効果音とは、演出のために付け加えられる音のことを指す。
映像作品やゲームの創作作品では、世界観や雰囲気を醸し出すうえで、
BGMと並んで重要な存在である。
「SE (Sound effect)」と略されることが多い。
目次
概要 
- ドラマや映画といった映像作品では、
そのシーンがある環境や状態を視聴者に伝えるために、
特有の環境音を追加することがある。(例えば駅のシーンならば列車の音、浜辺ならば波の音など)
また、バラエティー番組における雰囲気つくりのためのユーモラスな音、
何らかのボタンやシーン送りの際になるポチッという音など、
雰囲気や状態に即した音声素材が付加されることも多い。
このように、効果音というものが活用されるシーンは多岐に渡る。
- 効果音の中には、そのシーンの環境を説明するための環境音、
字幕への装飾やシーンチェンジ等に用いられるシステム音*1といった役割に分けられる。
また環境音一つとっても、雑踏や駅のざわつきといった人工的なもの、
鳥のさえずりや木々の揺れといった自然的なものなど、様々なものが再現の対象となる。- 特に映像作品では、編集時にて追加されるものを効果音と呼ぶ。
ドラマなどでは、撮影時にマイクが映り込むことを防ぐために、
俳優のセリフを後撮りするだけでなく、環境音も別撮りということもあるのだ。 - 有名なところでは、生き物系の番組であろうか。
海鳥が魚を狩るために海へ飛び込む瞬間に、妙にはっきりとバシャンという音が鳴るが、
当然撮影時にこういう音まではっきりと撮れるわけがないため、これも編集時の追加である。
- 特に映像作品では、編集時にて追加されるものを効果音と呼ぶ。
- 効果音は、BGMと同じく作品の世界観や特徴作りの上で重要である。
古参の作品では、作品と共に効果音そのものも有名となるケースがあり、
例えば呪いの記事冒頭にある「冒険の書が消えた時に流れる音」は、
それ自体が一つのミームと化しているほどの知名度を誇る。- ちなみに、当該のものは「呪いのモチーフ」と言う曲名が存在していて作曲者もきちんと存在する『楽曲』であり、
厳密には効果音に該当する類のものではないのだが、一般的に効果音として扱われることが多い。
このように、楽曲と効果音はしばしば混同して扱われるケースが見られる。
- ちなみに、当該のものは「呪いのモチーフ」と言う曲名が存在していて作曲者もきちんと存在する『楽曲』であり、
モンハンにおいて 
- このような効果音は、モンスターハンターでも縁の下の力持ちとして、長年のシリーズを支えてきた。
特にモンスターハンターシリーズは、自然界でのハンターとモンスターの関わり合いが作品の肝であるため、
様々な自然環境を反映する環境音には力が入れられてきた。- 同じフィールド内でも、エリアによって環境ががらりと変わることは珍しくない。
初期のシリーズでも、森と丘では、
草原エリアの爽快な風の音、森林エリアの木が揺れる音、巣エリアの緊迫感を煽る音などが使い分けられた。
- 同じフィールド内でも、エリアによって環境ががらりと変わることは珍しくない。
- また、BGM以外の音声となると、
武器の各攻撃モーションに対応する音、モンスターの動きに対応した音も、当然効果音の一種である。
鉄系武器の攻撃音、風圧やブレスの炸裂音など、一部使いまわしはあるものの、
それでも尚膨大な数の効果音が使い分けられているのである。
- 武器モーションは、武器のデザイン毎に固有の効果音を持っていることが多い。
色々な武器を生産して聞き比べてみるのも面白いだろう。
- また環境音だけではなく、システム音についてもかなりの種類が存在する。
メニュー画面を開くところから装備ボックスの閲覧に至るまで、
様々な効果音が作品を彩っているのだ。
無印~MHXX 
- 記念すべき一作品目から数多くの効果音が使われてきたが、
最新の作品と比べると、初期の作品ではどうしてもフィールド環境音については物足りなさはある。- 代表的なものとしては、地面を踏みしめた時の音の違いについて。
旧密林のキャンプなど、エリア内に草原と石畳の双方が共存する場合でも、
キャラクターが動いた時の足音に違いは無かった。 - 他方で、水場を歩く際には、効果音に違いはあった模様。
旧密林の奥地(エリア8-10)はすべて水場であるが、足音に混じって水しぶきの音が入る。
また森と丘のエリア11のような、水場とそうでない場所でも足音は異なっていた。 - フィールド環境音のバラエティーについては、
環境音単独の話というよりも、古いシリーズのフィールド自体が原因であるともいえる。
