目次
概要
- ゲーム内に存在しているが、何らかの理由で表に出てくる事が無いデータのこと。
実装することでゲームバランスが崩れることが懸念された、
解禁までのイベントまで組めなかった、
あるいは開発時のテストデータなど、理由は様々。
- そもそも「なぜ表に出ないデータが残っているのか」という話だが、
「データを消す事によって不具合が起こる可能性がある」ことと
「企業としての手間の削減」が最たる理由だろう。
ゲーム製作会社は営利企業であり、不要な作業はカットし、
バグが発生するというリスクは最小限にしたいもの。
「没データを削除しても他に影響が出ないことを確認・修正する」よりも
「データ自体には手を付けず、通常のプレイでは見えないようにする」形で済ませて、
「浮いた時間を別の作業に充てる」方が遥かに合理的なのだ。
- 上記のような、いかにもな「没」データの他に、
出ても出なくてもよかったが結果的には出なかった、
すなわち単に未使用であるだけのものも没データと呼ばれる場合がある。
歩くことのないキャラクターの歩行モーション、調べられるタイミングが存在しないアイテムの説明文、
あるいは本来出るはずだったのにバグ等で別のデータに差し変わってしまい表示されないなんてパターンも。- これらは先述した「没」とは異なり「使うかはともかくとりあえず設定はした」だけのものが多く、
表に出てきたとしてもあまり驚かれるようなことはない。何なら未使用なことにも気付かれない。
最後のは若干毛色が違うが、それでもデバッグをすり抜けてしまった程度なので、
これも大抵の場合さほど重要でないものである。
- これらは先述した「没」とは異なり「使うかはともかくとりあえず設定はした」だけのものが多く、
- ごくたまに「スタッフがお遊びで入れた」という物もある。
その方面で非常に有名なのは、『ポケットモンスター』シリーズに登場する幻のポケモン「ミュウ」。
存在そのものはゲーム内ストーリーで示唆されてはいるが、
データについては「プログラマが余った領域にお遊びで入れた」物であり、
本編に出てくる予定は無かったのである*1。
しかし、バグ技などによって存在が明らかになり、あまりにも有名になってしまったせいか、
後にデータが公式から配布され、正式に「151番目のポケモン」として数えられる事になった。
モンハンにおける没データ
- モンハンでも、「存在はするがゲーム中には登場しない、
あるいはプレイヤーが自由に使用できない装備品等のデータ」の存在が明らかになっている。
データの種類も様々で、
- 特に最後は、MH2ではすべての武器種と防具の部位にちょうど1つずつ没データが存在していたり、
MH4Gを始め、やたらと強力な装備が存在することもあるなど、何かしらの意図が感じられるため、
一部ユーザー間では「改造でデータを呼び出していることを判別するために意図的にデータが用意されている」
などと言われ、真偽不明の通称ながらチートホイホイなどと呼ばれている。- 「何かしらの意図」の際たるものが、武器説明文である。というのも、
- 悪魔と契約し、授かった - パンデモニウムの浄槍(MH4G)
- 底知れぬ自尊心を満たすために悪魔と契約を交わした - ルビアの爪剣(MH4G)
- その使い手をも滅却する - イグニートドレッド(MH3)
- 異世界との繋がりすらも斬り断つ - デル・エグジル(MH4G)
また、次のように、両者の複合も存在する。- 弱い己の心に棲む、獣の欲望を退けねば終焉はその身に訪れる - D=ヴァイス(MH3)
- 人を欺き、謀略と奸計に生きた裏切り者の重弩。何者も信じず孤独に生きる業を背負う。
- 「何かしらの意図」の際たるものが、武器説明文である。というのも、
- MHF等のアップデートでデータが追加・解禁されていく作品では、
ゲーム内にデータが眠っていても、「没データかどうか」は開発者以外が知ることはできない。
逆に、MH2の没データを改変して正式実装されたバール=ダオラや、
没データだと思われていた物が再利用されたと思われる物、
実はシークレット扱いの正規実装品だったケース、
イベント配信の都合でデータの実装から1年以上経過して初めて作成可能となった装備、
データは存在していたが特典として提供するタイミングを逸したと思われる課金装備など、
没データだと思われていた物が期間を開けて実装されるパターンの方が多い。
ドスギアノスは公式から事実上没モンスター扱いされていた以上に未実装なのをネタにされていたが、
MHP2の頃のデータを元にした、爪が赤いドスギアノスのグラフィックはMHF初期の頃から存在していた。
また、シーズン1.5の中期に行われたアップデートにおけるニクスファーボウの強化素材の変更内容から、
当初は素材のデータも存在していたことが推測できる。
- 変わり種として、「きちんとゲーム中にも登場するが、何の使い道もないデータ」と言うものもある。
分かりやすい例で言えばMHST2に登場する肉焼き機が代表格。
このアイテムはストーリー攻略中はおろかエンディング後に至るまで全く使いどころが存在しない。
更には貴重品扱いのために売ることも捨てることも一切できない。
しかも入手時に何か専用のイベントがある訳でもなく、ゲーム開始時から所持アイテム内に入っているのである。
このアイテムは幾度のアップデートを経ても使い道の登場はおろか、データを削除されることも無かったことから、
ゲーム内に登場してはいるものの、事実上の没データであると言って差支えは無いだろう。
余談
- 「ハンター大全」などには、ゲームで登場していない装備・モンスターの設定画もあるが、
実際にデータを組む段階になっていないため、「没モンスター」「没装備」として区別されている。
- また、「通常プレイでは表に出ないが特定操作を行うと表示される」データには
「イースターエッグ」と呼ばれるプログラムもあるが、
こちらは開発者が意図して導入したオマケのようなものであり、表に出ない没データとは別物である。
先述した「ミュウ」のような例との違いは、「表示される手順が開発者の想定通りか否か」といったところ。