目次
概要 
- 3Dゲームの根幹をなす要素であり、プレイヤーがどの位置・どの向きにいるのかを示し、
カメラをある程度自由に動かすことで視点を変えることができる。
- MHシリーズにおいては、上下左右に視点を変えることが可能。
ターゲットカメラが無かった時代に、
これとプレイヤーの移動を両立するための手段として編み出されたのが俗に言う
「モンハン持ち」である。
- 本題の前にあらかじめ前説しておくが、
プレイヤーキャラを女性にして様々な角度からじっくり堪能したいのに
思った位置にカメラが回ってくれなくて*1歯痒い思いをした経験を秘める紳士淑女の諸君。
それはカメラワークの不備では無く仕様です。
モンハンに限らず多くのゲームに於いても似た様な考察と研究が密かに繰り広げられる領分だが、
本項に於いては、その種の問題は度外視して主に戦闘面の観点を中心に言及する。- オブジェクトや壁の引っ掛かりを利用する、高低差を利用するなどこの手の需要に関しても
本題の戦闘時のカメラ―ワークに匹敵するレベルで深い探究が続けられている側面は否めないが…。
- オブジェクトや壁の引っ掛かりを利用する、高低差を利用するなどこの手の需要に関しても
問題点など 
- MHシリーズにおいてはカメラワークの悪い状況が長年続いていたため、
アイテム使用後のガッツポーズと双璧をなすハンターの永遠の敵であると見做す人も多かった。
ただし詳しくは後述するがシリーズを重ねるごとに改善はされていき、
MHWorldでは根本的な問題が解決されるに至った。
以下の問題点は、概ね無印MH~MH3、MH3Gあたりのものであることを留意されたし。- 余談になるが双璧の片割れであるガッツポーズも、
MHWorldにて改善……と言うより撤廃されている。
- 余談になるが双璧の片割れであるガッツポーズも、
- 例えば本シリーズでは巨大なモンスターに肉弾戦を挑む構図になっているが、
ウラガンキンやドボルベルクなど、図体のデカいモンスターの懐に入れば相手の体で画面を埋め尽くされ、
何も見えないままやられてしまうこともある。
- また、壁際に追いつめられれば突如として視点が意図しないアングルに移動してしまう。
これは壁を挟んではハンター(とモンスター)を見る事ができないため、
無理矢理アングルを変えているのが原因である。
- 仕様上の問題ではないが、
気絶時のレバガチャでうっかり十字キーに指が当たり視点が切り替わってしまうという事故もある。
特にモンハン持ちの場合はレバガチャと視点変更を同時に出来てしまうため、
この事故が起こりやすい。
- モンスターに画面を埋め尽くされるケースにせよ、
壁際のアングル変化にせよ、そのような状態が起こったときに限り、
壁やモンスターを半透明にすることで根本的に解消される(他社ではそのような対応をしている場合もある)のだが、
2017年まではMHシリーズにこの設計が導入されたことはなかった。- この理由については、コナミが取得した特許のひとつである、
「プレーヤキャラクタの姿や視界の範囲を
このゲーム空間を区切る壁や床の存在にかかわらずモニタ上に表示する特許」
というものが原因であるという説が囁かれている。詳細は後述。
- この理由については、コナミが取得した特許のひとつである、
変遷 
- カメラの障害となるものを透過させる仕様はMHWorldまで待たなければならなかったが、
もちろんそれまで全くの無改善だったという訳ではなく、
透過以外の方法でシリーズを追うごとに少しずつ対策が講じられてきた。
そのため、後のシリーズになるほどカメラワークによるストレスは減ってきている。
- MH3では壁際にカメラが来たときにカメラがハンターの頭上に移動して周囲を映すようになった。
これにより、ハンターは若干見づらくなったものの広い視点を確保するといった改善がなされている。
また、抜刀時に横回避すると、カメラがハンターを中心にして回り込むような挙動をとるようになった。
