狩れ、本能のままに。
プレイステーション2のソフトとして2004年3月11日に発売された作品。モンスターハンターシリーズの原点であり、「無印」や「初代」と呼ばれる場合が多い。
本wikiでもこの作品を指す場合、略称として「無印」を用いる。
パッケージはリオレウス。
ちなみにロゴの上に乗っているのはもう一匹の代表モンスター・リオレイアである。
概要 
- ココット村(オフ)で基礎を学び、ミナガルデ(オン)に出るという想定で作られている。
尚、元々は普通の有料オンラインゲームで、オフラインは無かったが、これでは売れないということで、
急遽オフラインモードも製作された。
- 現在でこそ人気シリーズであるMHシリーズだが、
当時、新規IPであった本作はゲームプレイヤーから注目されておらず、そもそも知名度も低かった。
カプコンも2003年の東京ゲームショウでPVを展示してはいたものの、
本作について大きく押し出す宣伝をすることは無かった。
しかし発売初週の販売ランキングでは、メディアクリエイト調べ、ファミ通調べのどちらも12万本以上で堂々の1位。
さらに、ネットワークモードの利用も想定以上だったのか、本作の公式サイトにある「裏ハンター日誌」には、
本作が利用していた「マルチマッチングBB」のサービスが不安定だったことを窺わせる記述もある。
そのおかげか、発売から少し経ち口コミで地味に評価され始め、やがて売り上げが20万本を突破。
その後『MHG』を急遽開発・発売したところ、売り上げ30万本を突破し、その人気を確固たるものとした。
がしかし2011年の6月をもってネットワークモードはサービスを終了しており、
どうしても多人数でプレイしたいのなら、MHPで代用するしかない。- ネットワークモードの終了は、マルチマッチングBB自体の終了が要因である。
PS2にて展開された作品は、全て同サービスの終了までオンラインを稼動していた。
- ネットワークモードの終了は、マルチマッチングBB自体の終了が要因である。
- TVCMは「上手に焼けました~!」がオチという、
非常に特徴的なものだった。
このオチの印象が強かったためか、「CMで肉焼いてるゲームください。」と言って
本作を注文、購入する人が全国で確認されたという。
特徴 
- 1作目だけあって全体的にシンプルな作りとなっている。
シリーズの基礎はMHG及びMH2で固まった部分が多いので、現在の視点では独特な要素も多い。
以下に代表的なものをピックアップする。
- 基本システム
- スキルは特定の防具の組み合わせでのみ発動する。
- 農場や訓練所が無い。食事はオンラインの街でのみ可能。
- 防具の強化がない。
- 武器の作成・強化に際しては、直接素材をポーチに入れて工房に出向く必要がある。
- アイテムボックスは1ページのみで拡張及びアイテム整理は不可。アイテムは100枠、装備品は64個しか持てない。
- ボックスのアイテム並べ替えは一個ずつで、現在のように一括で並べ替えはできない。
- 一度調合に成功しているアイテムであっても、調合するたびに数秒のウェイトが入る。
- モンスター関連
- 全てのモンスターのサイズが固定。
- ガード強化スキルは無いが、モンスターの全ての攻撃をガード可能。
- 尻尾回転攻撃が右回りのみ。
- 全体的に属性ダメージがやたらと通る。リオレウスに龍属性が30%~70%など。
- 毒状態のモンスターに毒エフェクトを発生させるたびに毒の効果時間がリセットされる。
- 風圧に大小の区別がなく、風圧無効で全ての風圧を防げる。
- 黎明期であるため、現在と比べると全体的にシステムは不便だが、モンスター自体はあまり強くないのが特徴。
(あくまでも近年のモンハンシリーズとの比較であり、当時は高難易度とされていた)
戦闘だけではなく、ハンターとしての生活感を味わえるゲームかもしれない。
また、上記のように以降の作品とは毒の仕様が異なり、
モンスターを延々と毒状態にさせられるため、有利に狩りを進められる。
- ハンターが使用できる武器種は、大剣、片手剣、ハンマー、ランス、ボウガン(ライト/ヘビィ)の6種類。
登場モンスター 
- リオレウス、リオレイア、アイルー、イャンクックなど、
現在でもシリーズの顔として知られるモンスターは初代から登場している。
- 本作は種族の概念が現在ほど明確には定まっておらず、
「大型モンスター」は一部を除いて全て「飛竜」と呼ばれていた。
