シリーズ/モンスターハンター3G HD Ver.

Last-modified: 2024-04-10 (水) 20:53:37

MH3GのHDリマスター作品で、Wii Uと同時発売されたHD画質&オンライン対応バージョンである。
2012年9月13日の「Nintendo Direct Wii U Preview」においてWii Uの詳細と共に発表された。

目次

概要

  • 2012年12月8日(WiiU本体発売日と同日)にまずパッケージ版が発売され、
    少し間を置いて12月27日にはダウンロード版も発売された。
    • ダウンロード版のインストールには6GB近い容量が必要になるので、
      内部ストレージの容量が少ないWiiU BASICSETではインストールできない
      (8GBが用意されているが、半分近くはWiiUのシステムが使用する為)。
      その場合は、市販の外付けのUSBストレージを用意してWiiUに接続し、
      使用可能なデータ記録領域を増やす事で解決出来る。
    • 本作はMH3以来となる据え置き機でのリリースとなった作品…所謂「ナンバリング」の作品であり、
      単純に“MH3の続編がWiiの後継機で出る”と見ることもできる。
  • MHP3 HDverと同じく、フルHD画質への向上と3Gのセーブデータが使用可能となっている。
    しかし、解像度を引き上げた以外はPSP版のそれを移植した程度であったあちらと違い、
    こちらは「モンスターのグラフィックの再調整」や「UIの調整」を始めとした、
    Wii Uのハードに併せた最適化が実施されており、単純な移植作では片付けられない出来となっている。
    • このため、
      発売時点グラフィックはフロンティアを含めたモンハンシリーズの中でトップクラスの美麗さを誇っていた
      (解像度の限界でハッキリ分からなかった「グラン・ミラオスが排出するマグマの形」等もハッキリわかる)。
    • 一方で高画質化を重視したためか、
      設定次第では60fpsのフレームレートを実現可能だった3DSと異なり、
      こちらのフレームレート(fps)は30~40辺りで推移する。
      ゲームパッドでのプレイでは気にならなくても、大型TVだと若干気になる部分はあるかもしれない。
  • Wii Uのハードウェアスペックに併せた最適化はサウンド面にも表れている。
    その代表例がサウンド出力形式で、本作はシリーズ初となる純粋なサラウンド出力に対応している。*1
    サラウンドに対応した音響装置(ヘッドフォン、スピーカー)を用い、
    Wii U本体側の音声出力設定を「サラウンド」にすれば、
    サウンド面に於いてもより臨場感溢れるモンハン世界を体感することができるだろう。
    • また、それ以外の面でも「一部SEの音質や聞こえ方」もWii Uのハードスペックに最適化されている。
      この例として「ガンナーの遠距離攻撃をクリティカル距離を大きく越えて当てた際の
      弾かれSEが3DSでは聞こえづらかったのに対して、
      Wii Uではハッキリと聞こえるようになっている」が挙げられるか。
  • また、MHP3 HD ver.で指摘されていた「UIがHD対応していない」という点にも対応し、
    マップやゲージなどのUIも今作のために作り直している。
    最大3台の3DSとのローカル通信プレイのほか、3G HDver同士でのオンラインプレイに対応している。
    そして、オンラインプレイの利用料金は無料である
    3DS版と同期させる関係上、MHP3 HD ver.と同じく、ゲーム自体には特に変更・追加内容は存在しない。
    • オンラインモードはこれまでのナンバリングのオンラインと大差ないが、
      部屋の定員が10人から4人に変更されており、旧タイトルの求人サーバに近い*2
      (MHFで言えば求人区の大衆酒場)。
      クエ回し部屋以外ではホストが貼ったクエストに参加するのが一般的で、
      地雷が紛れ込んだ場合はホストがメニューからキックアウトすることができる。
      さらにWii Uの方でブロックリストに入れれば、今後同じプレイヤーに悩まされることも無い。
    • また、当作の発売によって3DS版も無料オンラインプレイへの対応が出来るようになった
      Wii Uの所持が前提だが、Wii Uに「パケットリレーツール」というソフトウェアをダウンロードし、
      HD版の部屋を利用してそこに3DSを接続することで、オンラインプレイが可能になるのである。
  • 上記のような環境が整ったためか、据え置き機では初めてオンラインによるアップデート機能も実装されている。
    3DS版との互換性を保つ必要があるので追加コンテンツはなさそうだが、
    UIの調整やバグ修正などが買った後も行われるのは地味に嬉しいことである。
  • 操作は、Wii U最大の特徴である「Wii U GamePad」と、Wii U PROコントローラで行う。
    Wii U GamePadでは、3DS版と同じようにパネルカスタマイズが可能である。
    また、Wii U GamePadに情報を表示して傍らに置き、Wii U PROコントローラで操作するという使い方も可能。
    • ただし、クラシックコントローラーで操作する場合MHP3HDと同じく携帯機操作のみで、
      据え置き型の操作はできない。せめてボタンコンフィグくらいあってもいいのではないか…。
    • 2013年3月26日のアップデートで待望のWii U GamePadオンリープレイが可能となった。