ただしこの仕様は本作とMH3Gにのみ見られるもので、それ以降の作品では見られない。
- MHP3ではMH3とは異なる試みが用いられており、
壁際にカメラが来た場合視点が地形を完全に貫通する(透過ではない)ようになった。
その為、壁際のカメラワークはMH3以前に比べ大きく解消されることになった。
- MH3Gでは(MHP3ではなく)MH3の仕様が引き継がれており、
壁際のカメラワークの難点が再来する形となってしまった。
MHP3のそれが続投すると信じて止まなかったプレイヤーからは残念がる声も聞こえたが、
水中戦の復活(=ベースはMH3であること)や開発チームが異なること、
年末発売に間に合わせる必要があったことなどから、時間・技術的に不可能だった可能性もある。
- MH4ではMH3(G)の仕様ではなくMHP3の仕様が取り入れられており、更にターゲットカメラも続投。
MHP3とMH3Gの良いとこ取りをした形となっており、歴代最高の快適さを実現している。
カメラワークに関しては、ここに来てある程度の完成を見たと言って良いだろう。
MHXとMHXXでも概ねMH4シリーズのものを踏襲している。- さらにカメラの上下が従来のような段階毎の切り替え式ではなく、
左右方向と同様に細かい調整ができるようになった(向きの限度はある)。
要は水中戦におけるカメラワークと同様の仕様だが、高低差が重要であるための変更だろう。
過去作との違いに最初は戸惑うかも知れないが、慣れると便利で色々と応用できる。
- さらにカメラの上下が従来のような段階毎の切り替え式ではなく、
- MHWorldでは念願のオブジェクトの透過が実現した。
但し、全てのオブジェクトが透過してくれるわけではなく、
一部オブジェクトはカメラが貫通せずにズームアップされることもある。
MHW:Iでは、モンスターがハンターより手前にいる場合に
ハンターをシルエット化させてモンスターの上に表示するというオプションが登場した。
- MHRiseではなんと壁際のカメラワークが従来のものに戻ってしまった。
何故一度MHWorldで解決された問題が再び起こってしまったのかは謎である。
- MHFはMH2ベースだが、上下カメラも水中やMH4以降のような微調整式にできるようになる設定があるほか、
ターゲットカメラに準じた「ロックオンカメラ」機能も存在する。
ただしそれ以外の根本的な仕様はMH2から変わっておらず、
壁際における問題点などはそのままである。
そのためか、新たに実装される独自フィールドにおける狩猟エリアの多くが開放型
(壁がない、もしくは低い、移動限界から壁まで距離があるなど、
エリア端でもカメラアングルが強制変更されない)であったり、
竹林奥部のように、壁が動態オブジェクトである「竹」で構成されているため、
壁際でもカメラが竹の裏側に回り込み内側を見渡せるようになっているなど、
フィールド面でカメラワークの不便を感じさせないようにする工夫が見られる。- ちなみにカメラワークが当時のままであるため、MH3以降の作品と比較し、
例えばイビルジョーが大きく見えるなどと言った現象が報告された。 - MHF-ZZアップデートで登場した新武器種であるマグネットスパイクの磁界照準は、
画面の中心にしか飛ばせないため、カメラワークの影響を大きく受ける。
基本的にはあまり気にはならないが、カメラが地形やモンスターに押されることで、
狙った位置へと照準出来ない場合が有るため注意が必要。
- ちなみにカメラワークが当時のままであるため、MH3以降の作品と比較し、
特許 
- 上記カメラワークの問題に対して、概要で述べたようにコナミが取得した
「プレーヤキャラクタの姿や視界の範囲を
このゲーム空間を区切る壁や床の存在にかかわらずモニタ上に表示する特許」
が原因であるとする説が長きに渡りモンハンユーザーの間に存在した。
現在でも検索すればこの特許のせいだとするブログ記事が出てくるぐらいである。
他方、近年ではこの特許は厳密には直接の原因では無いのではないかとする意見も存在する。
