MHFのモンスター区分の1つで、太古の姿を今に残したモンスター。
変種などに近い概念であり、「亜種」のような扱いではない点に注意されたし。
目次
概要
- MHF-G7より実装された種のランクで、
武具の系列としては烈種の上に位置付けられている存在。
設定では、現存するモンスターの祖先と考えられている種であるとのこと。
始まりの種として、自然と調和し、共存しながら生存しているモンスターであり、
自然と同化した容姿、自然を活かした攻撃が特徴とされている。
デザイン面においても自然と調和した種族であることが直感的に判るよう、
風化したような体色や苔むした部位、フィールドに調和した体色となっており、
一部の始種には溶岩や樹木など自然物由来のものが付着している。- なお、同じく太古から生きている古龍種は派手な攻撃を繰り出す存在が多く、
自然を活かした始種の攻撃が地味、というわけではない。
運営レポート動画版などでもド派手な攻撃を行う、との言及がある他、
事実、最初の始種であるグレアドモスはド派手な攻撃を繰り出してくる。 - 詳しくは後述するが、烈種の上位種と言うものの難易度的には烈種と同じぐらいである。
そのため始種は「G級における奇種ポジション」と言える。
- なお、例によってこの「始種」の設定はあくまでMHF独自のものであるようで、
2015年4月7日発売の10周年記念オフィシャルクロニクルのインタビュー等においても全く触れられていない。
設定だけ見ればモンハンの生物史を根本的に揺るがす存在になりそうなものだが、
これまでの種区分と同様、始種のそれも「MHFオリジナル設定の一種」とみなされるものと思われる。
- ちなみに始種は「属性に特化し、かつそれを巧みに操る」という特徴づけが成されているとのこと。
その為始種モンスターは「属性をフル活用した行動」を得意としているようだ。
また、通常属性だけでなく状態異常属性に特化したものも存在する。
G10.1時点で存在する、攻撃属性を用いる始種はすべて単属性に特化しており、
属性の力を防御、自己強化に使っていたディオレックスを除いて全員複属性持ちであった烈種とは対照になっている。
- なお、同じく太古から生きている古龍種は派手な攻撃を繰り出す存在が多く、
- 設定面における始種のもう1つの特徴として、
様々な理由で生態をはっきり解明するのが難しいという設定が付けられていることが挙げられる。
太古からの姿を残す始種はハンターズギルドにとって恰好の研究対象であるものの、
グレアドモスはその攻撃性の高さから罠をものともせず捕獲調査ができず、
放置しては生態系に悪影響が出るためやむなく討伐作戦に踏み切ったという設定が語られており、
ヤマクライは体に生えた植物が外部からの衝撃で急成長するため生態調査がまともに行えないという設定がある。
トア・テスカトラも猛吹雪の存在で調査が一向に進んでいないとされている。- 上記設定で察しが付いた人もいるかもしれないが、烈種同様罠が効かない。
- ファミ通やG7先行体験会によると、
始種のもう一つのコンセプトとして「ハンターの初心に立ち返る」が挙げられる。
”モンスターの動きをしっかりと観察し、小さな隙を狙って攻撃する”という
「昔ながらのモンスターハンターらしい狩猟の流れ」が意識されているとのこと。
これはMHF-G6.1までの主流として一部で問題になっていた、
インフレした武具に物を言わせたごり押し、に対する解となっている他、
常にモンスターに張り付き、攻撃対処はフレーム回避一択という狩猟方法、
及びG6.1までの主流だった「属性は二の次でとにかく物理最優先」
「最適なスキルが固定化されている」風潮に一石を投じるものとなっている。- グレアドモスはフレーム回避以外に、位置取りで回避可能な技を多く備えている一方で、
攻撃に付随する水弾、蒸気放出などの予備攻撃や、往復突進、速度や方向、回避タイミングの異なるブレス、
そしてボディプレスにもフェイントとなる動作が入っているなど、
モンスターの動きを観察しそれに対する適切な行動を取らないと何度もダウンさせられてしまう。
攻撃の予備動作をしっかり把握し、それに対して適切な回避行動を取っていく必要がある。
- ヤマクライはほぼ全ての攻撃が位置取りで回避可能になっており、
これは初期のモンスターハンターシリーズに通じる部分ではある。
また、ごり押し対策としてはギミックを用いると有利になるという、烈種寄りの特性を持っている。
武器種相性の差も大きく、そういう点でも初期のシリーズに近い特性がある。
