのけ反らせ…我慢できず…更に下への愛撫を要求するフーケ…。
唇は胸の谷間からヘソを経由して、充分すぎるほどの時間を掛けてから…
ようやくと下腹部に至り…その舌先は薄目の茂みへと分け入った。
「あ♪ソコ…ソコがいいの♪もっと…もっと…お願い」
既に濡れて滴り落ちている液を、下からすくい上げるように舐め上げる。
「あ…い、いい…気持ちイイ…」
口の周りをベトベトにしながら谷間の上部に隠された敏感な種に触れた!
ひときわ大きく身体が跳ね、腰を激しくくねらせ狙いが定まらない…
細くくびれた腰を抑え両足の間に顔を埋め…刺激に強弱をつけ続けた。
「も、もうダメ…ち、ちょっと待って!お願い…も、もう!」
そんな言葉に耳を貸す訳も無く、ここぞとばかりに一気に攻め立てた!
一瞬全身がこわばったかと思うと…
「い、いやぁ~イク…いっちゃう!いっちゃう!」
と、大きく喘いだ後…噛み殺すように小さな声で「くぅ…」と言い、
ぐったりと身体が崩れるように弛緩した。
「ずるい…」フーケが枕で顔を半分隠したまま少女の顔で呟いた。
頬を染めながら…「今度は私が…」と言いながら男を強引に押し倒し、
自ら上に覆いかぶさり、またがった!
充分に準備が出来ている男のモノを…自らの手で握って秘部に導く。
挿入の瞬間小さく一言「あん♪」と漏らしたが…一気に腰を下ろした。
狂ったように激しく腰を動かすフーケ!
「あん♪この方が私らしいわ♪さぁ…いつでもイッていいわよ♪」
「君は強いがりで…可愛いね…」
可愛いと言われて途端に恥ずかしくなったが気を取り直して言った!
「う、うるさいわね!私の中…気持ちいいでしょ?イッていいのよ♪」
「無理して強がらなくもいい…少なくとも、僕の前では…」
下から何もかも見透かされたような目で見られ、羞恥心が増した…。
不覚にも…心の琴線に触れる優しい言葉にフーケの方が先に果てた。
二度目の絶頂にぐったりと全体重を預けるフーケを優しく抱きしめながら、
男はゆっくりそして優しく激しく腰を動かし…髪をなでキスをしながら、
その精をフーケの中に注ぎ込んだ…。
自らの体内に男の精が流れ込む感覚を心地良く味わいながら…
フーケは今まで味わった事の無い幸せを感じていた。
これまで寂しさにまかせて行きずりの男と身体を重ねた事もある。
生きる為に貴族の嫌な男と寝た事もある。
でもこの人は、今までに出会った他のどの男とも違っていた…
この人なら…きっと…
きっと…
フーケは深い眠りに落ちた。

『破壊の杖』(2)

ジュール・ド・モットの屋敷はトリステインの南西の外れに建っていた。
中流の貴族ではあったが…王宮直属の勅使の任を仰せつかる事も多く、
権力を笠に着ては平民のメイドを雇い入れ、夜の相手をさせたり…、
書物を集める事を趣味とした「書物コレクター」として有名だった。

「いい?タイミングを間違えないでね」
「いったい誰に言ってるんだい君は…抜かりは無いよ」
地下の宝物庫の石壁に向い杖を構え…今まさに呪文を唱えようとしていた。
小さく呟く呪文は固定化の魔法に阻まれるが、そこに更に呪文が重なる!
重なり合う魔法はやがて相乗効果を生み、固定化の魔法を相殺した。
すかさず錬金によって穴を開けた石壁に固定化の魔法が追い討ちを掛ける!
かくして見事なコンビネーションにより強固な石壁に大穴が開けられた。
「どうやら上手くいったようだね」
「さぁ…頂くものを頂いたら、さっさと退散しましょ♪」
ジュール・ド・モットの収集品は書物に限らず、金と権力に物を言わせ、
世界中の珍品を集めている事でも知られていた…。
その中に「破壊の杖」がある…というのがフーケの得た情報だった。

「さぁて…どこかしら~?」
やがて縦横10サント・長さ30サント程の装飾箱に「破壊の杖」と書かれた
怪しげなものを見つけた。以前見たものに比べてやけに小さいわね…
と思いながらも、魔法の杖にも小さな物や大きな物があるんだから…
これはこれでいいのだろう…と、懐に入れると屋敷を後にした。