先述したように、森と丘を代表するように当時からエリア間の環境差は重視されていたが、
他方で同じエリアの中では、草原ならすべて草地、水場ならば全土が水場と、あまり環境に差がなかった。
MH2やMH3でマップが一新されていくにつれて、
フィールド構造と効果音双方のバラエティーが充実していくことになる。
- 代表的なものとしては、地面を踏みしめた時の音の違いについて。
- メニューを開いたときやアイテムを入手したときのシステム音については、
初代MHからMHXXに至るまで(期間にして13年間)、おおむね同じものが使われていた。
当然悪い意味ではなく、それだけシステム音としての完成度が高かったということである。- 特に耳にする機会が多く印象に残りやすいものとなると、
回復薬を筆頭とする、服用アイテム使用時のゴクッ……シャキーン!!。
怪力の種や強走薬といった飲み物全般に限らず、
狩猟笛による支援でも、小気味良くシャキーンと鳴り響く。
当時からのプレイヤー諸氏は、前者はガッツポーズ、
後者ではコトンという旋律内容の吹き出し音もセットで印象深いだろう。 - また、素材集めに非常に苦しんできたプレイヤーならではの印象深い音に、
アイテム入手時のテケテテン♪というものがある。
当時は採掘や剥ぎ取り、落とし物入手時の音は(ほぼ)同じものが使われており、
特定素材を狙うプレイヤーはその効果音を聞きつつも、
目を爛々と光らせて画面に表示される素材名を凝視していた。 - 素材入手音はほぼ同じと述べたが、数少ない例外が、
卵などの運搬物入手*3、そして採掘レア素材のファンファーレである。
後者はさびた・太古の装備や発掘装備といった、いわゆるガチャ枠である。
血眼にしてこれらを手に入れたハンターは、
クエスト終了後に控える鑑定という最後の戦いに向けて採掘スポットを後にしたという……
- 特に耳にする機会が多く印象に残りやすいものとなると、
- 実はシステム音に関しては、MH3にて全体的に再録が行われている。
アイテム入手音を例に取ると、音質が若干金属音に近くなっている。
ただあくまでも再録であり、基本的な音の流れについてはほとんど変わりはない。- 部位破壊に成功するとバキッとわかりやすく音が鳴るようになったのもここから。
それまでは部位破壊しても単にモンスターが怯んだ時との見分けが付きにくかった。
- 部位破壊に成功するとバキッとわかりやすく音が鳴るようになったのもここから。
- MHXとMHXXについては、ある特定の原因によってハンターの攻撃効果音に派手さが加わっていった。
それはハンター側の大技たる、狩技の導入である。
それ以前のシリーズでも、竜撃砲や属性解放突きといった大技の効果音が存在していたが、
全体的な武器の効果音は、他のハンティングアクションゲームと比較しておとなしい傾向にあった。
しかし狩技という大技がすべての武器種に導入されたことにより、
様々な大技に対応する派手な効果音がいくつも新規に導入されたのである。
このような派手さを売りにした攻撃時の効果音は、以降のシリーズにも受け継がれていくことになる。
MHW(:I) 
- ゲームエンジンやシステムが、過去の作品から一新されたMHWでは、
環境音が驚くべきほどの進化を遂げている。
それ自体の音質が全体的にリアルになったのはもちろんのこと、
本作からのフィールドの進歩に合わせた演出効果の進化が著しい。- MHW以降はフィールドのエリアがシームレスに繋がるように進化したが、
その場合はエリア移動自体もロードを挟まずに行われる。
つまりシームレスに、あるエリアを離れて別のエリアに近づくことになるが、
環境音もそれに合わせて、随時ハンターと音源の位置関係に連動して変化をしていく。
加えて同一エリア内でも、プレイヤー周辺環境が違ってくると、きちんと環境音も変化をする。
古代樹の森のエリア4が好例で、海辺と森の入り口でそれぞれ聞こえる環境音が異なる。 - また、フィールド内のギミックに対応した環境音も多数追加された。
細かいところでは、平地でも草地とそうでないところで足音が異なる。
そして落石のような大規模なギミックに対しても、
発動した瞬間に豪快な落石音を始めとする派手な環境音が鳴り響く。
- MHW以降はフィールドのエリアがシームレスに繋がるように進化したが、
- そしてもう一方のシステム音とはいうと、
13年間ほぼ同じ姿を保っていたすべてのシステム音に大きな変化が生じた。
驚くことなかれ、メニューやアイテムボックスの開閉音は当然のこと、