- トア・テスカトラは始種の肉質がシビアなものとなっており、
純粋に物理火力を高めるスキルは、明瞭な弱点を狙い続けていかないと機能しづらくなる。
一方でスキルを徹底的に変革することで、弱点を狙い続ける腕に乏しくても素早く狩猟可能になる。
こちらもグレアドモスに比べるとフレーム回避が重要な設計である一方、
怒り時に発生する猛吹雪がこちらの動きを阻害し、封印が一切出来ず、
攻撃による解除方法もG級では困難になっていく*1。
よってMHFの強豪モンスターの性質を引き継ぎつつ、「より有効なスキルを探求する」という、
スキル環境が豊富なMHFで重要な事柄の再認識と、
「一気に押しきれない場合、どのように攻めてorスキル構成で氷漬けのリスクを減らすか」という、
状況、PT火力に応じてどう立ち回るのかを考える、の2点が重要なモンスターといえる。
- ヴォージャンも概ねトア・テスカトラと同様の性質を持つが、
ベースとなっているラージャンが元々「欲張って攻撃し続けるのは危険」なモンスターであり、
ヴォージャンもそれを概ね継承していることから、
動きの観察及びヒットアンドアウェイが重要という、シリーズの基本に立ち返る設計になっている。
- 属性については、いずれも属性がそれなりに良く効くようになっており、
特にトア・テスカトラ、ヴォージャンは肉質の関係上、属性ダメージも決して軽視できるものではない。
- グレアドモスはフレーム回避以外に、位置取りで回避可能な技を多く備えている一方で、
- 烈種同様、G級システムを土台としており、
従来「烈種クエスト」だった枠が「烈種・始種クエスト」に改定されてそこで登場する。
難易度は烈種同様、★7で固定であり変更はできない。
受注GRは1~と、この辺りは従来のG級クエストと同じである。- 上記の設定から気が付くかもしれないが、
始種は装備の系統上は烈種の上の種と定義はされているものの、
実質的な難易度設定は烈種と同等である。
運営インタビューによると、烈種とは全く異なるコンセプトで設計されたのが始種であるため、
難易度設定については烈種と同程度に設計しているらしい。
また、後述するが始種の実装理由が「G級武器一強状態の改善」ということから、
極限征伐戦Lv200以上や至天征伐戦などを上回る難易度にもなっていない。*2
難易度が★7で固定されていることやモンスター自体の特性から、
通常のG級クエストとは一味違う難度であることは間違いないのだが、
烈種をも遥かに上回るモンスター、という訳ではない点に留意しておく必要がある。 - 烈種は当初G級の従来コンテンツを遥かに上回る難易度と予想されギャップが大きかったが、
始種はこの説明が事前に行われていたこともあり、そこまでギャップは大きくなかったようだ。
- 上記の設定から気が付くかもしれないが、
始種モンスター
- 始種モンスターは烈種同様、原点が剛種武具であるため剛種にも対応する。
- 基本的に始種クエストの名称は「原始の△△を知る者」で統一されている*3。
烈種クエストが「○○の○○者」でほぼ統一されていることに倣ったものだろう。
なお、△△の部分には始種が登場するフィールド名が入っている。
太古より存在する種とされる設定から、そのフィールドの過去を知っているという意味合いだろう。
実装順に並べると以下の通り。
- 烈種と同様に、MHFのベースとなったMH2モンスターとの関連をうかがわせるモンスターで構成されている。
なお、烈種とモチーフ元が被っているものは存在しない。
- インタビューによると、烈種の実装はG6.1追加のヴァルサブロスで一旦打ち止め、
G7以降は始種に該当するモンスターの実装をメインにすると告知されていた。
実際にグレアドモス実装以降は烈種は追加されず、G10.1までの期間に始種4体が実装されている。
- MHF-Zでは辿異種と呼ばれる区分が登場した一方、
始種については当初は辿異種コンテンツの充実を優先するため、
実装が見送られていることが公式より言及されている。
そのため、2018年のMHF-ZZ時点では上記4体で打ち止めであるという見方が強い。- 同じG時代のコンテンツであるG級遷悠種は2018年時点でも追加はされているが、
始種とはやや事情が異なる(メインシリーズプレイヤーがMHFに関心を持ってもらうための要素である)ため、
同列には語れない。
- 始種の追加要望は2018年春までは非常に多い状況であったが、
これは始種そのものよりも「ガンナーの始種防具」を増やしてほしいという要望であり、