宿屋の部屋で祝杯を上げる!フーケは久しぶりの仕事に上機嫌だ。
嬉しそうなフーケを見ながら男は目を細めて興味無さ気に尋ねた…。

「なぁマチルダ…これが破壊の杖…なのかい?」
「書いてあるんだから、たぶんそうなんじゃない?」
「君は以前に見たことがあるんだろう?」
「大きさは小さいけど、大事そうに箱に入ってるし…」
「威力がその物の大きさに比例するとは限らない…という事か」
「じゃ、早速お宝を拝見しましょう♪」

アンロックの魔法を掛けると錠前が外れ、金具が弾ける様に曲がった。
「こ、これって…!?」
箱の中には固定化の魔法で綺麗な状態で保存された…見慣れたモノが…
「ね、ねぇこれって…もしかして…」
「ま、まぁ…それだろうな…」
そこには男性性器を模った奇妙な物体が入っていた。
「やけにリアルね…死体から切り取った…とかでは無さそうね」
「これが君の言う『破壊の杖』かい?」
恐る恐る手に取りマジマジと眺める。見慣れぬ装置に手を触れると、
それはくねるように動き出した…驚き、フーケは思わず手から落とす。
それを寸での所で受け止め男が言った。
「おいおい、仮にも『破壊の杖』だ!暴発したらどうする!?」
「大体これのドコが破壊の杖なの?どう見たって…」
と言葉を続けようとして顔を赤らめ…言いかけた言葉に詰まる。
「使ってみりゃ分かるさ…たぶんね」
「使うって?まさか?」
「さっきから…そう思ってるんだろ?マチルダ…」
見透かされた心を隠すように強がって見せるが…想像しただけで…
フーケの股間は既に濡れていた。
「それとも…僕がいない時にコッソリと試すつもりだったのかな?」
思った事を全て言葉に出され…はにかんで頬を赤らめた。
「今夜の主導権は握らせて頂くよ…」
「無茶な事はしないでね…怖いんだから」
「何かあったら、すぐにやめるさ♪」
ランプを消すと闇に包まれ、窓から差し込む僅かな月明かりだけになった。
いつものように優しいキスから胸への愛撫に移ると…
ヘソから下腹部へと愛撫を移す…上から下へ…ゆっくりと…時間を掛ける、
舌先で茂みを分け入り、滴る液をすくい上げるように舐め…谷間に舌を。
そして一番敏感な谷間の上の種に触れる…。
身体が軽く…ピクン!と波打つ…。
「アナタの攻めは…いつも同じね…でもそれが安心…心地良い…」
これが彼のいつものパターン…。しかし今夜はそこからが違った…。
「でも今夜は違うよ…コレがあるからね…」
敏感な種に刺激を与えながら…と同時に「破壊の杖」が挿入されたのだ。
「ひぁ!」
声にならない声を上げて身悶えするフーケ!
男はフーケの反応を楽しむように「破壊の杖」をゆっくり出し入れする。
「あ!凄い…こ、こんなの…初めて!」
更に男はフーケの尻穴に指を当てて軽く刺激を加える…
今までに無いほど乱れるフーケは我を忘れる程の快感に酔いしれていた!
敏感な種を舐められ、破壊の杖を挿入され、尻穴まで刺激されたフーケは
「もっと…もっと…凄い…凄い…」
絶頂間近なのを感じ取った男は…破壊の杖の出し入れのスピードを上げた。
「いや…もうイク…イク…いっちゃう…ダメ…ダメ…」
「もう私…ダメ…いっちゃう…ダメ…だめ…もう…壊れちゃうぅ~!」
そう叫ぶと絶頂に達し…果てた。

ぐったりしたフーケの髪をなでながら…男は呟いた…
「『壊れちゃう』…か…なるほど…これはまさしく『破壊の杖』だ…」
「…確かに…そうかもね…ジャン」
「僕をそう呼ぶのも君だけだよ…」
「ワルド様…と呼ばれる方がいいの?」
「名など…とうに捨てた身だ」
「同じ穴の狢…ってところかしら」
ジャン・ジャック・フランシス・ド・ワルドはクスリと笑った。
「さぁ…二回戦よ♪」フーケが言った。

           -終-