文字通り、ラスボスの直前に戦うボスキャラクターのこと。
目次
概要
- いわゆるフィクション作品には、主人公サイドが物語の最後に戦う「ラスボス」と呼ばれる存在がほぼ確実に登場する。
だが、中には「ラスボスだと思っていた相手が実は操られていて、真のラスボスが別に存在していた」だとか、
「ラスボスの側近であるキャラクターを先に倒さなければラスボスとは戦えない」だとか、
「物語の黒幕を倒したと思ったらそいつが最期の力を振り絞って真のラスボスを呼び出した」と言った、
最終盤の戦いが連戦のような形になるというケースも多数見られる。- この手の演出の歴史は長く、国産RPGでいえば『ドラゴンクエストII』(1987年)が有名。
あまりに有名な作品だが、一応ネタバレなので詳細は差し控える。
- この手の演出の歴史は長く、国産RPGでいえば『ドラゴンクエストII』(1987年)が有名。
- このようなキャラクターが登場することで、最終盤が連戦と言う形になるために物語を盛り上げやすい、
ラスボスの設定をより深く描きやすい、敵側にも感情移入させやすいなど、
製作者側から見ても様々なメリットが存在するため、
今日のフィクション作品ではラスボスの前座が登場するのは定番の要素となっている。
むしろ前座が全く出てこないと逆に驚かれたり、残念がられたりすることすらある。
- 必ずしも1人(1匹)とは限らず、いわゆる四天王ポジションが集結する事もある。
「ラストダンジョンの入口の封印を守衛するポータル役を担う」
「ラストダンジョンの道中の要所要所に配備されている」
「ラスボス戦の前にボス・ラッシュ形式で同時(連戦)の戦闘がある」
など、それまでの四天王ストーリーをラスボス前に締めくくる展開も多い。
この方式はRPGやハンティングアクションに限らず、格闘ゲームなど幅広いジャンルに見られる。
やはり「四天王ポジション」と称されているが、こちらも必ずしも4人(4匹)とも限らない。
- ゲームによっては、ストーリーとの兼ね合いなどでラスボスとの戦闘がほぼイベントバトルのような形式であることも。
その場合、プレイヤー目線ではこの「前座」とのバトルが事実上の最後の戦闘となるため、
ラスボス戦以上に印象に残る人も少なくないという。
- 基本的に非常においしい役どころであるため、その作品全体で見ても大きく目立ちやすく、
固有のファンが付くことも往々にして存在する。
一方で、その強さに関しては作品によってまちまちであるのもこのポジションの特徴。
本命となるラスボスが霞むほどに圧倒的な強さを誇るような前座がいる一方で、
あくまで前哨戦としてあっさり倒されてしまうような前座もまた多い。
前者の場合は本命が「ラスボス(笑)」と呼ばれる最大の原因になりやすく、
後者は後者でよほど優れた設定が練られていたりなどしていなければ、大した印象にも残らずに終わってしまいがち。
作り手の技術力が試される、重要な存在と言えるだろう。
モンハンにおけるラスボスの前座
- モンハンシリーズでも、このポジションと言えるモンスターが存在するケースは時折見られる。
ラスボスから逃げ出している最中だった、狩猟後に強化されてラスボスになった、
ラスボスの影響を受けて暴れていた、雌雄の関係にあったなど
ラスボスと非常に深い関係にある存在である場合が多いものの、
一方で全く関係ない脅威がほぼ同時に襲ってきたために両者に連続で挑むことになったというケースもある。- 基本的にはラスボス戦に挑む段階の難易度のキークエスト群を全て達成した時点でラスボス登場となるため
ラスボスの直前に戦った相手はプレイヤー毎に異なるケースが多い。
必ずしもラスボスの直前に戦った相手 = ラスボスの前座では無い点に注意。
逆に、ラスボスの前にラスボスの前座との前哨戦が入るケースもある。
- 基本的にはラスボス戦に挑む段階の難易度のキークエスト群を全て達成した時点でラスボス登場となるため
- MH4Gのオフラインのストーリーのラスボスである錆びたクシャルダオラは、
上述した「イベントバトルの形式で描かれるラスボス戦」に近い扱いを受けている。
そのため、直前に前座として戦うことになる極限状態セルレギオスとの戦闘の方が、
オフラインストーリーでの真のラストバトルと見做すプレイヤーも多い。
- なお、MHW:Iにおける悉くを殲ぼすネルギガンテはラスボスの前座として扱われている事は間違いないのだが、
同時に主人公に討ち倒されたラスボスに引導を渡すという、ただの前座に収まらない大役を果たしている。
これはモンハンのみならずフィクション全体でみてもかなり珍しい展開と言える。