その理由として「ガンナーの始種防具」が装備構成上欠かすことのできないものになっている事があった。
そこで、2018年4月のアップデートでガンナーの辿異防具にも始種防具のガンナー強化効果が盛り込まれ、
更にMHF-ZZにて始種防具を使う理由の一つとなっていた狙い撃ちスキル効果のG級スキル(剛弾+2)への移植、
穏射、装着の上位段階スキルの発動SPの緩和が実施されたことで、始種防具に依存する状況が大きく抑えられた。
- 一応見送られているだけで打ち止め宣言はない(もっともこれは烈種もだが)ため、
追加される可能性は全くなくなったという訳ではない。
ただ、MHF-ZZにて新モンスター「ボガバドルム」が(無理をしてでも)辿異種として実装され、
その理由として「一般G級モンスターとして出すと魅力に欠ける」という点が挙げられている。
烈種・始種は良くも悪くも一般G級モンスターと極端な差がなく、
かと言って上位ランク辿異種相当の強さにするとそれはそれで物議を醸すことが明白であることから、
辿異種が多数追加された現環境下においては、さほど重要視されていない可能性が高く、
むしろ始種モンスターが辿異種化する可能性の方がまだ現実的と言えるかもしれなかったが、
2019年6月19日に行われた「サービス終了」の発表により、
結果論ではあるが「烈種、始種共々打ち切り」という形になってしまう事が明らかになった。
- 同じG時代のコンテンツであるG級遷悠種は2018年時点でも追加はされているが、
始種武具
- 始種の素材を用いることで、烈種武具を始種武具へと強化することができる。
当然、烈種武具が持つ剛種武器系統や剛種防具系統の特徴は受け継がれており、
始種武具ではそれが更に強化される。- 始種武器は烈種武器が持つ「自動発動スキル」が一段階強化される。
例えばヴァルサブロス系の「吸血+1」は、「吸血+2」へとグレードアップされる。
なおスキルに段階が無い、ガルバダオラの烈種武器とメラギナスの烈種武器は、
始種武器化にあたっては変化がない。
- 始種防具は烈種防具までは2部位必要だった、
「斬れ味ゲージの一段階ランクアップ」「弾・矢をクリティカル距離で当てた場合のダメージ強化」
「強撃ビンの強化」が1部位から可能となる。
更にガンナー防具は、上記強化がG級武器や天廊武器など、武器を問わず発生するようになる。
- 始種武器は烈種武器が持つ「自動発動スキル」が一段階強化される。
- 始種武具は当初の烈種武具とは違い、「素材元の剛種モンスターごと」に強化先が追加されている。
G7時点ではグレアドモス、キリン、バルラガル、パリアプリア、ハルドメルグの武具が始種武具に対応する。
G8ではヤマクライ、ヤマツカミ、ガスラバズラ、オディバトラスの全烈種武具、
及びイナガミ、オオナズチ、フォロクルルの一部武具が始種武具に対応。
G9.1ではトア・テスカトラ、メラギナス、クシャルダオラの全烈種武具、
G10.1ではヴォージャン、ヴァルサブロス、テオ・テスカトルの全烈種武具、
フォロクルルの残り武器と防具が始種武具に対応した。
ただし武器については、G級覇種武器が存在しているものに限られる*4。
ちなみにG10.1現在においても始種防具強化のない烈種防具は7種類となっている。
素材
- 始種モンスターからは「始淵の黎○」という素材を剥ぎ取ることができる。
これとモンスターの固有素材を用いて後述の始種武具を作成できるほか、
天廊防具に「始種防具の一部効果」を持たせるための天刻印の生産にも使用する。
- 始種も烈種同様部位破壊専用素材、G級希少素材は存在するのだが、
部位破壊専用素材は烈種武具に比べ使用数が少なく、
G級希少素材は入手確率そのものが一般的なモンスターに比べ高くなっている。
- 始淵の黎○は始種武器強化に5個、始種防具派生強化に3個必要。
G10現在、基本的には始種モンスター本体の剥ぎ取りでのみ入手できる。
入手率は5%と言われており、派生段階で使用するため実質的に始種の素材としては最も重要なものになる。
ヴォージャンを除くと最低4回剥ぎ取れること、
剥ぎ取り5%のためパートナーの持ち帰りが十分期待できるが、必要数自体はやや多め*5。
なおグレアドモスとトア・テスカトラは始淵の黎玉、
ヤマクライとヴォージャンは始淵の黎血という素材になっている。
- ちなみに部位破壊素材とG級希少素材(ヴォージャン除く)は、
MHF-G10より基本報酬で出現するクエストが不定期で登場するようになった。
始淵の黎○は中々救済クエストが登場しなかったが、