      この場合、当然だがタッチパネルでの画面は表示されなくなるためタッチ操作はできなくなる。
  • 先述のとおり、今作と3DS版でセーブデータを共有することができる。
    セーブデータの共有には、3DS側に無料の専用ソフト「データ移行プログラム」をDLする必要がある。
    その後、今作を起動してゲームモードの選択から「DATA TRANSFER」を選択することで3DS→Wii U
    またはその逆のデータ移行を行うことができる。
    • P3HDverでは、自分のミスでデータを上書きしてしまい深い哀しみを背負った人がいたが、
      今作ではデータ移行プログラムにてデータのバックアップをとることができるので、その心配はない。
  • オンラインプレイでは、あらかじめ打ち込んでおいた定型文でのやり取りの他、
    チャットでコミュニケーションを取ることができる。
    MH3ではAHOKの蔑称がつけられた変換エンジンはある程度改善されているが、
    発売当初は「亜種」のような使う頻度の高い語句が未だに一発変換できなかったり、
    PCのように使用した変換候補を記録し、優先する機能が無いなど、
    使い勝手の悪さを訴えるプレイヤーも少なくなかった。
    また、文字入力手段がWii U GamePadだけである点にも改善を求める声が挙がっていたが、
    これについてはジャンプフェスタ2013で辻本氏が「アップデートでの対応を検討する」との声明を出し、
    2013年2月19日のアップデートでボイスチャット、USB対応キーボードが使用可能になり、
    2013年3月26日のアップデートで辞書機能に学習機能が追加された。
  • 追加されたボイスチャット機能では外部機器のマイク類も使用可能だが
    Wii U GamePad下部にあるマイクに声を当てることでそのままボイチャができる。
    他の機材無しにゲームハードのみでボイチャが使えるシリーズは今作が初であり、*3
    コミュニケーション性が大きく向上した。…のはいいのだが、
    このアップデートを導入するとデフォルト設定がボイチャONで始まってしまう。
    そのためアップデート当日はプレイ中の独り言や生活音をオンラインで発信し続けるハンターが続出した。
    アップデート時に変更内容等の情報をゲーム内で詳細に告知する仕様ではなかったため
    何かおかしいなと思って設定を確認して気が付いたプレイヤーも中にはいたが
    ほとんどの者は自分が今握っているGamePadのマイクがオンになっているなどとは思いもしなかった。罠かよ。
  • 上述したアップデートについては上記のもの以外に、
    2013年2月19日のアップデートではZL/ZRボタンでカメラ視点の切り替えが可能になった。
    また、2014年5月13日のアップデートではオンラインのサーバー数が削減された。
    このように、度重なるアップデートによって大きな機能追加が行われている点は、
    発売後のソフトに対してのサポートがあまりよろしくない、と言われているカプコンとしては
    異例の対応の良さである(最初から全部入れておけよ、と言う声もあるにはあるが)。
    • ただし3DS版との整合性を保つ(3DS版は不具合修正も含めてアップデートが行われていない)ためなのか、
      3DSで発生していたお守りテーブルバグなどのバグは一切改善されていない。
  • HD Ver.となって3Dグラフィックのデータ容量も増した為か、
    3DSの時には全く問題が無かった鍛冶屋での装備品の変更や確認、
    またふらっとハンターなどで自キャラの装備品以外のデータが必要となると
    ディスクアクセスが入り、数秒待たされることになる。
    逆にSDカードへのアクセスがない為か、ベッドでのセーブに関しては格段に速くなっている。
    • ディスクアクセスで遅延が発生する部分に関しては、
      そのボトルネックとなっている光学ディスクへのアクセスが発生しないダウンロード版であれば
      それなりに改善される。
      前述の膨大なゲームデータをダウンロードする手間こそ必要だが、
      いくらかは安価で、かつ光学ディスク故のアクセス速度の低下や、
      ディスクの入れ替えなどの様々なデメリットを気にしなくても良くなるというメリットもある。
      これからHDVer.を買う予定のある人は、ダウンロード版の購入を検討してみてはどうだろうか。
  • 2023年3月28日をもってニンテンドーeショップがサービス終了し、
    ニンテンドー3DSとWii Uのデータ転送アプリ配信終了した
    • 終了以前に一度アプリを入れていた場合は再ダウンロードは可能だったが、
      これから導入しようとする場合は成す術がないため、ハード間のデータ共有は出来ない。
      また、後述するオンラインサービスの終了と共に再ダウンロードも不可能となった。
  • 2023年10月4日、任天堂よりニンテンドー3DSソフトおよびWii Uソフトのオンラインプレイサービスに関する終了が告知され、
    3DSおよびWii Uのオンラインプレイが2024年4月9日に終了することが発表された。
    そして2024年4月9日午前9時、告知どおりオンラインサービスが終了。
    本作を含む3DSおよびWii Uで発売されたモンスターハンターシリーズすべてのオンラインプレイが終了となった。
    • 本作のオンラインプレイサービス期間は実に11年と124日間におよび、
      家庭用向けのモンスターハンターシリーズでは最長記録となった*4