- ゲームによっては前座となる敵とラスボスで休む間も無く連戦になることがあるが、
モンハンでは前座とラスボスとで別のクエスト扱いになっていることがほとんどである。
そのため、基本的には拠点で補給や装備変更などが可能なので極度に身構える必要はほとんどない。- 例外としてMHW:Iの悉くを殲ぼすネルギガンテとMHRiseのイブシマキヒコがいる。
前者はクリア後にムービーを挟んでそのままラスボスとの戦闘に突入するが
クエスト自体は別となっているため、失敗や帰還をしても再挑戦する場合には、
もう一度前座と戦う必要はなくラスボス戦単独で挑むことは可能となっている。
一方で後者は前座とラスボスの両方を同じクエストで討伐する必要があるため、
クエストに失敗したり途中帰還した場合は、改めて前座の方から戦う必要がある。
- 例外としてMHW:Iの悉くを殲ぼすネルギガンテとMHRiseのイブシマキヒコがいる。
ラスボスの前座一覧
- ストーリー展開上においてラスボスとの話のつながりが明白であるもののみ紹介する。
オフライン、オンライン共に存在しない作品は割愛。
編集ルールに基づき、一部モンスターは隠蔽中(クリックで表示)。
作品 モンスター名 ラスボスとの関連 メインシリーズ MHP
(オンライン)岩山龍ラオシャンロン亜種 ミラボレアスから逃走する際に
副次的に災害を引き起こした。MH2
(オンライン)黒龍ミラボレアス 討伐し切れず蘇り怒りによって
紅龍と化しラスボスとして再臨。MH4
(オフライン)轟竜ティガレックス
(狂竜化)シャガルマガラの撒き散らす
狂竜ウイルスの影響で暴れていた。MH4G
(オフライン)千刃竜セルレギオス
(極限状態)錆びたクシャルダオラの接近と時を同じくして
セルレギオス事変の元凶であることが判明。MHX
(オフライン)電竜ライゼクス
巨獣ガムート
泡孤竜タマミツネディノバルド含めて同時多発的に
各地の村の近辺で出現が確認された。MHXX
(オフライン)斬竜ディノバルド
電竜ライゼクス
巨獣ガムート
泡孤竜タマミツネバルファルク出現に伴う
彗星の影響により各地で暴れていた。MHWorld 鋼龍クシャルダオラ
炎王龍テオ・テスカトル
屍套龍ヴァルハザクゼノ・ジーヴァによる地脈エネルギーの
大変動により活動が活発になっていた。MHW:I 悉くを殲ぼすネルギガンテ アン・イシュワルダを喰らうため出現した。 MHRise
(オンライン)風神龍イブシマキヒコ*1 ナルハタタヒメの対の存在故に
生殖活動の一環として付近に出現した。MHR:S 氷狼竜ルナガロン
(キュリアが纏わりついた状態)ガイアデルムの元に帰ろうとする
キュリアに纏わりつかれ暴れていた。派生作品 MHST 凶気の隻眼リオレウス ラスボスが撒き散らした黒の凶気をレウスが直接浴びて凶気化、
主人公との絆を失って暴走し敵対した。MHST2 破滅レウス ラスボスの贄とする為に黒幕が連れ去り、
破滅の力に目覚めた姿となって立ちはだかった。
余談
- ゲームによってはラスボス撃破後に対峙できる裏ボスというのも存在しているため、
そちらから考えた場合、ラスボスすらもその前座と考えることはできる。
ただしモンハンシリーズの場合裏ボスについてもそれ用の前座が存在する場合もあり、
例えばMHXXの鏖魔ディアブロスに対する新規追加の二つ名持ちモンスター5種や、
MHW:Iのラージャンに対する角折れのキリン、ムフェト・ジーヴァに対するジンオウガ亜種、
ミラボレアスに対するアルバトリオンなどが該当する。
- 「前座」とは本来は芸能用語で、本命の芸人が登壇する前に舞台上で芸を披露すること、またはそれをする人を指す。
これに対し、本命の芸人のことは「真打」などと呼ばれている。
前座の役目はいわゆる引き立て役であり、真打が登場する前に場を温めておくのが主な仕事。
基本的には若手の芸人が前座を務めることとなり、
若手にとっては先輩芸人やそのファンの前でネタを披露できる機会となる。- ライブやコンサートなどでも本命の出演者に対して前座が付くことが多く、
「オープニングアクト」や「サポートアクト」とも呼ぶ。
これに対して、本命の出演者は「メインアクト」「ヘッドライナー」と呼ばれる。
大御所ともなると前座も著名なアーティストが付く場合もあり、
前座のアーティストもイベントを盛り上げる重要な要素である。
珍しい例であるが、前座の方が著名なアーティストという場合もなくはない。
- ライブやコンサートなどでも本命の出演者に対して前座が付くことが多く、
関連項目
ラスボスの前座が現れるクエストの単独記事
クエスト/乱刃、すべてを断つ - MH4G
クエスト/キュリア集結 - MHR:S