回復薬からアイテムの取得音、果てはゲーム冒頭のPress any buttonに至るまで、
ほぼすべての効果音が一新された。- システム音全体に共通している特徴が、音そのものが小さく儚げである点。
例えばメニューを開く場合、過去作では勢いよくガチャンと鳴っていたが、
MHWにおいては非常に儚げにスン……と鳴るに留まっている。 - またアイテム入手時の効果音も、やや控えめな印象を与える。
今までのテケテテン♪という存在感のある音から、
イメージ的には何かが光ったときのような小さい効果音へと変化している。 - ただしレア素材入手時に関しては少し印象が異なってくる。
MHW系列では、セミレア素材入手時、レア素材入手時のそれぞれで、
異なるハンターのモーションと効果音が設定されている。
レアになるに従い、効果音がより強く輝くような印象へ変化していくが、
もともとの音が淡いことで、この変化がより際立つ。
- システム音全体に共通している特徴が、音そのものが小さく儚げである点。
- システム音が全体的に淡い雰囲気へと変化し、
フィールドの環境音がよりリアリティを追求したものとなったことで、
これまでの作品以上に、モンスターハンターという世界への深い没入感が味わえるようになった。
他方でシステム音が目立ちにくいのもまた事実であり、
過去の作品に慣れたプレイヤーからは、聞こえにくいという指摘もある。
MHR(:S) 
- MHRiseは、マップシステムが前作と同じくシームレスということもあり、
環境音の雰囲気も引き続き高いクオリティを誇っている。
本作ならではの要素に、マップ探索に特化したサブエリアが各フィールドに存在するが、
大型モンスターとの戦いが起こらないために、基本的には環境音のみが聞こえることとなる。*4
ピラミッド内部の神秘的な雰囲気や、火口内部の重厚感を醸し出す環境音は見事なもの。
- 他方でシステム音に関しては、一部には再度変更が入ったほか、
メニュー画面の読み出しやカーソル音など、ごく一部については先祖帰りを起こした。
つまるところ、MHWの頃とは再度大きく様変わりをしたことになる。- 本作のサウンドディレクターである田中浩介氏が語るところによると、
MHRiseは『キャッチーで分かりやすいサウンド』を意識している。
BGMだけではなく効果音についても同様の方針としているならば、
MHシリーズが築き上げてきたキャッチーなシステム音を採用するのも納得の選択である。 - 過去作やMHW系列とも違うシステム音となると、
アイテム入手や回復薬の使用時など、クエスト中によく聞くものが該当する。
全体的な印象としては、目立ちすぎず淡すぎずといったところか。 - サンブレイクのアップデートにより実装されたアマツマガツチ戦では、
これまでの復活時と同じくクリア時のBGMがMHP3仕様になる演出があったが、
今作においては更に一歩踏み込んで、
肉焼きやアイテム取得などの(一部)効果音までもMHP3仕様になるサプライズ演出となった。
- 本作のサウンドディレクターである田中浩介氏が語るところによると、
- MHRiseの注目要素である翔蟲や鉄蟲糸技は、
これまた非常に特徴的で目立つ効果音を持ち合わせている。
特に各武器種の大技である鉄蟲糸技は、
MHX時代を彷彿とさせる派手なモーションとエフェクト、
それらの勢いに負けないほどの激しい攻撃音を併せ持つものも少なくない。
余談 
- 以上述べてきたように、効果音は縁の下の力持ちでありながら、
作品の顔としても振舞えるだけの印象深さがある。
例えばテレビ番組で英雄の証がBGMとして流れても、
その傍らで、回復薬のシャキーンといった一部効果音が流れても、
どちらも「モンスターハンター」という作品を想起させる力がある。- 逆に言うと、僅か数秒足らずの効果音でも元となった作品を想起させるために、
どこぞのパチモンのプレイ動画を見ても、一瞬で本家のオリジナルが頭に浮かぶのだ。
なお当該問題作については、効果音どころかモーションからBGMまでほぼ盗用である。
- 逆に言うと、僅か数秒足らずの効果音でも元となった作品を想起させるために、
- 初代MHのマップである森丘と旧沼地には、効果音絡みで共通点がある。
それは、エリアの一部で環境音としてのBGMが常に流れていること。
森と丘では、森林地帯のエリア10で静かなコーラスの入った効果音、
旧沼地では、ススキが生い茂るエリア3で霞んだ物悲し気な効果音*5がそれぞれ流れる。
この他にも、山菜爺がいるエリアで控えめなBGMが流れている等、
BGMと環境音を兼ねたものはいくつか存在していた。