Monster Hunter 3 Ultimate

  • MH3Gの海外版のタイトル。
    欧米においてもWii Uに関するプレゼンで発表されたが、あちらでは3DS版も同時発売。
    ちなみに、パッケージに描かれているのは日本版とは異なり、
    リオレウス亜種リオソウルZシリーズのハンター、そしてチャチャとカヤンバである。
  • なお、MHP3は欧米では未発売であるため、MHP3で初登場したモンスターたちは、
    欧米では本作で初めてお披露目されるということになる。
    ただし、MHP3に登場してMH3Gに登場しなかったティガレックス亜種アマツマガツチは、
    この当時海外ではまだ未登場扱いであり、海外での登場はティガレックス亜種がMH4U
    アマツマガツチはMHGenまで待つことになった。
  • これまでと同じく、イベクエ装備のグラフィックは版権の関係で差し替えられている。
    一例として、アマゾンの商品紹介画像には日本版にはない土偶のようなお面が映り込んでいる。
    配置からスタンドのお面の差し替え版と思われる。
  • 残念ながら日本版のMH3Gとすれちがい通信や通信プレイなどを行うことはできない。
  • カプコン側は「海外でMHが広まったのはMH3Uの頃」と認識しているとのこと。
    MHW:Iにブラキディオスの参戦が確定したgamescom 2019では、
    特に海外の熱心なファンからの反響が大きく、泣いて喜ぶファンすらいたことが語られている。
    • 同イベントの実機プレイでは「ブラキディオスVSリオレウス亜種」の縄張り争いが発生。
      いうなれば「MH3Gの看板モンスター VS MH3Uの看板モンスター」の対決であり、
      やはり海外ファンからの反響が大きかったようだ。

関連項目

シリーズ/モンスターハンター3G


*1 MH2、MH3、MHPシリーズと、そのHD移植作である「MHP3 HDVer」もサラウンド出力には対応しているが、純粋なサラウンドではなく「ドルビープロロジックII」と呼ばれる「サラウンド音声データをステレオデータに変換して出力し、サウンドカードで再変換してサラウンド音声に戻す」方式が用いられており、純粋なサラウンド出力ではない(途中でステレオデータに変換されているため。また、この関係上サラウンドに対応した音響装置であっても、「ドルビープロロジックII」の方式に対応していないとサラウンド音声を楽しむことができない)。
*2 求人サーバは従来同様存在する。
*3 ニンテンドー3DSにはマイクが搭載されており原理的にはボイスチャットが可能だがモンハンでボイチャ対応したものは2017年時点では存在しない。
*4 家庭用の垣根を外すと、オンライン専用タイトルであるMHFが12年と167日間で最長(MHF-GおよびZのサービス期間を含む)。またマルチプレイの可否を問わないならば、MHP2のイベクエ配信が2007年2月から未だに続いており、2024年現在まで丸17年が経過し最長となっている。