特にオフラインでは、ドスランポスなどを除けば「飛竜」しか登場せず、
いわゆる「古龍」は全てオンラインでしか出てこない。- なおハンター大全によると、
種族の分類はこの時点で既に設定されていたと思われるが、
ゲーム内でその分類が明瞭になったのはMH2からである。
- なおハンター大全によると、
- 以下の種族分類は現在の基準に則ったものだが、
上述したように現在ほど明確に区別されていなかったので一応注意。
(例えば本作におけるイャンクック、ゲリョス、ガノトトスは「飛竜」と呼ばれていた)
- なお下記のモンスターはMHP2Gまで続けて登場する。
MH3以降登場しなくなったものも居る。
- 獣人種
- アイルー
メラルー - 草食種
- アプケロス
アプトノス
ケルビ
モス - 甲虫種
- ランゴスタ
カンタロス - 牙獣種
- ブルファンゴ*1
- 鳥竜種
- ランポス
ドスランポス
ゲネポス
ドスゲネポス
イーオス
ドスイーオス
怪鳥イャンクック
毒怪鳥ゲリョス - 魚竜種
- ガレオス
砂竜ドスガレオス
水竜ガノトトス - 飛竜種
- 火竜リオレウス
雌火竜リオレイア
岩竜バサルモス
鎧竜グラビモス
フルフル
一角竜モノブロス
角竜ディアブロス - 古龍種
- キリン ※
老山龍ラオシャンロン
黒龍ミラボレアス
※イベントクエスト配信限定モンスターだったが、配信不具合などにより僅かな期間しか登場しなかった。
余談 
- 上述したように本作は元々完全オンラインを前提に設計されているため、
オフラインでのボリューム不足が指摘されていた。
それを改善したのがMHGやMHPであり、
元々の構想を引き継いで完全オンライン前提で開発されたのがMHFであるとされる。
- 同作のエグゼクティブプロデューサーは船水紀孝
氏。
船水氏は同作の発売直後である2004年4月にカプコンを退職し、
同年6月にクラフト&マイスター社を設立しているため、後の作品には関与していない。
プロデューサーは伊津野賢二氏と田中剛氏。
船水氏と伊津野氏はMHGにおいてはSpecial Thanksで名前が載っており、
田中氏はMHG/MH2で引き続きプロデューサーを担当することになる。
- 船水氏は格ゲーブームのきっかけとなった『ストリートファイターⅡ』のキャラ調整を全て一人でこなした逸話で有名
- 「モンスターハンター」の略称が「モンハン」である事は周知の事実だが、
第一回裏ハンター日誌によると、この頃の開発チームでは「えむえっち」と呼ばれていたそうだ。
伊津野賢二プロデューサーからは「"モンハン"って略称はどうかと思う」という言葉すら飛び出る始末*2。
無論、今では「モンハン」で通っているが。
- 任天堂のゲーム機「Nintendo Switch」の開発当初のコードネームは「NX」だったが、
一部の媒体で「MH」と誤って報じられたことがあり、話題になったことがある。
言うまでもなく単なる誤植であり、モンハンとは直接関係はない。
- スタッフインタビューなどで、システムのモデルとなったのは先にオンラインゲームとして
サービスインしていたアクションRPG、セガの『ファンタシースターオンライン(PSO)』と言及されている。*3
PSOのゲームハードの性能的な制約を上手く回避した先進的な内容に影響を受け、
それならば純粋なアクションゲーム版を作ったらどうか、という事でよく知られたMHスタイルの原型ができた。- 具体的に例を挙げるとオフラインでもオンラインでも遊ぶ事ができるという点や、
オンラインで遊ぶ場合は4人という少なめの人数でPTを組み、専有できる空間でクエストを遂行し、
巨大な敵に協力して立ち向かうという点がPSOからの影響を受けていると言える。 - 逆にファンタシースターシリーズの新作ではMHの要素を参考にするなど、同シリーズとは
会社の垣根を越えてお互いに長所を取り入れて改善していくという関係がしばらく続いていたようである。
後にMHPシリーズとファンタシースターポータブルシリーズが同じPSPというハードで出る事になるが、
システムの互換性や同じ4人という面子で遊べる事などから両方やっているという人も少なからず居た。
- 具体的に例を挙げるとオフラインでもオンラインでも遊ぶ事ができるという点や、
関連項目 
シリーズ/モンスターハンターG - 実質の次回作にして「G級追加」という概念を生み出した作品