2016年9月14日にアナザーターゲットによる確定入手のデイリークエストが初登場している。
また、2016年10月19日からは、フォトコンテスト2016の装備作成フォローという名目ではあるが、
ヴォージャンとグレアドモスを対象とした、G級覇種~始種防具の素材入手クエスト
(内容としては精錬のススメに近い)で、始淵の黎○が基本報酬で出現するものが登場した。
- MHF-Z 10周年記念大型アップデートで登場した常設コンテンツの
「狩煉道」にも始種が登場するが、それもあってか、同コンテンツで入手できる狩煉道ポイントで、
始淵の黎○を交換することができるようになっている。
余談
- 1つ前のランクとなる烈種は「メカニカル」がコンセプトであり、
「メカ○○」と揶揄されるような無機質な見た目を特徴としていた。
一方で、始種は「より自然的な見た目」であるよう意識されている。
これ自体は剛種と覇種と烈種の関係を踏まえれば別に不思議なことでも何でもないのだが、
MHFにおいて○種と称されるクエストランクに該当するモンスターの外見上のコンセプトが、
設定ベースに落とし込まれた上で最初から明確に明かされたのはこれが初である。*6
- インタビューによると始種実装の理由は、G級武器の一強一択状態を解消する狙いがあったとのこと。
詳しくはG級武器や烈種武器の項を参照してほしいが、
烈種武器が狩りの選択肢に挙がらず、実質G級武器以外の選択肢がないという状況があり、
始種武具の実装でその流れを大きく変えたいということがあるようだ。- また、この発言からもわかるように、極限征伐戦同様、
始種もまた、初期のG級の構想にはなかった存在である。
ヤマクライのモデルデータは始種ヤマクライ実装の1年半前には既に存在が発覚しており、
このデータは本来はヤマツカミの覇種や特異個体のようなものだったが、
実装が流れて没データになっていたものを、急遽用意された始種ヤマクライという
新たなモンスターに流用したのではないかと考えられている。
- また、この発言からもわかるように、極限征伐戦同様、
- 始種は「太古の姿」「種の始め」を今に伝えるというコンセプトを有しているが、
MHF産のモンスターで言えばギアオルグが始種に近い設定を有している。
ただしギアオルグ自体が種の始めであるかは不明であるが。
始種モンスター戦BGM
忘れ去られし種
- 使用作品
- MHF
- 収録
- モンスターハンター フロンティアZ 10thアニバーサリー スペシャルグッズ
- 始種対応モンスターで使用される専用BGM。
G10現在、4頭の始種モンスター戦で(ランクを問わず)流れる。
始種の前身とも言える烈種モンスターと同じく、
独自の曲が用意されたがこちらは始種共通のBGMとなっている。
なお種ごとの括りで専用(汎用と言ってもいいかもしれない)BGMがあるというのは
MHF-Gのみならずシリーズにおいて初である。
また、烈種対応モンスターとは違い、最初に発覚時の曲が挿入された後に流れ始める。
- サビの部分からヴァルサブロスのBGMと非常によく似たフレーズが挿入されている。
他のBGMの一部を組み込んだ曲は狩猟技狂想曲、群青鎧の轟きなど前例は幾つもあるが、
全く別モンスターの固有BGMのフレーズを使っているのはこのBGMが初である。- グレアドモス実装当初はグレアドモスの専用BGMと思われていた。
グレアドモスの項で述べている通り、何かとヴァルサブロスとの関わりがあるモンスターなので、
それがBGM構成に影響を与えているのではないかと推測されていた。
- グレアドモス実装当初はグレアドモスの専用BGMと思われていた。
- この曲は今までのMHFのBGMと比べてサビで大きな盛り上がりが存在しない。
その点においても初期のシリーズに通じる部分があると言える。
実際にサウンドディレクター曰く、「原点回帰がキーワード」であることを明かしている。
一応サビはきちんと存在はするのだが、燃えるような激しい曲調ではなく比較的平坦な曲調が続くことからか、
同じような設計になっているこの曲と同様に、賛否が分かれている。
またこの曲の賛否が割れているもう一つの理由としては、
上述したように「クエストランクで括ったBGM」はシリーズ初であり、
それもグレアドモス以外にある「モチーフ元の専用BGM」とかけ離れていた事が要因だろう。
ちなみにこれも意図的な設計(様々な要素を入れずにシンプルに構成する)のようである。
それもあってか、4番目のヴォージャンが登場した頃にはミスマッチという指摘はあまり見られなくなった。