- 上記の特許の内容をよく読んでみると、これは鳥瞰図で描写されるゲームを想定した特許であることがわかる。
モンハンは所謂TPS視点のゲームであるため、場合によっては鳥瞰図と見なせそうではあるが、
別の特許と同一であるとする拒絶理由通知に対するコナミの意見書の中には、以下のような記述がある。
要するに、この特許に抵触するためには、(2)上記した要旨から明らかなように、請求項1に係る発明は、プレーヤキャ
ラクタの位置が床又は壁によって隠されてしまう位置又はその近傍であるか否か
に基づいて、当該床又は壁を半透明にすべきか否かの判定がなされる点を、構成
上の大きな特徴点としております。このような構成上の特徴点を有しているがた
めに、請求項1に係る発明によると、プレーヤキャラクタPが壁又は床に隠れて
しまう場合のみならず、プレーヤキャラクタPが壁又は床の陰に隠れてはいない
がその近傍に位置している場合(この場合には、壁又は床を半透明にしなくても
プレーヤキャラクタP自体は表示される)にも、常に、当該プレーヤキャラクタ
Pの近傍に位置する壁又は床が透過されるのです。
別にプレイヤーキャラが壁に隠れていなくとも、ただ近くにいるだけで壁を透過させる必要がある。
逆に言えば、それさえ行わなければ抵触しないとも考えられる。
ちなみに、この特許は2016年5月に失効している。
- この意見書の中で引用されている、別の会社が取得した特許は、
カメラから見てプレイヤーキャラクターと障害物が重なった時、障害物を透過するというものであり、
もしモンハンが抵触するとすればこちらの特許である可能性が高い。
ただし、この特許は2015年8月には既に失効している。
その後に発売されたMHWorldでは、壁際に寄ってもカメラがおかしくなりにくくなった。
ただ、これは「本来の壁の前に透過可能なオブジェクトを設置してもう一つ壁を作っている」と一工夫挟んでおり、
上特許は既に失効しているので別にそんな工夫をする必要は無いようにも思える*2。
また、2015年11月発売のMHXの後に制作が始まったとされている*3MHRiseでは
依然としてカメラ問題は解決していない。- 上記の特許における透過する障害物とは何も「壁」に限ったものではない。
その辺に置かれた岩なども、それがカメラの視界を塞ぐものであれば立派な障害物である。
モンハンにおいて、このような「壁以外の障害物の透過」は実は昔から既に導入されており、
壁から離れた所にあるモンスターの攻撃で破壊されるようなオブジェクトなどは、
カメラがめり込んでもカメラの動きを阻害することなく自然と透過するようになっている
(MHWのカメラワークの改善もこれを応用したものである)。
要するに、邪魔なオブジェクトを透過すること自体には問題は無いが、
フィールドの「壁」を透過することには何か問題がある…と考えられるのではないだろうか。 - ちなみに、MHWより前にも非常に限定的ではあるが透過する壁が実装されていた事がある。
例としてはMH4の遺跡平原で、ツタなどのよじ登れる壁だけがカメラの動きを阻害する事なく透過するようになっている。
MH4の発売は2013年と、コナミどころかセガの特許も切れていない時期である。
恐らくこれは壁をよじ登りながら背後の状況を確認できるように実装されたものであると思われるが、
ここからも壁透過カメラは実装しようと思えばできるものであったことがわかる。
- 上記の特許における透過する障害物とは何も「壁」に限ったものではない。
- つまる所、カメラ問題には
この二つ以外の特許が問題になる、或いは特許以外の制作上の理由があるといった事由が考えられる。
何にせよ、特許が問題か否かを含め、プレイヤー間の憶測に過ぎないものであることには留意されたし。
関連項目 
モンハン用語/モンハン持ち - ターゲットカメラ実装前における、カメラワークとキャラクター操作を両立させるための手法。
システム/ターゲットカメラ